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SS「おもらしガールリンク」(3)

 通常イベント「初めて(?)のおむつ着用」  アダルトイベント「勃起が止まらずオナニーしてしまう」  並ぶ二つのイベントに、夢月は目を丸くする。 「い、イベントって……まさかこれも、この制服みたいに変な力で……!?」 「んふふっ、ご名答」  紗月はウキウキで解説する。 「このアプリではね、おもらしイベントのほかにも、いろんなイベントが起きるのよ。おもらしに関係する通常イベントと、ちょっぴりえっちなことが起きるアダルトイベント。お兄ちゃんは男性で始めたから、ちゃんとそっちにも対応してるのね。たぶん女装関係も、アダルトイベントとして組み込まれてると思うわ」 「そんなもの、組み込まなくていいのに……」  言われて再び、いまの自分の格好を思い出す。  ふだん学校で見慣れている、女子校生の制服。とはいえ自分が着せられるのは初めてで、男子用のシャツよりぴったりと肌にまといつく女子用ブラウスも、細身のブレザーも、襟元のリボンも、太腿をくすぐるミニスカートも、落ち着かないことこの上ない。すぐに脱いでしまいたいが、脱ごうとしても無駄なことは先ほど実証済みだ。  おまけに――胸元と股間にまといつく、未知の感触。それに間違いがなければ――服の下には、ブラジャーとショーツもつけているようだった。 「で、このイベントは回避条件のない強制イベントだから、必ず今日中に発生するようになってるってわけ。つ・ま・り、お兄ちゃんは今日、おむつを着用したり、勃起が止まらなくてオナニーしたりしちゃうってことね」 「お、オナ……!」  妹の口から飛び出した卑語に、夢月は赤くなる。  同時に、今まで緊張と不安で竦みあがっていたペニスが、ショーツの中で一回り大きくなって―― 「ああもう、だったら、ずっと部屋にいるよ! 女装してるところなんて見られたくないし、部屋でゲームやったり漫画読んだりしてれば、気もまぎれるだろうし」 「んっふふー、まぁ、好きにするといいわ。でも、このアプリから逃げきれるかな?」 「う……というか、この家におむつなんてないんだから、まさかそんなイベントが起きるわけないし――」  言いかけて、何やらフラグを立ててしまったような不安に襲われ、 「と、とにかく、もう部屋にいるから!」  内容を思い出してまた赤くなりながら、夢月はそう言い残してリビングを出る。せめて妹に見られない場所に移動するだけでも、多少は恥ずかしさもまぎれるだろう――そう思ったのだが。 (や、やっぱり、落ち着かない……!)  一人で自室にいると、余計に自分の服装が気になって仕方がない。そもそも家の中で制服を着ていること自体が少ないのに、まして女子制服――長く伸びた髪、襟元のリボン、短いスカートに、全身がむずむずしてくる。いや、体だけならいいのだが、ミニスカートの内側、ショーツの中にあるものまでむくむくと大きくなりそうで―― 「って、なんで、昂奮してるんだよ……」  気持ちを静めようと、姿見の前に立つ。  女子制服を着せられていると言っても男の体、鏡を見ればおかしいだけだろう――そう思ってのことだったが、想像以上に似合ってしまっていることに驚く。ミディアムボブはいい感じに頬周りのラインを隠してくれているし、体格的にもほとんど違和感はない。せいぜい、胸元がちょっと寂しすぎるのと、立ち方が完全に男子のそれで―― 「えっと、足を広げないようにして、つま先は内側に向ける、と……」  母親の言っていたことを思い出して、ついついやってしまう。そうするといっそう違和感がなくなって、 「んっ……」  思わず、自分の姿に劣情が疼く。  別に鏡を見て、「俺って可愛い……」とうっとりするような、ナルシズムに陥っているわけではない。ただ、見下ろした視界に女子高生の制服を着た体があると、頭が誤作動を起こしてそれが自分の体だと認識できず、まるで女子高生の体が目の前にあるような錯覚に陥るのだ。  肌を締め付ける女子制服や女子用下着の感触は、女子と触れ合っているかのよう。ミニスカートから伸びる真っ白い太腿も、自分の体だと判っていてもムラムラする。一方で、男子である自分が女子制服を着ていることや、そんな自分に昂奮してしまうことに、倒錯した昂奮をおぼえてしまい―― 「うっ……」  プリーツスカートの前が、むくむくと起き上がってくる。  まるで夢月の意志とは無関係に動く寄生生物のようなそれは、触れてもいないのにショーツの中でもぞもぞと蠢動しながら大きく猛り始め、ショーツの下で窮屈なほどになる。これまでの人生で、雑誌のグラビアやこっそり手に入れたアダルトビデオを見ていた時とは比べ物にならないほどの怒張に、夢月はごくりと喉を鳴らした。  震える手で、スカートをめくる。  その下から現れたのは、ピンクのギンガムチェックとフロントリボンが可愛い、女子校生向けのビキニショーツ。しかしその股間には、自分のものとは思えないほどに膨れ上がったものが大きくテントを張っていて、 (勃起が止まらずオナニーしてしまう――)  アプリのイベント表示が、呪いのように夢月の脳裏によみがえった。   (続く)


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