「どしたの小町。難しい顔して」
「千登勢、来たか」
札幌は清水沢流〈雪駆〉の頭領・清水沢佐一郎が千登勢に気付いて声をかける。
小町は父の佐一郎と二人で、神妙な面持ちで話し込んでいた。
「うん、千登勢は熊野の〈山飛子〉というのは聞いたことあるね?」
「えぇ、うん……はい。修験道の色の強い、山に帰った忍集団とかいうやつですね。
狩猟や銃火器の扱いが得意だとも」
「そうだね。どうもその〈山飛子〉が隣の〈海くぐり〉に何か仕掛けたみたいなんだ」
「ほぇ、あぁ、はい」
「これまであまり動きのなかった、よく分からない忍集団だけに、ちょっと気になってね。小町に接触をしてもらえないかな、と。そんな話をしてたところなんだ」
「へぇ、小町、久々に遠征じゃん。頑張ってきなよー。
……あれ? 私にもなにか……?」
若干嫌な予感がした、といわんばかりの顔で、千登勢は佐一郎の顔を見やる。
「それで、千登勢には〈山飛子〉がどんなことをしているか、調べてきて欲しいんだ」
「ぅ、うぇぇ……。なんで私みたいなちみっこいのが……」
「だからいいんだよ。見学という形で入り込めば、警戒されない可能性が高い」
「な、なぁんか別の意図もありそうなんですけどー!?」
「う、うん。実は今回、千登勢の個人忍頭になりたいという人から連絡がきてな。
是非千登勢に行って欲しいとのことなんだ」
「ぅ、うぇぇ………」
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投票では僅差で千登勢が上回っていましたが、
ひと押しもあって、千登勢に行って貰うことになりました!