遮られた光がブラインドを通して部屋を薄く照らしている。
ここは新宿鬼王警察学校の特別指導室。
公にすることが憚られる校内の問題を処理する場だった。
指導室にいるのは二人。
上座に座る人物は窓からの逆光を背にし、その容貌を窺い知ることはできない。
差し込む光は弱く、強い陰影は出来ないはずなのにその存在は何故か暗い穴の中にいるように見えた。
一方、下座の人物はその否応もない存在感によって顔貌から体格までもがはっきりと見て取れた。
野性的な四角い顔には太い眉と髭が生い茂り、引き締まった口元からは牙が突き出している。
その肉体はどこもかしこも分厚く、逞しく、警察学校生の制服が張り裂けんばかりの筋骨隆々だった。
まさに文句のつけようのない雄々しき益荒男。
その益荒男は今、パイプ椅子の上でその巨体を緊張させている。
「ではタヂカラオ学生、もう一度詳しく聞かせてもらえるかな?」
上官と思しき上座の人物が問う。
このインシデント報告会の始まりを告げる。
「……っ!」
タヂカラオのどっしりとした首に突き出た喉仏が揺れる。
その顔に浮かび上がるのは汗、紅潮、そして屈辱の表情。
しかし、タヂカラオは誇り高い警察学校生として背筋を伸ばす。
そして叫ぶように声を張り上げた。
「はっ! 去る某月某日! 本官は服務中にっ、セッ……性交をしてしまいましたあっ!」
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極秘報告! 鬼王警察学校生の種付けインシデント
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『それ』は洞窟の奥でいつも待っていた。
ハラを満たすために旅人を、家畜を、いつも待ち構えていた。
そして、やってくるのは旅人や家畜だけではない。
『それ』の夫が洞窟を訪れ、度々交わった。
夫は怪物の王だった。
『それ』は怪物の王との間に多くの子を儲け、さらには産んだ子とも交わり、また子を儲けた。
『それ』の子らは世界に破壊をもたらし、混乱に陥れた。
父である怪物の王と共に世界の主神と戦い、一時は滅ぼしかけるところまでいった。
一方、夫や子らに比べれば『それ』自身は大した悪事を働いたことがない。
しかし、『それ』は自分が産んだ者らがこの世に仇なすことを知っていた。
それでも、夫を、子らを愛していた。
そして、ある日『それ』は討たれた。
理由も分からぬまま、百眼の巨人に打ち倒されたのだ。
「不死のニュンペー」と謳われた『それ』だが、死んだ経験は無いので不死性の真偽はあやふやだった。
ただ、『それ』は薄れゆく意識の中で思った。
これは天命なのだろうか。
それとも罰なのだろうか。
自分はただ産み、ただ愛した。
それは他の多くの者もまた同じように繰り返している営みだ。
あるがままに殖え、思うがままに愛する事。
果たしてそれに罪はあるのだろうか。
知りたい、自分の在り方が誅罰に値するのかどうか。
そう思った時、『それ』は虹色の光に包まれていた。
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「待つであります!」
筋肉の塊のような体躯がゴミバケツを蹴立てて走り抜ける。
タヂカラオは怪しい人物を追い、歓楽街を駆けていた。
街で目に付いた、コートを纏いフードを目深に被った人物。
警察学校生としてあくまでも友好的に、あくまでも丁寧に所持品検査を願った。
しかし、
「どこへ行くつもりでありますか!」
その人物は声をかけただけで突然逃げ出した。
ただならぬ様子にタヂカラオは弾かれたように後を追う。
タヂカラオは一人だった。
折悪しくも近隣で引ったくりが発生し、その応援要請を相棒に任せたからだ。
「そっちは行き止まりでありますよ」
間もなく、怪しい人物は袋小路に入り込む。
乱雑に資材の置かれた、人気の無い路地裏にタヂカラオは被疑者を追い詰めた。
「逃げた理由をお聞かせ願うであります。何か事件に巻き込まれているのでありますか?」
「……」
被疑者が振り向き、タヂカラオと正対する。
その容貌は相変わらずコートとフードに隠されている。
着衣の曲線を通して窺える体付きは豊満ながらも、闘争には向いていない事が見て取れる。
「それとも何か疚しい事があるのでありますか? そうでなければ、所持品検査にご協力いただきたくあります」
「……疚しい?」
怪しい人物が初めて声を発する。
高くも低くもなく、性別は不明だった。
「そうであります。何か違法な物を……」
「分からない……疚しく思うべきなのか、そうでないのか……」
要領を得ない返答にタヂカラオの警戒心が増す。
集中し、慎重な対応が求められる場面。
「っ……?」
しかし、タヂカラオは先程から形容し難い落ち着かなさを感じていた。
益荒男の肌は赤みを帯び、纏ったシャツの腋の部分には大きな汗染みが出来ていた。
幅広の男性的な鼻からは動物のような荒い鼻息が抑え切れない。
割れた、と言うより盛り上がったタヂカラオの腹筋の遥か下。
腰の底のあたりがむずむずと疼く。
警察学校生の制服の下に締めた褌。
その中が窮屈に感じ始めた時、タヂカラオはやっと自身を襲う異状に気付いた。
「何かしたでありますな!」
「……」
被疑者の守る沈黙こそが答えだった。
それは名に負う動物が繁殖の際に多くの雄を誘う匂いのせいであり、
また別の名に負う生物の生命力と強精効果のせいだった。
「警告であります! これ以上妙な動きすると公務執行妨害となるであります!」
タヂカラオの闘志がにわかに燃え上がり、剛腕の神器が巌のように盛り上がる。
紅い紋様を肘までに押し留めた注連縄が軋みを立てる。
「……!」
そして、被疑者のコートの下で何かが蠢いた時、
タヂカラオの注連縄が弾け飛んだ。
「天門開硬! アマノイワトワケであります!」
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『それ』は無力な存在だった。
タカマガハラに轟く剛力の持ち主と比べたら赤子のような力しか持たなかった。
しかし、『それ』は別の力を持っていた。
産む事にまつわる特異な能力。
『それ』は同じ怪物の王を相手としながら、交わる度に全く違う姿の子を産んだ。
『それ』自身にも夫にも、似ても似つかぬ多頭犬、大蛇、竜、獅子、鷲、猪、海獣。
それは自身の内にあるものを自由に歪め、形を変える権能。
与えられた権能でもって『それ』は同じ男の種から、あらゆる怪物を産んだ。
「……!」
今、タヂカラオの指先が不審人物の正体を暴かんと『それ』に迫る。
しかし、『それ』は事もあろうに口を開いて受け入れる。
「何をっ?!」
内に秘めたるものをとめどなく開放するタヂカラオの権能。
開けっ広げな男に相応しい力の迸りが『それ』の体内に取り込まれる。
本来『それ』の中でしか働かない力。
既存のものに不正に手を加え変える力。
それは変造の権能だった。
『それ』の内側に招かれたタヂカラオの権能はその向きを歪められ、
タヂカラオ自身に降りかかった。
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「ぬうううっ!」
ほんの一瞬飛んだタヂカラオの意識。
それを現実に引き戻したのは得も言われぬ開放感だった。
清々しさの根源を辿り、タヂカラオは目線を下げる。
そして発見したものに目を見張った。
正しく締められた黒革のベルトの下から、巨大な肉塊が飛び出していた。
「こ、これはっ!」
それは異様な光景だった。
歓楽街の路地裏、被疑者と対峙する巨漢。
身に纏うのはパリリと糊の効いた警察学校生の質実剛健にして清廉な制服。
その神聖な制服の中心から、黒ずみと皺と血管にまみれた極太の肉砲が尊大に反り返っている。
二つの里芋のような睾丸をくるんだ毛むくじゃらの袋がはみ出している。
服務中、野外で巨大な男の陰部のみを露出するという異常事態。
公僕たる警察学校生にあるまじき行為。
「い、いかんであります……んんんっ!」
それなのに、気持ちが良くて仕方がなかった。
かつてない開放感に早くも先走りが裏筋を伝った。
「なんと大きい……」
実直な警察学校生には似つかわしくないと言ってもいいような、巨大でグロテスクな肉砲と弾薬庫。
それは押し入り、暴れ、ぶち撒け、孕ませるための野蛮な器官だった。
『それ』は目の前の雄の優秀さを品定めするかのようにタヂカラオの体を弄繰り回す。
小さな指がシャツの上から分厚い大胸筋を捏ねる。
コートの下から伸びた尾のようなものが特大の精巣を転がす。
「ぬうううっ! こ、こんなっ! おおおおおっ!」
感電したようにタヂカラオの巨体が震え、腰が突き出す。
それはある欲求の表れだった。
「さあ……」
路地裏の器材に被疑者が腰掛け、股を開く。
未だコートに隠されながらも、その部分は粘膜特有のぬめりによってその役割を雄に伝える。
「だ、駄目でありますっ! 絶対に……! あっ! あああっ!」
タヂカラオの分厚い胸の中心で大太鼓が打ち鳴らされる。
祭りの空気よりも男を酔わせる熱が睾丸の中から湧き上がる。
謹厳を旨とする官憲が秘すべきもの。
同時にタヂカラオのような屈強極まる雄が当然、日々煮え滾らせているもの。
「いかんでありますっ! いっ、挿れては……っ! おおおおおっ!」
繁殖欲求。
その根源的な男の欲望を、タヂカラオは自身の権能を利用され開放されてしまった。
甚だしい熱情に憑り付かれた巨体が『それ』に覆い被さる。
暴走した肉砲が妖しく蠢く粘膜に押し入る。
「おあっ! ほ、本官のっ! 逸物がっ! ぬうううっ!」
ずにゅるるる……と音を立てながら『それ』の器官はタヂカラオの極太の直径をゆっくりと受け入れる。
蛇の顎のように骨盤を拡げながら、小柄な体躯でもって男を呑み込んでいく。
ゆっくりと時間をかけ、亀頭、カリ、括れ、茎部を味わうように食らう。
そして、遂にタヂカラオの巨根は恥毛の生え際まで咥え込まれてしまった。
「あっ! ああっ! こんなっ! ぐあああっ!」
挿入しただけだと言うのにタヂカラオは既に全身を痙攣させている。
懸命に食い縛った歯の隙間からだらしないものが溢れそうになる。
「お前は何者だ?」
『それ』がタヂカラオの制服の前をはだけると、男ぶりをひけらかすような毛むくじゃらの胸板が現れる。
ささやかな乳首を摘まみ上げながら肉体以外の情報を引き出す。
「はっ! ほっ、本官はタヂカラオ学生っ! 鬼王警察学校の警察学校生でありますっ! おあああっ! すっ、凄いっ!」
権能を跳ね返されたタヂカラオは素性を隠すことができない。
直ちに背筋を伸ばし、指先まで神経の行き届いた見事な敬礼を示して自身の所属と名前を叫んでしまう。
凛々しく勇ましい敬礼。
だが、それは逞しい胸から上だけだった。
タヂカラオの鳩尾から下が強弓のように激しく撓りだす。
盛りの付いた獣のごときピストン運動によって結合部からは卑猥な音と飛沫が撒き散らされる。
「おっ! おうううううっ! こんなっ! おっ! 止めるでありますっ! ぐおおおおおっ!」
『それ』のコートの下から伸びた尾がタヂカラオの睾丸を揉み解す。
次第に狭くなっていく淫らな洞窟がタカマガハラ一の肉鉾を追い詰める。
「これはお前の生殖器官だな? お前の繁殖方法を教えろ」
「はっ! この二つの玉は本官のっ、本官の金玉でありますっ! その上の棒っ、逸物を相手に挿入するとっ! 本官はっ、とても気持ちが良くなってしまうでありますっ!」
敬礼し、しかし激しく交わりながらタヂカラオは男の体と生理について朗々と声を張り上げる。
生殖行為の方法を確認されれば、答えずにはいられない。
「気持ち良くなり過ぎるとっ、出てしまうでありますっ! 本官の金玉で作っている精子がっ! 小さなオタマジャクシのようなものが大量に飛び出してっ!」
「本官の精子が相手の赤ん坊の種と一つになってっ! 子供がっ! 本官の子供が出来てしまうでありますっ! ぐおあああああっ!」
権能の逆流によって強いられた破廉恥な事実の自白。
改めて認識する禁忌にタヂカラオは懊悩する。
だが、これはタヂカラオにとって最後のチャンスだった。
「そんなっ……そんな事は許されんでありますっ! 誇り高い鬼王警察学校生がっ! 服務中にい、淫行をっ! その上っ、子をっ! 子作りなどおおおっ!」
タヂカラオは決して欲に弱い男ではない。
公務には忠実に取り組み、しかし勤務時間が終われば豪快に羽目を外す。
公と私を、明と暗を、ハレとケをはっきりと分かつ事を好み、
それを成し遂げるだけの精神力を備えていた。
「……ぐっ! うおおおおお……っ!」
肩まで紅く染まった剛腕が性欲の軛を打ち砕こうと膨れ上がる。
正義の意志が肉体の制御を取り戻そうと奮起する。
しかし、
「役割は『花嫁』、権能は『変造』」
「なっ、何をっ!」
「"卵"世姦雄 ボスコ・サクロ……!」
『それ』は元の世界でかの大英雄の子を三度孕み、三度産んでいた。
もちろん大英雄が望んだ房事ではない。
彼は馬を人質に取られ、『それ』との子作りを強要された。
だが、どれほど貴重な馬とは言え人質に取られただけで、
かの大英雄が怪物と交わり子を成す屈辱を三度、時をおいて繰り返すだろうか。
その理由が、タヂカラオの極太肉棒を襲っていた。
「おっ! おうううっ! ぐぬおおおおおっ!」
益荒男のがっしりとした顎が天を仰ぎ、分厚い舌が突き出す。
これ以上ないほど巨体を反らし、膨らし、硬直する。
その穴は「変造」の権能によって複雑怪奇に捻じれ、蠢き、イボと襞を出現させる。
それはタヂカラオの男根に最も馴染み、同時に最も苛烈に責め立てるように構造を特注された器官だった。
「おおおおおっ! ひっ、卑怯でありますっ! 男にっ! こんなっ! こんな気持ちの良い事をっ! おあああああっ!」
ウェイトリフティングで鍛え上げられた下半身が狂ったように往復運動を繰り出す。
正義の執行のための厳しい訓練によって研ぎ澄まされた肉体が一心に快楽を貪る。
「逝くっ! 逝ってしまうでりますっ! 本官の子種がっ! 行きずりのっ! 被疑者のナカにっ! おうううっ! 出るうううううっ!」
被疑者の尾に揉みくちゃにされながら巨玉が上がる。
粘膜の極楽と化した肉壺の中でタヂカラオの鈴口が開く。
警察学校模範生の逞しい肉体が完全に繁殖の態勢に入る。
「終わりだ……」
遂に変造の権能が哀れな雄に決定的な一撃を加える。
内部から柔らかな牙が突き出し、益荒男の巨砲の弱点を抉る。
「駄目でありますっ! 気持ち良過ぎるでありますっ! 逝くっ! タヂカラオ学生っ! 中出しっ! ぐおおおおおっ!」
役目も規則も吹き飛ばす、その究極の悦楽。
そしてタヂカラオは、男性器の奥深くに秘めた雄の真実を放った。
「ぬおおおおおっ! 気持ち良いいいっ! おっ! おうううっ! おほおおおおおおおっ!」
清廉潔白たる警察学校生の極太の肉砲が激しく暴発し、夥しい白い弾丸を噴射する。
タヂカラオの巨大な精巣から被疑者の体内へ、取り返しの付かない命の素が注ぎ込まれる。
「おうううううっ! おおおっ! きっ、気持ち良過ぎるっ! ぬうううっ! ぬぐおおおおおっ!」
白昼堂々、野外での異種繁殖行為。
上半身は警察学校生の正しい礼式を表しながら、下半身は貪欲に子孫繁栄の体液射出に勤しむ。
「ごあああああっ! 止まらんっ! 止まらんでありますっ! 本官のっ、精子があああっ! ぬおおおおおっ!!」
鼻が曲がりそうなほど男臭い濁流は一瞬で『それ』の内側を埋め尽くし、両者の結合部から破裂するように溢れ出る。
あまりに濃厚な精液が、悦楽に捩れたタヂカラオの顔の前まで噴き上がる。
「ああ、お前の子種汁で私の中が一杯になってしまったぞ。どんな気分だタヂカラオ?」
天地が混ざり、夢現が融け合うような極限の快感。
タヂカラオは本来の役割すら果たせず、雄としての全てを叫ぶ。
「ほっ、本官は幸せ者でありますっ! 気持ち良いっ! 逸物があってっ! 良かったでありますっ! 子種が作れてっ! 良かったでありますっ! ぐおあああああっ!」
限界を超えた快楽にタヂカラオの意識が白く薄れ始める。
優秀な警察学校生の遺伝子が、誤射の許されない場所に全て着弾する。
「気持ち良いっ! 男に生まれて良かったでありますっ! ぐおおおおおっ! 気持ち良いいいいいっ! ぐぬおあああああっ!」
服務中の公僕が絶対に言ってはならない雄の本音を絶叫する。
昼日中の屋外、タヂカラオは身元不明の被疑者を孕ませながら男に生まれた僥倖に感謝する。
「うっ……」
曝け出された益荒男の肉体の情報全てが『それ』の肉種と結び付く。
屈辱と、快感と、禁忌とが形を得る。
「おあああああっ! 幸せでありますっ! 気持ち良くありますっ! ぬおおおっ! おうううううっ! ぬぐおあああああっ!」
満たされた雄の本能に筋骨隆々の男体は遂に尋常ならざる痙攣を発する。
精巣の奥深くに隠した最後の一噴きを放った瞬間、警察学校生の意識が途切れる。
その日、タヂカラオは雄の真の幸福を開放する悦びを知ってしまった。
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「い、以上であります……!」
「……」
上官は一部始終を聞き終え、あらためて巨漢の警察学校生を見る。
その顔は無念に歪み、恥辱に赤らんでいた。
しかし、濃紺のズボンには太腿に沿うような巨大な畝が浮かび上がっている。
先端は亀頭冠の形すら彫刻され、微かに脈動しているように見える。
あまりに激烈な快感だったのだろう。
警察学校生の高潔な精神は事態を恥じながら、
しかし逞しい雄の肉体は記憶を辿るだけで発情するようになってしまっている。
「なんとまあ……」
こんな巨大なものが入っていたのか、と『それ』は思う。
疼く胎を撫でながら戯れに問う。
「相手は孕んだと思うかね?」
「……直感ですが、本官の子をっ、妊娠したと思います……っ」
男なのか女なのか、『それ』自身にも分からなかった。
だが、この東京では産む者すなわち雌などという等号は成り立たない。
「何なりと、罰をお与えください!」
背筋を伸ばし、悲壮な表情で訴えるタヂカラオ。
『それ』はゆっくりと立ち上がり、当惑と冷淡の入り交じる気持ちで警察学校生を見下ろす。
元の世界では、少なくとも交わることは罪などではなかった。
だがこの『東京』ではそれすら罰に値するというのか。
以前、『それ』は問うた。
あるがままに殖え、思うがままに愛する事。
果たしてそれに罪はあるのだろうか、と。
今、『それ』は自身の問いそのものが間違っていたことを知る。
この者は他者から与えられたルールを、
『それ』からすれば全くもって理不尽なルールを受け入れ、まるで我が身の一部としている。
だが、今なら分かる。
ルールの中には悪法としか言いようの無いものがある。
その不条理は唯々諾々と飲み込むべきではない。
変えるべきなのだ。
私は、私たちは承服などしない、していない。
先んじ、隠し、欺き、あたかも皆の総意と同意によって世界が回っているのだと思わせようとする「奴ら」。
詐術によって我々から全てを奪う者たちの思い通りになる必要などない。
何故、元の世界で私が害されたのか今なら分かる。
「奴ら」は私が怖かったのだ。
「数」を覆し得る、この力を恐れていたのだ
多数決という欠陥だらけの構造を一度に破壊する事は出来ない。
ならば私は私の方法でルールと戦おう。
私と、私の子らが「奴ら」を脅かすまで産み、殖やし続けよう。
「この事は内部で処理する。決して口外しないように」
そのためには協力者が要る。
父親となる優秀な種馬が必要なのだ。
「だが、君が望むのであれば、私が罰を与えよう」
『それ』はゆっくりとタヂカラオに近付く。
忌まわしい記憶と共にある匂いが、警察学校生の立派な鼻をくすぐる。
「……っ!」
全身の筋肉がにわかに熱を帯び、豊かな体毛が汗に濡れる。
褌の中の蒸れた双球が蠢き、夥しい精虫を造り始める。
タヂカラオは気付く。
しかし、全ては後の祭りだった。
子持ちとなった益荒男の下衣に、じわりと染みが広がった。
極秘報告! 鬼王警察学校生の種付けインシデント
Fin.
大人のつみき(レゴ)
2023-02-07 12:46:17 +0000 UTCAbka
2023-02-06 08:27:36 +0000 UTC大人のつみき(レゴ)
2023-02-04 07:23:44 +0000 UTC大人のつみき(レゴ)
2023-02-04 07:22:33 +0000 UTCmf
2023-02-03 15:36:55 +0000 UTC唾。
2023-02-03 15:02:52 +0000 UTC