NokiMo
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? の差分

zipあるよ。

hatena


普段は割とぽけ~っとしている気がする。

ハイライトあるのとないの、どっちがいいかな?

まあどっちも用意すればいいよね!


そして謎の丸呑みモンスター!



 とある大きな街の近くに昔から棲んでいる謎の丸呑みモンスターは、近くを通りかかった若くてかわいい女の人が、何らかの理由で全裸になった(大抵は近くを流れる川で水浴びをしようとしたところを狙う)タイミングを見計らい、地面から伸ばしたその独特な質感の触手で丸呑みにし、そのエネルギーをじわじわと、少しずつ少しずつ、本当にじっくりじわじわと吸い取っていく。なおその触手は、正確には口、もしくは植物の根のようなものだと思われるが詳細は不明。また、その性質から本体は地中深くに潜んでいるものと考えられている。


 拘束期間は短くても数日、長いと数週間に渡るともされ、獲物が秘めている生命力とか魔力とかなんかその辺のこう、エネルギーっぽいものの総量に比例して長くなると言われる。


 その触手は薄く、そして非常に柔軟性に富み、飲み込んだ獲物の体にぴっちりと吸い付くようにして拘束する。その触手にかかればどれほどの美女や美少女だろうが顔面を不細工に歪められてしまう。また、触手の透明度は謎の丸呑みモンスターの気分次第で自由に変えられる。

 そのうえ、この謎の丸呑みモンスターは捕えた獲物をわざわざ人がよく通る街道沿いに晒すという性質がある。そして生息している場所が、よりにもよって大きな街の近くであるため、街道は非常に人通りが多い。そのためこの魔物に捕えられた犠牲者は、謎の丸呑みモンスターが満足するまで、身動きも出来ないまま、大勢の人に対して無様に崩壊した顔面の全裸姿を晒し続けることになってしまうのである。


 これだけであれば、即討伐されてもおかしくない存在である謎の丸呑みモンスターだが、そんな彼(?)が、兵力も十分に備えた大都市のすぐ横で生きていられるのには理由がある。


 まず第一に、謎の丸呑みモンスターは獲物に生き恥を晒すことを強いるが、それでいて絶対に獲物を死なせるようなことはしない。実際、犠牲となった女性たちは何日にも渡って姿勢を固定されながらエネルギーを吸われていたのにもかかわらず、いずれ生きたまま解放される。しかも、拘束される前と比べてもほとんど衰弱した様子も見られず、それどころか肌のキメが細かくなる、髪がツヤツヤサラサラになるなどの美容効果すらある。気のせいではなく、犠牲者を知る人が見ても、以前より美しくなったと言わしめるほど効果が大きい。


 そしてもうひとつ。謎の丸呑みモンスターが捕食行動を行うと、特にその年は豊かな実りが得られるのである。そして不思議なことに、その実りは田畑や家畜に限らず、漁業、果ては鉱山資源にまで影響する。これについては、謎の丸呑みモンスターが余剰エネルギーを放出し、それが土地に良い影響を与えたからであるとも、謎の丸呑みモンスターの排泄物がいい感じに肥料になるからだとも言われているが、いずれも仮説でしかなく、原理についてははっきりしていない。

 確かなのは、犠牲者が出たその年は、間違いなく豊作であり、またそれが数年から、長ければ十数年に渡って続くということである。


 故にこの謎の丸呑みモンスターは今に至っても討伐されずにいるのである。

 むしろ大きな街には人が集まり、それによって謎の丸呑みモンスターは獲物を選り好み出来、そして謎の丸呑みモンスターが獲物を襲うことで街は豊かになり、それによってまた人は集まり――いう形で(哀れな犠牲者以外には)良い循環が生じている。実質的な共生関係であると言えるだろう。


 なお、謎の丸呑みモンスターは既に何代かの代替わりが行われているとされている。というのも、時代によって襲われる獲物の傾向が変わっているのである。

 ある時期は若くて元気な、それでいて胸は小さめの成人前後の女性が狙われ、またある時期は比較的幼い少女ばかりが選ばれ、別の時期には妙齢の、比較的豊かな肉付きの女性が襲われていたりした。


 だがいつからか、謎の丸呑みモンスターは百年以上姿を見せることがなくなっていた。その理由は、今代の謎の丸呑みモンスターのお眼鏡にかなう対象が現れないからではないかと言われていたが、真相は定かではない。だがいずれにせよ、謎の丸呑みモンスターの存在が前提でありながら、長きに渡ってその恩恵を受けられずにいるこの地方では、自然も、街の人々も活力を失っていたのは事実であった。


 そんな中やって来たのが、今世間で話題の、勇者の少女であった。


 彼女はそんな事情も、謎の丸呑みモンスターの存在すらも知らずに、ただなんとなく大きな街道に沿って歩いていた。その途中でついに謎の丸呑みモンスターの狩場となっている地帯に足を踏み入れた勇者は、何やかんやで全裸になり、何やかんやで丸呑みにされた。そして、街道の脇で不細工な顔面にされた乳も尻もクリトリスもでかい少女が全裸オブジェにされている姿を大勢の通行人に発見されたことで、現在の謎の丸呑みモンスターの嗜好が「乳も尻もクリトリスもでかくて、それを内心恥ずかしく思っている気の弱い少女」であると判明し、そして久しく訪れていなかった恵みの予感に人々は沸いた。




 この謎の丸呑みモンスターの捕食行為は、今回のような例外を除くと数年から十数年に一度、不定期に行われ、それが確認された年は街全体で大きな祭りが行われる。

 この祭りは謎の丸呑みモンスターへの感謝はもちろん、哀れにもその犠牲となった女性を慰め、また彼女にも感謝を伝えるためのものであり、その性質上、女性が解放されてから行われるものである。


 ……のだが、通常長くても二、三週間で犠牲者は解放されるはずのところ、勇者に限って解放される気配すら全く感じられない。それどころか、ぴっちり拘束されたブサメン勇者様をぶら下げた触手が、街道に沿って移動を始めてすらいた。

 これは過去に例のない行動であり、これによって勇者の無様な姿はより多くの人々の目に触れることとなった。

 研究者達は、謎の丸呑みモンスターが今回の獲物をよほど気に入り、自慢するためにより目に付きやすいように行動しているのではないかと見ている。

 また、勇者故に秘められたエネルギーの質も量も今までの獲物とは桁違いであるため、そういう意味でも今回の獲物を気に入り、また謎の丸呑みモンスター自身も空腹であったがために、捕食にも時間をかけているのだろうと。そしてその結果もたらされる実りは、もはや予想すらできないほどのものになるだろうとも推察されていた。


 いずれにせよ、長く抑圧されていた街の人々はもう限界だった。通常犠牲者が解放されるまで行われない祭りは、準備そのものは無様勇者が発見された時点で始まり、そして既に完了しているということもあり、勇者の解放を待たずして行われることとなった。しかも普段は城壁の中でのみ行われる宴は、今回はあらゆる意味で特別だということで、街の外で晒されている勇者を中心に、街の内外問わずに開かれた。


 街の備蓄を全てひっくり返す勢いで出された食事は、しかし不思議と尽きることはなかった。というのも、勇者から吸い出されたあまりに質の良い大量のエネルギーは、枯れた大地を即座に蘇らせるばかりか、今までの凶作を取り戻さん勢いで植物の異常成長を引き起こしてたのである。その結果、通常収穫までに何ヶ月も必要な作物が、数日おきに収穫され、しかもそれが収まらないのである。あまりに採れすぎるせいで備蓄にしようにも置き場がなく、逆に宴を続けて消費し続けざるを得ないような有様であった。

 肉は流石に自力での供給が間に合わなかったが、祭りの噂を聞きつけてやって来た大商人が、大量の肉を独自のルートと技術を使って新鮮さを保ったまま運んできたことでそれも解決された。宴で大量消費をしてなお余り始めていた農作物も、その商人との取引で概ね捌き切れるようになった。贅沢な悩みが解消されたことで、宴は更なる盛り上がりを見せるようになった。


 その騒ぎは街のみに留まらず、近隣の村からも人がやって来たり、更にはかつて僅かな実りを奪い、争い合った魔物達まで加わり、もはや収拾がつかないほどに大きくなっていった。しかし不思議といさかいはなく、誰もが笑顔で語り合い、歌い、踊っていた。そして誰もが、謎の丸呑みモンスターと勇者に感謝していた。謎の丸呑みモンスターも興奮が抑えられないのか、勇者を飲み込んだ触手をゆさゆさと揺らし、一緒に踊っているようにも見えた。そこには確かに、平和があった。


 まあ、その中心で見世物同然の状態となっている少女にしてみればたまったものではないわけだが。


 とはいえ、心優しい少女の内に怒りはない。

 理由はイマイチ理解できないが、自分が情けない姿を晒すことで、多くの存在に幸せがもたらされているということはなんとなくわかっており、それは喜ばしいことである。そう心の底から思っているからだ。


 ただそれはそれとして、人々の文字通り中心で、潰され歪められた不細工な顔と、コンプレックスである爆乳に、大きなお尻、そして勃起もしていないのに包皮に全く収まらない巨大クリトリスを晒すのが、たまらなく恥ずかしいだけである。

 それに、自分を捕まえた触手が割と遠慮なく動き回るものだから、乳房や尻肉もその度ぶるんぶるんと揺れ、その姿まで余すとこなく見られるのもまた恥ずかしいし、例によってそんな自分の姿を絵に描く画家の姿や、その他様々な形で残そうとする人々の姿が見えるのも、この後のことを思うとまた恥ずかしい。そして宴の最中で一度見せられた完成品の絵が、あまりに見事な出来栄えで、かつもうこれ写真でしょと思ってしまうくらいに写実的であり、それ故にそこに描かれた自身の顔が、自分で想像していたより何倍もみっともなかったのも恥ずかしい。そしてその画家は一切の悪意のない、純粋な喜びに満ちた笑顔でその絵を見せてきたために、自分も愛想笑いで応えたが、その声は不細工なうめき声でしかなかったし、笑顔のつもりの表情もきっとすごく気持ちの悪い不気味なものだったのだろうということも容易に想像がついてしまうのでやっぱり恥ずかしい。

 とにかく死ぬほど恥ずかしいが、それで皆が幸せなら、死ぬほど恥ずかしいけどそれでいい。死ぬほど恥ずかしいけど勇者とはそういうものなのだから。死ぬほど恥ずかしいけど。


 そんなわけで勇者の少女は、その場の誰もが宴が何日続いているか把握できなくなった頃にようやく触手から解放された。これでようやく終わりかと安堵した少女だったが、本来はそもそも犠牲者が解放されてからやる祭りなのだからこれからが本番だと、人々の熱は冷めるどころか更なる盛り上がりを見せていた。

 そんな人々の波の中に、少女はすっぽんぽんのまま飲み込まれていく。そして熱狂する人々や魔物達と共に、一人だけすっぽんぽんのまま歌わされ、踊らされ、散々恥ずかしい姿を見られることになる。

 それから更に宴は果てしなく続いたが、そんな中でいつの間にか製作され完成していた「1/1フルカラー丸呑み勇者像」だの「1/1フルカラー踊る勇者像」だのが公開され、その短い製作期間に対してありえない異常さで作りこまれた精巧なディティールにモデルとなった少女本人はビビりながらも、そのどさくさに紛れることで、ようやくその場から逃げ出せたのであった。


 少女は着の身着のまま……というより、何も着ていない素っ裸のまま、乳や尻を振り回しながら逃げるように、というより逃げるために無我夢中で走り、人目が完全になくなったところで、ようやく自分が鎧を忘れてすっぽんぽんのまま街道のど真ん中を全力疾走していたことに気付き、顔を真っ赤にしてその場に――つまり、街道のど真ん中でへたり込んでしまうのであった。

 更に、そんな少女のために、少女が忘れた勇者の鎧を届けようと追いかけてきた心優しい青年に声をかけられ、感謝しつつも更に情けない気持ちになったりもながら、何だかんだで勇者の旅は続くのであった。




 その地方の異常な作物の成長はそれから間も無く収まり、それと同時に祭りもなんとなく終わり、人々は日常に戻っていった。

 しかしその後も豊作は何年も、何十年も、何百年も、果てしなく続き、かつて互いに不干渉を貫き、しかし枯れかけた大地の上で一度は争った魔物達とは祭りの後も交流が続く。そして謎の丸呑みモンスターは相変わらずちょいちょい捕食行動を行っている。

 こうして、勇者によってまたひとつ、平和がもたらされたのであった。


 当然、その平和と実りをもたらした潰れブチャイクフェイスの丸呑み勇者の姿は、異様に写実的な芸術品の数々と共に永遠に語り継がれることとなる。同時にそれらの作品は工芸品としてその街の特産のひとつとなり、各地に輸出されていったのは言うまでもない。

 そして勇者の勤めを果たす旅の中、はるか遠い地でその作品を目にした勇者本人は、真っ赤になりながら必死に目をそらし、その作品のモデルが自分であるということを悟られないよう祈りながらそっとその場を立ち去ろうとし、しかし祈りは届かず秒でバレてしまい、なお一層恥ずかしい思いをしながら出来れば思い出したくない記憶を思い起こしながら、当時のことを話して聞かせる羽目になったという。






こういう文章って、一度書き始めるとなかなか止まらないのよね……もっと短く済ませるつもりだったんだけどなぁ。

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