男性の一人暮らしとはいえ、入浴後の室内はそれなりに爽やかな香りがするものである。
しかしながら、今夜はその香りが二重に漂って空間を満たしていた。
「お風呂ありがと」
「お、おう」
全身をバスタオルで隠した二乃の姿は、思春期の男にとっては目の保養になる。じっと見つめて記憶に色濃く残しておきたいという気持ちを暴走させないように視線をそらし、意味もなく壁のカレンダーの日付を何度も数えたりしながら心を騙していた。
「女でも使えるシャンプーで助かったわ、男ってなんかスースーするやつ使ってるイメージだったから」
「あれいまいち肌に合わないんだ」
「ふーん」
二乃が乾かしたばかりの髪にリボンを結びながらベッドに腰掛け、下着も身にまとっていない状態で男の顔を覗き込む。
「で、なんか感想は?」
「感想ってなんだよ……」
「女の子がこんな格好で隣りにいるのよ? コメントくらいしなさいよ」
「……良いおっぱいだな」
「はぁ……ほんとアンタって単純よね。男はおちん◯んでしか考えられないって本当なんだ?」
入浴前まで二乃が着ていた下着にブラウス、靴下は全て洗濯機の中に放り込まれていて、今彼女が着られる服はない。春先とはいえまだ夜は冷え込む日もあるため、今のままでいさせるのは家主として如何なものか。
「本当に泊まっていくつもりなんだな……家族に連絡とかしたのか?」
「当たり前でしょ、友達の家に泊まるってもう言ってあるもの。何も問題ないわ」
男にとって久しぶりとなった手料理を食べながら、二乃が抱いている重大な勘違いを指摘し、男に付き合っている女性はおらずフリーだということを伝えた際、二乃は口を半開きにしたまましばらく動かなくなった。料理を綺麗に平らげた後、何事もなかったかのように二乃から家主へと出された要望は、『今日泊まっていくわ』という簡潔で切り込む隙のない行動予定だった。
普段であればすぐにでも否定の発言を行っていたところだったが、二乃の表情がいつになく上機嫌に見えたためそのタイミングを失ってしまい、なし崩し的に今に至る。何を考えているのか分かりづらい二乃だが、根は優しい純情な乙女だと信じている男は彼女の提案を受け入れてしまった。
同級生の女子が家に泊まりに来るのは思春期男子にとっては一大イベント。だが期待していたようなことは何も起こらなかった、と肩を落とし自分の無力を嘆くところまでがセットになっていることもあり注意が必要である。
―今回に関しては、期待するはずのメインイベントが既に終わってしまっているのだが。
少しの躊躇もなく、ほぼ全裸の状態でベッドに座る二乃に恥ずかしいという気持ちはないのだろうかと考えつつも、男は二乃に貸し出せそうな服を探し始めた。
「ジャージくらいしかないぞ」
「それでいいわ」
ひと目見ただけでぶかぶかになることが容易に予想できるジャージを手渡すと、二乃は着る素振りも見せずに隣においた。
「着ないと風邪引くぞ?」
「まだ大丈夫よ……ってか、何よ……それ……」
「え?」
二乃よりも先に入浴を済ませ、上下スウェット姿になった男の下半身はひどく無防備だった。学生服と違って伸縮性のあるパンツは、男性器の避けられない肉体反応を隠せるように設計されていない。ほぼ全裸の二乃を隣にしていつの間にか勃起していた性器に、男は気がついていなかったのだ。
「おっ……っとこれは、なんだ……」
「何だじゃないわよ! もしかして……私の身体見て興奮したわけ?」
「ち、違うって!」
「なんで否定するのよ! 失礼なやつね!」
二乃の手が衣服越しの亀頭をつん、と小突き、肉棒がびくっと脈打った。
「……さっきからどこ見てるのよ?」
「だって、お前がそんな格好でいつまでもいるから……目のやり場が……」
「男ってなんでこんなにどうしようもないのかしらね。あんなに出したのに……そ、そんなにおっぱい気になるの?」
谷間を隠すようにバスタオルが巻かれていれば、このようなことにはならなかったかも知れない。しかし、二乃の豊満なバストをすべて隠すようにしてタオルを巻けば、今度は下半身が露出してしまう可能性が高まる。乳輪をなんとか隠せるように工夫されてはいたが、乳房の柔らかな感触を想像するだけで、下半身が反応を示してしまうのも致し方ないことだろう。
「気にならないわけないだろ! そんなエロい乳出して……なんなんだよお前は……」
ムッとした様子の二乃は男のパンツをインナーごと強引に下ろし、勃起した陰茎を露わにさせた。
「おい!」
「まだこんなに固くして……え、エロいのはどっちよ」
「それは……」
「ほら……脱いでこっち来なさい」
おもむろにベッドに仰向けになった二乃はバスタオルを脱ぎ去り、つややかで柔らかな肌をさらけ出してから自らの上に跨るよう男へ促した。
「そんなに気になるなら、どんなもんかアンタが確かめてみればいいじゃない」
二乃は豊かな乳房を両手で持ち上げてから、男を挑発するように谷間を作る。
これから自分が何をすれば良いのか、男は確認する必要もなかった。
「い、良いのか?」
「こんなのでイッたら、笑ってやるから」
言って、二乃がいやらしい微笑を口元に浮かべる。
「じゃあ、遠慮なく……」
亀頭を乳房に押し付けて、既に先端から滴る我慢汁を馴染ませ、焦らすように肉棒を谷間に挿入する。
「お、おぉ……」
「気持ち良い?」
「やば……これ……二乃の胸……柔らかい……っ」
「よ、良かったわね」
膣内のような感触ではなく、柔らかな肌に全体を包まれる感覚。
溢れ出すカウパーが二乃の肌をコーティングして滑りを良くし、乳の圧が肉棒を押し返す。
時折亀頭が谷間から顔をのぞかせ、また隠れてを繰り返す。見下ろすこの光景は、まさに絶景。
いつの間にか男は自分の肉棒を二乃の乳房で愛撫するように扱い、二乃自身はまるで男の性欲処理に使われているかのような状態になっていく。
プライドの高い二乃にとって、馬乗りで身体を良いように弄ばれているこの体勢は未知の感覚を呼び覚ますと同時に、素直に受け入れられる行為でもなく、男に主導権を握られてしまうことに一抹の不安を感じていた。
必死に腰を振って興奮を高めていく男の表情は、二乃から見ればとても愉快なものである。
だからこそこの状況を自らで掌握するために、二乃は両手を男の胸まで伸ばした。
◇
「あーあ……またお風呂入らなきゃいけないじゃないのっ」
「ごめん、気持ちよすぎて……つい……」
「本当に仕方ない奴ね……」
男はティッシュで二乃の身体を拭いていくが、射精直後のはずの肉棒は未だ勃起が収まっておらず、身体を動かす過程で何度も二乃の乳房を突いた。
「ちょ、ちょっと、当たってるんだけど!」
「待てって、そんな簡単に収まらないんだよ……」
身体を拭いてもらっていること自体は構わないのだが、亀頭が自分の乳房や乳首にぶつかるたびに下半身が熱くなるのを感じてしまう。
(だめ……もう……私……)
一通り拭き終えて離れようとした男の肉棒を掴み、二乃は自らの乳首に亀頭を押し付けた。
「お、おい……」
「アンタばっか気持ち良くなって……ずるいわよ」
亀頭が乳首に擦れ、ぐりぐりと乳房を押し込む。
「そう……だよな……」
この大胆な行為と蕩けた表情は、二乃の精一杯の意思表示なのかも知れない。
そう思って、男は二乃の下半身にそっと手を伸ばした。
【Side:M 次女-ゴブンノイチ- つづく】
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次回:9/12(日)(二乃編は一週お休みです。)
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