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2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei

■前回

hate.fanbox.cc
https://hate.fanbox.cc/posts/7458941


■試合内容

JKリーグの王者である凛香と女子リーグの王者であるレイの試合の決着編です!!


挿絵のCGは新規・差分諸々含めて全8枚、SSは約11000文字弱となります。

(pixiv換算で読了まで約22分です)


リーグ対抗戦編は今回で終了になるのですが、3月以降の更新に関してはまた別途全体記事で内容を紹介しますので是非お待ちくださいませ~。



This is the final part of the match between Rinka, the champion of the High school girl League, and Rei, the champion of the Women's League!


There are a total of 8 illustrations including standing pictures and differences etc.


This is the end of the league competition section, but we will introduce the contents of updates after March in a separate general public article, so please be sure to wait~!


★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。

There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)


★For non-Japanese users★

Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m


---

2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~

Final match of the league competition - Rinka vs. Rei

※JK=Jyoshi Kousei=High school girl



「あ~っと、早くも凛香選手の手が止まってしまいました!!

 必死の形相で挑んだものの、完膚無きまでに打ち負けてしまったぁ!!!」



「うぅっ……ぁぅ…………」

(ここで勝たなきゃ……駄目なのにっ…………でも、まだっ……)


アッパーカットで体ごと吹き飛ばされ、気づけばコーナーを背にしてしまっていた凛香。


既に力の入らなくなってしまった身体に無理やり力を込め、再び殴り合いの舞台へと足を踏み入れようとしたのだが―――――



「ぐびゅっっっっっ!!!!!」




「あ~っと、これはとんでもない一撃が炸裂!!

 凛香選手、コーナーポストへの串刺し刑に処されてしまいました!!!」



「お゙っ…………あ゙ぁ゙っ……………………」


当然の如く意識は消し飛ばされてしまい、一瞬だけピンっと張り詰めた身体を脱力させ、相手の拳とコーナーで支えられているだけになってしまったJKリーグの現王者。


勢いよく吹き飛んだマウスピースが綺麗な放物線を描いて落下していく中、コスチュームの股間からは再びじんわりと、温かい液体による染みが広がりをみせていった。




「おねぇ!!!」

「りっちゃん!!!」


自らのチャンプが決定的な一打を貰ってしまった光景を見て、JKリーグの面々からは悲痛な叫び声が発せられていく。



(…………残り10秒、か)


レイは横目でラウンド終了までの時間を確認すると、凛香に突き刺したままの右拳をグリグリと捻り込んでいった。



「あっ…………お゙っ………………」


意識の失われた肉体にも痛みに対する反射は残されており、拳の動きに連動して少女の身体は小刻みに震え、口からは短い濁音が吐き出されていく。


女王の拳で弄ばれるだけのその少女には再び立ち上がる力など残されておらず、ここでダウンを奪われれば試合が終わってしまうのは明らかだったのだが―――――



カーン!!!


「なんと……ここで第5ラウンド終了です!!

 凛香選手、絶望的な状況ながらも奇跡的にゴングに救われました!!!」


奇跡などではなく、この楽しい試合を少しでも長引かせたい女王による思惑があったからなのだが、そんな事はつゆ知らず会場は興奮の渦に包まれていた。






(本気で闘える事がこんなに楽しいだなんて……凛香ちゃんには感謝しないとね)


強豪揃いである女子リーグの中でも飛び抜けた強さを誇るレイ。

そのため今まで本気を出して闘う機会に恵まれておらず、心のどこかに退屈を感じていた。


それ故一方的な試合展開ではあるものの、本気をぶつけても壊れる事なくリングに立ち続けてくれる少女との闘いは彼女にとってかけがえのない時間であり、レイの心はかつて無い程満たされていた。



(でも…………そろそろ終わりかしらね)


インターバルが終わりそうになっても目を覚まさないでいる対戦相手の少女の姿を見て、女王は軽いため息を吐き出していく。


狂わしい程に甘美な時間の終焉がすぐそばまで迫っている事を、彼女は肌で感じ取っていた。






「りっちゃん……りっちゃん、目を覚まして!!」


あきらの叫び声と共に、幾度も殴られて腫れ上がった少女の頬を打つ乾いた音がリングに響いていく。



「ぅ…………ぁ…………ぁぁ………………」


肉体が限界を迎えてしまっているのか、気付けのビンタを何発貰っても少女は意識を覚醒させる事はなく、虚ろな瞳でうわ言を口から漏らし続けるだけである。



(まずい……このままじゃ)


既にインターバルは終わりを迎えようとしているものの、女王の猛攻に晒され続けた代償は大きく、少女の肉体は未だ失神したままであった。



「セコンドアウト」


束の間の休息が終わりを告げるアナウンスが流れるも、凛香の身体はピクリとも動かない。



(今はこんなでも、りっちゃんならきっと逆転出来るハズ!!

 こうなったら…………)


未だ親友の勝利を疑っていないあきらは、脱力しきっている少女の肉体を無理やり起こし、コーナーを支えにして立たせると強引にファイティングポーズを形作っていく。



「信じてるわよ……凛香」


そうして意識の戻らないまま、少女は再び女王の前にその無防備な肉体を晒す事になってしまったのだった。






カーン!!!

「さぁ始まりました第6ラウンド!! 凛香選手……意識がない様に見えますが、果たしてこの状態で闘えるのかぁ!!?」



「……………………」


構えを解いたレイはゆっくりとした足取りで青コーナーへと近づいていき、身動き一つしない凛香のすぐ目の前まで近づくと、右腕を大きく振りかぶっていく。


そして防御するそぶりすら見せない対戦相手の少女に対して、大ぶりのボディアッパーを打ち込んでいった。



「…………おぶぅぅぅぅぅぅっっっっ!!!!!」


「気付けにしては余りにも強力な一撃が炸裂してしまったぁ~~~~~!!!

 凛香選手、これにはたまらず悶絶~~~!!!!」



「お゙っ………………あ゙あ゙っ……………………」

(な、何これっ…………なんで私、ボディ……貰って…………)


身体をくの字に折り曲げ瞳から大粒の涙を流している少女。

意識は覚醒したものの脳内は痛みと混乱で支配されてしまっており、追撃を防ぐという所まで思考が追いつかない。



それ故、女王による漆黒の嵐がまたしても少女の身体に襲いかかっていった。


「ごひゅぅぅっ……はべぇっっ……んがぁぁっっ…………あびゅっっっっ!!!」


レイの本気が込められた重い拳が連続して肉体に突き刺さり、凛香は開幕早々コーナーで無様なダンスを踊らされてしまっている。



「貴女との試合、楽しかったわよ…………それじゃ、おやすみ」


そして言葉に少しばかりの名残惜しさを込めながら、女王は利き腕である右拳を固く握りしめ、既にグロッキーな少女の顎先目掛けてフルスイングのアッパーカットを放っていった。



「ぐぴゅっっっ……………………」


衝撃と同時にぐるんと勢いよく上ずった瞳孔が、少女が再び失神してしまった事を如実に物語っている。


そして脱力しきった肉体はふらふらと千鳥足でリングを彷徨い、やがて重力に従いキャンバスへと崩れ落ちていってしまった。




「凛香選手、開始僅か20秒でダウンしてしまったぁ~~~!!! 余りの実力差に全く勝ち目が無いように見えますが……果たして立てるのか!?」


「ぅ…………んぁっ………………」

虚ろな瞳を浮かべ口から長い唾液の糸を引きながら、力なくロープに揺られるだけのJKリーグ現王者。


(流石に駄目かな……出来ればもう少し続けたかったんだけど、仕方ないわね)


そんな対戦相手の姿を見て、女王は僅かばかり落胆の表情を浮かべ、ニュートラルコーナーに身体を預けていった。




「んぁっ…………うぅっ………………」

(また、ダウンさせられちゃってる……この試合で一体何回目だろ)


派手に顎を弾かれて一度は失神してしまったものの、ダウンした時の衝撃で少女は意識を取り戻しており、ぼんやりとした瞳で虚空を見つめていた。



(レイさん……いくら何でも強すぎるし、今の私とは”格”が違いすぎる)


脳裏に浮かぶのは、6ラウンドに及ぶこれまでの半ば一方的な試合の記憶。


自分の調子も決して悪くなくむしろ絶好調と言えるものだったのだが、それでもなお本気の女王を前に手も足も出ず、ただひたすら滅多打ちにされ続けてしまったという悲しい現実。



(どう考えても私に勝ち目なんかないし…………これ以上続けても、虚しいだけかもしれない)


そこまで考えた所で、凛香は自分の身体が急速に冷えていくのを感じた。



(なら……もう、良いかな………………)




安息を渇望する身体からの欲求に身を任せ瞳を閉じようとした時、不意に焦点がはっきりして、目の前に映っていた光景が鮮明に脳内へと送り込まれていく。



「おねぇ…………」


それは心配そうな瞳をこちらに向けている、愛する妹の姿。



「由乃…………」


目元に小さな宝石を浮かべている大切な妹の姿を見て、凛香は心の中に再び大きな炎が燃え盛っていくのを感じた。




(確かに、私に勝ち目なんてないかもしれない…………でも、例え勝ち目がない虚しい闘いだとしても、それは試合を諦める理由にはならないわよね)


自らの感情と連動するかの様に心臓は早鐘を打ち、冷え切った身体が急速に熱を帯びていく。


(だって……由乃の前でこんな情けない姿を見せたまま終わるなんて、絶対に許されないんだから!!!)


一度は心を壊し、部屋に引き籠もってしまった愛する妹。


自分の闘いを見て再び前を向いてくれた彼女の為にも、由乃が憧れるに相応しい姉で居続けなければならないと、凛香は考えていた。




「なに……つまらなそうな顔してるんですかレイさん…………

 私は……まだまだ闘えますよ…………」


カウント9でファイティングポーズをとり、しっかりと対戦相手を見据える少女。

構えた腕にはしっかりと力が込められており、彼女がこれまでの様なサンドバッグではなく、一人の地下女子ボクサーである事を示している。



「な、なんと……まだ立てるのか凛香選手!! "堕ちない少女(アンブロークン)”の二つ名に偽りなしと証明するかの様に、またしても立ち上がりました!!!」


依然として女王が圧倒的に優勢である事に変わりはない。

だが、絶望的かと思われた状況からの復帰劇に会場は今日一番の盛り上がりを見せていた。






「ボックス!!」


「ふふっ♪……そうこなくっちゃ」


あの状況から再び立ち上がってくれた事もそうだが、凛香の雰囲気が今までとは明らかに異なる事を感じ取っており、レイは興奮を隠せなかった。



(あの様子ならまだまだ遊んでくれそうね…………って、疾いっ!!)


決して油断や慢心があった訳ではない。

目の前の少女の雰囲気が先程までとは別人と言えるまでになっており、最大限警戒していたつもりだった。


だがそんな女王の予想を上回る速度とキレで少女は一気に懐に潜り込み、その勢いのままボディブローを放とうとしている。



(でもっ……これならガードが間に合う!!)


予想外の展開に若干動揺したもののそれで動きが鈍る事はなく、レイは的確に腹への防御を固めていく―――――が、少女は拳の軌道を変え、無防備な女王の顎先へ向けてアッパーカットを繰り出していった。



(ボディ、じゃない……狙いはこっち!?

 見てから変えた……いやありえない。 最初から狙って…………)


どれほど鋭く踏み込んで渾身の一撃を放っても、”女王ならば”対応出来てしまうだろうという、相手の実力を正確に評価した凛香の読みは的中し、ここに千載一遇の好機を作り出していった。



「がひゅぅぅぅっっ!!!」





「凛香選手、ここで強烈なアッパーカットが炸裂~~~~!!

 この一打が反撃の狼煙となるのかぁ!!?」


強打を浴びて海老反りに身体を反らせてしまう女王。

KO寸前かと思われた凛香の反撃で、会場やJKリーグの選手たちは大いに盛り上がっていた。



(良いのが入った……これなら!!)


レイの体勢が戻る前に追撃の左ストレートを放つ凛香。


先程から脳内に大量のアドレナリンが分泌されており、肉体的な疲労やダメージの一切を無視して強引に動かされている筈の身体は、しかし本日一番の動きを見せていた。


「やぁぁぁっっ!!!」



―――――だがそんな最高の状態で放たれた凛香の一撃は、辛うじてヘッドスリップが間に合ったレイの頬を掠めるだけに留まってしまい、逆に女王から反撃の拳が飛んでくる。



「ぐひゅぅぅっっ…………ま、まだまだぁっ!!」


女王からの拳は相変わらず重いし効く。

だがそれでも少女は一切怯むことなく、すぐさま反撃の拳を繰り出していく。



「おぶぅぅっっっ!!!…………やるわね凛香ちゃん、今度はこっちよ!!」


鳩尾を穿たれて一瞬だけ動きを止めたレイ。

だが酷くご機嫌な声で語りかけた後、再び漆黒の弾丸を打ち込んでいった。




「ここに来てリング中央、真っ向からの殴り合いだぁ!!!」


お互いに一歩も譲らない激しい乱打戦。

遥か高みにいたはずの女王を相手に凛香は必死に食らいつき、互角と言えるまでに渡り合っていた。



「おねぇ……すっご…………」

特等席で見ている由乃は応援するのも忘れ、本気の女王相手に一歩も引かず闘い抜く姉の姿に見入っていた。



「ぶひゅっ…………ふふっ、次はここよっ!!」


蒼い拳で頬肉を醜く歪められながらも、女王は心底愉しげに笑っている。

その女の心の中は、かつて無い程の興奮と高揚感で満たされていた。



計5試合ほど行われたJKリーグ対女子リーグ対抗戦において、間違いなく最大の熱量と激しさを誇るこの殴り合いは―――――


「相打ち~~~~~!!

 二人の身体が吹き飛ばされていく~~~~!!!」


互いの顔面に拳が炸裂した直後、物理的に距離が出来た事によって幕引きとなった。



そして―――――





「あぁ~~っとダウン、ダウンです!!

 女王がこの試合二度目のダウンを喫してしまいました!!!」


辛うじてロープに腕を絡めてダウンを回避した凛香に対し、床に尻もちをついてしまったレイ。


最強の名を欲しいままにしている女王は、再び年下のJKから見下される形となってしまっていた。



「ぜぇっ…………はぁっっ………………」

(これで勝てるとは思わないけど……少なくともそれなりのダメージを与えたハズ)


ロープを伝いニュートラルコーナーまで移動した凛香は、体中から夥しい量の汗を流しながら必死に呼吸を整えている。


(気持ちを切らしちゃ駄目だ…………必ずレイさんは立って来るから、今は少しでも休まないと)


ロープを掴む両腕はぷるぷると震えており、彼女の身体はとっくの昔に限界を迎えている事が明らかだった。



そんな中、カウント7で女はゆっくりと立ち上がり、余裕を持ってファイティングポーズを構えていった。






「ボックス!!!」


「ふふっ……ふふふっ…………凛香ちゃん貴女、本当に最高よ」


先程までと同じ構え。

だが、対戦相手である凛香の目にはそうは映っていなかった。


「っっ!!!」

(これ……さっきより、更に…………)


まだ距離が離れているにも関わらず、対戦相手から放たれる圧力が数段跳ね上がっている。


それに加えて纏う雰囲気は妖艶さを増しており、雌の魅力が詰め込まれた肉体から放たれる色香が、老若男女問わず会場中の観客全てを魅了していた。



(多分……というか絶対に、さっきより強くなってる…………でも)


限界をとっくに超えている自分の身体がいつまで動いてくれるのか分からない以上、ここで攻める以外の選択肢が凛香には残されていなかった。


「ぜぇっ…………はぁっ……………………」

(行くしか……ないっ!!)



「やぁぁぁっっ!!!」


間合いに入ると同時に放たれた、JKリーグ王者の渾身の一撃。

このラウンドで試合を決めるという覚悟を持って振るわれたその拳は―――――



女王にあっさり躱され、少女の顎に強烈なカウンターが叩き込まれていった。



「がびゅっっっっっ…………」


一瞬だけふわりと浮き上がった少女の肉体は、着地した後そのまま後ろへよたよたと足を進めていき、やがてコーナーを背にする事で動きを止めていく。



「ぁ…………ふぁぁ……………………」

(あっ、ダメ……この位置はマズい)


この後に訪れる展開を少女は正確に読み取ってしまったものの、脳を揺らされた直後の肉体は言うことを聞いてくれるハズもなく―――――




「ぶぴゅっっっっっっっ!!!!!」


先程のラウンドの再現かの様に、少女の頭はコーナーポストと女王の拳でサンドイッチにされてしまっていた。


「凛香選手、再びコーナーポスト串刺し刑に処されてしまったぁ!!!」


「がっ…………ぁぁっ……………………」

(嘘でしょ……この人……一体どこまで強く…………)


朦朧とした意識の中、少女は再び開いてしまった彼我の力量差に想いを馳せていた。




拳を少女の顔面に突き刺したまま、女王はゆっくりと語りかけていく。


「凛香ちゃん……貴女の弱点はスロースターター過ぎる事よ…………

 最初から”それ”を出してくれてれば、私に勝てたかもしれないのに」


とてつもなくムラっ気が激しい上に、ギアが上がり切るまでに打たれすぎて、全力状態を維持できる時間が短すぎるという凛香の弱点。


それを指摘したレイの発言は”半分だけ”正しい。


間違っているのは、最初から凛香が全力を出した所でレイに勝てる可能性があったという点である。



「んぁ…………がぁっ…………」

(拳が……ねじ込まれて…………)



レイは先程までも”本気”で闘ってはいたのだが、普段の試合では他の選手との実力差があり過ぎる事から無意識に制限がかかっており、その範囲内での”本気”であった。


そして今、その本気を出した上でダウンを奪われた事から無意識の枷が解き放たれていき、レイは正真正銘の全力を持って闘う事が可能となっていた。



「お゙っ…………んお゙お゙っ………………」

(意識……トビそうっ…………)



故に、例え女王から二度目のダウンを奪った時の実力を最初から発揮できていたとしても、今の凛香ではレイに勝つことは厳しいと言わざるを得なかった。






「ぁ……ふぁっ…………」


弱々しい呻き声と共に少女の瞳からは色が抜け落ち、夥しい量の汗に塗れた肉体がだらんと脱力していく。



「あれ、もうオチちゃった? …………そっか」


対戦相手が失神してしまった事を悟ったレイは、少しだけ残念そうな声でつぶやくと同時に突き刺した拳を引き抜いていく。



「ぅぁ……………………」


意識の残されていない肉体はズルズルと腰を落としていき、安らぎを求めてキャンバスへと着地しようとしていたのだが―――――



「でも…………」

妖艶な声がリングに響いた後、女は右拳を再び振り抜いていった。



「ぶぎゅぅぅぅっっっっ!!!」


獣の様な醜い嬌声と共に少女の身体が吹っ飛ばされていく。

インパクトの勢いのまま、よたよたとロープを伝った凛香はそのまま腕を絡め、トップロープに身体を預ける姿勢となってしまっていた。



「私をここまで昂らせたんだから……ちゃんと責任、取ってくれるわよね」


頬を上気させ、嗜虐的な瞳を浮かべる地下ボクシングの絶対女王。


未だ一向に体力の尽きる気配がないその女は、既に闘う力の残されていない少女へ向けて、全力を込めたラッシュを打ち放っていった。





「ごぅぅっ……がびゅっっ…………ぶへぇっっっ…………ぐぴゅっっっ!!!」


「レイ選手、グロッキーの凛香選手に無慈悲なラッシュを慣行~~~~~!!

 凛香選手はガードすら出来ず完全にドミネーションされてしまっております!!」


一撃毎に頭が、身体が大きく弾き飛ばされていき、少女の肉体を辛うじて支えているロープはギシギシと不快な音を奏でていく。



「どう見ても失神してしまっている様子の凛香選手、果たしてこの状況を覆す事が出来るのか!!?」


少女にもはやそんな力が残されていない事は誰の目にも明らかだったのだが、これまで数々の逆転劇を演出してきた凛香だからこそ、”もしかしたら”と観客達は心の片隅でその可能性を期待せずにはいられなかった。



―――――――だが、


「あびゅぅぅぅっっ……お゙え゙え゙っっっ……ぶふぅぅぅぅぅっっっ………………」


その”もしかしたら”は現実に起こる事はなく、少女は女王の拳で好き放題殴られ続け、白目を剥きながら情けない鳴き声を上げさせられてしまうのみであった。



そして―――――




「ぅ………………あぁ……………………」


「あ~っと凛香選手、またしても失禁です!!

 なんとこの試合2度目の失禁をしてしまいました!!!」


内腿を伝い流れ落ち、白いキャンバスを黄金色に染めていく少女の聖水。

特有のアンモニア臭を感じ取りながら、レフェリーはたまらずスタンディングダウンを宣告していった。


「スタンディングダウンッッ!!! レイ、早く離れて!!」



この試合二度目の失禁を晒した事で、遂に宣言されてしまったスタンディングダウン。


この地下格闘技団体UBCでは、試合後に超高性能のメディカルポットを用いて選手達の治療が行われる為、派手な殴り合いに反して彼女達の肉体は非常に健康に保たれている。


だが細胞レベルで治癒を行うその技術を用いてもなお、レフェリーが危険だと判断した場合にのみスタンディングダウンが宣告されていた。



「あ~っとここでスタンディングダウンです!! 凛香選手、アンナ選手に引き続きJKリーグで二度目のスタンディングダウンを取られてしまいました!!!」



この地下リングにおいて殆ど宣言される事のないそれは、表のリングであれば実質TKO負けにも等しい、地下女子ボクサー達にとって一番の恥と言われている。


だが前回のアンナとエリカの試合に続き、滅多にお目にかかれないスタンディングダウンがまたもや発生した事で、会場はより一層大きな盛り上がりを見せていった。




「………………………………」


白目を剥き舌を突き出しながら、呻き声すら出す事なく身体を震わせる少女。

人気地下格闘技団体のチャンピオンベルトを所有している筈ではあるものの、この弱々しい姿からは強者の雰囲気は微塵も感じられなかった。



「1…………2…………3……………………」


拳の嵐が止まりカウントが始まると、支えを失った凛香の腰が少しずつキャンバスへ向けて堕ちていく。



「おねぇ、もういいよ……もう立たないでいいから!!」


妹の由乃を始めとしたJKリーグ所属の少女達も、自分達のトップである凛香が為す術なく蹂躙される様を見せつけられてしまい、応援席には重い雰囲気が流れていた。



(流石にもう終わりかしら…………ありがとね凛香ちゃん、最高に愉しめたわよ)


甘く熱い吐息を吐き出しながら、今にもリングに崩れ落ちそうになっている対戦相手の姿を眺める女王。


身体中に瑞々しい汗を這わせてはいるものの、その表情に疲労の色は一切見えなかった。



「………………………………」


余程の事がない限りは宣言される事のないスタンディングダウン。


その状態に陥った選手が試合に戻れる事はほとんどなく、その意味でも実質的なTKO宣言とも言われていたのだが―――――




「な……なんと、凛香選手……またしても立ち上がりました!!!

 なんという粘り強さ、これがJKリーグ王者の意地とでも言うのでしょうか!?」


「……………………」


依然として瞳に意志の光は灯されておらず、身体に刻まれたボクサーとしての本能のみで再び立ち上がっていった少女。


このまさかの復帰劇に、凛香の友人達は元より観客達は大いに盛り上がっていった。



(あそこから立って来るだなんて……凛香ちゃん貴女、一体どれだけ私の予想を裏切ってくれるのかしら?)


対戦相手である女王は目を見開き、驚くと同時に喜びを隠せずにいた。






「ボックス!!!」


試合再開直後、動かないでいる凛香の元へレイは一直線に駆け出していく。



「りっちゃん、相手来たわよ!!

 ボーっとしてないでちゃんとガード固めなさい!!!」


立ち上がったものの、未だに失神してしまっている状態の凛香は形だけの構えを取っているだけであり、凄まじい速度で迫る対戦相手の姿すら視界に捉えてはいない。



だがJKリーグの王者へと到るまでに積み重ねた鍛錬が、たとえ無意識下にあってもボクサーとして最適な行動を彼女の肉体に取らせていた。


「あ~~っと凛香選手、ここで迎撃のジャブを放っていくぅ!!

 失神している様に見えますがまだ意識は残っていたのか!?」



これまでの練習で散々打ってきた、身体に染み付いた動き。

無意識状態であるが故に余計な力が抜けた結果、放たれた左ジャブは非常に綺麗なフォームを描いており、そのまま教本に載っていても違和感のない代物だった。


「おねぇ頑張って~~~~~!!!」



だが既に限界を迎えている肉体で放たれたそれは、速度も鋭さも女王に脅威を与えるレベルに達しておらず、必然の結果としてカウンターの良い的となってしまった。



「ぶぎゅっっっっっ!!!!!」


少女の顔面のド真ん中を漆黒の拳が貫き、長い黒髪が振り乱されていく。



「ラストスパート…………行くわよ凛香ちゃん」


女王の妖艶な声が静まり返ったリングに響き渡った直後、高速の三連打が少女の肉体を犯していった。



「ぶへぇっっっ、お゙ぶぅぅぅぅ、がびゅぅぅぅぅっっっ…………」


ボディで身体をくの字にさせられた後に顎にアッパーカットが突き刺さり、その衝撃で身体が後ろへ弾き飛ばされ背後のロープをギシギシと揺らしていく。



「ぁ…………ぅぁ……………………」


大きくロープを揺らした後、反動で少女の身体が女王の前に差し出されていく。


それを見たレイは右腕を大きく振りかぶり、眼前に迫った試合相手へ向けて優しげな声をかけていった。


「本当に愉しかったわよ…………また、やりましょうね」



「ぎゅぴっっっっ!!!!!」




「凛香選手、強烈なストレートを浴びリングから弾き飛ばされてしまいました!!

 流石にこれは試合続行不可能かぁ!!?」


「…………………………ぁ………………」


白目を剥き、口から泡を吹いてその雌の魅力に溢れた肉体を小刻みに痙攣させるだけになってしまった少女。


JKリーグ王者としての強者の姿はその面影すらなく、完膚なきまでの惨敗を喫してしまった敗北者の姿がそこにはあった。



「担架よ担架、早く持ってきて!!」


リング下ではセコンドであるあきらが大声を上げ、スタッフに担架を要請している。



「4………………5………………6………………」


地下リング特有の長いカウントが数え上げられる中にあっても少女は意識を取り戻す事はなく、”その時”が訪れるまで会場にその無様な姿を晒し続けていた。


「7………………8………………9……………………10!!!」



カンカンカーン!!!


「試合終了~~~~!!!

 JKリーグ対女子リーグ対抗戦最終試合、勝者は”女王”レイ選手です!!!」



「ぁ…………んぁ………………」


少女は自らが敗北してしまった事にすら気づかず、口から言葉にならない呻き声を洩らし続けている。



「凛香選手もレイ選手から二回もダウンを奪うなど健闘しましたが、女王の壁はまだ高かったか!!」


実況が少女の健闘を称える中、脱力しきった肉体が持ち上げられて担架へと運ばれていった。




超高性能のメディカルポットがあるため治療は後回しでも問題がなく、普段は試合後リングの上で敗者の姿を観客達の晒し者にしているのだが、今回は余りの惨状を前に即担架送りとなってしまった凛香。



「結果を見れば4対1と大差をつけられてしまったリーグ対抗戦ですが、内容の方に目を向けると紙一重の接戦も多く、JKリーグ側が勝ってもおかしくない物でした!!」


「熱く激しい闘いを魅せてくれた選手達のこれからの活躍にも、乞うご期待下さいませ!!」



「ぁ………………がぁ……………………」


会場中が大勢の拍手に包まれる中、数分前までリングの上で激闘を繰り広げていたその少女は、下顎をガクガクと震わせ瞳から大粒の涙を零していた。




JKリーグ対女子リーグ対抗戦編______Fin.





■あとがき

リーグ対抗戦編、長らくお付き合い頂きありがとうございました!!

対抗戦ベストバウトのアンケ等はまた全体公開記事で来月行う予定ですので、その際は是非投票や感想など頂けますと幸いです。


来月からの投稿に関してはまた別の記事で予告を行いますので、そちらも是非お楽しみに~。



Thank you for your long patience with the League Competition section!

We plan to conduct a survey of the best of the competition in a public article next month, so please feel free to vote and give us your feedback.


We will announce about the next month's post in another article, so please look forward to it as well.






2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei 2024.2【Part4】リーグ対抗戦最終試合~凛香VSレイ~/Final match of the league competition - Rinka vs. Rei

Comments

こちらこそ、懇切丁寧なご返信を、ありがとうございます🙇 すぐに治ると聞いて安心しました😌👍 ですが凜香さん、くれぐれも無理はし過ぎないで下さい! とても心配です😭 ベジット: 凜香がすぐに治ったようで良かった😌👍 試合終わった直後は本当に心配だったんだぜ😥 まっ、いつか俺が遊園地に連れてってやるよ!(心の声:これは俺の片割れのベジータに子供がいたら言いそうなセリフだな😅)

ベジット

お見舞いのメッセージをありがとうございます😊 メディカルポットですぐに治る世界観なので、きっと翌日には練習を再開している事でしょう。

ナッツが主食

まず背後からのメッセージですが、凛香さん、本当に大丈夫ですか? 凛香さん、ここまで本当によく頑張りました。 本当に立派です。 だけど今は怪我を治す事を最優先にして下さい。 試合結果の事は考えなくて良いですから! 怪我を治す事だけ考えて下さい! お大事になさって下さい! ベジット: 凛香!死ぬんじゃねえ! そうだ! 今から俺が瞬間移動でカリン塔まで行って仙豆を取ってきてやる! 凛香、お前はもう戦わなくていい! 何故なら、凛香に死んで欲しくないからだ・・・ って言っても戦いを辞める事を強制はできねえしな・・・ 今は強くなる事は一切考えなくて良いから、早く超高性能メディカルポットに入って怪我を治すんだ! それなら仙豆なくても大丈夫そうだな・・・ そもそもここはドラゴンボールの世界じゃないからカリン塔はないんか😅? まっ、ナッツは主食さんの許可は必要だが、暫くは修行休んで俺と一緒に凛香の好きな所に行って、凛香の好きな食べ物食べようぜ😁? 俺が全部奢ってやるからよ😁!

ベジット

You're next game will have loser penalties right?

SHADOW

彼女を応援して頂きありがとうございます! 最強の選手と本気で闘った経験は、きっと彼女の糧になる事でしょう。 是非これからも凛香さんの活躍を応援してあげて下さいませ~。

ナッツが主食

ただでさえ圧倒的な強さだったのに、今回更に格差が広がった形ですからね…… でも他の選手達も頑張って成長していけば、いつか彼女に届くかも……!?

ナッツが主食

Thank you for sensing her appeal! I'm glad you enjoyed her work!

ナッツが主食

As the author, I am very happy that you liked it more through the work, although I am also happy that you got a high score from the beginning! There will be more of Ray's work in the future, so please look forward to it!

ナッツが主食

自分の本気を出すに値する相手には、敬意を持ってトドメを刺してあげないとですよね! 最後までお付き合い頂きありがとうございます! そう言って頂けたのなら頑張ったかいがありました🥰

ナッツが主食

Basically, the setting is one in which sexual punishments for the losers take place. However, it seems unlikely that this will be depicted in the future, as many people would rather watch the match than penalize the loser.

ナッツが主食

I'm so glad for your long comment! It's a pleasure to know that you love my work so much and that I'm an author. Thank you so much! As for the power relationship between each character, I am glad you read it correctly, because I am very careful in my writing. It will be a while before I can draw a CG of Rei's defeat (on the other hand, there is a possibility that she won't be defeated by anyone), but please look forward to that time! Translated with DeepL.com (free version)

ナッツが主食

ありがとうございます! 楽しんで頂けて何よりです~。 ただでさえ圧倒的な王者だったのに、更に格差が広がってしまった感じですね…… でもいつかその壁を越えてくれる選手が現れるかも!?

ナッツが主食

今の凛香さんにはまだ女王の壁は高かったみたいですね。 そう言って頂けるのであれば意識を失いながら奮戦した凛香さんも浮かばれます😊 いつかまた壁に挑む時が来るかもしれませんので、その際は是非また応援してあげてくださいませ~。

ナッツが主食

この戦いを経て、 凛香さんが 更なる高みに昇ることを願って。

きさらぎ

さらに強固になったレイさんの地位.... もし誰かがそれを超えるとしたら、本当にすごいことだと思います (ºΔº )

細氷

Rinka's Ryona has an strong emotional impact.

JayLoCco

If my initial attraction to the boxer named Rei was a 50 (and that's still a very high score!), now I'd give him a 100 or more! XD She was so cool and so fascinating! :)

Marcacis

すでに無意識の相手に施す最後の慈悲とは...。 レイは今日、なぜ自分が女性リーグのチャンピオンであるかを如実に見せつけたようです。 最後までとても楽しく見ました!こんな名勝負を見ることができたことに感謝します 😀

イテ-い

Also I've been meaning to ask but is there a sexual punishment for the loser after every match, or just in certain cases depending on special rules or something?

SHADOW

I actually expected Rinka to do a bit more damage to Rei than she did, but I'm glad she didn't. Rei obviously had an overwhelming advantage, especially when you compare strength between Rinka and Elizabeth. Recently when they were sparring, Elizabeth was pretty much on an even playing field with Rinka, and Elizabeth lost to Misa although it was close. Rinka barely beat Misa and I mean barely, and Rei absolutely destroyed Misa. If you take that into consideration, the idea that Rinka could somehow defeat Rei doesn't seem likely if at all possible. So I'm very happy how this fight played out, and hopefully in the future we will eventually get to see some amazing Rei defeat CG in a way that makes sense within the story. Sorry this is so long lol, I just really love this series😊

SHADOW

とてもエキサイティングな良い試合でした。 それにしても、凛香によって目覚めたレイのパワーは、他のボクサーにとっては災難になりそうですね.... 😅

きのこ

やっぱり奇跡はなかったですね~ それでも最後まで諦めない姿が良かったし、これをきっかけにいつかまた挑戦する日が来るかもしれませんね。

sonya


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