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2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka

■前回

2024.7【Part3】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka

■前回 ■試合内容 今回は前回に引き続きJKリーグのタイトルマッチ回です!! アンナの術中にハマリ徹底的にボディを痛め付けられてしまった凛香。 果たしてここから逆転の可能性はあるのか!? といった内容で、試合の中盤戦をお送りします~。 挿絵は全8枚、SSは約10500文字弱です(pixiv換算で読了まで約21分)。 それで...


■試合内容

今回は前回に引き続きJKリーグのタイトルマッチ回となっており、試合の決着までをお送りします。


挿絵は全7枚、SSは約10900文字です(pixiv換算で読了まで約22分)。


それでは対戦よろしくお願いします~。


■Content of the match

In this issue, we will continue with the High School Girl League title match episode, and we will show you up to the conclusion of the match.


There are a total of 7 illustrations including standing pictures and differences.


Please enjoy the game!

◯まえがき

今回はSSの執筆が難航した事もあり、月末夜のギリギリの更新になってしまい申し訳ありません。

ですが時間をかけた分良いものになって(いると信じて)おりますので、是非お楽しみ下さいませ~。


■preface

We apologize for the last-minute update on the last night of the month due to the difficulties in writing the SS this time.

However, the more time we spent on it, the better it was (we believe), so please enjoy it!


★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。

There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)


★For non-Japanese users★

Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m


---

【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~

Last challenge - Anna vs. Rinka

※JK=Jyoshi Kousei=High school girl



「あぁっとチャンピオン、遂にダウンする事を許されました!!!

 ラウンド終了まであと僅か数秒……挑戦者、完璧な調整です!!」



「ん゙あ゙っ…………こひゅっ……………………」


アンナの方から凛香の表情を伺う事は出来ないものの、小刻みな痙攣を繰り返している対戦相手の姿からは意識が失われている事が容易に想像できる。




アッパーの衝撃でコスチュームがズレてしまい少女の大切な部分が露わになっているものの、当の本人はそれに気付く事はなく、桃色の先端はぷるぷると柔らかく揺れていく。



「2………………3……………………4………………………………」


そしてダウンカウントが進む中、力を失った少女の秘部から金色水がちょろちょろと流れ出ていき、リングに特有の匂いが立ち込めていった。





「あ~っと、チャンピオンまたしても失禁してしまっております!!

 意識もない様ですし…………これは流石に万事休すか!!?」



「ぁ…………んぁっ……………………」


可憐な少女のドミネーション劇に会場が大いに沸き立つ中、王者の肩書とは余りにもかけ離れた無様な姿を晒してしまっている少女。


カウントが進んでも一向に意識が戻る気配はなく、甘い吐息を呟きながら時折ピクッと大きく身体を跳ねさせるのみであった。




「ぜぇっ……はぁっ…………」

(手応えはあったけど……どうだろ。 これで決まってくれると良いんだけど…………)


攻め続けて荒くなってしまった呼吸を整えながら、挑戦者はロープに腕を預け静かに佇んでいる。


目の前の対戦相手は乳を晒しながらの失神失禁ダウンというあられもない姿を晒しており、常識的に考えればもう立ち上がる事など出来ないはず。


だが、そんな絶望的な状況でもなお凛香は立ち上がって来るであろう事をアンナは半ば確信していた。




そして数秒後、その予感が正しかった事が証明されていく。


「な、なんと…………チャンピオン、またしても立ち上がりました!!

 なんという粘り強さ……まさに"堕ちない少女(アンブロークン)”の面目躍如といった所でしょうか!!?」



(………………まぁ、貴女ならそう来るわよね)


このラウンドで仕留めるつもりで全力で攻勢をかけてはいたのだが、アンナは気落ちする事なく冷静さを保っている。



「ぁ…………んぅっ……………………」


だらしなく開かれた口から涎を垂れ流しながら瞳に虚ろな色を浮かべており、誰がどうみても意識が戻っている様には見えない王者の姿。


ボクサーとしての本能か、無意識状態で辛うじて立ち上がる事は出来たものの、とても闘える状態にあるとは思えない。




―――だが試合が再開される直前、彼女にとって救いの鐘が鳴り響いていく。


カーン!!!

「ここでゴング!! チャンピオン、ゴングに救われました!!

 ですがどうみてもグロッキーです……次のラウンドで王座陥落待ったなしか!!?」






「さっきは流石にダメかと思ったけど、よく立ったわよ凛香!!」

「凄いよおねぇ!! 今はゆっくり休んでね!」


インターバル中の赤コーナーではセコンド陣による懸命な介抱が続けられており、その甲斐もあって凛香は意識を取り戻している。


だが周囲の声が聞こえていないのか、二人に対して言葉を返す事はなく、少女は俯いたままぶつぶつと独り言を繰り返し続けていた。


「負けられない……由乃に約束したんだ……私は……絶対に…………」



その姿を見たあきらは思わず介抱の手を止めてしまい、親友の姿に見入ってしまう。


(りっちゃん、滅茶苦茶集中してる……これなら、まだ勝ち目があるかも)


試合を通して対戦相手の術中に嵌ってしまった結果、既に体力も気力も尽き果てており、どう控えめに考えても敗色濃厚。


だがそれでも尚、”彼女ならもしかして”と思える程の凄みを少女は醸し出していた。






「ふぅ…………」

(私もかなり打たれちゃったけど…………まだ身体は大丈夫そうね)


軽く一息つきながら、青コーナーで挑戦者は自らの状態を確認していく。

王者の猛攻に長時間晒されてしまったものの、鍛え上げた肉体は未だある程度の余力を残しており、精神的にも何ら問題はない。


(何とか凛香ちゃんの体力を削り切る所までは持っていけたけど…………)


対戦相手を追い詰めた事もあって、ここまではほぼ想定内の試合展開。

だが、これから先は自分の計画通りにはいかないかもしれないとアンナは考えていた。



(これは……ちょっと不味いかもしれないわね)


その根拠は、赤コーナーにいる王者の異様な雰囲気。

距離が離れていても重くのしかかってくる対戦相手からの重圧を前に、アンナは警戒度合いを最大限まで引き上げていった。






カーン!!!

「さぁ始まりました第7ラウンド!!! チャンピオン、先程はKO寸前まで追い詰められてしまいましたが、このままベルトを奪われてしまうのでしょうか!?」



(私の予想が正しければ凛香ちゃんは…………まずは様子を見ないと)


王者の雰囲気の変容に対して警戒を露わにしているアンナは、向こうの出方を伺うべくひとまず距離を取ろうとしていく。



――――――だが、凛香はこの試合随一の速度で踏み込むやいなや巧みにアンナの懐へと入り込んでいき、鋭い風切音を奏でながら蒼の拳を振り抜いていく。


(やば……これっ、疾すぎっ…………)



一気に数段引き上げられた対戦相手の動きに動揺しながらも、アンナは防御の姿勢を固めていく。


だが王者の拳はブロックの薄い所を的確に突いていき、急ごしらえで形作られた防壁は強引にこじ開けられてしまっていた。



「ぶふぅっっっ!!!」


「チャンピオンの右がクリーンヒットぉ!!!

 先程までグロッキーだったとは思えない軽快な動きを見せております!!」



「ぁ……がっ…………」

(疾いだけじゃなく…………重いっっ!!)


ガードで多少威力を落としていたにも関わらず、勢いよく頬を弾き飛ばされてしまったアンナ。


王者による追撃が放たれている事を視界に捉えてはいたものの、先のフックで体勢を崩されてしまったせいでガードが間に合わない。



「おぶぅぅぅっっ!!!」


今度は腰の入ったボデイアッパーで身体をくの字にさせられてしまった挑戦者。

唾液に濡れたマウスピースが唇の間から顔を覗かせ、紅く染められた頬は大きく膨らんでしまっている。


ボディの痛みで下に落ちてしまった顎は、まるでここを狙って下さいと言わんばかりであり―――――



―――――当たり前の様に繰り出された王者の一撃によって、勢いよく貫かれていった。


「がひゅっっっ…………」


アンナは身体ごと大きく飛ばされ、そのままロープまで後退していってしまう。

辛うじて腕を絡める事でダウンは拒否していくものの、ダメージが大きくすぐに動き出す事は出来そうになかった。



「チャンピオンのコンビネーションが冴え渡る~~~!!

 凛香選手、一体どこにこんな力が残されていたのでしょうか!!?」


体力も気力も底をつき、到底闘える状態にないと思われていた凛香。

だが少女の脳内では現在進行系で大量のアドレナリンが分泌されており、肉体の疲労を無視して強引に身体が動かされている。


また全身ズタボロになるまで痛め付けられてしまった肉体に反して集中力は限界まで高められており、その動きは以前”女王”レイからダウンを奪った時と同等のキレを見せていた。



(負けない……私は……絶対に…………)


ロープに支えられたまま動けないでいる挑戦者の元へと歩を進めていく凛香。

一歩ずつゆっくりと足を踏み出していくその姿には、間違いなく王者としての風格が漂っていた。




「っつぅ……く、ぁ…………」

(早速良いの貰っちゃった…………でも、大丈夫)


開幕早々に浴びてしまった連打の痛みに打ち震えながらも、アンナは今の状況を冷静に分析していく。


(今までのトップギアよりまだ上があったのも予想通り…………

 そして恐らく……これが凛香ちゃんの正真正銘の全力)


目の前の少女は本気で闘ってるレイとの殴り合いを制してダウンを奪った時の強さを発揮しており、これ以上はないと迷いなく断言できる。



必死に研究して対策をこらし、序盤あれだけ痛め付け徹底的にスタミナを奪ったにも関わらず、それでもなおこの終盤で最大級の実力を発揮する勝負強さ。


まさしくJKリーグの王者の名に相応しい力を持つ少女だが、アンナの瞳には未だに闘志の炎が映し出されていた。


(あれだけダメージを負った状態からこんなに飛ばして保つ訳がない……ここを耐えきりさえすれば…………私がチャンピオンよ!!)


挑戦者は必死に自分を鼓舞するも、脳を揺らされてしまった肉体は一時的に動きを停止してしまっており、悠然と迫りくる王者に対して余りにも無力だった。






「んぐっ、ぶへっ、んがっ、おえぇぇぇぇっっ!!」


「チャレンジャー、手も足も出ずに滅多打ち~~~~!!

 チャンピオンの猛攻を前に為す術なく蹂躙されてしまっております!!!」


失ってしまったベルトを再び手にする為に、手痛い敗北を喫した相手にリベンジする為に、必死に鍛え上げた肉体が王者の拳でぐにゃりとその形を歪められていく。



「はぶぅっっっ……ごひゅぅっっ…………んべぇっっっ!!!」


軽い脳震盪から立ち直りはしたものの、激しいラッシュの圧力を前に反撃の手が出せないでいる挑戦者。


人形みたいに整った涼やかな顔立ちのその少女は、王者の拳で打ち据えられる度、その見た目に似使わない情けない悲鳴をあげさせられてしまっていた。



(この状態の凛香ちゃんがここまで強いだなんて……これはちょっと予想外)


激しい連打でまたしても脳を揺らされてしまったからか、視界が歪み平衡感覚も危うくなってきているアンナ。



「あびゅっっ…………がふぅっっっ…………おぶぅっっっっ!!!」

(でもっ……ここで負ける…………訳には……………………)


絶望的な状況ではあるものの、王座を掴みとるべく必死に自分を奮い立たせていくのだが―――――



「ぶひゅぅぅぅぅっっっ…………」


そんな決死の覚悟を嘲笑うかの様に、王者の右フックが少女の肉体を軽々と吹き飛ばしていった。





「チャレンジャー、遂にダウン~~~~!!! ”私が王者だ”、と言わんばかりの激しいラッシュで身体がリングの外に弾き飛ばされてしまいました!!!」


まるで前回のタイトルマッチの再現かの様な強烈なダウン。

直前まで繰り広げられていた凛香の迫力も相まって、これで試合が決まってしまったのではないかと一部の観客達は考えていた。



「ぜぇっ…………はぁっ……………………」

(この女、強すぎる…………)


だが、そんな観客達の予想に反して挑戦者の身体はまだ十分闘える状態にあり、意識もしっかりと保たれている。


また相手のスタミナ切れを狙う作戦を採用している為、現状圧倒的な劣勢に立たされていようと関係なく、どんなに格好悪くても最後に勝てば問題ないと考えていた。



(でも……そんなに長くは保たないだろうし、もう少し耐えれば…………)


と、そこまで考えた所で一度思考が途切れ、少女の胸にとある感情が湧き上がっていった。




(いや、違う……)



(私が目指したチャンピオンの姿はそうじゃないでしょ…………)




少女が以前思い描いていたのは、”相手を真正面から力ずくでねじ伏せる”という理想のチャンピオン像。


強く格好良く真っ直ぐに、鍛え上げた肉体を武器にして相手を圧倒するという、これ以上ない位分かり易い王者としての在り方。



(ここを耐えれば……なんて、甘えた事を言って良い訳がない)


挫折やその後の成長を経て、最近は持久戦を狙う戦術が多くなっていたものの、彼女の理想は未だ変わらず”そこ”にある。



(相手が強いのなんて最初から分かってるし、そんなの知ったことか)


倒すべき相手は本気の女王からダウンを奪った女であり、試合前は真っ当にやり合っても勝てないと考えていた程の強者。



(私が目指すチャンピオンは……どんな相手でも真っ向から殴り勝つ、そんなボクサーなんだから!!!)


瞬間、脳内を大量のアドレナリンが勢いよく駆け巡っていく。

視界はクリアになり体は軽く、痛みも疲れも何もかもが吹き飛んでおり、まるでこれから試合が始まるかの様な心地よい興奮と高揚感に少女は包まれていた。



「…………なら、寝てる場合じゃないわよね」


ダメージを微塵も感じさせない動きでリングロープを潜り立ち上がっていく少女。

その瞳にはこれまで以上の強い覚悟が宿っており、藤色の輝きに会場中の観客達が引き込まれていった。






「ボックス!!!」


「何とか立ち上がったチャレンジャー!!

 ですが、トップギアに入った王者を前に果たしてどこまで闘えるのか!!?」



(アンナさん、さっきまでとは雰囲気がまるで違う…………)


明らかに様子が変化した対戦相手の姿に訝しむ凛香。


(でも関係ない……私は、絶対に負けないんだからっ!!!)


だがそれで自身の行動を変える事はなく、王者は一目散に挑戦者の元へ踏み込んでいき渾身の右を繰り出していく。


「やぁぁぁっっ!!!」



大量に分泌されたアドレナリンで反射神経は向上しているものの、それでもなお速さでは凛香に軍配が上がっており、蒼い拳がアンナの頬に突き刺さっていく。



だが――――――



「全然…………効かないわね」


王者の全力を顔面に受けながら尚少女は微動だにせず、右拳を硬く握りしめて反撃の一打を繰り出していった。


アンナ自身も確かに感じる、今までよりも数段階鋭さを増したその拳は―――――



―――――寸分違わず、王者の鼻っ面に叩き込まれていった。


「ぶぎゅぅぅぅぅっっっっ!!!!」




「反撃の狼煙と言わんばかりの強烈な一撃~~~~!!

 チャンピオン、たまらず顔面を弾き飛ばされてしまいました!!!」


「んごっ…………がぁっ………………」

(なにこの威力……今までと全然違う)


多量の汗や唾液が盛大に撒き散らされていき、くぐもった奇声を上げながら思わずたたらを踏んでしまう凛香。


(…………でも、これくらいで負けるもんか!!)


だがアンナからの追撃が飛んで来ない事を確認した次の瞬間、力強く足を踏みしめ反撃の拳を放っていった。


「そこぉっっ!!!」



狙いは痣だらけに染まりつつある挑戦者の腹筋。

見た目通りにダメージを負っているであろうそれは、既に防壁の役目など果たせないと凛香は考えていたのだが―――――



―――――蒼の拳は腹筋の表層を撫でるだけに留まり、それ以上はどんなに力を込めても奥へ進むことが出来ない。


「いつぅっっ…………」

(嘘っ……アンナさんの腹筋、更に硬く…………)


鋼鉄の様な頑強さで固められた筋肉は、これまで幾多の少女達をリングに沈めてきた王者の拳を完全に防ぎ切っていた。



「言ったでしょ…………全然、効いてないって」


凛香の耳に届いたのは冷たい声。

そして試合前と変わらない調子で発せられたその言葉とほぼ同時、漆黒の拳が鋭い音を立てながら放たれていく。


(回避は間に合わないっ…………なら、お腹に力を込めないと!!)


ベルトを守る為に鍛えた筋肉を十全に使い、迫りくる脅威への対処を行う凛香。

だがそんな少女を嘲笑うかの様な軽々しさで、黒の弾丸は王者の腹筋を軽々と貫いていき、リング上には乙女の情けない悲鳴が木霊してしまっていた。


「おぶぅぅぅぅぅぅっっっっ………………」



「お次は挑戦者のボディが炸裂~~~~~!!!

 チャンピオン効かされてしまったか、目を見開いて悶絶してしまっております!!」



「んお゙っ…………が、ぁっっ………………」

(これっ……やばっ…………お腹っ……滅茶苦茶、効かされっ…………)



口からダラダラと唾液を溢れ落としながら、身体をくの字に折り曲げ痛みで身動きが取れないでいるJKリーグ現王者。


対戦相手を視界に捉えてすらいない余りにも隙だらけな格好ではあるものの、いつまで経っても追撃が放たれる様子はなく、アンナはただ黙って凛香を見つめていた。



「ぉ゙っ……んぁ゙っ…………」

(あれ、何も来ない…………?)


数秒ほど経過して多少痛みが落ち着いたのか、冷静な思考を取り戻した凛香。

そして、そんな王者の姿を見たアンナが口を開いていく。



「良い顔ね凛香ちゃん…………さぁ、早く続きをやりましょう。

 どちらが上なのか……今度こそ分からせてあげるから」


その瞳には燃え盛る様な闘志と共に絶対的な自信が映し出されており、王者を見つめる視線には一片の揺らぎすら無い。



「ちゃ、チャンピオンに対して舐めた真似をしてくれた事……後悔させてあげる!!」


そんな挑戦者の様子に一瞬だけ気圧されてしまったものの、王者はすぐに落ち着きを取り戻し拳を硬く握りしめていく。



そしてリング中央、王座と乙女のプライドを賭けた、二人の少女による真っ向からの殴り合いが幕を開けていった。






「やぁっっ!!!…………嘘っ、ぶぴゅぅぅぅっっっ!!!」


互いの誇りを賭けたノーガードでの打ち合いは激しさを増しているものの、明暗は既にはっきりと分かれてしまっている。


凛香の攻撃を貰ってもアンナはビクともしないのに対して、挑戦者の攻撃を貰う度に王者は身体が揺れ、毎回情けない声を漏らしてしまう。


更に一撃貰う事にたたらを踏み動きが止まってしまう王者だが、挑戦者がその隙をついて追撃する事はない。



「がっ、ぁっ……まだまだっ!! ………………お゙え゙え゙え゙っっっ!!!」


まるで”格”が違う事を魅せつけるかの様に、どちらがベルトに相応しいのかを分からせるかの様に、一発ずつ丁寧に拳の交換を行っていき――――――その尽くで挑戦者に軍配が上がっていった。


「チャンピオン、完全に殴り負けしてしまっております!!

 これはもはや勝負あったかぁ!!?」




そんな女の意地と意地とがぶつかり合う激闘を眺めながら、女子リーグの女王であるレイは胸の高鳴りを抑えられないでいる。


(また一皮剥けたわね……歓迎するわよ、アンナちゃん)


目線の先には、予想以上に強くなってくれた少女の姿。

いずれアンナの持つベルトにも挑戦してくれるのだろうかと、来たるべき試合の事を想いながらレイは心底嬉しそうな表情で破顔していった。


「ふふっ…………本当に楽しみね」





「ぜぇっ……はぁっ…………」

(私の動きが落ちてる訳じゃないのに、なんで…………)


自身の調子は依然として絶好調であるにも関わらず、目の前の女には全くと言っていい程通用しない。


心の中に絶望感が育ちつつあるのを感じながらも、未だ試合を諦めていない少女は右拳に全力で力を込めていき、腕を大きく捻っていく。



(もう……これしかない!!)


それは今まで幾度となく強敵をなぎ倒してきた技の予備動作。

この一撃で全てを出し切るつもりで精一杯力を込めていき、溜めた力を一気に解き放っていく。



「これで…………沈めぇっっっ!!!」


逆転への望みをかけて、決死の想いで放たれた王者の得意技。

螺旋の軌道を描きながら放たれたコークスクリューは、挑戦者の顔面を正確に貫いていったのだが―――――



「ふふっ……まだこんな力が残ってたなんて、流石凛香ちゃんね」


―――――それでも尚アンナの顔面を弾き飛ばす事は叶わず、お返しとばかりに放たれた右ストレートを貰い、凛香の身体は宙へと浮かんでいってしまう。



「ぶぴゅぅぅぅっっっっ!!!!!」




(そんな……これでもダメなの…………)


殴り飛ばされて力なくキャンバスへと崩れ落ちていく肉体。

そして身体が崩れ落ちていくのと同様に、少女の心の中でも大切な”何か”が音を立てて崩れ落ちていった。





「あぁっと、チャンピオンダウン!! 真っ向からの殴り合いにも関わらず、圧倒的な格の差を見せつけられてしまいました!!!」



「ぅ………………んぁ…………………………」


両腕でバンザイしながらガニ股でピクピクと痙攣してしまうという、余りにも情けない姿を晒してしまっているJKリーグ現王者。


そしてそんな無様な姿とは対照的に、挑戦者は上へ向けて大きく右腕を突き上げると、観客達からは割れんばかりの喝采が浴びせられていった。




会場中がアンナへの歓声で埋め尽くされている中、凛香の元に一人の少女の声が届けられていく。


「負けないでおねぇ!! アタシ、信じてるからね!!!」


それは、こんな状況になっても未だに自分の勝利を信じてくれている健気な妹の声。



「ぁ…………うぅっ………………」

(由乃……そうだ……立たない、と…………)


既に肉体は限界を迎えてしまっているのだが、愛しい妹への想いだけを頼りに何とか身体を動かしていき、カウント9で立ち上がる事に成功していく。



「おぉっとチャンピオン、またしても立ち上がりました!! 恐るべき精神力、"堕ちない少女(アンブロークン)”の二つ名は伊達ではないという事なのか!!?」


だがその瞳には以前の様な闘志の光は既に灯されておらず、構える腕も力が込められていないのか弱々しく震えてしまっていた。






「ボックス!!!」



「ぜぇっ……はぁっ…………はぁっ………………」


これまで無理やり身体を動かしていた原動力であるアドレナリンが切れてしまい、もはや立っているだけで精一杯といった様子の凛香。


だが、本当に深刻なのは肉体の方ではなかった。



(アンナさん、本当に強い……どうあがいても私に勝ち目なんて…………)


妹との約束を糧に辛うじて気力だけで立ち上がりはしたものの、目の前にいる女が自分よりも”格上”である事を身体の奥深くまで刻みつけられてしまった少女。



(あっ……だめっ……あたまっ……ぼーっとしてきた………………)


”何をしても勝てない”と悟ってしまった脳は思考を拒否し、目の前に挑戦者が迫ってきているのにも関わらず動きが固まってしまっている。



「あっ……あっ…………」


眼前に迫りくるのは恐るべき威力を備えた漆黒の拳。

だが王者はその脅威に対して間抜けな声を出すだけで、なんの対応も取る事が出来ず――――――



「ぶひゅぅぅぅっっっ………………」

大量の唾液と汗を撒き散らしながら、大きく頬肉を歪ませられてしまっていた。




(何回でも、何十回でも…………いくらでも殴り倒してやる!!)


絶望的な状況の王者に対して、挑戦者の方は心身ともに絶好調。


これまでの作戦が功を奏したお陰か、まだ体力的にもある程度余力を残していたアンナは気力も充実しており、加えて脳内を駆け巡る多量のアドレナリンが彼女の実力を通常より数段階上へと引き上げている。



そして、そんな両極端な二人が相対した当然の結果として――――――リング上では、もはや試合とは呼べない様な凄惨な蹂躙劇が繰り広げられていった。






「ぶへぇっ、ごふぅっ、ぐびゅっっ……おべぇっっっ…………」


「挑戦者のラッシュが止まらない~~~~!!! チャンピオンは既に限界なのか、腕すら上がっておらず滅多打ちにされてしまっております!!」



身体が限界を迎えてしまっている事も一因だが、それ以上に思考が停止してしまっている事が原因でガードすら満足に出来ないでいる凛香。


もはや"堕ちない少女(アンブロークン)”と呼ばれたJKリーグ王者の姿は面影すら残っておらず、ただつっ立っているだけのサンドバッグと化してしまっていた。



「おねぇ…………」

「凛香…………」


目の前のドミネーション劇を前に声も出ないセコンド陣。

凛香に勝ち目が残されていない事は既に明らかであり、タオルを投げる事も許されていない彼女達は、愛しい者が壊される様を眺め続ける事しか出来なかった。



「ぶぅっ…………んべぇっ………………」

(どうしよう……もう…………なにも……考えられない…………)


もはや声すら出せなくなってしまっているのか、身体を大きく揺らしながら虚ろな瞳で虚空を見つめ続ける少女。



「ぶひゅぅっ………………」


挑戦者の放った強烈な右フックで顔面を弾かれると同時、汗で艶やかに彩られた長い黒髪と雌としての魅力を司るたわわな胸が大きく振り乱れていく。



「お゙え゙え゙っっ………………」


続けざまに放たれたボディストレートを貰って嘔吐感がこみ上げるものの、既に腹を殴られ過ぎていたためか胃液すら吐き出す事が出来ず、情けない嗚咽を漏らすのみである。



(あっ……だめっ……これ、もう…………むり………………)


そして強力なボディを貰った結果、つま先立ちになってしまった凛香。

視線の先には鋭いアッパーが迫って来るのが見えるものの、既に指一本動かす事が出来ない彼女にはそれを防ぐ事は叶わず――――――



(ごめん由乃……おねぇちゃん、約束……守れなかっ)


「あびゅっっっっっっ!!!!!」


挑戦者の放ったアッパーカットで、呆気なく意識を断ち切られてしまっていた。



「アンナ選手の強烈なアッパーが炸裂~~~!!

 チャンピオン、これにはたまらずダウンか~~!!?」


実況の発言通りに崩れ落ちていく少女の身体。

このまま数秒後、キャンバスに肉体が叩きつけられる音が響くものかと誰もが思ったのだが――――――



――――――”鉄の女”は再び腰の入ったアッパーカットを繰り出していき、王者の無防備な顎先を弾き飛ばしていった。



「んびゅっっっ……………………」




「こ、これは……フィニッシュブローと呼ぶに相応しい豪快な一撃が炸裂!!

 あぁっとチャンピオンダウンです、リングの外へ殴り飛ばされてしまいました!!!」





「ぁ………………ぅ…………………………」


ロープを飛び越えて場外まで身体を殴り飛ばされてしまったJKリーグ現王者。

またしても緩んだ股ぐらから失禁してしまっており、脱力しきった肉体はリングから半分落ちかけてしまっている。


「チャンピオン、完全に失神してしまっております!!

 いかに凛香選手とは言えど、流石にこれは決まってしまったか!!?」





「ぉっ……………………んぁっ……………………………………」


会場の大型スクリーンには王者の負け顔がドアップで映し出されており、固く勃起した乳首と口から泡を吹いて失神してしまっている様がライブ配信を含めて大勢の観客達に晒されてしまっていた。




「8………………9…………………………10!!!

 ウィナー、アンナ!!!」


そして当然の様に10カウントが数えられていき、タイトルマッチの決着を告げるゴングの鐘がリングに響いていく。


カンカンカーン!!


「試合終了~~~!! 激闘を制した新チャンピオンの名前は”鉄の女”アンナ!!

 雪辱を果たし、見事JKリーグの王座へと返り咲きました!!!」






「そっか……私がチャンピオン、か…………」


数分後、腰に巻かれたチャンピオンベルトにそっとグローブを添えていくアンナ。

その表情にはいつもの冷たい感じは一切なく、どこか優しげな笑みを浮かべている。


(少しは強く…………なれたよね)


手痛い敗北を何度喫しても諦めずに立ち上がり、遂に頂点まで辿り着いた少女。

藤色の瞳に涙を浮かべている彼女の心の中は、一度目にベルトを巻いた時よりも遥かに大きな感情で満たされていた。






【最後の挑戦~アンナVS凛香~】_______Fin.





◯あとがき

コメント等で「凛香さんの反撃なしの一方的なドミネーション」をご期待されていた紳士の方が多く見受けられたのですが、今回はご期待に添えず申し訳ありません。


ネタバレになるので多くは言えないのですが、今後そういった試合展開も増えてくるかもしれません。

(元々中長期的なプロットでは考えておりました)


そんな彼女の活躍(?)も、是非お楽しみに~。


■postscript

Many gentlemen were expecting a “one-sided domination without counterattack by Rinka-san” in the comments, etc. We apologize for not meeting your expectations this time.


I can't say much because it would be a spoiler, but we may see more of such matches in the future.

(We had originally thought of this in the mid- to long-term plot.)


Please look forward to her activities.



2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka 2024.7【Part4】最後の挑戦~アンナVS凛香~Last challenge - Anna vs. Rinka

Comments

Thank you! Glad you enjoyed it! I hope you'll look forward to a rematch between these two again sometime, though not right away!

ナッツが主食

Loved this match because it was so back and forth and not one sided. I did want rinka to win but I'm hoping she will one day get her rematch later on!

samsneed

とても嬉しいお言葉をありがとうございます!! 今月末には凛香の次の試合が予定されておりますので、是非お楽しみに!! 乳首は描いても大丈夫そうなので、今後もやっていくと思います~。

ナッツが主食

とてもとても完璧な結末。凛香の次の試合が楽しみなのが特に圧巻でした。また乳首が描かれるのもいいですね。

wsd

嬉しいお言葉をありがとうございます!! 楽しんで頂けてなによりです😊 近々凛香さん編が始まりますので、是非ご期待下さいませ~。

ナッツが主食

凛香さんの反撃なしの一方的なドミネーションもすごく楽しみなシチュですねw

きのこ

今までで最高のエピソードだと思うのですが...!特に最後に実力差を実感させるように追撃を止めるアンナのボクシングがとても印象的でした!

きのこ

リクエストありがとうございます! ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、凛香さんならいつかきっと立ち直ってくれる筈なので、気長に見守ってあげて下さいませ~😊

ナッツが主食

凛香ちゃんが立ち上がってもとい立ち直って、再びチャンピオンを目指す物語が見たいです。妹ちゃんとの約束を果たすためにも。

ryou1414

I am so glad you said that! I will do my best to live up to your expectations, so please look forward to more!

ナッツが主食

That's a really interesting situation. This is a development I'm very much looking forward to :)

Marcacis

It was so good that I can hardly wait for the next game, thank you.

JayLoCco

閲覧頂きありがとうございます! 凛香さん、今回は惜しくも敗れてしまいましたが、またいつか熱く勝利する闘いも披露してくれると思いますので、是非ご期待下さいませ~。

ナッツが主食

投稿お疲れ様です。 結果は残念ながらも 火の消えぬ戦いぶりを また観たいです…! (できれば凛香の勝ちも…!汗)

きさらぎ

楽しみにして頂けて何よりです!! 凛香さん◯◯編は色々やりたい試合が既に溜まっておりますので、是非ご期待下さいませ~。

ナッツが主食

期待しすぎたシナリオで、途中から興奮を隠しきれなくなりました。 どのようなストーリーになるのかわかりませんが、主人公の姉妹の活躍を期待したいと思います。

fUkcovid

楽しんで頂きありがとうございます! 皆さんに納得して頂けるアンナさんの成長を描けた様で安心しました。 また女子リーグから唯一勝ち星をあげていたアンナが卒業してしまうので、益々両リーグの格差が…… 凛香さんへの最高の褒め言葉もありがとうございます^^

ナッツが主食

アンナさん、対抗戦でも活躍したのでやはり持っている能力は凄いんですね。最後は完全に凛香より上の次元に到達しましたね。もしかしたら女王レイにいつか勝てる存在かも… JKリーグと女子リーグの力の差を改めて感じた一戦でした。 凛香さんには悪いですがやられ姿がすごく良いですね。

knu

ありがとうございます! ネタバレになるので大きな声では言えないのですが、もう少ししたら凛香さん◯◯編がスタートする予定なので、是非お楽しみに^^

ナッツが主食

凛香フェイズの第2幕(もしかして由乃フェイズの第2幕? すごくいいですね!

Mo Mo

I'm glad you said that! Thanks for having fun with it.

ナッツが主食

The best episode ever

Beliar

リクエストありがとうございます!! 今の所予定にはないのですが、ちょっと検討してみます~。

ナッツが主食

アンナを応援して頂きありがとうございます(^^) これからは場所を移して女子リーグで活躍していきますので、是非今後とも応援してあげて下さいませ~。

ナッツが主食

Also, thank you for liking the moment! It is an important part of our future, so we are glad you like it.

ナッツが主食

お互いの腹パンチ要素多めの由乃と凛花の戦いをもう一度みたいです。今後やる予定ありますか?

どら焼き

アンナちゃんチャンピオンに返り咲いたことをとても嬉しく思います!≧∀≦

細氷

Other than that, your prediction was perfect, so you can rest assured and be confident^^

ナッツが主食

Please visit ...... to see if Rinka will enter a spiral of depression or if she will wipe this defeat clean!

ナッツが主食

Imagine Rinka falls into a spiral of depression lol, that would be crazy

SHADOW

Nooo, damn if I guessed that right I was definitely getting an ego boost lol

SHADOW

Thanks for always having fun too! I'm looking forward to doing a match between Rinka and some of the characters from the game in the near future, so look forward to it.

ナッツが主食

Congratulations on your prediction! I enjoyed reading your forecast comments as well. However, it is very likely that Anna will not produce a game work, so your guess might be off.

ナッツが主食

Thanks! She sweats a lot during the game, so it's no wonder, right? Well, the majority of the water makes her incontinent ^^.

ナッツが主食

Thank you very much! Stay tuned for Anna's even stronger performance after her fight with Rinka! Rinka's direction may be different from Anna's as you said at ......, but please enjoy this one too!

ナッツが主食

Awesome episode! Always thank you. After this match, I want to see Rinka vs formal rivals in jk league revenge match. Ex) Rinka vs Rui revenge, Rinka vs Nino revenge. Successfully revenge is awesome. And I love this moment 殴り飛ばされて力なくキャンバスへと崩れ落ちていく肉体。 そして身体が崩れ落ちていくのと同様に、少女の心の中でも大切な”何か”が音を立てて崩れ落ちていった。

Garland01

My prediction was spot on let's go. So was I also correct in assuming that the next game you work on will be Anna underground boxing or something like that?

SHADOW

Lol wtf😂

SHADOW

Really hot ! Rinka-san sure drinks a lot of water before her fights ! 😅

DaxloD

Anna feels like she's definitely past the JK level now. We look forward to seeing how she performs in the women's league, where there are so many strong players :) And Rinka... I can't wait to see what she does in the next game, even if it's a little bit in the wrong direction XD

Marcacis


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