挿絵 あるく様
月の近くの宙域を1人のアルティマレディが飛行する。
彼女の名前はアルティマレディ・フィズ。
地球を守るために戦うアルティマレディ・リアンのため怪獣ボールを開発し、今まさに届けに向かうところであった。
怪獣ボールの中にはフィズ謹製のロボット怪獣・リアンガーが入っており、激戦に苦しむリアンをサポートすることが、今回の目的である。
光の国随一の科学者でもあるフィズのチューンを受けたリアンガーは、1分という短い活動限界の代わりに、大怪獣にも引けを取らない戦闘力を有していた。
しかし、ボール越しにもみなぎるそのエネルギーが、招かれざる客人を引き寄せてしまう。
「グォオオオオ!」
突如背後に現れた怪獣がフィズに襲いかかる。
「ジェアッ?」
2体はもつれながら月面へと落ちていくのであった。
ズドンッ!
2体の落下位置には粉塵が舞い上がり、視界を奪っていく。
すぐに立ち上がったフィズは、手に握った怪獣ボールを確認する。
特に破損した様子もないことに安心し、身構えるフィズ。
粉塵による煙幕が晴れた時、眼前には二面凶悪怪獣・アシュランが迫っていた。
「ヘアッ!」
ボールを離すことができないため、片手で立ち向かうフィズ。
少しでも隙を突くため、突進してくるアシュランをいなし、背後を取る作戦に出る。
「トァッ!」
華麗なステップで突進を躱したところまでは計算通りだったが、そこで予想外の展開がフィズを襲った。
「ガァアア!」
アシュランの背面にはもう一つの顔がついており、前後の切り替えなく襲いかかってきたのである。
「ジェ…ジェアッ…」
虚をつかれたフィズは腕を弾かれ、ボールを手放してしまう。
転がるボールをなんとか掴み、倒れ込むフィズ。
ボールを狙うアシュランは、突き出されたフィズのお尻をストンピングで痛めつける。
ドガッ!バゴッ!
「ゲァッ…ディアア…!」
ボールを握りしめたまま耐え続けるフィズ。
なんとか空いている手で砂を握りしめると、振り向きざまにアシュランの顔へと投げつけた。
「タァッ!」
この隙に距離を…フィズの狙いは成功したように思えたが、アシュランはまたも身体を回転させる。
無事な方の顔面でフィズを睨めつけると、立ち上がったその身体を羽交い締めに抱え込んだ。
「グゥ…ジェアッ!」
なんとかボールを持つ手を高く掲げ、渡すまいと耐えるフィズ。
すると、身体を密着させていることに興奮を覚えたのか、アシュランの股間が屹立する。
「ヘァッ?…ディヤァ…」
本能のまま肉棒を擦り付けられ、フィズの体にも変化が現れた。
ピコン…ピコン…
カラータイマーも点滅を始め、フィズの危機を告げ始める。
「クゥ…ヘアッ…」
羽交い締めから抜け出せず焦るフィズ。
アシュランは調子に乗り、肉棒をフィズの太ももの間に滑り込ませ、前後に腰を振り始めた。
「…!!…ムゥン!」
フィズは調子に乗らないで!とばかりに太ももを閉じて肉棒を挟み込み、腰をツイストさせる。
グギッ・・・
「グァアアアアアッ!」
急所を襲った痛みに、思わずフィズを拘束する手を離してしまうアシュラン。
「ハァ…ヘァ…」
拘束を解かれたフィズも消耗しており、ヨロヨロと数歩進んで膝をついてしまう。
「ガアアアア!」
怒りに震えるアシュランは、目から謎の怪光線をフィズへと放った。
「ヘァアア!」
ちょうど立ち上がろうとしたフィズの口に、怪光線が命中する。
命中した箇所がぼんやりと光ったかと思うと、そのまま顔の下半分をトゲのついたマスクが覆い隠した。
「ム…ムグゥ…」
フィズはマスクに手をかけるものの、顔に完全に密着したそれを外すことはできなかった。
宇宙空間で活動するアルティマの戦士は、酸素を取り込む必要こそないもののエネルギー循環のために呼吸は必要としている。
マスクによりそれを阻害されたフィズはますます窮地へと追い込まれた。
「クッ…セヤァッ!」
このままでは嬲り殺しにされてしまう…
そう考えたフィズは逃げの一手に出る。
わずかなエネルギーを光弾にし、アシュランの足元へと投げつけるフィズ。
光弾が命中した地面からは砂煙が上がり、アシュランの全身を包み込む。
両面に顔のあるアシュランといえど、この攻撃には視界を奪われてしまった。
「グァアアアアア!」
怒り狂ったアシュランが砂煙を抜けると、フィズは既に地球へ向けて飛び立っていた。
獲物を奪う寸前で、取り逃す形となったアシュラン。
怒りに燃えるアシュランは、フィズを追って地球へと飛び立つ。
果たしてリアンガーは無事にリアンの元へ届くのか?
口にマスクという枷をはめられてしまったフィズの運命やいかに…
後編へ続く…