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【限+文】Side:S 次女-ゴブンノイチ- #04

二乃が屋上で男を弄んだ日の夜。

中野家のリビングスペースでは、三女――三玖と、末っ子である五月が神妙な面持ちで話し合っていた。

「最近、二乃の様子がおかしい」

「やはり……三玖も気がついていたのですね。ここ数日、いえ、もう何週間かでしょうか。二乃は元気になったり急に落ち込んだり、感情の起伏がとても激しいように見えます」

「うん。この前、何かあった? って聞いてみたんだけど、はぐらかされちゃって。五月もそう思ってたんだ」

「確認したわけではないのですが、微妙な雰囲気は感じています」

テーブルに置かれた皿の上にはケーキとクッキー、それに紅茶と緑茶がそれぞれ置いてあり、ゴールデンタイムを過ぎたこの時間に食べるにはカロリーが気になる内容だった。

長女であり、新人女優として活動している一花は、ドラマの撮影があり不在。

四女――四葉は入浴中。

肝心の二乃は、帰ってから入浴も食事もせずに部屋に引きこもっている状態だ。

二乃の力なくして、中野家の食事は成り立たない。

本日の夕食は各々が準備ということになり、先程コンビニから帰った二人は食事を済ませ、デザートを頬張っている最中だった。

一応、二乃の食事も部屋の前に置いたのだが、未だに出てくる様子はない。

具合が悪いのかと問いかけても「大丈夫」と返ってくるのみ。

何一つ大丈夫には思えないのだが、二人は深く立ち入らず、二乃が部屋から出て来るのを待っている。

「二乃は昔から荒れやすいから、どうせ学校で嫌なことでもあったんだと思う」

「そうですね、私達でも嫌なことくらいありますし……そっとしておいたほうが良いのでしょうか」

「でも今回はなんだか、いつもと違う気がする……」

「違うとは?」

「よくわかんない……でも、多分これは五つ子の勘ってやつ」

「とても曖昧ですね……。もう少し待ってみましょう、二乃は話すのが好きですし、落ち着いたら聞いてみるのも良いかもしれません」

五月の提案に頷き、緑茶を飲みながら三玖が二階を見上げる。

二乃の部屋は静まり返り、出てくる様子は全くない。

「そうだね」

気にしていても仕方ないとは思いつつ、三玖が手つかずのケーキに手を付けた頃には、五月の皿には照明の光を綺麗に反射しているフォークだけが乗っていた。

「あっ……あいつが……あいつが悪いのよ……ッ……んっ」 

床に寝そべり、二乃が片手に眺めていたスマホには、夕方撮影した写真データが映し出されていた。

男の紅潮した顔、反り立つ肉棒。そして何より、懸命に男の乳首にしゃぶりつく自分自身姿が、たまらなくいやらしかった。

無意識のうちに右手が性器を触り始め、すっかり乾いたはずのショーツが、再びぐっしょりと濡れてしまっている。

ショーツ越しに勃起したクリトリスを擦っていた二乃だったが、布越しの感触に我慢できなくなり、横にずらして直にまさぐる。

「ん……っ」

家族に聞かれないよう、甘い吐息を必死に堪える。

開かれたブラウスの中にはブラジャーは存在せず、柔らかい乳房が重力に負けてだらんと左右に開かれていた。

両腕で乳房を挟み込むようにしてギュッと持ち上げ、

「えっちな声出して……あんなに射精して……私の手で……口で……気持ち良かったくせに……なんでちゃんと言わないのよ……っ」

スマホを頭の横に置き、左手で自分の乳輪をするすると撫でる。

乳頭に触れないように、優しく乳房を揉み、焦らしながら女性器を触り続けた。

指に絡みついた愛液を左の乳首に塗りたくり、ツヤツヤになった乳首をくにっと摘む。

「は……ぁ……っ……ンッ」

先端を指の腹で擦り、側面を撫でては摘み、扱く。

顔を歪め、口を開け、声だけは我慢しなければという理性と戦いながら、素直になれない自分を戒めるように激しく、自分を慰めるように優しく、彼女は、普段の何倍も自分に正直に、快楽に身を任せていった。






部屋の戸を開けると、三玖と五月が用意した食事に気がついた。

いつの間に置かれたのか、自分の情事の最中ではなかったことを祈りながら食事に手を伸ばすが、手の滑り気がそれを制止したため、一先ず洗面所へ向かうために自室から出る。

「あぁ二乃、お風呂出たよー」

「ん、分かったわ」

ちょうど入浴を済ませた四葉がシャンプーの匂いを振り撒きながら階段を上がってきており、二乃は少し低めの声で返答してしまった。

「ん? どうしたの?」

「……なんでもない」

違和感に気がついた様子の姉妹に、これ以上悟られないよう、二乃は普段と同じを装った歩幅で歩き出す。

三玖と五月が声を掛けるよりも早く脱衣所に入ってから手を洗い出し、ふと鏡に映る自分の姿が目に映る。

ひどく乱れた髪や服、少し見ただけでも何があったのかと気になる状態だ。

「ばか……」

二乃自身に向けられた言葉なのか、それとも特定の誰かに向けられたものなのか。

水の音にかき消えたその台詞は、彼女にしか聞こえていなかった。

【Side:S 次女-ゴブンノイチ- つづく】

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