角館(かくのだて)武家屋敷通り。秋田県仙北市。 かつて秋田藩に仕えた武士たちが暮らした「内町」と呼ばれる場所。その大通りに当たる。 厳格な町割りとなっており、町の最北から順に、 上級武士、中級武士、下級武士の家が築かれている。 更にその南側には「外町」という、商人たちの暮らす町があったという。 道幅は広く、東海道と同じ六間(約11m)とのこと。 車が走っていても、歩行の気にならない。 何よりも目を引くのは、南北に真っ直ぐに続いた広い道と、それを取り囲む黒板塀の風景。 庭に植えられた大木は、樅の木や枝垂桜だ。 枝垂桜は塀を越えて通りに伸び、樅は塀の遥か何倍もの高さに成長している。 桜の時期は綺麗だろうし、紅葉の時期もまた美しいだろう。 今この時期は、緑が庭から溢れ出し、さながら緑のトンネルを作っているようにも思われた。 興味を惹かれたのは、この風景が京都や金沢といった町や庭のそれとは趣が異なるということ。 整然と手入れをするのではなく、ある程度自由に、自然に伸ばしているように思えた。 僧侶が作る庭や、商人が作る庭とはまた違った形で、 武士の思想が入った庭とは、このようなものなのだろうか。 案内の方に尋ねてみると、武士の思想と風土が混ざり合って、このような種類の樹々が植えられたとのこと。 この自然に近い樹々の力強さは、他の場所では味わえない。 是非また季節を変えて訪ねてみたい。