邪悪を打ち祓うアルバイト
Added 2022-01-30 16:30:00 +0000 UTC邪悪を打ち祓うアルバイト。 最初にその仕事を持ち掛けられたときにイネスが感じたのは、あり得ないほどの胡散臭さだった。 その仕事に誘ってきたのが友人の京雅でなければ鼻で笑って終わりにしただろう。 京雅の生まれ故郷である小島で年に一度行われるらしいその行事は、彼女の一族が代々司ってきた儀礼的なものであり、そのお手伝いをして欲しいとのことだった。 一度も訪れたことのない島で数日過ごす必要があったが、提示された報酬額があまりに高額だったのでイネスは二つ返事で応じることにした。 前金で報酬の半分を受け取ったイネスは京雅と共に意気揚々と船に乗り込み、自分達が暮らす町から数時間の船旅を楽しんだ。 到着した小島は想像していたよりも遥かに小さく、全く人の気配がしない。 事実、島にあるのは京雅とイネスが働く予定の神社がひとつだけ。 二人で手分けして滞在中の食料や着替えを船から運び出し、社務所に移動させた頃には既に外は暗くなっており、仕事は明日から始めることにした。 そして、その次の日のことだ。 「……騙された」 イネスが不満げに呟くのはこれが最初ではなかった。 彼女の体に流れる西洋の血が色濃く発揮されたことによるブロンドの髪は鮮やかであり、百七十八センチの長身と相まって美人と表現するのが相応しいだろう。 十分過ぎるほど発育した胸も女性らしさを強く主張しており、イネスと話す相手は目のやり場に困ることになるだろう。 朝から慣れない巫女服を着るのに苦戦したことで少し機嫌が悪くなっているのは表情から明白だった。 十五歳とは思えない迫力を醸し出すイネスは、隣に佇む自分よりも少し小さな友人を軽く睨む。 「あのさ、あたしこんなの聞いてないんだけど」 「ちゃんと言いましたけど? 邪悪を打ち祓うんですから、邪悪な何かが居るのは当たり前じゃないですか。……これだから髪染めてるような馬鹿ヤンキーは困るんですよ」 イネスの右隣でやれやれと首を振るのは同級生の京雅だった。 真っ黒で癖のない長髪を靡かせる彼女もまた、イネスと同じように巫女装束に身を包む。 百六十センチの平均的な身長に控えめな胸、同じく控えめのウェストとヒップ。 可愛らしい顔立ちであることも手伝って、イネスとは対極的な外見をしていた。 「誰が馬鹿ヤンキーだ。あたしの髪は地毛だっていつも言ってんだろ。……お前さ、普通に考えてこんなの想像する奴がいると思うか? ありえねぇだろ」 イネスが視線を向けているのは足元だ。 フローリングの床は誰かが直前に清掃してくれているのか光を反射するほどピカピカであり、汚れらしいものはなにも見当たらない。 だが、その代わりにとても小さく蠢くものが無数に存在していた。 最初はそれが虫に見えて悲鳴をあげたイネスだったが、京雅に促されてよく観察してみると別の意味で悲鳴を上げることになった。 これは人間だ。身長が二センチにも満たないような小さな人間たちが何百、数千と蠢いているのだ。 「はいはい。じゃあ想像力が残念なイネスのためにちゃんと説明してあげますね」 「あ? お前さ、もしかして地元だからって調子乗ってる?」 「乗ってませ〜ん。……まぁ、簡単に言っちゃうと彼らが邪悪なものです。年に一度しか神社に参拝しないし、参拝しても少額のお賽銭しか納めないくせに人生で大成功したいとか願っちゃう強欲な人たちです。あまりに酷いって神様がめっちゃ怒ってるんですよね〜。だから年に一度まとめて始末しちゃうって訳です」 「…………正気か?」 「私は正気ですよ。神様が正気かは知りませんけど。……ほら、ヤンキーらしく弱い者いじめしちゃってください。彼らを怖がらせながら始末すると神様が喜びますので」 すらすらと恐ろしいことを口にする京雅。 それは学校で話すのと何も変わらない様子だったが、これほど物騒な話題でも同じ調子で話すのは異様だった。 状況が上手く咀嚼しきれないイネスが動けないでいると、その横にいた京雅が率先するかのように動き出す。 「おはようございま〜す! 邪悪を打ち祓う正義の巫女さんの登場ですよ〜」 相対的に百倍もの大巨人となった黒髪巫女さんが足を踏み出す。 凄まじい絶叫が足元から沸き起こり、小人たちは振り下ろされる足から逃れるために懸命に四方に駆けるようにして散っていく。 その様子を楽しんでいた京雅がようやくひらけたスペースに足袋を踏み下ろすと、その衝撃が床を伝わって周囲の小人を吹き飛ばした。 自分が歩くだけで悲鳴を上げて逃げ惑う小人を見ていると、自然と笑みが浮かんでしまう。 「ほ〜ら、踏み潰してしまいますよ〜。怖いですよね〜」 床から京雅を見上げていた小人たちの視界が塞がってしまう。 相対的に全長23メートルを越す純白の壁が突如として出現し、そのまま左右に揺れているのだ。 日常の生活でこれほど巨大なものが頭上で動き回ることなどない。 そのあまりに非現実的な光景に喉が張り裂けるほどの悲鳴を響かせ、先程と同じように恐怖から逃れるために駆け出す。 焦る気持ちが先行して脚が空回りする嫌な感覚が下半身から込み上げるが、その直後にはその悪寒が現実のものとなって脚がもつれてその場で倒れ込んでしまった。 自重に相応しい衝撃で体を打ち付けた小人は、上半身を捻るようにして上空から迫り来るであろう巨大な白壁を見上げようとした。 だが、彼の目に映ったのは想像していたような白ではなく、視界を奪い尽くすほどの黒だった。 極度に接近した足裏はあらゆる光を遮って漆黒の天井となって小人を押し潰した。 「残念でした〜。……はい、ぺったんこです!」 トンっ、と軽く床を踏み締めた京雅。 踏み下ろした右足の裏側から伝わってくるのは、水分を含んだ何かが弾ける感触だ。 まるで床にこぼしたご飯粒を踏み付けてしまったかのような感触だったが、幸いなことに分厚い足袋生地が染み出した液体を悠々と吸い取ってくれたらしく、それほど不快な思いをすることはなかった。 一人分の肉体が押し潰されたことで生まれた血肉片は、少女の履く足袋の一部を汚すことがその存在価値の限界であった。 「むふふ〜。どうですか皆さん、私に踏まれるとこんな風になってしまうのですよ」 一人の人間を踏み潰した右足を軽く持ち上げ、足袋の足裏にこびり付いた赤い泥のようなものを床で逃げ回る小人に見せつけてやる京雅。 そこにこびり付く汚れは、四肢の形を朧げに残しているようにも見える。 元が人間であったことが嫌でも想像できてしまうそれを長く見ていることはできず、ほとんどの小人が背を向けて逃げ出してしまう。 だが、一部の小人たちは恐怖にこわばった体をうまく動かせずその場で立ち尽くしてしまった。 「お、観念しましたか! 手間要らずで助かります〜」 なんら抵抗することのない小人たちに再び右足を差し伸ばす京雅。 最も近くにいた一人を親指で押し倒すと、そのまま床に押し付けながら前後に動かし、摩擦で擦り潰してあげた。 最初の犠牲者とは違って人間らしい原型など一切留めることはなく、神社の床に残る一筋の赤線となって生涯を終えた。 そのすぐ脇で怯えていた若い女性らしい小人を爪先で蹴り付けると、どうやら勢いが強すぎたらしく衝突した瞬間にバラバラになって飛び散ってしまった。 その反省を活かした京雅は、次の犠牲者をバラバラにすることなく蹴り飛ばし、一メートルほど離れた壁に叩き付けることで殺害することに成功した。 小人サッカーが面白かったのか、同じように十数人の小人を壁に叩き付けてみると、脚を伸ばして届く範囲に生存者は残っていない。 「……お、おいっ。お前、ちょっと待て」 突如として背後から声をかけられた京雅が振り向く。 背後では表情を引き攣らせたイネスが足元を注視して、そこに存在するものを踏まないようにそっと近寄ってくるところだった。 普通にしていれば数秒の距離を十秒以上かけて移動したイネスは、当たり前のように人殺しを始めた友人の肩に手を置く。 「なんですか。もしかして構って欲しいんですか? 凶悪目付きヤンキーの癖に構ってちゃんなのはどうかと思いますけどねぇ……」 「ヤンキーじゃねぇ。目付きが悪いのは視力のせいだって言ってんだろ」 「じゃあ眼鏡なりコンタクトなりすればいいじゃないですか」 「眼鏡はダセェだろ。コンタクトは眼球に触るのが怖いから無理。……そうじゃねぇよ、お前さっきから何やってんの? 意味不明すぎて信じられねぇんだけど……」 イネスの瞳が捉えているのは京雅が葬ってきた人々の残骸だ。 床や壁のあちこちに小さな血痕や、肉体の一部が無惨に転がっている異様な光景。 それが百分の一という大きさだからこそ耐えることができているが、もし等身大で行われていれば凄まじく凄惨な光景に嘔吐していたことだろう。 普段、学校で冗談を言い合うような間柄の友人が突如して始めた虐殺行為。 事前にあった説明などでは全く納得することができていないイネスは、極めて真っ当で正常な倫理観の持ち主であった。 「はぁ〜、イネスは本当にお馬鹿なんですね。流石に溜息が出ちゃ……。……えっと、あの、ちゃんと謝るのでほっぺたを抓ろうとしないでください。そんなことされたら私泣いちゃいますからね? イネスは自分の馬鹿力を自覚して自重することが大切だとっ……いひゃい、いひゃい、ごへんなさい!」 「おう。あたしってさ、お前の言う通り馬鹿で馬鹿力だからな。……次は上手く手加減できねーかもな」 「うぅぅ。ぼ、暴力ヤンキーめぇ……。 いいですか、暴力は私じゃなくて足元の邪悪な存在に向けて発揮してください! こんな風にやるだけですよ!」 イネスにあっさり泣かされた京雅がそそくさと逃げ出すように大股で何歩か移動すると、その場で立ち止まってイネスの方を振り返った。 その足元には京雅が歩いたことによる振動で倒れ込んでいる小人が数名。 高層ビルのように巨大な巫女さんから逃れようと懸命に走り続けていたはずだと言うのに、ほんの一瞬にして追い付かれるどころか追い抜かされ、眼前に再び白足袋に包まれた爪先が降臨してしまった。 僅かに視線を持ち上げていけば、オーロラのように巨大な緋色の袴が聳え立つ。 その奥には十代の若い女の子の肢体が隠されているのだが、足元から見上げる彼らにはどうしてもそれが少女だとは思えなかった。 ようやく体に力が入り直し、その場から再び駆け出そうとした小人たちは、次の瞬間には足袋を履いた爪先で床に押さえ付けられてしまった。 女の子の片足、それも爪先だけで六人の成人男性が押さえ付けられる異様な光景。 背中や下半身を押さえ付けられた彼らは、一様に苦悶の表情を浮かべながらなんとか抜け出そうと足掻き始めた。 「ねぇイネス、よく見てください。こいつら凄く苦しそうな顔してませんか? 男のくせに女の子の足指一つ押し退けられないほど貧弱なんですよ? きっと死にたくないから必死に抵抗しているんでしょうけど弱すぎでよく分かりません。このまま私が指先を持ち上げるのを止めたらすぐにプチってなってしまうんです。この人たちの命は私の気分次第でこの瞬間にも終わってしまうのですよ? ……これを見て、イネスはどう感じますか?」 「え、あ、は? どうって言われても……」 「圧倒的な優越感でドキドキしませんか? こんなに小さな弱者を文字通り足蹴にして痛ぶるなんて、考えただけでも背徳感で背中がソワソワしますよね? こんな経験、私たちにしかできない特別なことなんですよ?」 「…………」 これまで知らなかった友人の一面に言葉を失うイネス。 高校の入学式で出会って以来、ずっと近くで過ごしてきたはずだが彼女のことをまだ理解していなかったらしい。 目の前で怪しげに笑う黒髪の巫女服少女が本当に京雅なのか自信が持てなくなりそうだ。 彼女が片足だけで軽々と押さえ付けている人間に視線を向けて見れば、なんとか抜け出そうと必死の抵抗を続ける必死の形相が見て取れる。 迫り来る死の恐怖に怯えながら、おそらく脱出が不可能と分かっていながら、それでも生を諦めずに執着する人間などイネスは今日まで見たことがなかった。 これまで子供が昆虫を虐めている様子を見れば不快に思うことはあった。 だが。 それとよく似た目の前の光景を見ていてもそうは感じなかった。 それは、眼前にいるのが見知った顔の美少女だからかもしれないが、なんだかそれとは違うような気がしてきた。 イネスの内心に浮かぶのは今日までの人生で自分に向けられてきた周囲の目線。 威圧感の強い外見に対して恐れを抱きながら自分を見ている周囲の人間に対して、密かに優越感を覚えていたのは否定のしようがない事実だった。 もちろん、そんなことを口に出してしまえば友人などできることはないだろう。 だからこそ胸の内に秘め続けていたそれを目の前の友人は見抜いていたのかもしれない。 そして、それを解放する機会を最高の形で用意してくれたのだ。 「イネス〜? ただでさえ怖い顔がとんでもないことになってますよ〜。 ……あの、その、俯きながら急にニヤニヤされると私でもビビるので止めてください……」 「笑ってるだけだ。怖くねぇだろ」 そう言い放ったイネスは歩を進める。 最初は馴染まずに違和感が強かった足袋だが、履いてからしばらく経ったことでもう違和感はない。先ほどのように足元を木にすることなく歩き出し、友人の黒髪巫女さんのすぐ目の前まで歩み寄る。 互いの匂いが分かるほど異様に近い距離感に驚いた京雅が後ろに下がろうとしたが、イネスがそれを制して踏み留まらせる。 「あ、あの、イネス……さん。失礼があったならお詫びしますので……」 「要らねーよ。それより、足元をよく見ておけ」 イネスに促されて足元に視線を向ける京雅。 その視界の一部はイネスの豊満過ぎる巨乳が遮っているが、それでも六人の男たちを押し潰そうとする自分の爪先は見てとれた。 全力で暴れ回っていたために疲れ切ってしまったのか、小人たちの動きは鈍い。 彼らの必死の抵抗は最後まで京雅の足指を一ミリたりとも動かすことができず、相変わらず彼らの命運は京雅に委ねられている……はずだった。 そろそろ潰してしまおうかな、なんてことを京雅が考えていた次の瞬間、京雅のそれより一回り大きな足が突如として襲来し、京雅の足指と床の間を掻き分けるようにして爪先が捩じ込まれた。 強襲したイネスの爪先はそこで足掻いていたはずの人間を一瞬で突き潰すと、そのままゆっくり後退して京雅の爪先から離れて行った。 「ははっ。なんだ、こんな程度で死んじまうのか」 友人がじっくりと嬲り殺そうとしていた玩具を横取りしたイネスが苦笑する。 部屋中で蠢いている小人にとっての京雅は抗いようのない絶対的な存在であったが、イネスにとっては軽く捻ってしまえるようなか弱い女の子でしかない。 この空間において最も強大で強力な存在である長身巫女さんは、顔見知りの京雅が怯えるほど不気味な笑みを浮かべていた。 「うしっ、やるか。……こいつらのこと虐め殺せばいいんだよな?」 「あ、はい。そうですよ〜。いい感じに怖がらせてください〜」 すっかりその気になったイネスが楽しげに周囲を見渡す。 それほど広くはない部屋に散らばった小人たちは、自分達を遥か高みから見下ろす少女たちを怯える眼差しで見上げていた。 そのくらいしかできることがなかったのだ。 彼らが周囲を見渡したところでこの部屋から外に出る道は見当たらない。 唯一の出入りは障子戸の開け閉めが必要であり、今の彼らが一万人集まったところで和紙と木枠で作られた障子戸を動かすことは叶わないのだ。 逃げ場のないこの閉鎖空間は、二人の巫女さんにとっては楽しい遊び場であり、小人たちにとっては無慈悲な処刑場だった。 「じゃあまずは…… お前にはできない方法でやってみるか」 嘲笑うような視線で京雅を一瞥したイネスは、その場で長躯を折り畳むかのようにしてしゃがみ込むと、床に膝をつけて上半身を押し倒していく。 純白の巫女服を内側から盛り上げていた巨乳が重力に引かれて本来の形を取り戻し、彼女の上半身と床の隙間を埋めてしまう。 零れ落ちたブロンドの長髪も床に零れ落ちてしまうが、直後にイネス本人の指先が髪を拾って耳に掛けた。 イネスは視線がグッと下がったことでよく見えるようになった小人たちを見下ろし、不敵な笑みを浮かべていた。 「おい、チビども。あたしの胸はでっかいだろ。……触らせてやるよ」 白い巨壁が前後に揺れながら動き出す。 ブロンド髪の美少女が四つん這いの肢体を前方に押し出し、柔らかな脂肪の塊を震わせているのだ。 二センチにも満たないような小さな生き物は、長身女子高生のおっぱいの直撃に耐えることはできなかった。 巫女服越しにおっぱいが触れた瞬間、自動車事故などとは比較にもならない程の衝撃が生じ、それは人体の限界を容易く上回ってしまうものだった。 自分のおっぱいが人間を粉々に粉砕する様子に小さく吹き出したイネスは、続けて胸を床に押し付けるようにしたまま前方に押し出し、逃げ出した小人を何人かまとめて磨り潰してしまう。 一瞬前まで人間の形をしていたはずの血肉片は、巫女服の繊維を一部赤く染めた。 「ああ、これは悪くねぇな」 「ねぇ、イネス。 どうしてこれが私にはできない方法ってことになるんですか? もしかして私のことを侮辱してます?」 「あん? いや、貧乳じゃ無理だろ」 「はぁ〜、誰が貧乳なんですか〜? イネスは馬鹿だから興味すら持ってないかもしれませんけど、私の胸は文部省が公表している女子高生の全国平均より大きいですし、クラスの友達と比較しても普通に勝るんですが〜? 校内で男子たちが作ってる女子の胸ランキングにも名前があるんですが〜? そうした客観的な指標と比較することもなく、自分のイメージだけで他人を決めつけるから馬鹿ヤンキーって言われるんですよ。もう高校生なんですから少しくらい世間の一般常識というものを身につけてから口を開くようにした方がいいと思いませんか? そもそも、人の身体的な特徴を揶揄するなんて失礼だと思うので謝ってもらっていいですか?」 「じゃあ、あたしのと比べてみるか?」 「嫌です」 急に黙り込んだ黒髪の友人を鼻で笑い飛ばしたイネスは、改めて床を逃げ惑う小人たちを視界に捉えた。 目的地があるわけでもなく、ただ二人の巫女さんから距離を取ろうとして懸命に駆けている彼らだったが、そんな努力もイネスにとっては嗜虐心を昂らせるだけのこと。 四つん這いでの移動は歩くよりも遥かに遅いものであったが、それでも小さな生き物の全力疾走を容易く追い越すことができる。 イネスが白く細長い腕を前方に差し伸ばして小人を追い抜くと、小人たちは驚いたように巨大な腕を見上げて固まってしまった。 直後、彼らは背後からやってきた脂肪の津波に飲まれてこの世を去ってしまう。 すっかり意地悪になった巫女さんは何も容赦することなく、手当たり次第に自慢の巨乳でその命を終わらせていく。 小人が逃げ惑っていようが、立ち竦んでいようが、泣き叫んでいようが、跪いて慈悲を乞うていようが、おっぱいは全員を平等に飲み込んで巫女服の汚れにしてしまう。 自由気ままに小さな生き物を殺戮していたイネスだったが、ふと気がつけば何十もの小人たちを部屋の隅に追い込んでしまっていた。 小人たちは背後に迫った高層ビルより巨大な巫女さんを振り返って泣き叫ぶが、彼らの小さな体に相応しい甲高い悲鳴はイネスの心を昂らせるだけだった。 「クククッ。そんなに怯えるなよ。……あんまり可愛い反応されると、今すぐお前らの中に手を突っ込んでグチャグチャにしたくなっちまうだろぉ」 巫女服の袖口から健康的な肌色の腕を伸ばしたイネスは、小人たちの眼前に手首を下ろして手のひらを見せつけると、指の関節をクネクネと動かしてみせる。 彼らにしてみれば高さ二十メートルにもなる巨大クレーンのような少女の五指。 そんなものが自由自在に動き回る様子はあまりにも異質であり、筋肉が躍動する音だけでも小人たちの恐怖を掻き立てるには十分だ。 加えてのその五指の隙間から除く先には、先ほどまで自分たちを追いかけ回して蹂躙した巨大おっぱいの持ち主であるブロンド髪の美少女が意地悪な笑みを浮かべていた。 「なぁ、お前らって邪悪な存在らしいな。神様を怒らせたせいでこんな酷い目に逢うんだとよ。……てぇことは、だ。もしお前らが罪を悔い改めて、心から謝罪して、神様が許してくれれば、生きて帰れるかもしれないよなぁ」 少女の口から告げられた可能性。 この絶望しかない空間において小人たちが生存する手段は一瞬前まで存在しなかった。 二人の巫女さんによって無慈悲に殺戮されるだけの運命に、ブロンド髪の少女が一筋の可能性を生み出してくれたのだ。 小人たちは一瞬の躊躇いを見せたものの、次の瞬間には口々に自らの罪を告白する。 普通に暮らしていただけの彼らが思い至る罪など大したものはなく、せいぜい信号無視や浮気、暴言と侮辱などだ。 そのどれも命を奪われるほどのものではないのは、誰の目に明らかだった。 「あー、ちっとも謝意を感じねぇなぁ。そんなんじゃ神様は許してくれないと思うぜ。……ほら、急がないとコイツみたく粛清されちまうぞ?」 小人に見せつけていた手のひらが動きを止めた次の瞬間、そのうちの中指がサッと動いて一人の小人を床に抑え付け、そのまま肉体を磨り潰す。 なんら躊躇うことなく一人の人間を捻り潰した指が持ち上がれば、床に残るのは元がどんな形をしていたか分からない赤黒い肉塊だった。 イネスがちょっと小人たちを怯えさせるために行った思いつき処刑は、その思惑どおり周囲の小人たちの悲鳴を掻き立てた。 「女に指先で捻り潰されて死ぬなんて可哀想だよなぁ。ま、やったのあたしなんだけどさ」 自分の発言に小さく苦笑するイネス。 それと対照的に小人たちの懸命な助命懇願の声は大きくなった。 あまりに理不尽で、あまりに非現実的で、あまりにも恐ろしいこの現実。 高層ビルより巨大な少女によって遊び殺されるという状況から逃れるために、彼らは人としての尊厳を擲って額を床に擦り付け、あるいは跪いてたった一人の少女に懇願する。 殺さないでください、と。 「お前ら必死すぎてキモいぞ。……でもまぁ、あたしがお前らを助けたいって気にならないってことは、きっと神様が許してないってことなんだろうよ。クヒヒッ。残念だったな」 圧倒的な優越感に陶酔する少女の笑みはあまりにも残酷だった。 小人たちはすでに枯れ果てたはずの涙を再び流し、これまで以上に声を張り上げ叫びを上げる。 少女の手がゆっくりと動き出すと、天井から降り注ぐ照明の光が遮られることでその影が際限なく大きくなっていく。 その気になれば一瞬で叩き潰すことなど容易いというのに、焦らすかのようにするのは少女が怯え泣き叫ぶ自分たちの様子を楽しむためだろう。 眼前を肌色の壁が覆い尽くし、いよいよ最期の瞬間が迫った瞬間。 小さな人間たちは突如として現れた白い天井によって一瞬で押し潰され、悲鳴が充満していた空間は静寂に包まれた。 「…………あ?」 急に視界の外から侵入してきたのはもう見慣れた赤い袴。 それを纏っているのは、この空間において自分の他には一人しかない。 小人を虐めるのに夢中で床ばかり見ていたイネスがそっと顔を上げると、そこには自慢げに鼻を鳴らし、腰に手を当て偉そうに胸を張る黒髪の少女が立っていた。 イネスの背後からそっと近寄り、四つん這いの肩口から足を差し込むようにして小人を踏み潰した京雅は、不満げな表情で自分を見上げる友人を鼻で笑う。 「どうですかイネス〜。一番楽しいところを横取りされた気分は! イネスがあんまりにも楽しそうだったのでついやっちゃいました〜 えへへっ!」 「えへへ、じゃねぇよ」 京雅の足袋が持ち上がると、流石に人数が多かったせいかその足裏はべっとりと赤黒く汚れてしまっていた。 人間だったはずのそれは今では物言わぬ汚れでしかないのだ。 持ち上げた瞬間に小さく聞こえた、ねちゃ、という水気を含んだ不快な音には本人である京雅も眉を顰める。 「うえぇ、気持ち悪いです……」 「人の玩具を奪っておいてなんだその言い分は」 「イネスの仕事が遅いのがいけないんです。 たった三十人始末するのにどんだけ時間使うつもりだったんですか? 小人いじめが楽しいのは分かりますし、ヤンキーにはお似合いですけど、限度ってものがあるのですよ」 「ヤンキーじゃねぇって言ってんだろ。人を外見と口調と行動だけで判断するな」 「……いや、あの、流石にそれはイネスの言い分が間違っているような……」 納得いかないという表情のままイネスが立ち上がり、二人の視線の高さが入れ替わる。 お互いにいつもと変わらない身長差になんとなく安心感を覚えるのは不思議なことだった。 京雅が人肉でベチャベチャになった足袋を脱いで床に放り投げると、運悪く一人の小人がその下敷きとなって見えなくなった。 予想もしなかった出来事に軽く吹き出した京雅は、自ら脱ぎ捨てた足袋に近づき足指で摘んで持ち上げてみる。 足袋の下敷きとなった小人は、先ほど踏み潰された小人たちよりは幾分もマシな形で原型を残してはいたが、二度と動き出すことはなかった。 「……ん〜、なんか変な感じです」 女の子の脱ぎ捨てた靴下に押し潰されて死ぬ。 そんな人生の最期を想像したことのある人間など数えるほどもいないだろう。 今の京雅であれば、そんな馬鹿馬鹿しい死をいつでも、何度でも再現して与えることができてしまうのだ。 何度やっても慣れることのない、背中がゾクゾクするような優越感と背徳感。 そして、普段の学校生活では見せることのない残虐性を小人相手には隠す必要がないのだ。 京雅が足指で適当に持ち上げていた足袋に視線を落とすと、続けて足首のスナップだけで前方に向けて乱雑に放り投げる。 ある小人は自分めがけて飛翔する白い巨塊がなんであるか上手く理解できていなかったが、間違いなくそれが自分に直撃するであろうこと、凄まじい速さで迫るそれから逃れる術がないこと、衝突と同時に自分が絶命するであろうことは理解できた。 死の間際に極限まで高まった彼の集中力は見事に周囲の状況を正確に理解していたが、だからと言ってその哀れな運命に変わりはない。 少女の汗と犠牲者の血肉を吸ってすっかり重くなった巫女さんの白足袋は、床への着地と同時に一人の小人をバラバラに粉砕し、その勢いのまま床を滑るようにして三人の小人を磨り潰してようやく停止した。 「えへへ。命中しました〜」 誇らしげに鼻を鳴らした京雅は、もう片方の足袋を脱いで同じように放り投げる。 少女のくだらないおふざけにすぎない行為が、小人にとっては残虐な処刑そのものだ。 再び襲来した足袋は何人かで固まって逃げていた小人の集団を瞬時に叩き潰し、床にほんの僅かな赤い筋を残した。 床を這い回る小さな生き物相手に連続して靴下を命中させた京雅は、まるで自慢するかのように友人の方へ振り返る。 イネスは一瞬だけ面倒くさそうな表情を浮かべるも、意外な才能を見せた友人をちょっとだけ褒めてあげることにした。 あまり褒めると調子に乗ることがわかったので、凄いなの一言だけであったが。 「さて、そろそろお昼ご飯の支度をしないとですね〜」 「あん? あ、もうそんな時間か……」 「残りはひとまとめにして片付けちゃいましょうか」 既に大半の小人たちが死に絶えたこの部屋。 たった二人の女の子によって最も容易く行われた殺戮は、何百という人命を無惨にも床のシミ汚れに変えてしまったのだ。 そんな地獄のような光景の中でも奇跡的に生き延びた小人たちは、人肉の隙間を縫うようにして存在しない出口を求めて駆け回っていた。 狂ったように叫びながら逃げ回る者もいれば、ブツブツと無意味な呟きを零しながら逃げ回る者もいる。 彼らの視界には永遠に続くかのような広大な床が広がっていたが、突如としてそれらが視界から消え去ってしまった。 明らかな異常事態であったが、稀有なことに彼らには同じ異常を経験したことがあった。 ついさっき、日常の生活空間からこの処刑場に連れてこられたのと同じだ。 彼らが状況を確かめようとして周囲を見渡してみれば、白と赤の柔らかい大地が広がっており、規則的に上下する不思議な性質を持つ大地からは程よい暖かさと石鹸の良い香りが漂っていた。 仰向けに寝転んだ京雅の真上に送り飛ばされた小人たちは、自分たちがどんな状況にあるかを理解するのに多大な時間が必要だった。 「……お前、何してんの」 「え、見て分からないんですか? はぁ〜、これだから恋愛クソ雑魚ヤンキーはダメなんですよ。女の子が寝転んでいるんですから、好きにしていいってことですよ」 「なんの話だ」 「あ、もしかして気づかれてないつもりなんですか? イネスって私のこと大好きですよね? いつも熱っぽい視線を向けてくるじゃないですか。こんな怪しいバイトにも付いて来てくれますし。……私のこと、好きにしたいって思わないんですか?」 「…………」 「ほら、私の体に纏わり付いてる邪悪を祓ってくださいよ〜。……ま、二人っきりになっても手を繋ぐこともできないようなヘタレヤンキーには荷が重いですよね。今からこの私が恋愛の先輩として色々教えてあげますから、イネスは素直にそのアドバイ………… あ、あれ? なんで当然のように跨ってくるんです? え、しかも今、舌舐めずりしました? それになんですかその目はっ! こんなの冗談に決まってるじゃ…… お、降りてください!!」 慌てて体を起こそうとした京雅だったが、その肩口をイネスに押さえられ、そのまま床に押し付けられてしまう。 京雅がどれだけ力を込めて抜け出そうとしても、本気になったイネスに力では叶わない。 この空間において絶対的な存在であった二人の少女だったが、その二人の間には越えられない体格の差があるのだった。 一方、絶対的な弱者である小人たちは黒髪少女の体の上で震えていたが、大地であるはずの少女よりも更に大きな少女が現れたことで恐怖は極限に達した。 更にその少女が身を乗り出すようにして進出したことによって、小人たちは大地だけでなく空までもが巫女装束に埋め尽くされることとなった野田。 十代の少女二人の間に充満するのは、若干の汗を含んだ独特の体臭と体温による熱気だ。 「あの、揶揄ったことは謝ります。私が悪かったです。ごめんなさい。……だから私から降りてください。お願いします」 「………………お前をめちゃくちゃにする」 「ヒェっ」 無駄と分かっていながらも上半身を捻って抵抗する京雅。 本気で謝っているのにイネスが許してくれない。こんなことは今まで一度もなかったことだ。 最初にイネスの魔の手が迫ったのは京雅のおっぱいだった。 先ほど京雅が胸の話題を出したときから気になって仕方なかった乳房。 巫女装束を盛り上げるそれは、確かに彼女の女性らしさを主張していた。 これまでは本人に気取られないように視線を送ることさえ躊躇っていたそれを、イネスは容赦無く巨大な掌で鷲掴みにした。 数名の小人たちがそこに居たはずだったが、そんなものはイネスの目には入っていない。 もちろん、気がついたところで止めたりはしないが。 手の平から伝わる柔らかい感触は、なんの色気もないシンプルな白ブラジャーに邪魔されて半減してしまったが、それでもイネスの興奮を煽るには十分だった。 「こ、こらっ! ひゃ、あ、いや、あ、……あっ♪」 「なんだ。同級生に押し倒されて、胸を弄られて感じてんのか? 随分と淫乱なことだなぁ」 「違いますよ……ッ んんっ」 段々と呼吸が荒くなる京雅。 しっとりと全身に汗をかいた肌に自慢の黒髪が纏わり付くのは扇状的ですらある。 普段の学校生活では絶対に出さないはずの色っぽい声を漏らして喘ぐ京雅。 その様子に心を燃え上がらせるイネスは、丁寧でも容赦無く友人の体を弄ぶ。 好き勝手に友人の胸を揉みしだいたイネスがようやく満足して手を止めると、京雅はグッタリとした様子で倒れ込んでいた。 「おい」 「なんですか、強姦ヤンキー。まだ私を陵辱するつもりですか?」 「まぁ、そんなところだ」 「ヒェっ」 自分の下で倒れ込んでいる少女は、いつもの生意気な様子を微塵も感じさせない。 百七十センチ後半という長身の自分と比べて、一回りも小柄な体ではしゃぐのを見ているのも好きだが、こうして自分の力で捩じ伏せて屈服させるのも好きだった。 何度か頭の中で想像したことのある光景だったが、実際の光景には不純物があった。 小人。 二人だけの空間に存在する虫ケラは、未だに京雅の体を彷徨っているのだった。 彼らの中には自分たちが少女の体の上にいることを察した者もいたが、だからと言って床まで降りる手段があるわけではない。 意を決して飛び降りた者は、数瞬後には床に叩き付けられてそのまま動かなくなった。 そんな絶望的な状況下にあった彼らが、自分たちの頭上を覆い尽くす巨大な影が色濃くなったのを感じて空を見上げると、天井として君臨していた巫女さんの肉体が徐々にその高度を下げていることに気が付いた。 指先一つでも簡単に自分たちを押し潰して肉片に変えてしまう少女が、その全身を押し倒そうとしているのだ。 幸いなことに最初に二人の体が触れ合ったのはお互いの乳房であり、それによる新たな犠牲者は生まれなかった。 そこに存在していたはずの十数名は既にブロンド髪の女の子が片手で握り潰した後だからだ。 「はっ。なんだ、やっぱお前のおっぱい小せぇじゃん」 「違います〜 イネスのが意味わかんないくらい大きいんです〜」 「はいはい、分かったよ。……じゃ、このままチビども虐殺するぞ。二人でな」 「……えへへ。 いいですよ〜。ぐちゃぐちゃに磨り潰してやりましょ」 二人の体は徐々に触れ合う面積を増やしていく。 おっぱいに続いて触れ合ったのは太ももだった。 京雅の足先からなら地上に降りられると考えて足元に向かっていた小人たちは、突如として盛り上がった赤い大地に驚き、その場で大地に倒れ伏せた。 その直度、盛り上がった大地を迎え入れるかのように空からも赤い天井が降り注ぎ、袴の奥で躍動する二人の太ももが小人たちを捉えた。 互いの存在を求め合う太ももたちは、まるで小人など存在しなかったかのように触れ合い、互いにスリスリと擦り合わせる。 悲鳴をあげる間も無く押し潰された小人たちは、真紅の袴に汚れとしてこびり付いたが、その色合いの関係でそれほど目立つことはなかった。 彼らの死骸が目立つのは、やはり白い上衣を纏った上半身で押し潰されたときだ。 二人の少女がお互いの体を確かめ合うようにして、体を擦り付けるたび犠牲者は加速度的に増えていき、彼女たちの衣服の至る所にシミが生まれる。 二人にとってお互いの相手は柔らかい肉と脂肪の持ち主であり、どれだけ触れ合ったところで人肌の暖かさを実感するばかりだ。 だが、それに巻き込まれる小人にとっては別の話。 ありとあらゆる方向から押し寄せる肉の海によって生き埋めにされ、次の瞬間には体をおそう凄まじい質量によって容易く弾けてしまうのだ。 小人一人を押し潰すことなど、彼女たちにとっては蚊を潰すのと大差ないことだ。 もちろん、そんなものが全身の至る所でどれだけ弾けようと、彼女たちにとってはちょっと背徳感を刺激される程度のこと。 数百人を犠牲にした巫女さんたちのイチャイチャは数分続いたが、その犠牲の大半は開始からわずか数秒のうちに生じたものだった。 「ねぇ、イネス。このバイトはどうですか? 続けられそうですか?」 「あー、そうだな。仕事は楽勝だから任せとけ。何千何万だろうと捻り潰してやるよ。……でもまぁ、この調子じゃ次は自制できるか分かんねぇな」 「…………ドSヤンキーはこれだから困ります。いいですか、こういうことは時間をかけてゆっくり仲を進展させるもので、さっきみたいな急なのはダメなんですよ! 人がちょっと揶揄っただけで本気になるなんてアホなんですか? 女の子は性欲ではなく愛情を注いでくれる人に対して心を開くもの…… なんですかジッと見つめて。ちょっと! 顔が近過ぎますよ! 離れてください!」 「キスしていいか?」 「ダメに決まってるでしょ! 私の話聞いてなかったんで…… んんんっ〜〜」 イネスは強引に黒髪の少女を抱き寄せると、容赦なくその唇に舌を這わせる。 初めての経験に思わず呻き声をあげる京雅だったが、次第に大人しくなって抵抗を止めると、大切な友人の望むままに任せることにした。 結局、彼女たちが昼食の準備を始めるのはだいぶ先のことであった。