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レックスの軌跡外伝~アリサ編2~

 すっかりと日が暮れて暗くなった帝都ヘイムダルをリィン・シュバルツァーは歩いていた。

 オリエに頼まれて自分がいない間にヴァンダール流の剣士たちと手合わせをすることになったのだが、リィン自身も学ぶことが多くあって予定の時間よりもだいぶ遅くなってしまったのだ。


「さて……これからどうするかな」


 遅くなったと言ってもまだ列車はあるのでリーヴスに帰るのは問題ない。

 しかしいつもならば夕食の時間なので、せっかく帝都にいるのだからどこかで食べて帰ってもいいかもしれない。


「ん? あそこにいるのは……」


 どうしたものかと考えながら歩いていると、彼は少し離れたところに見知った顔を発見した。

 トールズの同級生でⅦ組の一員でもあるアリサ・ラインフォルトだ。

 彼女はどこか嬉しそうに歩いておりリィンには気が付いていない。

 せっかくだから声をかけようとリィンがアリサに近づいていく。


「アリサ」

「え? あら、リィン。こんなところで奇遇ね」


 アリサが柔らかい笑みを向けてくる。

 学生時代から美少女だった彼女はすっかり大人の女性に成長しており、笑顔を向けられるだけでリィンはドキッとしてしまう。


「ほんとに奇遇だな。アリサは仕事で帝都に?」

「ええ、そうよ。リィンはどうして?」

「オリエさんにヴァンダールの門下生と仕合って欲しいと頼まれてね。俺も勉強になったよ」

「ふふ、流石は剣聖ね」


 まだリィンは剣聖と正式に名乗っているわけではないのだが、アリサに褒められると嬉しく思える。

 そしてせっかく会えたのだからもう少し彼女と一緒にいたいと感じ始めていた。


「アリサ。せっかくだからどこかで食事でもどうかな?」

「え? えっと……それは……」


 しかし食事に誘うと彼女は少し困ったような表情になる。

 てっきり応じてくれると思ったのだが、もしかしてまだ仕事が終わってないのだろうか?


「もしかしてまだ仕事中なのか?」

「いえ、仕事はもう終わったんだけど、これからちょっと予定があるのよ」

「ああ、そうだったのか」


 予定があるのならば残念だが仕方がない。


「おーい、アリサ。あれ? もしかしてリィンか?」


 そう思ったリィンだったのだが、背後から声がすると同時になぜか急にアリサの表情が明るくなる。

 振り返るとそこにはトールズの同期であるレックスが立っていた。


「レックス♡ ふふ、仕事は終わったの?」

「ついさっきな。アリサも終わったんだろ。リィンはなんでここにいるんだ?」

「ああ、実は――」


 今日の経緯を離す。

 レックスは帝都の帝国時報社に勤めているので仕事帰りだそうだ。


「それならちょうどいいじゃん。みんなで飲みにでも行こうぜ」

「……え?」

「俺は付き合えるけどアリサは用事があるみたいだぞ」

「えー、いいじゃんアリサ」


 レックスはグイグイとアリサに迫る。

 リィンとしてもアリサが一緒なのは嬉しいが、予定があるのに無理強いはよくない。


「わ、わかったわよ。私も行くわ」


 だがアリサはあっさりと承諾してしまった。

 リィンが誘った時はためらっていたのに本当にあっさりと。

 どこか不満そうな表情をしているのだが、本当にいいのだろうかとリィンは内心不安に思う。

 もしかしてレックスの勢いに押されて頷いてしまっただけではないのか。


「やりぃ、それじゃあいつもの店に行こうぜ」


 レックスが歩き出してリィンとアリサがそれに続く。


「アリサ、本当に良かったのか? 大切な用事なら――」

「ううん、大丈夫よ。その……予定が少し狂っちゃったけど問題ないわ。リィンは本当に気にしないで」


 そういう割にはやはり少し不満そうなのはなぜだろうか。


「できれば二人きりがよかったってだけだから……」


 ぼそっと呟いたアリサの言葉をリィンは聞き逃さなかった。

 それは自分と二人きりがよかったという事だろうか。もしそうならばレックスには申し訳ないが自分もアリサと同じ気持ちだ。

 アリサの様な美女にそんなことを言ってもらえるなど光栄……なはずなのだが。


「レックス。いつもの店に行くの?」

「ああ。飲み過ぎないようにしないとな」

「ふふ、その時は私が介抱してあげるわ」


 自分の隣を歩いていたはずのアリサがいつの間にかレックスの隣を歩いている。

 二人とも楽しそうに話しているのであまり会話に参加できないまま、レックスに案内された店についた。

 レックスが店員に三名であることをつたえると、壁際にある四人掛けのボックス席に案内される。


「こちらの席をお使いください」

「ありがとうございます」


 店員に礼を言ってリィンが最初に席に着いた。


「いやー、腹減った腹減った」


 二番目にレックスが座る。彼はテーブルをはさんでリィンの正面に腰を下ろした。


「レックス、あまり飲みすぎちゃダメよ」


 最後にアリサがレックスの隣に腰かける。

 自分の隣に座るだろうと思っていたリィンは少し残念に思ってしまう。


「アリサはいつものだろ?」

「ええ、レックスもよね。リィン、メニューはこれよ」

「ああ、ありがとう」


 アリサがメニューを渡してくれるのでリィンは選び始めたのだが、レックスとアリサがいつものと言っていたのが気になってしまう。

 まるでこの店に何度も来ており、お互いが注文するものをわかりきっているかのようだ。

 いや、実際にそうなのかもしれない。その証拠にレックスもアリサもメニューを見ることなく談笑しているのだから。

 そういえばここに来るときもいつもの店と言っていたような気がする。


「その……二人はよくこの店に来るのか?」


 どうしても気になってリィンが二人に尋ねる。


「何回か来たことがあるぜ」

「え、ええ……前に帝国時報の取材を受けた時に、何回か利用したのよ。ヴィヴィとも一緒に飲んだことがあるわ」

「ああ、なるほど」


 アリサならば確かに取材は何度も受けるはずだ。

 リィンもメニューを決めると店員に注文すると、しばらくして全員分の酒が届く。


「レックス」


 アリサは当然のようにレックスが注文した酒に手を伸ばすと彼のコップに注ぎ始めた。

 まるでそうするのが当たり前のように、本当にごく自然に。

 こう言っては何だが恋人のような距離感すら感じてしまう。

 

「サンキュー。アリサみたいな美人に注いで貰うと酒の美味さも倍増するぜ」

「バカなこと言わないの。リィン、あなたも」

「ああ、ありがとう」


 てっきりレックスだけかと思ってしまったのだが、アリサは自分の分も注いでくれるようでホッとしてしまった。

 アリサに酒を注いで貰えて嬉しいはずなのに、こんなことでホッとする自分が嫌になってしまう。

 最後に自分がアリサに酒を注ごうとしたのだが、リィンがする前にレックスがアリサに注いでしまった。


「あ、レックス! いつも言ってるけど注ぎすぎ――も、もういいから!」

「へへ、悪い悪い」

「わざとでしょう! まったくもう……」


 困ったように笑っているアリサだったが本気で嫌がっていないのはリィンにもわかる。


(やっぱり何度も飲んでいるんだな……)


 意外だなと思いつつも取材のがあるから仕方がないとも納得してしまう。


「それじゃあ今日はみんなお疲れさまってことで、カンパーイ」


 レックスの音頭で乾杯して酒を飲む。

 疲れた体に酒が染み渡り、リィンはあっという間に一杯目を飲み干してしまった。


「お、リィン。良い飲みっぷりだな」

「はは、思っていたよりも疲れていたのかもしれないな」

「身体を動かしていたのだから当然でしょうね」

「思いっきり飲んで疲れなんて吹き飛ばそうぜ」

「むしろこれからもっと疲れさせるつもりでしょう……♡」


 ぼそっとアリサが何かを言った気がしたのだがリィンには聞き取れなかった。

 つまみも届き始めてそのまま三人で楽しく話しながら飲み始める。

 話題は最近の自分たちについてだ。

 黄昏を乗り越えてもリィンは忙しい日々を過ごしており、それはアリサやレックスも同じことのようだ。


「オレは今まで通り取材してるだけだから前と変わらねーけど、アリサもリィンも忙しそうだなぁ」

「レックスだっていろんなところに取材に回っているんでしょう? クロスベルにリベール、レミフェリアにも行ってるそうじゃない」

「そんなにいろんなところを飛び回っているのか」


 リィンはそんな事は全く知らなかったのにどうしてアリサは知っているのだろうか?


「第Ⅱ分校にもよく取材に来てくれるな。」

「あ、また今度行くことになるかもしれないぜ。その時はよろしくな」

「レックスが取材に来るとユウナ達も気合が入るって言ってたよ」


 黄昏が始まる前は帝国時報社の取材などほとんどなかったのだが、終わった後は何度も取材に来るようになっていた。

 来年度の新入生を獲得するために必要と言うことで、トワも取材を断ることは一切ない。

 そしてレックスが取材に来ると生徒たちも生き生きしているのがわかるので、生徒たちのやる気に繋がっているのだろう。

 そう考えると教官としてもありがたいと感じている。


「またいつでも取材に来てくれ」

「お、いいのか?」

「もちろん。トワ先輩も断ることはないだろう。第Ⅱ分校の魅力を少しでも多くの人に知ってもらえるのなら俺も大歓迎だ。生徒達に悪影響があるならまだしもそんなことは全くないからな」

「本当かしら……」

「おいおいアリサ、どういう意味だよ?」

「別に」


 なぜかアリサがプイっとそっぽを向いて酒を飲むとジト目をレックスに向ける。


「レックスみたいなチャラついた人にまともな取材ができるのかしら?」

「ヒデーなおい。リィン、オレの完璧な仕事っぷりを教えてやってくれよ」

「完璧かどうかはわからないが、レックスは毎回ちゃんと取材をしていると思うぞ」

「ほんとにぃ?」

「当たり前だろ。いつもアリサを取材する時と全く同じようなことをしてるだけだぜ。問題ないだろ?」

「っ♡ も、問題だらけじゃない♡」


 アリサが顔を真っ赤にして大声を上げたのでリィンが首をかしげる。

 実際にリィンから見てもレックスの取材に問題があるとは思えない。

 強いて気になることがあるなら取材を受けた生徒が疲れていることくらいだが、それは仕方がないことだろう。

 自分も灰色の騎士として取材を受けたことが何度もあるが、終わった後はどうしても疲れたと感じてしまうので気持ちはわかるのだ。


「生徒達もやる気を出しているみたいだから、教官としても嬉しい限りだよ」

「それはそうでしょうけど……あ、そういえばティータさんは無理していないかしら?」

「ああ……それは少し心配だな」


 ティータは黄昏が終わった際に帝国にやってきたエリカにより、リベールに連れ戻されることになってしまった。

 それを覆すために第Ⅱ分校で何かしらの成果を示す必要があるのだ。

 ティータは帝国に残りたいと思っているようで、毎日必死に努力している。


「工房の調査関連でエステルさん達と顔を会わせるたびに心配してるのよ」

「俺もトワ先輩もティータが無理をしすぎないように気を付けるよ」


 担任教官ではないとはいえリィンもティータの意志を尊重しているので力になってあげたいが、無理をしすぎてティータが倒れるなどの事はあってはならない。

 ゆえにトワとも話してティータを気にかけているのだ。


「確かまだ成果は出せてないんだろ? 焦って無茶しないか心配だよな」

「ああ。最近は心なしか元気もないみたいだ」


 どうしてレックスが知っているのだろうと思ったが、きっと今までの取材でトールズに来た時に話したのだろう。

 女子生徒は特にレックスと仲がいいので、取材の後もよく雑談をしているのだ。


「ねぇレックス。あなたもティータさんの力になってあげてね」

「そりゃオレだってティータちゃんを応援してやりたいけど、専門家じゃないしはっきり言って力になれないと思うぜ」

「そんなことないわよ。色々と悩みもありそうだから通信で話してあげたり、疲れてそうだから息抜きに付き合ってあげればいいのよ。それだけでティータさんは絶対に元気が出るはずよ」

「そのくらいならお安い御用だぜ」

「ふふ、レックスに任せておけば安心ね」


 そういうのはアガットの方が適任なのではないだろうか。

 それにアリサがトールズの教官であるリィンではなく、帝国時報社のレックスに頼んだのがなぜかもやもやする。

 いくら取材で顔を会わせる機会が多いとはいえ、リィンに比べればレックスはティータと会う機会が圧倒的に少ない。

 悩みの相談も息抜きに付き合うのも自分やトワ、生徒達の方がいいのではないだろうか。

 何よりも絶対に元気が出る、レックスに任せれば安心と断言しているので、それほどまでにアリサはレックスを信頼しているのかと思うとすこし嫉妬してしまう。

 自分では安心して任せてもらえないのかと暗い感情が生まれてしまっていた。


「あら、レックス。グラスが空に――んっ♡」


 レックスのグラスに酒を注ごうとしたアリサの身体がビクンっと震える。


「アリサ?」

「な、なんでもないわ。気にしな――っ♡ 気にしないで♡」


 酔いが回ってきたのか頬を染めながらアリサが酒を注ぐ。


「そういえばレックス。今日は取材だったらしいけどなんの取材だったか聞いてもいいか?」

「ああ……まぁリィンには言ってもいいか。オリエさんを取材してたんだよ」

「え? そうだったのか?」


 リィンは今日オリエに頼まれてヴァンダール流の門下生と鍛錬に励んでいた。

 オリエは用事があり参加できないとの事だったが、その用事が何だったのかは聞いていないので初耳だ。


「オリエさんもヴァンダール流のために色々と考えてるみたいでさ。ヴァンダール流の魅力やオリエさん自身の魅力を隅々までバッチリ取材したぜ。写真も撮りまくってオリエさんも満足してくれたみたいだ」

「満足?」

「な、納得のいく写真を撮ってもらえたってことでしょ! んっ♡」


 なるほどとリィンが納得する。

 一人の武人として記事を見るのが楽しみだ。


「それは記事になるのが楽しみだな。アリサ、具合でも悪いのか?」

「んっ♡ き、気にしないで♡」


 アリサの顔がどんどん赤くなる。やはり酔いが回っているようなので、少しペースを落とさせたほうがいいだろう。


「オリエさんを初めて見た時は結婚してるどころか子持ちだったなんて思わなかったぜ」

「はは、アッシュも最初はクルトのお姉さんだと思っていたみたいだな」

「むしろそっちの方が納得できるわよね……っ♡」

「そういえば二人は結婚願望とかねーの?」


 レックスの突然の言葉にリィンは思わず酒を吹き出しそうになった。


「と、突然どうしたんだ?」

「いや、だってオレ達の代のトールズ卒業生って浮いた話がほとんどねーだろ? 学生時代から付き合ってるのはブリジットとアランくらいじゃねーか」

「言われてみればそうだな」

「浮いた話がないなんて当たり前じゃない……」

「アリサ?」

「な、なんでもないわ」

「学生時代のリィンとアリサなんて付き合ってるようにしか見えなかったんだけどなぁ。オレはてっきり隠してるだけで付き合ってると思ってたぜ」


 思わずリィンがドキッとしてしまう。

 アリサを女性として意識したことなど何度もあるので、そんなことをいきなり言われたら仕方がないだろう。


「はぁ……あのねレックス。そんな事あるはずがないでしょう」


 しかしアリサはそれを呆れ顔であっさりと否定してしまった。


「えー、マジかよ?」

「もちろんリィンとは学生時代から仲がいいわよ。でもそれを言うならⅦ組全員同じじゃない。付き合ってるなんてありえないわよ」


 言葉の矢がリィンに次々と突き刺さる。

 Ⅶ組全員同じ。付き合ってるなんてありえない。

 ほんの少しも照れずに、恥ずかしがることもなく否定する彼女の姿は、本当にリィンを一切男として意識していないというふうに思えてしまう。


(そこまではっきりと言われると流石にショックだな……)


 自分で言うのもなんだがアリサとは特に仲が良かった気がするので、笑顔で関係を否定されるのは想像以上にショックが大きい。


「変なこと言ってごめんなさいねリィン。この人ってば酔ってるみたい」

「い、いや……気にしてないさ」

「ほら、レックス。お水も飲みなさい」


 アリサがレックスに水を差しだす。


「うーん、そんなに飲んでないんだけどなー。アリサこそもっと飲めよ」

「十分飲んでるわよ」

「そんな事言って全然酔ってるように見えないぜ」

「あなたみたいなチャラついた人の前で酔ったら大変でしょう」

「へへ、そりゃそうだ。アリサみたいな美人が酔いつぶれたら、男だったらソッコーでホテルにでも連れ込むだろうからな」

「っ♡ まるでいろんな人にそんなことしてるみたいな言い方ね♡」

「そんなわけねーじゃん。でもほかの女ならともかくアリサが酔いつぶれたら我慢できずに連れ込んじゃうかもなー。それくらい美人で魅力的だってことだぜ」

「……♡ も、もう♡ そんなに褒めても何も出ないわよ♡」


 二人のやり取りをリィンは唖然としたまま聞いていた。

 レックスがホテルに連れ込むなどという話題を女性に振った事も驚きだが、それを聞いたアリサが怒るわけでもなくさらりと流している事にはもっと驚いた。

 確証があったわけではないが、アリサはこういう話題は好きではないと思っていたからだ。

 それどころか満更でもないような顔になっているのだ。

 こういう会話を笑いながらできる二人が、自分よりも遥かに大人に感じてしまう。


「まぁ今回はリィンがいるからアリサも安心だろ」

「そ……そうね」


 アリサはどうして残念そうな顔になるのだろう。


「レックス、そういう話題は控えたほうがいいんじゃないか?」

「何言ってんだよリィン。学生ならともかく大人ならこのくらい普通だっての」

「普通ではないと思うわ。やっぱりこの人ってば少し酔ってるのよ。レックス、この席は広いから少し横になるなら肩でも膝でも貸すわよ?」

「……え?」


 膝枕してもいいなどさらっと言ってのけるアリサも酔っているのかもしれない。

 先ほどよりも顔が赤くなっているので間違いないだろう。


「ア、アリサも酔ってるんじゃないか?」

「私はまだまだ大丈夫よ」

「アリサの膝枕もいいけど――おっと」


 突然レックスがバランスを崩して、アリサの方に倒れてしまう。

 そしてあろうことか彼は彼女の胸に顔を埋めてしまったのだ。


「あんっ♡ ちょ、ちょっとレックス♡」


 服の上からでもわかるアリサのたわわに実った胸。

 トールズ士官学園に入学した時にリィンも同じようなことをしてしまったが、その時よりも魅力的に感じるアリサの胸にレックスが顔を埋めている。

 彼は酔っているのかすぐにアリサから離れようとはしなかった。


「も、もう……♡ やっぱり飲みすぎよ♡ ほら、レックス♡ しっかりして♡」

「ア、アリサ……」

「あはは……本当に困った人よね」


 困ったように笑いながらアリサはレックスを引きはがそうとしない。

 むしろ優しく声をかけながら彼の頭を撫でたり背中をさすったりして心配しているようにも見える。

 いや、そうとしか見えない。

 自分の胸に男が顔を埋めていることなど全く気にしていないように見えてしまう。


(アリサは優しいからな。酔っぱらってしまったレックスを心配するのは当然だ……)


 心の中でそうに違いないと自分に言い聞かせるリィンだったが、レックスはその後もしばらくアリサの胸に顔を埋めていた。


「うーん、やっぱり酔っちまったのかなー……悪いなアリサ」

「ほら、お水――っ♡ の、飲みなさい♡」

「サンキュー」


 アリサがレックスの背中を撫でながら口元に水を持っていくと、レックスがそれを少しずつ飲んでいく。

 流石に恥ずかしいのかアリサの顔が更に赤く染まっていた。

 恥ずかしさに耐えながらもレックスの介抱をするアリサは優しいと思いながらも、リィンはアリサにここまで甲斐甲斐しく世話をしてもらえるレックスに嫉妬してしまう。


「ん?」


 突然リィンのARCUSⅡが鳴りひびく。

 誰かから通信が来たようだ。


「すまない。少し出てくるよ」

「おう」

「いってらっしゃい……っ♡」


 リィンが席から離れていったん店の入り口付近に向かう。


「ちょ、ちょっとレックス♡ さっきからずっとお尻を――あんっ♡」

「へへ、なにかに捕まってないとまたバランスを崩してアリサの胸に倒れこむかもしれないぜ」

「あ、あれはわざとでしょう♡ もう……ん♡ だからお店では――っ♡ な、なんで大きくしてるのよ♡」

「隣にアリサがいるんだから当然だっての」


 リィンが席を離れても二人は楽しそうに話しているようだが、会話の内容までは聞こえない。

 通信はランディからであり明日の授業内容についてだった。

 少し確認をしてから通信を切って二人の元に向かう。


「おう、おかえりリィン」


 しかしそこにいたのはレックスだけだった。


「あれ、アリサはどうしたんだ?」

「少しトイレだってさ。へへ、飲み過ぎたんじゃねーかな?」

「顔が赤くなっていたしそうかもしれないな」

「ところでリィン。お前って本当にアリサと付き合ってなかったのか?」


 レックスがグイっと身を乗り出して聞いてくる。


「本当に付き合ってないぞ」

「へぇ……正直以外なんだよなぁ。オレは学生時代の頃から二人は絶対に付き合ってるって思ってたからさ」

「その……周りからはそう見えたのか?」

「流石に二人を見た全員がそう思ってたってことはないだろうけど、オレと同じように思ってた奴はいると思うぜ」


 そう言われると悪い気はしない。いや、むしろ嬉しい。

 しかし実際はアリサとは付き合っていないのだ。


「ここだけの話……アリサって滅茶苦茶エロくなったよな」

「お、おいレックス。さっきから思ってたけどそういいう話は控えたほうが……」

「何言ってんだよ。アリサがいないからするんじゃねーか。それに男二人で飲んでるなら猥談くらい当たり前だっての」


 かつてランディと初めて飲んだ時も下ネタとエロトークばかりだったので、完全に否定できないのが悲しいリィンだった。


「ま、まぁ……学生の時から可愛かったけど、大人になってますます綺麗になったとは思うよ」


 そして酒が入っているせいか、リィンもそれに乗ってしまう。


「だよな? 胸とかもますますデカくなってるしさ。あんなの男なら誰でも揉みまくりたいだろ?」

「……否定はできないな」


 ガタンっといきなりテーブルが揺れる。


「っ! な、なんだ?」

「おっと、悪い悪い。興奮して膝でテーブルを蹴っちまった。でもアリサの体の事を考えたら興奮しちまうのも仕方ねーって。さっきも酔って胸にダイブしちまったけど……ヤバかったぜ。確かリィンは入学初日にアリサの胸を揉みまくったんだっけか?」

「ひ、人聞きの悪いことを言わないでくれ。あれは事故というか……さっきのレックスみたいになったのは事実だが」


 アリサの胸に顔を埋めたことを思い出してリィンの顔が赤くなる。

 あの時の事は忘れるようにアリサに言われているのだが、あんなことを忘れられるはずがないのだ。


「ん? なんだか変な音がしないか?」

「へへ、気のせいだろ? ほら、まだ残ってるんだから全部綺麗に飲めよ……!」

「あ、ああ……」


 何かを舐めるような音が聞こえた気がするが気のせいだろうか。

 レックスに勧められるまま瓶に残っていた酒を飲んでいく。


「……ちょっと悪い。なんかメールが来たみたいだ」


 レックスがARCUSⅡを取り出す。

 メールの確認らしいが誰から来たのだろうか。

 しばらくARCUSⅡを弄っていたレックスだったが、突然パシャっとシャッター音が響いた。


「レックス?」

「悪い悪い。操作をミスって写真撮っちまった。でもせっかくだからもう一枚っと」

「お互いに飲みすぎているからな。アリサが戻ってきたらそろそろ帰ろうか」

「そんなこと言わないでもう少し飲もうぜ――っ!」

「ど、どうしたんだ?」

「いや、なんでもないぜ」

「そ、そうか。そういえばアリサは遅いな……レックス、俺もトイレに行ってくるよ」

「ああ、間違って女子トイレには入るなよな~」


 そこまで酔ってないさと苦笑しながらリィンはトイレに向かうのだった。



「ふぅ……リィンは行ったぜ」


 リィンがトイレに向かってすぐにレックスはテーブルの下に声をかける。


「ちゅっ♡ れろ♡ じゅるるううう♡ ちゅっ♡ はぁ♡ はぁ♡ ちゅるるうう♡」


 そこにはレックスの肉棒を美味しそうに舐めているアリサがいた。

 彼女はトイレに行ったのではなく、テーブル下に隠れてずっとレックスにフェラチオをしていたのだ。


「はぁ♡ レックス♡ ちゅっ♡ レックスぅ♡ もう我慢できないの♡ これが欲しいのよぉ♡」


 アリサは愛おし気にレックスの肉棒に頬ずりをしている。

 全身でこのオチンポが欲しくてたまりませんとアピールしているのを、レックスがニヤニヤしながら見下ろしている。


「リィンにバレなくてよかったな」

「も、もう♡ 本当に怖かったんだからぁ♡ 途中で物音を立てちゃったときはもうダメかと思ったわ♡」

「それでもやってくれるアリサが好きだぜ」

「っ♡ ちょ、調子がいいわね……ちゅ♡」


 射精まで導いてお掃除フェラも済ませた肉棒にキスの雨を降らせる。


「リィンもアリサの身体をエロいって思ってるみたいだぜ」

「うぅ……私ってばそんな風に見られていたのね。なんだかはずかしいわ」

「アリサは実際にエロい身体をしてるんだから許してやれよ。魅力的って思われるのは嬉しいだろ?」

「あなた以外の男性に魅力的に思われても嬉しくないわよ♡ それと写真はやりすぎでしょう♡」

「酔っぱらって操作を間違えただけだって」


 レックスが撮った写真。

 それは幸せそうな表情で口内射精を受け止めているアリサが映っていた。

 二枚目は同じく幸せそうな表情でお掃除フェラをしているアリサ。

 どちらも嫌がっているようには全く見えない。


「ね、ねぇレックス……私、本当に限界なのよ♡」

「オレはもう少し飲んでたいんだけどなぁ。そう言いかけたら激しくしゃぶって止めるくらいオレのチンポが欲しいのかよ?」

「だ、だって……今日は本当ならデートだったはずでしょう♡ それなのにリィンに見つかっちゃって……」

「リィンが嫌いなのかよ?」

「そんなわけないでしょう。でもあなたと二人きりのほうが……その……楽しいし幸せなのよ♡」


 二人きりがいいとおねだりするアリサを見てレックスは優越感に浸る。


「お願いレックス♡ 飲み足りないのならあなたの部屋で一緒に飲みましょうよ♡ あなたと一緒にいる時は、他の男の人の事なんて考えたくないの♡」

「へへ、仕方ねーな。それじゃあオレが飲み過ぎたってことで帰るか」

「うん♡」


 これでレックスと二人きりになれる。

 そう思うとアリサの子宮が疼き始めるのだった。



「アリサ、戻っていたのか」


 リィンがトイレから帰って来るとアリサが席に戻っていた。

 それだけではなく、レックスはアリサの肩に寄りかかっている。


「ええ。仕事の通信が来たから対応してたのよ」

「そ、そうだったのか。レックスは大丈夫か?」

「だいじょーぶだぜー……」


 大丈夫そうには見えない。

 帰ってきたばかりのアリサの顔が真っ赤になっていると言うことは、酔いが回っているだけではなく恥ずかしさもあるのだろう。

 服に酒をこぼしてしまったのか胸元にシミもデキてしまっている。


「リィン、レックスもこうなっちゃったしお開きにしましょう」

「ああ、そうだな。俺がレックスを――」

「別にこのままでもいいわよ。リィンは支払いをお願い」


 ちなみに支払いは割り勘と決めていた。

 アリサは自分の財布からミラを取り出すと、レックスの服のポケットに手を入れる。

 そして財布を取り出すと、レックスの分のミラをリィンに手渡した。


「はい、お願いね。私はレックスを外に連れていくわ」

「あ、ああ……」

「ほら、レックス。私にしっかりとしがみ付いて」

「あ~……サンキューアリサ」


 レックスがアリサに支えられて立ち上がる。

 アリサが肩を貸しているので二人の身体は完全に密着していた。

 そのせいでアリサの左の乳房などはレックスの身体に当たり潰れてしまっている。

 アリサは全く気にしていない。彼女は優しいから当たり前だ。

 自分も酔いつぶれたらあんな風に介抱してもらえたのだろうか。

 そしてアリサはどうして迷うことなくレックスの財布を取り出せたのだろうか。

 まるでそこに財布があるとわかっていたとしか思えない。

 もやもやとしたものが消えないままリィンは支払いを終える。

 店の外に出るとアリサはまだレックスに肩を貸したままだった。


「ありがとうリィン」

「アリサ、今度こそ変わるよ。レックス、俺に――」

「うーん……今日は楽しかったぜリィン。気を付けて帰れよ~」

「いや、こちらの台詞なんだが……」

「リィンは列車に乗って帰るんでしょう? 早くしないと最後の列車が出ちゃうわよ」


 言われて気が付いたが最終列車の時刻が迫っている。

 しかし今のレックスをアリサに任せるのは気が引けた。

 密着しているので彼女の恥ずかしそうなので、自分が変わったほうがいいはずだ。

 酔っているレックスから家の場所を聞くのは大変かもしれないが、今はそんなことを言っている場合ではない。


「急げば大丈夫さ」

「レックスの家はここからだと駅と反対方向だから間に合わないんじゃないかしら」

「……え? アリサはレックスの家に行ったことがあるのか?」

「? ええ、もちろんよ」


 まるで「それが何かおかしいかしら?」とでも言うようにきょとんとした表情のアリサだったが、リィンは今日一番の衝撃を受けた。

 レックスの家はもちろん知っている。

 それは何度も彼の家に行くような気やすい関係と言うことに他ならない。

 数秒ほどしてアリサがハッとして慌て始める。


「ち、違うのよ! レックスと前に飲んだ時もこうなっちゃったから家まで送っていったの!」

「あ、ああ……なるほど……」

「だから私が連れていくわ――んっ♡ レ、レックス♡ しっかり立って♡」

「ん~……掴みやすい部分があるなぁ~」

「まったくもう……♡」


 気のせいだろうか。肩を貸しているアリサに腕を回して、レックスが右手でアリサの右の胸を揉んでいる気がする。

 暗いからそう見えるだけに違いない。そうでなければ流石にアリサが拒否するはずだ。

 そのはずだとリィンは自己暗示のように自分に何度も言い聞かせる。


「だ、だけど本当に大丈夫か?」

「大丈夫よ。それともまさか、私をホテルに連れ込むだなんて話を本気にしているの?」

「そんなことはないが……」

「私は帝都で一泊するからいいけどあなたは明日も仕事があるんでしょう? レックスは私に任せて」

「……わかった。それじゃあ頼むよ。それとティータの事は俺も気にかけておくから」


 渋々とリィンが引きさがると、心なしかアリサが嬉しそうに見えた。

 目の錯覚だ。やはり自分は酔っている。


「お願いね。もちろんリィンだけじゃなくてレックスも」

「う~ん……アリサがキスしてくれるなら頑張っちゃうぜ」

「はいはい。ティータさんが元気になったらキスくらいいくらでもしてあげるわ♡」


 その一言でリィンの酔いが一気に醒めた。


「ア、アリサ!?」

「ふふ、リィンってばそんなに慌ててどうしたの? レックスは今酔ってるのよ?」


 酔っぱらいの言葉を本気にするなと言いたいのだろう。

 言われてみればその通りだとリィンがホッと……することはできなかった。

 今日のアリサのレックスに対する対応を見ると、冗談には聞こえなかったのだ。


「それじゃあいくわね。今日は楽しかったわ」

「あ、ああ。機会があったらまた飲もう。今度はⅦ組のみんなと飲めたらいいな」

「そうね。さよならリィン」

「じゃ~な~……」


 レックスに肩を貸したアリサが駅とは反対方向に歩いていく。


「ほら、ちゃんと歩いて。酔ってるフリなんでしょう?」

「そんなに冷たいこと言わないでちゃんと支えてくれよ」

「んっ♡ そんなに胸を揉まれたら――あん♡ 部屋までガマンして♡ ふあっ♡ だから二人きりがよかったのに……♡」


 二人がなにやら楽しそうに話しながら去っていくのを見送る。

 アリサと楽しく食事をするつもりだったのに、楽しさよりももやもやした気持ちが遥かに多く残っている。

 自分の知らないアリサの一面を見た。いや、見せつけられたような感覚。

 そしてそんなアリサをレックスは当然のように知っていたのだと思うと複雑な感情が込みあがってくる。

 完全に酔いが醒めたリィンは列車に乗り遅れないように早歩きで駅に向かうのだった。



「ただいまー」

「んっ♡ た、ただいま♡」


 レックスとアリサがようやくレックスの部屋に帰ってきた。

 アリサはここに住んでいるというわけではないのだが、ただ今という言葉が随分としっくりくる。


「レックス、ほら、靴を脱いで」

「ベッドまで頼むわー」

「はいはい♡ あんっ♡ た、倒れちゃったらどうするのよ♡」


 レックスは酔いつぶれているというわけではないのだが、アリサに体重をかけて支えてもらっている。

 酒の匂いとメスの匂いが混ざった匂いや彼女の柔らかい体を堪能しているのだ。

 アリサはレックスをベッドに座らせると、彼はボスっと仰向けに寝転んだ。


「お水飲む?」

「ああ、頼む」


 アリサが冷蔵庫から水を取り出すとベッドに戻る。


「はい」


 レックスが身体を起こしたので水を差しだしたのだが彼は受け取らずににやにやと笑っているだけだ。


「もう……仕方がないわね♡」


 アリサは自分で水を飲んで口に含むと、レックスの頬に優しく手を添えて口付けた。


「ん――ちゅ♡ ……ん……♡」


 そのまま口移しでレックスに水を飲ませていく。

 口元から雫が垂れてしまっているがお互いに気にしていない。


「ふぅ……アリサに飲ませてもらう水は最高だぜ」

「ふふ、もう一口いる?」

「今度はオレが飲ませてやるよ」


 今度はレックスが口移しでアリサに水を飲ませる。

 アリサの身体は水分以上にレックスという存在を求めていたので、水を飲んでいるのに身体が熱くなり始めた。


「んちゅっ♡ れりゅうう♡ じゅるるううう♡ レックス♡ ちゅっ♡ 好きよ♡ レックスぅ♡」


 舌を絡め合わせるキスをしながらアリサがレックスの服を脱がせていく。

 上半身を裸にするとをベッドに押し倒し、今度は彼の肉棒を取り出すと、すでに勃起していたモノが姿を現した。


「すごい……さっき出したばかりなのにこんなに硬いのね♡」

「アリサだってもうびしょびしょだろ。自分で入れてみろよ」

「っ♡ ……はい♡」


 命令されてアリサはショーツを脱ぎ始める。

 レックスの言葉通りそれは愛液でビショビショになっており、アリサの身体がレックスを受け入れる準備はとっくにできていたことを現していた。

 ベッドに仰向けに寝転がるレックスに跨ると、アリサが騎乗位で挿入する体勢になる。


「入れるわね……んっ♡ あああっ♡ 熱くて硬いのが入ってくる――んああああっ♡」


 待ちわびていたものを入れられた瞬間にアリサの背筋がピンっと伸びて甘イキする。

 レックスの巨根は膣内をやすやすと埋め尽くしてみっちりと広げていた。


「あああっ♡ これっ♡ これがずっとほしかったの♡ 店にいる時も欲しくて欲しくてたまらなかったのよ♡ んっ♡ あああっ♡ ひああああああっ♡」


 蕩けた表情のアリサが腰を振り始める。

 巨乳がダイナミックに揺れて視覚的にもレックスを楽しませており、彼はカメラを片手にアリサを撮り続けた。

 騎乗位なので自分の体重がかかり子宮口が激しく刺激されて、アリサの身体は何度も痙攣していた。


「あんっ♡ 気持ちいい♡ レックスのオチンポやっぱりすごい♡ あああっ♡ 私の中をみっちり広げて、一番奥をイジメてくれるの♡ ああああっ♡」

「アリサのマンコも相変わらずいい具合だぜ。やればやるほど具合がよくなる最高のマンコだな」

「んっ♡ 嬉しい♡ あああっ♡ んああああっ♡」


 腰を振りながらアリサは服を脱ぎ始める。

 上着やブラジャーを一枚ずつ脱いでいき、それをレックスに写真に撮られて、彼女は上半身は裸でスカートだけになってしまった。

 生胸が激しく揺れて乳首が曲線を描くと、レックスがそれを鷲掴みにして感触を楽しみ始める。

 指がどこまでも沈んでいくような極上の胸と肉棒に絡みついてレックスという存在を求めてくる極上の膣を同時に堪能していく。


「あああっ♡ ま、待ってレックス♡ すぐにイッちゃう♡ こんなのすぐにイッちゃうから♡ んひいいいっ♡」

「いつも通り何回でもイケよ」

「あああっ♡ さ、最初は一緒にイキたいの♡ お願いレックス♡ その後は私を好きにしていいから♡ あんっ♡ ふあああっ♡」


 アリサが腰の動きを止めると、上体を倒してレックスに身体を密着させた。

 お互いの肌を触れ合わせながら抱きしめあい、一つになっているという感覚を堪能していく。

 抱きしめながらの騎乗位でアリサは腰を僅かに動かしながら、快楽よりも多幸感が上回るセックスを楽しんでいた。

 好きな男に抱かれているのだと思うと愛しさを抑えることができずに、彼に唇を重ねて愛の言葉を囁いていく。


「レックス♡ 好きよ♡ 愛してるわ♡ ちゅ♡ レックス♡ 愛してる♡ 好きなのぉ♡ れりゅうう♡」

「そんなに言わなくてもアリサがオレの事好きなのは知ってるぜ?」

「だって仕方がないでしょう♡ ちゅうう♡ れろぉ♡ 今日はデートだったから、レックスにたくさん好きって言えると思ってたんだもの♡ ちゅるるうう♡ なのにリィンも一緒だったから、レックスに好きって言えなくて寂しかったのよ♡ だからたくさん言わせて♡ ちゅっ♡」

「へへ、それじゃあ今日はラブラブセックスするか? 愛してるぜアリサ」

「っ♡ 私も好き♡ 愛してる♡ ちゅるるるう♡ れりゅううう♡」


 レックスが体を起こして対面座位になる。

 アリサの一番好きな体位でお互いに抱きしめあい、ゆっくりとした腰使いでお互いに愛を囁いていく。


「アリサの身体って本当にどこもかしこも柔らかくて温かくて最高だよなぁ。こういう所も愛してるぜ」

「あんっ♡ 好きよレックス♡ ちゅっ♡ れりゅう♡ 愛してるわ♡ 私を気持ちよくしてくれるところも、幸せにしてくれるところも全部好きよ♡ ああっ♡ ふあああっ♡」

「リィンよりも?」

「当たり前じゃない♡ ちゅっ♡ れろぉ♡」

「でもやっぱり不安だぜ。リィンの事は卒業してからも好きだったんだろ?」

「ふああっ♡ そんな私を一晩で変えて、あなた以外を考えられなくしたのはレックスでしょう♡ ああっ♡ 私を女として求めてくれるところも好き♡ んあっ♡」


 レックスに抱かれている時に自分は女だと強く意識できる。

 この幸福を与えてくれるのはレックスだけなのだ。


「それに、ふあっ♡ もしも私がリィンと付き合っていたとしても、レックスなら自分のモノにしてしまうじゃない♡ ああっ♡ ブリジットやメアリー教官、んっ♡ それにエステルさんと同じように、あああっ♡」

「当たり前だっての。こんないい女を彼氏がいたくらいで諦められるかよ。絶対に抱いてオレの事を忘れられなくしてやるぜ」

「んっ♡ あああっ♡ そういう所もステキ♡ ふあああっ♡ レックス♡ 好き♡ 大好き♡」


 アリサの豊満な乳房がレックスの胸板で押しつぶされてこすれ合い、乳首も擦れているのでなおさら感じてしまう。

 汗をかいているので肌が密着しているだけでも気持ちいいので、激しく動かなくてもアリサはイキそうになっていた。

 しかしそれはレックスも同じ。アリサが好きと言うたびに膣が締まり、男としての優越感も満たされていくので、射精感が一気に高まっているのだ。


「く……学生時代から声をかけてりゃ良かったぜ」

「あんっ♡ あああっ♡ そ、そうよ♡ どうして声をかけてくれなかったの♡ あなたになら喜んで抱かれたのに♡ んあああっ♡ 学生の頃に妊娠させてくれてもよかったのよ♡ んちゅ♡ れりゅうう♡ もっと早くあなたの赤ちゃんを妊娠したかったわ♡」

「あーくそ。マジで悔しくなってきたがった。やり直しとかができるならアリサをソッコーで抱いてやるのになぁ。学生時代の遅れを取り戻すためにもこれからはもっとヤリまくって孕ませまくってやる」

「ちゅっ♡ あああっ♡ レックスに抱かれ続ける学生生活なんて想像しただけでイッちゃう♡ ふあああっ♡ 子供も沢山産ませて♡ あなたの子供だったら十人でも二十人でも産むわ♡ あんっ♡ 絶対に迷惑なんてかけないから♡ あっ♡ 大好きなレックスの赤ちゃんをいくらでも産ませてください♡ あああああっ♡」


 肉棒が一回り大きくなって震え始めると、レックスの方からもアリサをきつく抱きしめてラストスパートをかける。

 彼女の柔らかく温かい身体を抱きしめ、瑞々しい唇を貪り、熱く絡みついてくる膣を蹂躙していく。


「く……もう出そうだ……好きだぜアリサ。アリサ……愛してる、アリサ……っ!」

「んちゅっ♡ れりゅうう♡ 愛してるわレックス♡ たくさん出して下さい♡ あなたの全てを受け止めさせて♡ レックス♡ 好きっ♡ 好きぃ♡」


 ――びゅるるるるうううううううううううううううっ!!


「んああああっ♡ レックス♡ 大好きっ♡ レックスううううううううううっ♡」


 空っぽだった子宮にとびきり濃い精液が注がれていく。

 お互いに絶頂しながら唇を重ね合い、舌を激しく絡めて唾液を交換し合う。

 固形物のような精液が尿道を広げながら通っていく感覚が気持ちよすぎて、レックスの腰も震えてしまっていた。

 それを受け止めるアリサは快楽以上に多幸感がすさまじく、女に生まれてきたことを女神に感謝している。

 身も心も一つになるような最高の絶頂が収まっても、二人は抱き合いキスをしながら余韻に浸っていた。

 やがてねっとりとした唾液の糸を作りながら唇が離れると、アリサは快楽で蕩けきった表情になっていた。

 目の焦点はあっておらず口元から涎を垂らしてしまっている表情を見て、レックスはオスの情欲を刺激される。


「はぁ……♡ はぁ……♡ レックス……好きぃ♡」

「へへ、そんなに好きって言われると気分がいいぜ。今日はオールでセックスするからな」

「もう……朝までしなかった時の方が少ないでしょ♡ 初めての時だって……♡」

「アリサの身体が気持ちよすぎるのが悪いんだよ。明日は休みなんだろ? リィンを誘っちまったのはオレだし、埋め合わせもちゃんとしないとな」

「……♡ ええ、埋め合わせはたっぷりしてもらうわ♡ ん――ちゅ♡」


 アリサがレックスにキスをして二人のセックスが再開する。

 その後二人は朝までセックスを行った。

 それだけではなく抱き合いながら一緒に眠り、起きてからも爛れた一日を過ごしたのだった。

 一緒に風呂に入り、アリサが手料理を振舞い、当然セックスも行う。

 アリサはレックスがリィンを誘ったことなど完全に帳消しとなる埋め合わせをしてもらったのだった。


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