2021/09/23
インターバル中の由乃の心情等を一部修正しました。
更新が遅くなってしまい、お待たせしてしまって申し訳ありませんでした。
「JKボクサー凛香と復讐の地下リング」本編エンディング後の話になります。
多少ではありますが本編でのネタバレを含みます。
ゲームのエンディング後、由乃は再び地下ボクシングのリングに立つことを決意する。
その復帰戦の相手に選んだのは実の姉である凛香で…………
挿絵は立ち絵や差分含む全4枚、内1枚はFANBOX用の新規描き下ろしです!!
SSは約11500文字となっております。
(いつもより大分文章量が多くなってしまいました)
I apologize for the delay in updating and for keeping you waiting...
This is the story after the ending of the main story "JK Boxer Rinka and the Underground Ring of Revenge".
It contains some spoilers from the main story.
After the ending of the game, Yoshino decides to stand the underground boxing ring again.
The opponent she chooses for her return fight is her own sister, Rinka............
There are a total of four illustrations including standing pictures and differences, one of which is newly drawn for this plan!
★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。
There is a questionnaire at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)
★For non-Japanese users★
Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m
姉の凛香が戦うゲーム本編もぜひプレイしてみてくださいね!
Be sure to play the full game where the elder sister Rinka fights!
https://www.dlsite.com/maniax/announce/=/product_id/RJ325990.html
JK boxer Rinka and her first confrontation with her sisters -Rinka VS Yoshino-
※JK=Jyoshi Kousei=High school girl
(まさか、由乃とここのリングで試合する事になるとはね…………)
人気地下格闘技団体であるUBCが所有する都内某所の特設地下スタジアム。
日常ではお目にかかる事の出来ない熱気が注がれる中央のリングにて、二人の少女が相対していた。
「それでは只今よりUBC女子ボクシングリーグJKの部、本日のスペシャルマッチ【姉妹対決】を執り行いたいと思います!!」
「まずは青コーナー、現在ランキング7位…………
前王者に惨敗したトラウマを乗り越えて、彼女が再びこのリングに帰ってきました!!」
「今やJKリーグのチャンピオンにまで上りつめた実の姉を相手にどこまで闘えるのか!!?
舞い戻ってきた可憐なるJKボクサー、由乃(よしの)~~~~~!!!」
前王者であるエリザベスに屈辱的な惨敗を喫したせいで一時はリングに立つどころか心を壊して引き籠もりになってしまった彼女。
だが姉である凛香の影響もありトラウマを払拭した結果、再びこの地下リングの舞台に足を踏み入れていた。
「続きまして赤コーナー……UBCのリングに参戦してから幾度の逆転勝利を繰り返して連戦連勝、先日行われたタイトルマッチでは前王者のエリザベスを相手に何度もダウンを重ねながらも見事逆転勝利を掴み、今やここのチャンピオンにまで辿り着きました!!」
「愛する妹の為に鍛え上げた力でその張本人を蹂躙するのか!? はたまた妹相手に惨めなKO負けを喫してしまうのか…………
UBC女子ボクシングリーグJKの部、現チャンピオン…………凛香(りんか)~~~~~~~~!!!」
黒髪の長髪を携えた女が片腕を上げると同時、その胸に実った年齢にそぐわない果実が大きく揺れる。
グローブはコーナーの色に寄らず各々好きな物を着用する事が許されているため、王者である姉の凛香は青グローブ、格下であり妹でもある由乃は赤グローブを着けての試合となっていた。
「なお本日は選手両名の強い希望もあり、”ペナルティ・タイム”無しのエキシビジョンマッチとなっております!!」
今回は由乃の復帰戦として行われる試合である事に加えランキング差を無視したマッチメイクのため、敗北後に行われる”地下リングの掟”を排除したノンタイトルの試合となっていた。
容姿に恵まれた姉妹による拳での語り合いが待ちきれないといった様子の観客達。
そんな欲に塗れた人々を横目に妹が姉に向かって語りかけていく。
「おねぇ……妹だからって手加減なんかしたら、絶対許さないから。
あたしをガッカリさせないでよね」
「安心して由乃……今日は”強いお姉ちゃん”を貴女の身体に刻み込んであげるから。
由乃こそ、チャンピオンであるこの私を指名したんだから、それに相応しい闘いぶりを見せてよね」
復帰戦の対戦相手として自分が指名された時は少し戸惑いを覚えたものの、妹の成長を文字通り身体で実感できるいい機会であると判断し、凛香は一切の手加減抜きで闘おうとこのエキシビジョンマッチに臨んでいた。
そして、はじめての姉妹対決の開始を告げるゴングの音が会場内に鳴り響いていく----------
カーン!!!
ゴングが鳴るやいなや、由乃が一直線に凛香へと向けて突撃していく。
「シッ!!」
開始直後の吶喊に若干戸惑いながらも凛香は迎撃のジャブを数発繰り出していく、が------
「チャンピオンの左が当たらない~~~~!!
由乃選手、ブランクを全く感じさせない動きのキレでチャンピオンを翻弄していく~~~!!」
敏捷性は小柄な由乃に分があるため、凛香のジャブはかすりもせずに空を切るばかりである。
「どうしたのおねぇ……そんなトロい拳じゃあたしは捕まえられないよ?」
蒼い弾丸の雨の中、不敵な笑みを浮かべて実の姉を煽っていく由乃。
「くっ……やぁっ!!」
それにしびれを切らした王者は一歩前に踏み出し、クロスレンジで強めのストレートを放っていった。
「っぶはぁっっ!!!」
だが鍛えられた右腕から放たれたそれが由乃に直撃する事はなく、逆に教科書どおりのクロスカウンターをお見舞いされてしまう。
「強烈なカウンターが直撃~~~!!!
ファーストヒットは由乃選手だぁ!!!」
「ぁ……くぅ…………」
妹の拳で早速”効かされてしまった”凛香の動きが一瞬停止する。
その大きすぎる隙を見逃すほどお人好しではないため、由乃は追撃のジャブを姉の顔面へ向けて散らしていった。
「あっ、ぶっ、んんっ……ぷはぁっ!!」
「連打連打~~~~!! 由乃選手が止まりません!!!
鋭い左が絶え間なくチャンピオンの顔面へと突き刺さっていく~~~!!!」
(くっ……ここは一旦距離を取らないと!!)
試合開始直後の猛攻に晒されてしまった王者はたまらずバックステップで距離を取っていくと、好き放題打たれたのにも関わらず誇らしげに試合相手へと語りかけていく。
「はぁ……はぁ……やるわね由乃、流石私の妹…………お姉ちゃん感心したわ」
「それはどうも……おねぇこそ、そろそろ本気出してもいいんだよ?」
息一つ切らしていない様子の由乃は余裕の笑みで返していく。
「生意気なこと言ってくれるじゃない…………それじゃ、こういうのはどうかしら!?」
会話の間に息を整えた凛香はピーカブースタイルで守りを固めると、一直線に妹の元へと突撃していった!!
「っっ……シッ!!」
無謀な突進を撃墜するべくジャブを打ち出していく由乃だが、その拳は硬い守りに阻まれ姉の勢いを止めるまでには至らない。
(なるほど、そう来るか…………至近距離の打ち合いはしたくないし、ひとまず離れなきゃ)
真っ向勝負の打ち合いを嫌って距離を取ろうと考えた由乃であったが、彼女が動き出した時には既に王者の拳が放たれており、少女の白い柔肌を抉り取っていく!!
「ぐひゅっっ!!!」
「チャンピオンのボディブローが炸裂~~~~!!
由乃選手、回避が間に合わなかったぁ!!!」
(くっ……浅い、か…………)
凛香の拳は由乃の腹に当たってはいたものの、既に由乃が動き始めていた事もあり直撃とは言い難く、ほとんどダメージを与えられていないであろう事は打ち込んだ凛香本人が一番良く理解っていた。
(ならもう一発…………)
間髪入れずに二の矢を放とうとした凛香であったが、目の前の光景を見て思考が完全に停止してしまう。
「…………え?」
「っがっ……あ゙゙っ…………ゔ゙あ゙゙ぁ゙゙っ……………………」
凛香の瞳には両腕で腹部を抑え口から嗚咽を漏らし、涙目でマットを転がり回る愛しい妹の姿が映し出されていた。
「由乃選手ダウ~~~~ンッ!!!
流石チャンピオン、一発で盤面をひっくり返しました!!!」
「嘘……でしょ……なん、で…………?」
マウスピースを吐き出した唇からは大量の唾液が垂れ流しになってしまっており、少女とは思えない鈍い声がその口から奏でられている。
明らかに与えたダメージにそぐわない痛がり方をしている妹の姿を目にして、凛香は一つの仮説に思い当たる。
(もしかして……やっぱりこの子の心はまだ傷ついたままで……”あの日”の惨劇から抜け出せていないんじゃ…………)
由乃が心を閉ざした原因である前王者との試合。
そこで受けたボディブローのトラウマが、未だに彼女を苦しめているのではないかと凛香は推測した。
「お゙゙え゙゙っ……ん゙゙ん゙゙っ……っがぁ゙゙っ…………うぅ………………」
まるで芋虫の様にピクピクと痛みに打ち震えている様子の由乃。
「5…………6…………7………………!!!」
だがカウント7で弱々しくも立ち上がる事に成功し、震える膝でファイティングポーズを構えてレフェリーに試合続行を促していった。
「由乃、まだやれるか!?」
「ま、まだっ…………まだやれますっ!!!」
涙目でレフェリーに声を返した由乃は、試合が再開されるやいなや、自分を殴り倒した姉に向かって震える声で言葉を発していく。
「あ、あたしはまだまだやれるんだから…………この位で勝った気にならないでよね!!」
掠っただけの、たった一発のボディでダウンしてしまった妹の気丈な振る舞いを見た凛香は改めて覚悟を固める。
「へぇ、まだやるの……でも、お姉ちゃんは手加減してあげられないからね!!」
(ここで手心を加えるのは由乃の為にならない!!
荒療治かもしれないけど、徹底的にボディを攻めてあの子のトラウマを払拭させないと!!)
そして宣言通り一切手加減なしの本気の速度で妹に接近した凛香はボディ狙いの連打を放っていく!!!
「くぅっ、いやぁっ、あぅっ、んんんっっっ!!!!」
「チャンピオンの徹底したボディ攻め~~~~~!!
由乃選手、自身の腹を守るだけで精一杯か~~~~~!!?」
「うぅぅ…………」
ガードを完全に下げた事もあり、辛うじて全弾防ぐ事に成功している由乃。
だが自身の弱点とも言えるボディを守る事に精一杯で、とてもじゃないが反撃どころではない。
「ほらほら、守ってるだけじゃお姉ちゃんは倒せないわよ!?」
全力でボディラッシュを放つ凛香だったが、中々由乃の守りを崩せない事を見て作戦を変更していく。
半歩だけ後ろに下がると思いっきり腕を引き絞り、これまでよりも更に強く拳を握りしめて愛する妹に宣言する。
「行くわよ由乃…………お姉ちゃんの全力、受け取りなさい!!!」
「ひっ!!」
これから何が行われるか瞬時に察した少女の身体が一瞬硬直するものの、それで止まる凛香ではなく、この試合で一番の力を込めたボディブローが放たれていく!!!
「あびゅっっっっ!!!」
次の瞬間、情けないうめき声をあげてリング上でグロッキーな姿を晒していたのは----------------
----------由乃ではなく、凛香の方だった。
「相打ちぃ~~~~~!!
だがこれはチャンピオンが打ち負けてしまったかぁ!!?」
「チャンピオン、虚ろな瞳でたたらを踏んでしまっているぞぉ!!!」
「おねぇがボディを狙って来る事は試合前からわかりきってたからね…………
まことと一緒に特訓したんだ」
打ち勝ったとはいえ、王者の渾身のボディをその身に受け少なくないダメージを負ってしまった由乃。
時折短く嗚咽を漏らしながらも、勝ち誇った表情で言葉を続けていく。
「…………それに、あれだけカッコいいおねぇの闘いぶりを見てたら、トラウマなんて吹き飛んじゃったよ」
方や打たれる覚悟で腹筋を固めた上でのボディ、方や意識の埒外から飛んできた直接脳を揺さぶるアッパーカット。
どちらに軍配が上がるかは火を見るよりも明らかだった。
「…………ま、本人には聞こえてないかもだけどね」
「ぅ…………ぁ……ぅぁ……………………」
由乃が察した通り、凛香は朦朧とした意識のまま千鳥足でリング中央をふらついている。
幾度となく勝利を手繰り寄せた王者の両拳はだらりと下がりきっており、致命的な隙を対戦相手に晒してしまっていた。
(ちょっと卑怯な作戦かもだけど、まともに闘ってもあたしに勝ち目がない事は理解ってたから…………)
「だから……これ位、多目に見てくれるよね、おねぇっ!!!」
立ち直る気配のない姉めがけて、大きく振りかぶった右ストレートを放っていく由乃。
全体重を乗せた全力の一撃は、寸分の狂いもなく凛香の顔面に吸い込まれていく!!
「っぶっひゅぅぅっっっ!!!!」
「チャンピオン、由乃の右で大きく吹き飛ばされてしまったぁ~~~~!!!
そのままコーナーに身体が叩きつけられていくぅ!!!」
「がっ!!」
背中から青コーナーに激突してしまった凛香。
そのままずるずると腰が落ちていき、このままダウンを喫してしまうかと思われたのだが--------
「だ~め……これ位じゃダウンさせてあげないよ♪」
挑発的な笑みを浮かべた由乃のボディアッパーが凛香の腹に突き刺さり、強引に彼女の身体を起き上がらせていく。
「こぷぅぅぅっっっ!!!」
力の込められていない腹に拳が突き刺さった瞬間、一気に瞳孔が小さくなってしまった凛香の口から大量の飛沫が撒き散らされ、由乃の顔へと吹きかけられていく。
(あのエリザベスさんに勝っちゃうくらい強いおねぇを倒すには、このチャンスを最大限に活かすしかない!!)
「悪いねおねぇ……でも、手加減はしてあげないからね!!」
コーナーに完全に追い詰められてしまった上に意識が朦朧としている凛香に抵抗する手段はなく、ただひたすら妹のラッシュをその身で受け入れてしまう事になった。
「これは一方的な展開になってしまった~~~~!!
あのチャンピオンが手も足も出ず、妹の拳の前にただひたすらに蹂躙されてしまっております!!!」
「ぶげっ、くぷぅっ、あびゅっ……ぶはっっ………………ごひゅうぅっっ!!」
「この展開を一体誰が予想出来たでしょうか!!?
コーナーでのラッシュが止まらない!! 強い、強すぎるぞ由乃選手~~~~~!!!」
「ごひゅっ、ぐへっ……がはっ…………ぼへぇぇっ…………ぶふぅぅぅっっ!!!」
時間にすると2分近くもの間、凛香は由乃の拳の嵐に晒されてしまっていた。
その間一度の反撃もなく、その上凛香が倒れそうなるとボディアッパーで無理やり身体を持ち上げられてしまい、ダウンする事すら許されず、凛香の肉体はひたすらに妹の拳を受け入れ続けてしまっていた。
「っうぁ……あぅぅ………………」
「ダメだよおねぇ、そんな可愛い声出したって止めてあげないんだからっ!!!」
焦点が失われている瞳を浮かべた姉を前に息を切らせながら心底楽しそうな声を出す由乃。
偽のトラウマでボディの大振りを誘い、カウンターアッパーで凛香をグロッキー状態にさせ、そのまま”青コーナー”へと追い詰めあとはスタミナの続く限り蹂躙する。
由乃が事前に考えた作戦通り、100点満点の流れで試合を進められていた。
(よしっ、ここまで全部計算通り……あとは………………)
そこまで考えた所で、リング下にいる自分のセコンドから声が飛ばされてきた。
「由乃、残り10秒!!」
親友であるまことからこのラウンドの終了が近い事を知らされた由乃は、一度ラッシュを止めると大きく右腕を振りかぶっていく。
「ありがとまこと!!
それじゃ、そろそろ終わりにしてあげるね!!」
「お~~~っと由乃選手、完全にフィニッシュブローの構えに入っております!!
これはチャンピオン危ない!! 果たして躱すことが出来るのか!!?」
「ぁ…………ぅ、ぁ……………………」
「これで…………沈めぇぇぇっ!!!」
眼前に迫りくる自身に致命的なダメージをもたらすであろう一撃。
だが既に意識が朦朧としてしまっている王者には、その脅威を認識するすら叶わず------
「ぐひゅぅぅぅっっっっ!!!」
拳に伝わるは肉を潰す感触、会場に響き渡るは本日一番の衝撃音。
由乃が放った渾身の右ストレートは凛香の整った顔面の中心を正確に貫き、その勢いのままコーナーポストまで無理やり押し込んでいった。
「強~~~烈な右ストレートが炸裂してしまった~~~~~!!
チャンピオン、これは流石に万事休すか!!?」
コーナーとグローブに挟まれた王者の顔面。
衝撃の瞬間はぴんっと全身が硬直したものの、今は完全に弛緩しきっている。
「ぁ…………ぁ………………」
由乃が拳をぐりぐりと回転させる度に姉の口からは弱々しいうめき声が漏れ出てしまっていた。
「はい、おしまい♪
…………それじゃ、ダウンしていいよおねぇ」
妹が哀れな姉を解放すると同時、女の口元がもごもごと蠢き、
「んんっ…………こぱぁっ」
ねばついた液体を伴ったマウスピースがにゅるんと勢い良く吐き出されていく。
そしてマウスピースがキャンバスに叩きつけられた次の瞬間、凛香は膝から崩れ落ち、そのまま前のめりになって倒れ伏してしまった。
「チャンピオン、遂にダウ~~~~~~~ンッ!!!!
受けたダメージは余りにも大きい!! 果たして彼女にまだ立ち上がる力は残されているのか!!?」
うつ伏せになった結果、胸の果実がキャンバスに押しつぶされてむにゅぅっと変形している。
虚ろな瞳は既に何も写してはおらず、彼女が完全に失神してしまっている事を如実に表していた。
「1…………2…………3……………………」
「起きなさいりっちゃん!! 妹相手に1RKO負けとか、そんな情けない真似は許さないんだからね!!」
セコンドである親友の必死の叫びも既に凛香の耳には届かない。
時折小刻みに汗まみれの肉体を震わせるのみで、妹に蹂躙された情けない王者の姿を会場に晒してしまっていた。
「4…………5…………6……………………」
「チャンピオン、ピクリとも動きません!!
これはもしかして既に失神してしまっているのでしょうか~~~!!?」
(あ~~やっば……おねぇ、あんなに情けない顔晒しちゃって…………我が姉ながら、本当に色気があるわね…………)
扇情的なダウン姿を晒している姉の痴態を見て由乃の下腹部が疼き始める。
その疼きの原因が何なのか知らないほど彼女は子供ではなかったが、今は試合中であるため自分の欲望に見て見ぬ振りをした。
チャンピオンの無残な姿を見て会場の観客たちもこれで試合終了なのかと思い始めていたが、カウント8を数える頃、凛香の身体が動き出す。
「ぁぅ……まけ……らぃ…………」
そして10カウントが数え上げられる寸前、辛うじて立ち上がる事に成功した王者は戦闘続行の意思をレフェリーに示していった。
「おねぇちゃん、はっ……つよいん……だからぁ…………」
「へぇ、まだ立つんだ…………流石おねぇ」
死に体の姉の姿を見て、息を切らせながらも笑みを深める由乃。
カーン!!
そして試合再開と同時に1R終了のゴングが鳴り響く。
由乃は自分の足で、凛香はセコンドのあきらに肩を貸してもらいながら、それぞれ自分のコーナーへと歩みを進めていった。
青コーナーでは先程のラウンドで見事作戦がハマり試合を優勢に進めていた由乃が、親友でもあるまことの介抱を受けている。
「やったね由乃、全部作戦通り!! このままおねーさんをKOしちゃえ♪」
「ありがとまこと。 でも……おねぇのパンチ思った以上に重かったし、次のラウンドも気が抜けないかな」
「だね、このラウンドで滅多打ちにしたとはいえ、おねーさんはこんな状況からでも何度も逆転勝利を繰り返してきたんだ」
「それに実力はあたしの方が圧倒的に劣ってるんだし、油断している余裕はどこにもない」
(……あれだけ卑怯な手を使ったんだ…………おねぇには悪いけど、この試合はこのまま勝たせてもらう)
身を賭して自分を絶望の淵から救ってくれた姉に対しての騙し討ち。
本来であれば絶対に使いたくない手段だったのだが、こうでもしないと自分と凛香では実力に差がありすぎて試合にすらならない事が目に見えていた為、使わざるを得なかった。
一抹の罪悪感に苛まれつつも、努めて冷静に由乃は次のラウンドの開始を待っていた。
赤コーナーでは、あきらの肩を借りてなんとか自陣に帰ってくる事が出来た凛香があきらの介抱を受けている。
「由乃ちゃん、前よりもかなり強くなってるわね」
「…………」
「かなり派手に打たれちゃってたけど、身体は大丈夫?」
「……………………」
「……りっちゃん?…………ッッ!!!」
ここで凛香の意識が”オチて”しまっている事に気づいたあきらは、肩を揺さぶり声をかけていく。
「起きてりっちゃん!! まだ試合は終わってないわよ!!!」
「ぁ……ぅ…………あ、あーちゃん……………………」
「起きたのね、りっちゃん。 今の状況はわかる?」
「あ、うん……確か、由乃との試合の途中で…………」
その後は、痛めつけられた身体を少しでも癒やすべく回復に努めるのであった。
カーン!!!
「さぁ始まりました第二ラウンド!
チャンピオン、さっきは一方的に打たれてしまっていましたが、果たして劣勢を覆せるのか!!?」
(私は由乃にとって強くてカッコいいお姉ちゃんなんだ……だから、この試合は負けられない!!)
インターバルの間にしっかりと意識を覚醒させた凛香は、負けられない気持ちを新たにしこのラウンドへと臨んでいた。
「ばぎゅぅっっ!!!」
--------だがそんな想いとは裏腹に、1Rで徹底的に痛めつけられてしまった凛香の身体は由乃の動きについていく事が出来ず、あっさりと妹の拳をその身に受け入れてしまう。
「どうやらあたしのパンチがかなり効いちゃってるみたいだね……ほら、次行くよおねぇ!!」
「ぐぶっ、あ゙゙え゙゙っ…………がふぁっっ!!!」
「由乃選手が止まらない~~~!!
チャンピオン、またしても一方的に打たれてしまっているぞ~~~~!!!」
このまま先のラウンドの再現になるかと思いきや、由乃が動きを止めて凛香に語りかけていく。
「おねぇをいたぶるのも飽きてきたし、そろそろ決めてあげようかな……覚悟は良い、おねぇ?」
「くぅっ………えぇ、来なさい由乃!!
でも、ただでやられてあげる程お姉ちゃんは甘くないからね!!」
妹の動きに全くついていく事が出来ていないにも関わらず、姉のプライドからか弱気な姿勢は一切見せない凛香。
「ぶひゅっ! がふっ!! ぶげぇっ!!あぶぅっ!!!」
だが強気な言葉を吐いた所で由乃の勢いは止められず、凛香は妹のラッシュの前に蹂躙されてしまう。
「由乃選手猛ラ~~~ッシュ!!!
ここで試合を決めにきましたぁ!!!」
(イケる…………このまま、おねぇに勝てる!!!)
徐々に動きが鈍くなっていく姉の姿を目にして、自身の勝利を確信しつつある由乃。
だがそれが気の緩みを生んでしまい、僅かながらパンチの軌道が大振りになりつつあった。
------そして、その致命的な隙を地下リングの王者が見逃す筈もなく、凛香はカウンターのボディアッパーを放っていく!!!
ボシュゥゥゥゥ!!!
「んあ゙゙……っがっ……あ゙゙あ゙゙ぁっ!!!」
由乃のみぞおちに深々と姉の拳が突き刺さる。
そのたった一発の反撃で由乃は動きを止め、瞳孔の開ききった瞳からは大粒の涙が流れ落ちていた。
(こ、今度は本当に効かされた…………おねぇ、パンチ重すぎっ………………)
そして動きが止まった由乃の顔面目掛けて、凛香は追撃の拳を放っていく!!!
「うがっ……ぐひゅっ…………はぷぅっ!!!」
「チャンピオンの反撃~~~~~!!
カウンターのボディアッパーから丁寧にコンビネーションを繋げていくぅ!!!」
ウエイト差も相まって、凛香の放つ一撃一撃が由乃に甚大なダメージを与えていく。
(やば……かお……まもらな…………)
死に体だと思われた王者から放たれた強烈な反撃の前に、由乃はガードを固めるしか選択肢が残されていなかった。
------だが次の瞬間、ガードを上げた判断は間違っていた事を強引にわからされてしまう。
「ぼひゅぅぅぅぅっっ!!!」
「またしてもボディアッパーが炸裂~~~~!!
姉の拳が深々と由乃選手の腹筋に突き刺さっていく~~~~~~!!!」
「かひゅっ…………ぅ……………………」
由乃の肉体は姉の拳を埋め込まれながら時折小刻みに震えており、ダメージの深刻さを物語っていた。
唇の端からは止めどなく唾液を垂れ流し続け、完全に表情が抜け落ちてしまっている様子の由乃は、力なく呻き声をあげる事しか出来ない。
ドスンッ!!
柔らかくなった腹部から凛香の拳が引き抜かれると由乃は力なく崩れ落ち、リングを舐める無様を会場に見せつけてしまう。
「由乃選手ダウ~~~~ンッ!!!
強烈なボディを貰ってしまいましたが、果たして立ち上がる力は残されているのかぁ!!?」
「1……2……3…………」
「あ゙っ、ゔぁ゙……ぁ゙…………」
腹部を襲う激しい痛みに打ち震える由乃。
弱々しく声を漏らしている彼女だったが、胃袋の中身を強引にかき混ぜられるかのような不快感が急速に込み上げてきた。
「あ゙っ……お゙っ゙…………お゙え゙え゙え゙え゙え゙っっっ!」
------そして試合中にも関わらず、自身の胃の中の物を全てリングにぶち撒けてしまう。
「なんと由乃選手、神聖なリング上で嘔吐してしまったぁ!!
その姿はまるでエリザベス選手と闘った試合の再現であるかの様です!!!」
復帰戦での早々の嘔吐劇に観客は驚きを隠せない。
「がっ……お゙っ゙…………あ゙あ゙っっ……………………」
(苦しい……気持ち悪い……このまま終わりにしたい…………)
口の端から涎に混じった吐瀉物が滴り落ち、瞳からは涙が止まらない。
激しい痛みに打ち震えているだけの少女の姿には、もはや闘う気力は残されていないように観客たちの目には見えていた。
(…………けど、アタシの為に今まで頑張ってくれたおねぇの為にも、ここで終わりにする訳にはいかない!!)
だが少女の心は未だ折れておらず、震える身体に無理やり力を込めていき、再び立ち上がっていく。
「なんと……由乃選手立ち上がりました!!!
”これまでの私とは違うんだ”と言わんばかりの見事なガッツです!!!」
「お゙゙え゙゙っ……ま゙゙、だっ……ま゙゙だやればず…………」
生まれたての子鹿の様に震える足で、相手を殴る力すら残されていないような弱々しい腕で、それでもなお立ち上がりファイティングポーズを構える妹の姿に、対戦相手であるにも関わらず凛香は心を震わせていた。
(由乃……貴女、本当に成長したのね…………お姉ちゃんとっても嬉しいわ)
そして吐瀉物まみれでぐちゃぐちゃになってしまった顔をレフェリーに拭かれ、大急ぎでリングが清掃された後に試合が再開されていった。
「ファイッ!!」
(由乃が成長してくれて嬉しいけど、それで試合に手を抜く気はない。
私ももう限界だし…………ここで残りの力を全て使い切る!!)
「これで……決める!!」
試合再開直後、凛香は由乃へ向けて一直線に進んでいき、残りの気力全てを振り絞ったラッシュを仕掛けようとしていた。
(この状態でおねぇのラッシュなんて浴びたら絶対にKOされちゃう!!
…………なら、これしかない!!)
これまでの凛香の試合を研究してきていた由乃は凛香の狙いを一瞬で看破し、すぐさま対抗策を頭の中で練り上げる。
(使っちゃいけない禁じ手まで使っておねぇを追い詰めたんだ…………
この試合だけは負けたくない…………今日だけは、おねぇに勝つんだ!!!)
「「やあぁぁぁぁっっ!!!」」
姉妹の叫び声が重なり、それに呼応するかの様に拳が交差する。
「がひゅっっっ!!!」
この打ち合いを制したのは----------------妹の方だった。
「由乃選手のクロスカウンターが炸裂~~~~~!!!
凛香選手の顎を正確に撃ち抜いていくぅ!!!」
「ぁ…………ぅ……………………」
脳を揺さぶられた結果、一撃で意識を刈り取られてしまった凛香。
そのまま力なく前のめりに身体が崩れていき、ダウンすると思われたのだが、
「ばぎゅぅっっっっ!!!」
「追撃のスマッシュが直撃~~~~!!
チャンピオンの身体がコーナーポストへと吹き飛ばされていきます!!!」
(あたしの体力も残り少ない…………ここで、決めるっ!!!)
「チャンピオン、またしてもコーナーに捕まってしまったぁ!
手も足も出ず実の妹に蹂躙されてしまっている~~~~~~!!!」
「はぶぅっ……んがぁっ…………」
既に意識は途切れ、相手を殴りあう為の両の拳も落ちてしまっているが、そんな事はお構いなしに由乃は全力で姉へとラッシュを打ち込んでいく。
「あぅっ……ふぁっ……っがぁっ…………あ゙゙ぁ゙゙ぁ゙゙っ…………」
フックで口の中のマウスピースが吹き飛ばされても妹の猛攻は止まらない。
まるでサンドバッグを殴るかの如く、由乃は全ての意識を攻撃に集中していた。
「ぶひゅっ……お゙゙え゙゙っ…………ぁ…………ぅ……ぁぅぁ………………」
次第に王者のうめき声が小さくなっていくのをみて、由乃はこの試合を終わらせる事を決意する。
「これで…………沈めぇぇぇっっっ!!!」
「ぶひゅぅぅぅっっ!!!」
そして妹の拳で身体を半回転させられてしまった地下リングの王者は、リングロープに身体を絡めてこの試合2度目のダウンを喫してしまう。
長い黒髪を振り乱し、力なくロープに身体を預けるだけの凛香。
「りっちゃん、起きて!! 早く起きてよ!!」
奇しくも赤コーナーの近くでダウンしてしまったせいで、あきらの目の前には親友の失神顔が突き出されてしまっていた。
「チャンピオン本日2度目のダウンッッ!!!
しかしこれは…………流石に厳しいか~~~!!?」
「……………………………………」
(あたしが……おねぇをあんな姿に…………)
尊敬している姉に打ち勝った嬉しさが込み上げると共に、会場の大画面に映し出された姉のダウン姿を見て由乃の下腹部は急速に熱を帯びていった。
「7…………8…………9……………………」
カウントが進んでも微動だにしない地下リングの王者。
彼女の口からはうめき声のひとつすら発せられる事はなかった。
「…………10ッ!! ウィナー、由乃!!!」
「試合終了~~~~~!! 大番狂わせが起こりました!!
エキシビジョンマッチとはいえ、あのチャンピオンを由乃選手が見事KO!!!」
「由乃選手の復帰戦は大金星の結果となりました!!!」
レフェリーから勝ち名乗りを受けた後、由乃は未だ失神している姉に近寄り、耳元で囁く。
「ペナルティタイムはないけど…………この後は……理解ってるよね、おねぇ?」
天使の様な無垢な笑顔は鳴りを潜め、嗜虐的な笑みを浮かべた一人の女がそこには存在していた。
今回妹相手に惨敗を喫してしまった凛香さんですが、初見殺しのハメ技的な作戦に引っかかってしまったが故の敗北ですので、純粋な実力は由乃より何段階も上の設定となっております。
また由乃がこの作戦を使うに至った経緯なのですが、
正々堂々やりあう展開になってしまうと、今の由乃と凛香では実力差がありすぎて瞬殺されてしまう結果となり、そしてその事実を由乃が一番良く理解していました。
また由乃には自分の成長(復活)を姉に見届けてもらう為に、勝つまではいかなくともある程度凛香を追い詰める程度には試合を優位に運びたいという目標がありました。
そのため、ダーティな手段だとはわかりつつもあの様な手段を選択するに至りました。(由乃が引き籠もりから脱却直後でまだメンタルが完全に安定していない事もあり、手段を選ぶ心の余裕が欠如していた事も一因です)
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ナッツが主食
2024-05-16 09:14:27 +0000 UTCMo Mo
2024-05-15 07:00:16 +0000 UTCナッツが主食
2023-05-04 07:34:00 +0000 UTCきのこ
2023-05-04 01:32:03 +0000 UTCナッツが主食
2023-01-08 13:17:26 +0000 UTC細氷
2023-01-07 10:53:27 +0000 UTCナッツが主食
2021-09-23 14:25:55 +0000 UTCアルマス
2021-09-23 12:48:23 +0000 UTCナッツが主食
2021-09-23 09:54:14 +0000 UTC山吹色
2021-09-23 08:59:26 +0000 UTCナッツが主食
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2021-09-23 06:45:09 +0000 UTC山吹色
2021-09-21 16:01:30 +0000 UTCゼロイド
2021-09-21 15:21:34 +0000 UTCナッツが主食
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2021-09-21 04:37:59 +0000 UTC