お名前はなんていうのかな? うしおノアちゃん? さ、お父さん、ノアちゃんのトイレトレーニングにお悩みとのことですが……
Added 2025-04-30 12:26:15 +0000 UTC肩関節をほぐすことを意識して、天井に向かって大きく伸びをします。んー、と抑えがたい声が漏れ、腕を下ろすとリラックスした吐息に変わり……滞っていた血流が円滑に流れ出す感覚は病みつきになってしまいそうで、大人の言葉を借りれば、この瞬間のために働いている、なんて表現してもいいかもしれません。 ちょうど区切りのよいところまでデータの照合作業が終わったことですし、一息入れましょうか。そう思ってウォーターサーバーを探すと、いつもの場所には見当たりません。 「あ……先生。見てしまわれましたか? リラックスしすぎてしまって、もう、恥ずかしいですね」 首をかしげていると、前述のように、おそらくは私に多大な影響を与えた大人……先生と目が合いました。 そうでした、私はシャーレにお手伝いに来ているんです。近頃はミレニアムでも行事続きでしたので連邦生徒会のお力をお借りすることが多く、事務処理についても同様、ということで、いっそ私がシャーレに赴くほうが話が早いだろう、というのが大まかな経緯です。 「いえ、あまりに居心地がいいものですから、勘違いしてしまいました。これで、あとはユウカちゃんがいれば申し分ないのですが……ふふ、ユウカちゃんと先生のコミュニケーションの様子は、私にとっていちばんの心の栄養ですから」 ほんの軽口ですが、偽らざる本心でもあります。外向的で頼りがいのあるユウカちゃんが先生にたじたじになっている風景は新鮮ですし、何よりそのときのユウカちゃんは燃え盛る太陽を熱いままはちみつに浸して口に入れるような……ええと、かわいいんです。私も、ユウカちゃんの職分に当てはまるであろう業務内容が予定されている日には率先してユウカちゃんをシャーレの当番に推すことにしていますが、その場合私はミレニアムにいるので、ほほえましい光景を目にすることができないのが残念です。 「先生? 悪い顔をされていますよ? ユウカちゃんが愛らしいからといって、シャーレ専属にしてしまおうなんてお考えでしたら……私もついてきてしまいますから♪」 先生はキャスター付きの椅子に腰かけ、ぐるぐると回っています。スケジュールとしてはいささか早いですが、なし崩し的に休憩時間、ということになりそうです。 他愛のない言葉を交わし、会話の内容に応じて表情を変え……お互いに手札をあらかた出し終えた後で、心地のよい沈黙が広がりました。 「先生、コーヒーでよろしいですか? ユウカちゃんの計算に基づいて淹れる手順を見直してみたんです、ぜひ外部からの中立的なフィードバックが欲しいなと……あ、先生、っ」 給湯ブースに向かう途中……わざとだったのかもしれません、私は遠回りになるルートをたどり、そして先生の机の横を通った瞬間、袖のあたりを先生に捕まえられてしまいました。 「ふふっ、おかしな先生ですね。コーヒーの一杯や二杯、淹れる手間も変わりませんから、先生のお手を煩わせる必要は……」 空とぼける私の手首に、痛くはなく、怖くもなく、さりとて籠の鳥を逃がすつもりもない大人の握力が食いこみました。 「私が本当に飲みたいものがあるのではないか、と……いえ、コーヒーですよ、このあたりで思考をすっきりさせておきたいと思ったんです」 不十分な時間稼ぎの間に、私は視線を落とします。先生のおズボンのファスナーで閉じられたあたり……期待通りの変化を見出すと思わず頬が綻んでしまい、私は稚拙な嘘を破り捨てることにしました。 「……はい♡ 本当は、ミルクが飲みたかったんです♡ 先生のお手製であればもはや、言うことはありませんね♡」 先生が勢いよく立ち上がると、車輪のついたオフィスチェアがわずかに転がり、大げさな音を立てて止まりましたが……その音を、誰も聞くはずはありませんでした。 激務の疲れにささやかな制止を試みるためでしょうか、シャーレの休憩室はたいへん設備がととのっています。もっとも、半ば私室的な性格を持った空間でもあるため、全体の雰囲気は大きく主の生活様式、嗜好に左右されるのですが。 「また、新たなおもちゃを購入されたんですか? 少し語弊があるかもしれませんが、広々とした子供部屋のようですね……ふふ。ユウカちゃんの公平な財務管理からは何人も逃れられませんよ♡」 先生は、私の当てこすりなどに心乱されるはずもなく、やるべきこと……私の目の前に指先を突きつける、という、必須にして専門性の高い役割を自覚しておいでです。 「んっ、ちゅ、ぷっ、ちゅぴ……ぃ♡」 そして、私の責務はといえば、その関節のしっかりとした指を唇に挟み、唾液を含んだ舌の尖端で、おそるおそる皮膚を舐めることでした。 リズムを持たない吐息の合間合間に、どうしたことでしょう、私の身体はある、常ならざる反応を示し始めました。腹部の奥、見ることも触ることもできない領域が不可視の糸で吊り上げられるように、緊張し引き縮んでいるのがわかります。 「ぅ、っあっ、や……です、先生、まだこんな時間、ですから……むぷっ♡」 私が怖くなって姑息な言い訳とともに吐き出そうとするたびに、先生はかえって深く指をお沈めになりました。 怖くなって……怖いくせに、私の手や腕はすっかりと心得た動作手順に従って忙しなく布の表面を擦ってしまうんです。黒いタイツが、白いブレザーが、シャツが身体の周囲に積み重なっていって、室温を直接皮膚に感じるほどに、催眠状態のように、吸引を適切なリズムに整える私の唇。 いつも、恥ずかしくなります。胸を覆う、二つの半球型のカップを備えた下着に指をかけたとき。それでも、中途で引き返すことは許されていません。せめて、できる限り肌をあらわにする時間を少なくしようと私は素早く手首を動かし、腕を巻きつけて弱々しい部分を隠しました。 「ちゅ、っぷっ、ぁ、ひどい、です、先生、ぃ、っくぷる♡」 先生は片腕だけしか使えないのに、いともたやすく私の抵抗を剥ぎ取ってしまいます。くわえた指先が命運を弄ぶ銃口のように感じられ、当然、圧倒的な優位を持って見下ろす先生には、弁明をする必要もなければ、不安を和らげてくれることもありません。 最初のうちは、もっと逆らってみたこともあるんですよ? でも、先生は普段のように優しく私を説き伏せて、それから胸をさらけ出させるだけでした。 先生はこう言ったんです。 赤ちゃんはおっぱい出ちゃっても恥ずかしがらないからね……と。 それは先生が珍しく口にした嘘でした。赤ちゃんは羞恥を感じないのではなく、自らの心の中に浮かぶ感情がそれだと気づかないだけ……そう、私は身をもって学びました。だって、うなじにはこんなに立毛筋を逆立たせる微弱な電流が走り、歯の裏から舌の表面まで乾いていく、明らかに平穏ならざる反応が、私の内心をかき乱すのですから。 それに、先生は都合よく、ありえない兆候を無視してしまいます。薄桜色に、膨らんで。血潮が集まり、私の余裕ぶった白い頬の代わりにかっと熱くなった、乳首。赤ちゃんが、裸の上半身を見られて、どこか鬱屈した解放感とともに、乳頭をいきいきと勃起させてしまうことなど、それこそありえないのではないでしょうか? 私がまたしても無駄な口舌を並べ立てようとすると、先生は懐から取り出した、愛用の……先生と私、どちらが愛用しているのか定義することは難しいでしょう、何匹かの動物のイラストをプリントされたプラスチックのおしゃぶりを私に与えて、今度こそ決定的に黙らせてしまいました。 歯ごたえ、というか唇や歯茎全体で感じる弾力混じりの官能は、私のような平凡な人間を虜にしてしまうには十分すぎたようです。私は先生にはねのけられた腕をそのまま頭部の両脇に横たえて、しばし先生の指の偽物を吸いしゃぶる愚かな行為に没頭しました。 先生はそんな私を、新しく所有した等身大のおもちゃをぼんやりと眺め、満足そうにほほえんでいらっしゃいます。光る剣や音の鳴るベルトだけではなく、無垢で無力な乳幼児を模したビニール人形もまた、情操教育には効果的なおもちゃです。 しかし、私は世にも珍しい思考回路を備えたお世話人形なので、それと気づかれないようにこっそり、媚情をにじませた視線を持ち主の身体に投げかけてしまいます。 心臓がどきんと一度、強く打ちました。先生のズボンに押しこめられた純粋に暴力的な拍動は、私の頼りなく露出した乳首とは反対に、覆い隠されてとてもフラストレーションの溜まった様子。本来の四角四面な形状を取り戻し、緩く上下する私の腹部に唾液の付着した指先を押しつけると、また膨らみは複雑な布じわをかき分けて大きくなるようでした。 「ん♡」 あ、恥ずかしい。唾液の粘り気が小さな真空を作り、泡の混入した吸い音を立ててしまいました。それというのも、先生が私のショーツの裾に爪を引っかけ、とうとう私から年相応の装飾をすべて拭い去ってしまう決心をされたからです。 おしゃぶりを唇で締めつけていると、すぐに準備は終わりました。ごく日常的で、体液の水分を広げることなど予期しない一室で、私はこの世に生まれ落ちた瞬間とまったく相違ない姿になり、それでいて許されるはずもない罪深い秘所を、先生の視界下に供してしまっています。 どく……どく……どく……先生の思慮深い眼光を相補うように、獰猛な獣が上質な生地を引き裂かんと悶え、そのほんのわずかな振動が、空気の層を伝播して私の……先生はこう呼ぶようにとの仰せでした、私のおまんこ、の唇を目に見えないほど小さく押し広げようとしています。 私がセルフイメージからはかけ離れて落ち着いた人格のように見られがちなのはきっと、この内心の動揺を頑ななまでに反映しない頬の皮のせいだと思うのですが……その代償のつもりでしょうか? 私のおまんこは驚くほど無策に、先生が下着を引っ張った瞬間から、裏地に夜露の糸を引いて、今だって鼠蹊部周りのどの筋肉を緊張させれば、次々に溶け出そうとする膣蜜を留めておけるか案じ悩んでいるんです。 そんな見苦しい私の姿は、いくら先生が私を赤ちゃん扱いしたくても見過ごせないようです。いえ、というか赤ちゃんであっても性器部を素出しのまま、といった状態は望ましいことではありませんから、先生はきちんと対策を講じておいでです。 「あ、うぅ、ぶぅ、っちゅぷ♡」 先生の手元でささめく乾いた音を耳にした私は、もうだいぶ社会動物の言葉を忘れてしまっているようです。期待……そうですね、期待でしょうか、先生が取り出した薄い布に落ちる、青白い影を見て私は、柄にもなく瞳を輝かせてしまっていたに違いありません。 「……だう♡」 ぺちん。明らかに図に乗って、先生の言葉に従わない悪い子を演じる私のお尻を、少しだけささくれた大人の手のひらが叩きました。もちろん、赤ちゃんの私に罪過の内実などわかるはずもなく、熱感に似た痛みだけが心をすくみ上がらせます。 私は精いっぱい目を潤ませて、先生に無実を訴え……これくらいのわがままは許してくださるはず、と汚らしい打算を働かせています。ああ、どうしましょう、私、本当に悪い子になってしまうみたいです。 しかしその咎も、これから行われるはずの冒涜に比べればほんのささいなものなのです。 幼子の恭順を諦めた先生は、腰を入れて私の足首を吊り上げ、床と浮いたお尻の隙間に、巧みにT字型の紙布を滑りこませました。 その目の粗そうな外見に反して、肌と接する部分は不快感をもたらすこともなく、ひょっとすると今では無残に投げ捨てられた綿のショーツよりもしっくりとくるものかもしれません。 「きゅ、ふぅう♡」 先生は私の足を床に下ろしたかと思うと、上体起こし運動の基本姿勢から、膝を大きく広げさせてしまいました。明らかに、私へのあてつけを試みていらっしゃいますね。その企ては大成功といえます、私のどこが赤ちゃんになぞらえられるというのでしょう? 産毛と呼ぶには太く、束のまとまりすぎた白い恥毛が膣口の上半分を区画し、陰唇も陰核も、充血させられる部位は見境なく火照りを呈しています。そして相変わらずとろり……と蜜汁を湿りつかせる肉孔は、まごうことなく正面に控えた雄を番いの片割れに乞い、恥知らずにも生めいた蒸気を湧き立たせて。 それは罰でした。先生は、本能的に雌になりたがる私の肉体には目もくれないふりをして、私の股下に伸びた毛羽質の生地をへそ近くに引っ張り上げます。よく、私のお尻を収めるサイズの製品があったものです。こんな、大人用紙おむつ……だなんて。もしかして、シャーレの経費でお買いになっていませんよね? ユウカちゃんに叱られてしまいますよ。 私の心配をよそに、先生の指が骨盤の上延長あたりでテープを止めると、身体が条件反射を起こしてしまいました。先生がお腹をぽんぽんと叩く、内臓に沈みこむようなリズムが逸脱を助長します。 これまでの人生で半ば意識的に培ってきた理性を脱ぎ捨ててしまうことへの、表わしようのない忌避感、抵抗感。言ってしまえば、私は赤ちゃんではなく、先生におむつを履かせてもらっただけの少女ですから……今はまだ。ですが、ごく弱々しい良心の堤防にひびが入る焦燥とは裏腹、私は眉尻を垂らし、頬をほころばせて一般に言う満面の笑みを浮かべてしまっていました。怠惰に結んだ握り拳を顎の両側に控えさせ、まるで筋力をすべて下半身のある一点に集めてしまうような、それを先生に見ていてもらうのが無上の至福だと勘違いしてしまうような。 引き返せるという淡い希望は、引き返せないという確信に姿を変えていきました。総毛立つ薄寒さに凍り付いたまま、私の思考中枢は膀胱の収縮、内尿道並び外尿道括約筋の弛緩、というすっかり慣れた手続きの無為な反芻を繰り返します。考えようと考えまいと、もはや食い止めるには遅すぎ、腹直筋が波打つ耐えがたい衝動が肺から脊髄を貫き、先生の顔がおぼろげに映って……そこで私ははじめて、自分が瞼の切れ目に涙を浮かべていることに気が付きました。 しゅーっ……と、十分に噴圧の高まった液体が直径のごく小さな絞り口に殺到する音を素直に響かせられていたのなら、どれほど私の尊厳は救われていたでしょう。 実際には、水流が妨げられ、いえ、反り立つ壁にぶつかって弾けては、さらにその反射が、びちゃ、びちゃ、びちゃ。足首を通したおむつを信じきって、尿道を思いきり緩めてしまう排泄中毒者の聞き苦しい調べが部屋の空気を揺らしているんです。いくら吸水ポリマーが敷き詰められた技術の結晶とはいえ、瞬時に液体を取りこんで膨らむわけではありません。 じわじわともったいをつけて水分が飲み干されていくまでは、お尻の谷間に、内ももに、生温かい海の喫水が広がって、純粋な不快感と体表が濡れることへの原始的な恐怖に襲われたまま……私は心細くなってしまって、今にもか細く泣き出してしまいそうでした。 「まう、ぅ、ふきゅ♡」 しかし、そんな後付けの憂鬱も、先生に認めてもらえば誇らしい勲章に変わります。広々として穏やかに丸まる手のひらに頭頂を撫でつけられていると、調子に乗った私の身体はしゅっ、しゅっ、ますます膀胱を絞りきろうとしてしまいます。 赤ちゃんは、ミルクをたくさん飲んでおしっこをするのが仕事だからね……先生のおっしゃる通りでしょう。今の私は赤ちゃんなんです。先生に見守られながら盛大におむつを濡らすことで、こんなにも満たされるんですから。私が尿口を決壊させてしまうと、存在に無条件の称揚が与えられ、私は、コーヒーの割合を高めた今朝のカフェオレと、先生と言葉を交わす最中すでに無意識のまま膝をすり合わせていた態度と、それらすべてに感謝を捧げる思いでした。 その一方、赤ちゃんは我慢という抑制機構を持たず、また求められない存在ですから、私は股間部の湿りつく居心地の悪さに不平を訴え、口を尖らせて先生に対処を求めます。 自らの意思で起き上がり、立って歩く能力を持っているのに私は、先生が腰あたりのテープをめくるにまかせて、横柄に寝転がったまま、とんでもない不良生徒ですね。 「だーう、だぅ、うぅ、きゃっ、きゃっ♡」 不織布の裏にこもった生々しい熱気が解き放たれ、おしゃぶりと唇の間から快哉を叫びました。先生は慈悲を溶かした忍び笑みをこぼされつつも責務には忠実に、そばに置かれたパッケージからおしりふきを取り出し、私の罪深い部分にあてがってくださいました。 「んん、あ♡」 赤ちゃんにしてはいくぶん艶を帯びた息が漏れ、肉付きのいい半月を恥骨に沿って撫で回されるたびに輪唱を重ねていきます。傍目には平坦に見える女陰部ですが、皮膚表面に形成される即席のひだやたるみ、また陰毛の群生部は水分を含んだままになってしまいやすいため、丁寧にひんやりとした拭布を走らせる必要があります。 本当に、ずいぶんと紆余曲折を経たものでした。先生の赤ちゃんになったばかりの私は、知識に基づいて乳飲み子を演じてはみるものの、それは一枚羞恥心を隔てた虚栄的な振る舞いで……特に、おむつを履かせられ、おしっこを漏らすようにと命じられた際には逡巡と疑いで気が遠くなってしまう心持ちになったのを覚えています。 最終的には、口八丁でそれとなく気を逸らそうとする私の、往生際の悪い身体を先生が抱き締め、大人の男性の言い訳のできない、黒々とした重量で押し潰してくださいました……犯す、犯す、と囁いた感情のない声が私から不忠の心と窮屈な理性を奪い、失禁は一分間も続いたかと思うほどでした。 ……と、いけませんね。私がとりとめもない追想に興じている間に、鼠蹊部には薫風吹き渡る清新な肌触り。先生はこうも手早く、おむつを履き替えさせてくださったようです。赤ちゃんはありがとうという複雑な言葉を知り得ませんから、せめてもの破顔で応じることにしました。 その私の目鼻のごく近くに、先生は腰を持ち上げ、視界には腫れあがったおズボンの肉形が大写しになりました。 さて、赤ちゃんは人間の中でもとりわけ、体組成に占める水分の割合が高いとされていますね。先ほどまで私が臀部を包んでいたおむつは丸められ、床の上、明らかにふやけた分だけ体積を増加させています。私が先生にお願い申し上げた内容を覚えているでしょうか……ミルクを飲みたい、というのは、急速な補給を目してのものでもあったんです。では主目的はと問われると、濁すほかありませんが。 先生と視線がぶつかりました……瞳孔に深い暗がりを湛え、それでも先生はどこか優雅さを保った手つきで、ベルトのバックルを繰り、しゅるしゅると帯を引き抜いて、ああ、私の忍耐はいつまで続くでしょうか、永遠に引き伸ばされるような感慨で、留め具が解かれ、親指がおズボンと股着をまとめてずり下ろし…… 「ぶっ♡ ぶぅうっ♡ ぱっ♡ ぱぷっ、ぷひゅ、あっ先生早くミルクを飲ませてください、あっ、みゆ、くっ、みゆくぅ♡」 私は渇望のあまり一張羅のおしゃぶりを吐き捨て、あろうことか喃語も忘れた不徹底な態度を糊塗しようと、わざとらしく呂律を乱して赤ちゃんを装う始末。そんな大それた無作法を、先生は寛容な沈黙で見過ごしてくださいました。 その代わり……と言っていいのでしょうか、鼓膜を揺らすほどの脈動は、まるで先生の胴からは独立した一つの生命。体温で尿を揮発させた私の鼠蹊にも負けず劣らず、表層の凹凸にむわ、むわ、鮮烈なのに重苦しく沈積する油脂の臭気を絡みつかせて……はい、これも先生に堅く言い含められていますから、呼び表わすことに抵抗はありません。チンポ。どれほど前の段階からか、屹立し、血潮を付け根から切っ先まで行き渡らせた先生のオチンポ、デカチンポ、ブトチンポ、ビキビキオチンポ、バキバキどす黒成人チンポコ、が、私の眼前に突きつけられていました。 そして、矛盾するような話ですが、私はまたこの、剣尖をスペードの形にむくりと起き上がらせた暗血色の肉棒が、オチンポではないと言わなくてはなりません。おむつの中に躊躇なく尿水を放り出し、また次のお漏らし準備を整えてもらうことになんの疑問をも抱かない赤ちゃんのノアちゃんにとって、それはひとりでに柄を振って自らをあやしてくれるガラガラであり、血肉の源となる霊的な精乳を惜しみなくごちそうしてくれる寸胴の哺乳瓶でもあるんです。 ふふ……もうすでに、私の身体を構成する数十兆の細胞のうち、何パーセントが先生の濁り深いたんぱく液由来のものに入れ替わってしまっているのでしょう。そうなれば本当に、私は先生の赤ちゃん、と言っても相違ない存在になってしまうのかもしれませんね、先生? 瞳を覗きこんでも、先生が答えをくださることはありません。ただ、そのまま視線をずらさないように私が注意深く口腔を開け放つと、怒張した男根は逃げ出すように茎を跳ね上げて反応します。 愛おしい……と、思いました。硬い硬いオチンポは気取っているように見えても、その振動は確かに陰茎を伝わり、付け根に垂れ下がった、こほん、キンタマ袋、をたゆませます。とても親切な仕組み……今から私の口を経て消化器に至る雄のミルクの収蔵箇所が、あのいかにも柔らかな皮嚢だと教えてくれているんですから。 今のところ直接にはお伝えしていませんが、私は先生の血管を浮き立たせたチンポに、もう一つの親和性を見出しているのです。乳首。私の乳房の三角点でしこり立つ濃色の噴出口と、機能的には似ているような、とすると、尿道の行き着く先であるところの陰嚢はさながらママのおっぱい、なのではないでしょうか? ぞくり。神をも恐れぬ想像に背筋が凍りつきます。私は、自らがチンポをしゃぶって先生の精水便器となりたいなどという下卑た欲望を、赤子がひたむきに母の乳をせがむ、この世で最も汚れなき希求にすり替えて正当化しようとしているんです。このことを打ち明ければ、先生は私を拒まれるでしょうか? いえ。そもそも赤ちゃんは、そのような難しい思弁に取り組む能力を持ちません。私の口が余計な言葉を織り上げる前に、目の前の、ミルクをくれる優しい大人にすがることにしました。考えるのは、チンポ、チンポ、チンポ、乳首……ママ、おっぱい。大きく口を開いて、言葉にはしないで。 舌表の大部分に広がる、ぴりぴりと突き刺すような刺激味で我に返り、私は、いただきますも言えないしつけの悪い赤ちゃんになってしまいました。チンポの筒状に丸く粘りついた粘膜が、空気を巻きこんで聞くに堪えない音を奏でて……不幸中の幸いは、その浅ましい姿を自ら確かめることは叶わないということ。 そして、何よりの幸福は、私の痴態を先生が余さず見ていてくれるということです。私が上目を遣うよりも先に、また情け深い手指がつむじに降り立ち、赤ちゃんの大好きななでなでを施してくれました。 「にゅぶっ♡ ぐぶぼっ♡ ぬぼ……ぉっ♡」 ただ空気を吸いたかっただけなのに、下唇と口蓋が互い違いにチンポに貼りついては離れ、淫猥なリズムを響かせてしまいます。心地よい重みを課す手のひらと、咽頭を遡上して嗅神経を刺す塩辛い臭気が私の脳を挟み撃ちにして、思考を遮断してしまうんです。きっと、一時的な栄養欠乏状態に陥っていて、私は、だから早く、先生に滋養を満載したお乳を賜らなくてはなりません…… 酸味に皺ばむ舌の波間を、亀頭の裏側、陰茎小帯やカリ首の返しといった克明な段差構想がかき分けていきます。出たり、入ったり……私はどうやら、首をごく単純なピストン機構のように前後往来させ、先生の剛直を頬裏や歯茎にかぶせた唇で摩擦することに決めたようです。 ごわごわと絡み合った先生の陰毛の茂みが、遠ざかっては近づき、汗を少し濃縮したにおいが次第に鼻腔を離れなくなっていきます。単純な反復運動のみに留まらず、例えば熟した肉兜だけをくわえて息を吹き当ててみたり、食道に落ちこむ舌の根あたりに分布する小さな粒で、チン先粘膜を慰撫しようと試みたり、まるでつたない即興。ですが、偶然にも先生の金玉嗜好にかない、野太い根茎が口腔を気にせずそそり上がると、ちょうどおむつの腹ゴムに覆われるあたりの内臓から収縮の波がこみ上げ、焦点が定まらなくなります。まるで中毒性を持つ薬物の乱用のように、私は取り憑かれて男性器を頬張り続けました。 ノア。頭上から呼びかけられたような気がしました。おそらく幻聴でしょう。私は先生の先端から溢れた多糖質のカウパー腺液を舌の中腹にすくい、口腔内壁と発熱チンポに同時に塗布すべく動きを激しくします。ノア……ああ、また聞き間違い。それより、男性生殖器の興奮を示す蜜汁は例えば、唾液といったものより粘り気に富んでおり、急いで舐め溶かさなければ膜を張ってしまうかと思うほどです。尿道口が塞がってしまう前に、速やかに吸い出さなければいけませんね。 ノア。 「ぼぐりゅっ♡」 調子よくペニスを締め上げ、先汁のおこぼれにあずかっていた咽喉が無様に裏返ってこの世のものとは思えない鳴き声を立てました。あら……どうしたことでしょう、私はもっと勤勉に棒竿をしゃぶり立てたいと思っているのに、首が動かせなくなってしまいました。まるで万力で両側から押さえつけられているような…… ノア。瞼ごと瞳を上転させると、深い失望をこぼれ落ちそうに塗りこめた先生の眼差しに射すくめられ、私は、とんでもない失礼を恩人である先生に働いてしまったことを悟りました。 ノア、そういう悪いお行儀は、赤ちゃんのうちに直しておかないとね。自分自身の頭蓋骨の形が、先ほどから何度も私を祝福してくださった両手を介して伝わります。手のひらは頬骨のあたり、耳を塞がず、私が先生の声を聞けるように配慮をいただいている……そんなにも親切な先生ですから、まだ間に合うかもしれません。先生の指示をきちんと踏まえ、獣気の昂進に合わせて吸引を強めていく、と頷けば、許していただけるはずです。 ……だというのに私は反省のひとかけらも見せず、雄々しいチンポだけに向き合う退廃の道を選んだのです。手前勝手に、真っ赤に焼けた鉄棒のような男根の舌触りに溺れようとして…… 私の自由意思は、先生のため息とともに喪失しました。所詮、私は先生と相互に合意を交わして自立的な口淫に励んでいたわけではなく、特別な許しを得てチンポをしゃぶらせてもらっていただけです。 先生が一度本気の片鱗を見せれば、もはや私は首から下の身体になんの価値も持たない、赤ちゃんという悪ふざけじみた建前さえ自分で捨ててしまった、ただ適温の粘膜で勃起肉に貼りつくだけの穴になってしまうのは当然でした。 ごっ、とも、ぼっ、ともつかない、とにかく弾力を持つ人間の皮肉が立てるなど想像もできない硬質な音が、喉奥の壁に反響する感覚……冷えた脳みそ、がらんどうの頭蓋に何度も跳ね返って、叩きつけるような首吊りイラマチオの罰を与えられているという空虚な理解を補強していくんです。 効率よく膣肉をすり潰す形状になった亀頭が喉の後部を蹂躙し、生命維持に関わる神経が意味もなく逆流反射の機構を作動させました。そんな、一縷の吐気さえエラを張った怒張に押しこまれ、泡を吹く、というのでしょうか、明らかに唾液とは質を異にする緊急の体液が甘酸っぱく口腔を満たし始めてしまいます。 だらん、と腕が垂れ、反動で私の乳房が揺れるでしょう。しかし私の脳髄は、それを察知するほどの機能を残しているでしょうか? 肉質の詰まったゼリー状の喉をかき出されていると、次第に手足の指から末梢が冷たくなっていきました。下瞼が涙を支えきれなくなり、頬を伝う透明な筋の一部は、歯に巻きついたままの唇に絡みついて、それすらもチンポの滑りをよくする用途に費やされる、なんて、口にするまでもなく自明ですね。 呼吸の閉塞感が急速に膨らみました。ああ、なんと見上げた志でしょう、事ここに及んで先生は、教育者としての矜持をお捨てにならず、私の更生を心から信じてくださっています。ぼこぼこと肉瘤を浮き上がらせて聖熱を滾らせる男性器から、清廉で真摯な先生の分身ともいうべき濁液を私の体内に直接植え付け、もう一度私がまっさらな赤ちゃんからやり直すことを、鈴口から涙をこぼしてしまわれるほど一途に、望んでおられるのです。 とはいえ、意思とは無関係に垂れ流れる涙の助けを借りずして、どうやって先生への深謝を示すべきでしょうか? そう考えると、両脚の間あたりで筋肉が引きつる兆しに気付きました。ああ、かくも取るに足らない私には、これくらいしか先生に返すものがありません……遠くなる意識の中で、先生の指にぐっと力がこもると同時に、私はきつく頬をすぼめ、亀頭部と喉腔の間にわずかな真空を作り出しました。 びゅる。びゅる。びゅるる。授乳、の二文字が思い浮かび、脊椎を痙攣させました。酸素を使い果たし、五感を平板に鈍らせていく肉体の奥で、先生のほとばしらせる精液が狭まった粘膜を叩き、雨上がりの雑木林に似た湿気が鼻孔に流れこんで…… 何重にも聞き覚えのあるくぐもった水音が、おむつの内側を満たしました。なぜそれが最適だと考えたのか、私自身にもわかりません。先生に細心にしつけてもらったお漏らしの作法を再演することで、忠実な生徒であり赤ちゃんであると伝えたかったのか……とにかく、私の脳裏では、先生のチンポに食いついたまま、おしっこを飛び出させることと、いい子に育ちます、という決意が分かちがたく結びつき、何度も何度も繰り返されていました。 先生が喉奥に搾りきってくださったおかげで、口内の舌が届きにくい狭所にスペルマがへばりつくこともありませんでした。もっとも、先生が焦炎をほとぼらせたままの陰茎を引き抜くとき、私の中に残った一抹の邪心が唇を丸め、不意討ちにザーメンの残りをかすめ取ろうとしましたが、先生にはお見通しでした。なのに追加の罰もなくお許しいただけるなんて、先生には感謝してもしきれません。 再び指を握った赤ちゃんのあおむけ寝に横たわる私を、先生はこそばゆいような期待の眼で見つめ、私にはもったいないような数々の誉め言葉を投げかけてくださいました。情緒の未発達な赤ちゃんにでも伝わるよう、胸いっぱいの笑顔をまぶして。重たいおむつが何よりの勲章に思えるくらい……私はどれほど、幸せにされてしまえばいいというのでしょう。 偉いよ、ノア、がんばったね、私といっしょにこれからも努力していこうね、そうした霊妙な響きとともに、先生は四つん這いの姿勢を取り……張力を保った肉茎が、私の目前に迫ってきました。陰嚢にまで絡んだ汗その他の体液が、濃密な絶頂のフレーバーを形成し、目に刺さらんばかりのつんとした刺激が、べちゃり、と温かな肌触りとともに、とうとう私の顔の全体を覆いました。 言葉は必要とされていない、と今度こそ正しく読み取った私は、無抵抗に尿道を弛緩させ、またお漏らしをしました…… 自分でも、不謹慎かとは思うのですが……私は、先生が今日も今日とて終わらない業務に頭を抱えている表情に、ときめくものを感じます。普段の頼りがいとの落差に、でしょうか、ふふ、こういうの、ギャップ萌えって言うんでしたっけ? 「先生? お疲れではありませんか?」 そう言いながら、私は不躾にも先生をデスクに呼び寄せてしまいます。というのも、今日の私には普段と少し異なる点があり、若干移動を億劫に感じてしまっているからでした。 「昨晩は、なかなか寝付けず、ホットミルクで対策を試みたのですが……少し、飲みすぎてしまったかもしれません」 私がスカートをつまみ上げると、綿色の無数のプリーツが刻まれ、もこもこと膨らんだシルエットの下着……と呼ぶには、あまりに外観を損なう、排尿補助用具。 ちょろろっ、びちゃちゃ、びちゃっ、じゅわじゅわ、じゃわわっ……ああ、先生。私……悪い子になって、しまいました。 (終わり)