××県警によると、12日午後11時40分ごろ、▲▲市●●で男性による全裸が発生しました。(実行者の特徴:30代位)
※
「えー、先日行った校外学習の感想文は、今週中に提出だ。くれぐれも遅れないように」
月曜日の朝。時刻は午前8時40分。出席を取り終えた俺は、出席簿を教卓に置くと、担任しているクラスの生徒たちに連絡事項を話していった。校外学習の感想文の件、問題集の集金の件、ボランティア活動の件、それと不審者の件──
「昨日の深夜に、市内で男性の全裸が発生したそうだ。あまり遅くまで出歩かないように」
「須永せんせー。全裸が発生ってなんですかー?」
クラスに笑いが起こる。俺も苦笑いしながら答えた。
「まあ『全裸が発生』って、なんだか変な表現だと先生も思うんだが……そういう風に通達が来ているんだ。ひとまず、これで今朝の連絡事項は終わりだ」
確かに、この表現は奇妙だ。落雷が発生、のように現象として全裸を扱っているというか──まあ、単なる言い回しの問題だろう。俺はポロシャツのボタンを外し、おもむろに脱いだ。白いポロシャツを折り畳み、教卓の上に置く。
「ん?」
「えっ、先生……?」
俺とクラスの生徒たちの双方が、困惑した声を漏らした。俺自身も、なぜ急にポロシャツを脱いだのか、自分の行動が理解できなかった。自分の上半身を見下ろす──学生時代にラグビーで鍛えた厚い胸板が、まるで卑猥なもののように感じられた。
「ち、ちがう。これは……!」
顔が火照るのを自覚しながら、自身の胸板を押さえる。さっき脱いだポロシャツを着ればいい、と頭では理解しているのに、まるでそんな気分にならない。俺の股間はいつの間にか固くそそり勃ち、紺のジャージをグイッと盛り上げていた。
「あっ……んぁっ……!」
"男性による全裸が発生しました"という、奇妙な通達の意味を、唐突に理解した。これは誰が巻き込まれてもおかしくない自然現象なのだ。それが全裸。そしていま、俺の身に起きている!
「だ、誰か、他の先生を呼んできてくれッ!」
俺は紺色のジャージをサンダルと共に脱ぎ捨てながら、生徒たちに向けて叫んだ。教室が騒然とする。何人かが教室を出ていった。頭ではこんなことしてはいけないと理解しているのに、肌は興奮で火照り、鼻息が荒くなっていくのがわかった。無性に服を脱ぎたくて脱ぎたくてたまらない。グレーのブリーフの裾に手を掛けて、今にもずり降ろしそうになっている。俺はありったけの意思の力を総動員して、下に下に動こうとする両腕を、グイッと上に持ち上げた。ブリーフが股下に食い込む。勃起したチンポの輪郭がはっきりとグレーのブリーフに浮かび上がる。先走りで亀頭の辺りに濃い染みが出来ていた。
「須永先生! うおっ、こりゃあ……『全裸』か!」
学年主任の笠原先生が駆けつけてきた。笠原先生は生徒たちを教室の後ろに下がらせると、俺にゆっくりと近づいてきた。
「須永先生。それ以上服を脱がず、ゆっくりと着ていきましょう。『全裸』は服を着て、しばらくすれば落ち着きます」
「で、ですがその……下着を脱がないようにするので精一杯で……!」
「むう……仕方がない。まずはジャージを穿きましょう。私が穿かせますので、片足を上げて貰って……」
俺は肩で息をしながら、笠原先生に促されて、片足を上げた。バランスを保つためにブリーフから手を離して教卓に手を付く。そこで、奇妙な衝動が湧き上がってきた。
──笠原先生も全裸になったらいいのに。
(〜〜〜〜〜ッ!?)
自分でも理解できない衝動だった。50歳過ぎの、脂ぎった中年教師である笠原先生の全裸など、普段の俺ならば見たいとは思わない。ただ『全裸』という現象の中心になってしまった俺は、いま最も近くにいるこの男も『全裸』に巻き込みたくてたまらなかった。
(だ、駄目だッ! 笠原先生は、俺を助けようとしてくれているのにッ……!)
笠原先生のおかげで、俺の両足はジャージを再び穿こうとしていた。あとはジャージを持ち上げるだけだ。笠原先生がホッとした顔をして、俺を見上げている。そして、ジャージを持ち上げて俺に穿かせ始めた。俺は、笠原先生の顔がちょうど俺の股間の高さに来た時に、笠原先生の頭に両腕を回した。ツンと鼻孔を刺激する整髪料と男の皮脂の匂い。そして、困惑した笠原先生の顔を、自分の股間に押し付けた。
「ぬオッ!」
笠原先生の肩がビクッと震え──続いて、大きく深呼吸をし始めた。同性の股間に顔を押し当てられて、抵抗する素振りが一切ない。荒い鼻息に混じって、中年男の低い喘ぎ声が混じっていた。
「あぁ……須永先生……なんちゅうことをしてくれたんですか」
顔を上げた笠原先生の表情は、デレッとにやけていた。日焼けした脂っこい顔が、発情した切なげなものに変わっている。およそ、学校という場に似つかわしくない表情……今の俺も、似たような表情をしているはずだった。笠原先生は肩で息をしながら立ち上がった。俺は笠原先生に侘びながら、笠原先生の贅肉の付いた腰に手を回した。
「すみません……でも、笠原先生の全裸も、見たいと思ってしまって……つい」
「まったく……私まで全裸に巻き込むとは! 教育者として、なんたる破廉恥な! フーッ! んんっ!」
笠原先生は顔を真っ赤にして、肩を怒らせながら、モスグリーンのTシャツを脱いだ。固太りして胸毛の生えた胸板があらわになる。そして、鼻息荒くポージングをして、勃起したジャージの股間をぐいっと突き出した。怒りと発情がブレンドした、情けない表情が笠原先生の顔面にじんわりと広がっていった。
「えひっ……あー、半裸だけでも、こんなに気持ちいいとは……!」
「ええ、いいですよね……」
俺は笠原先生に相槌を打ちながら、ジャージも下着も脱ぎ捨てて、靴下のみになった。ここまでくれば『全裸』と言って差し障りないだろう。むしろ靴下だけ履いている方が、興奮する。俺は笠原先生の隣でポージングをし、教室の後ろで固まって固唾を呑んで見守っている生徒たちに、勃起チンポを見せつけた。
「あぁ……どうだ? 先生たちと一緒に『全裸』したいヤツがいたら、こっちに来ないか? 気持ちいいぞ」
「だ、だめだ、全裸は……ああっ! 神聖なる学び舎で、こんな……! いかん! いかんぞぉ! みんな、須永先生の言葉に耳を貸すんじゃない! しかし……うひひ」
笠原先生は涎を垂らしながら首を横に振りつつ、ジャージと下着を脱いで全裸になった。太短いチンポが勃起し、ビール腹にぺたりと張り付いている。俺は笠原先生と向かい合うと、チュッと唇同士を重ね合わせた。男同士の舌が絡まり合う。喫煙者である笠原先生の、苦味のある唾液が俺の口腔内に入ってくる。興奮し、鼻同士が擦れあった。男の皮脂の濃い臭いが鼻腔を刺激する。俺たちは勃起したチンポ同士をコツンと重ね合わせた。先走りでとっくにヌルついたチンポ同士を擦り合わせる。それだけで、妻とのセックスとは比べ物にならないほどの興奮が俺を襲ってきた。笠原先生もそれは同じだったようで、無骨なオヤジ顔がデレッととろけて、気持ちよさそうに目を閉じていた。
「んっんっんっ!」
「あーっ! 全裸たまらんっ! あーっ!」
誰かが通報したのか、保健所から防護服を着た職員たちがやってきた。教室は俺と笠原先生を残して施錠された。廊下からは、保健所の職員が他の教師たちに話す声が聞こえた。「金玉が空になるまで放置します」「後遺症が残る場合もあります」「露出趣味になったり、下品な性格になったり、ナルシストになったりだとか──」といった内容だった。
「なんだか……ふーっ……んっんっ、大変なことになっちゃいましたね」
俺はリズミカルに腰を振り、笠原先生を後背位で犯しながら口を開いた。笠原先生は黒板に手を付いて野太い喘ぎ声を上げている。
「おうっ! おうっ! 全く、須永先生のせいですからなぁっ! 私まで、全裸にッ! んーッ! 全裸セックスたまらんっ! うおっ!」
俺はひときわぐっと深くチンポを挿入し、笠原先生の肛門内に射精を遂げた。笠原先生も上擦った声を漏らし、やや遅れてオルガスムスに達した。ボトボトと粘っこい汁が教壇に落ちる。いったい、俺達はどうなってしまうのだろう。俺も笠原先生も妻子持ちだったのに、後遺症で変態になってしまう恐れがあるらしい。
(まあ、別にいいか──)
俺は快感の余韻で肩をヒクヒクさせている笠原先生を抱き寄せると、日焼けして脂ぎった顔を舐め始めた。
(終)
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以前ツイッターで見かけた不審者情報の中に「●●市内で男性による全裸が発生しました」という一文があったんですけれど、それってなんだか「現象」っぽい言い回しじゃない? というところから発想を得て出来上がった小説です。ネタありきなので分量はちょっと短めです。
黒竜Leo
2021-11-15 11:47:08 +0000 UTCくろねこ@9605
2021-11-15 05:41:45 +0000 UTC黒竜Leo
2021-11-14 15:45:58 +0000 UTC