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くノ一くすぐり拷問②

 拷問室の目の前に辿り着いた私は、部屋の中を覗く方法を考えていた。外には警備ロボットが2体。2体ぐらいならどうにか出来るけど、警告音を鳴らせれでもしたら捕まるのが関の山だ。となれば当然部屋に入るのも困難。となれば、後は天井か床下。私は一度引き返し、天井裏に忍び込む道を選んだ。  天井裏に上手く忍び込み、天井のタイルを少しだけ外し、細い隙間から部屋を覗きこんだ。 ???「もう一度聞くわよ?あなたはどこのスパイ?ここに潜入した目的は何?」 椿「何度も言わせないでくれる?あんたに話す気なんて無いわよ!!」  中の様子を見るに、これから拷問が行なわれるという状況だった。目の前で後輩が拷問にかけられるのを見ているのは心苦しいが、私達はあらゆる拷問に耐えられるよう訓練している。椿もその能力は高いし、必ず助けも来る。そして何より、この国が行なっている怪しげな拷問の内容を知れるチャンスでもある。  椿は先程研究室から転送された機械造りの椅子に座らされていて、両手は少し高めの肘掛けに手首と腕を枷で、下半身は膝下と足首を枷で拘束されていた。脚は少し開くように拘束されていて、少し床から浮かされるような状態だった。  この状態はまだ拷問としてあり得る姿だが疑問も多かった。大抵の国では拷問にかけられる者は皆裸にされる。痛めつけるにはその方が効率が良いからだ。なのに、その拷問にかけられる椿はそのままの服を着せられていて、靴だけが脱がされていた。そしてもう一つ、尋問官が一人しかいないという事。これ程大きなアジトで尋問官が一人しかいないというのが不思議でならない。そしてより、ますます拷問方法が想像できなかった。 ???「そう、じゃあ…あなたの身体に直接聞くしか無いようねぇ?」 椿「勝手にすれば?私は何をされようが、絶対に何もしゃべらないわよ!」 ???「ふぅ~ん。まあスパイをやってるぐらいだから、それなりに拷問に対抗できるようにトレーニングしているんでしょうけど、この国で行う拷問はちょっと特殊なの。」 椿「…特殊?」  椿はあえて“特殊な拷問”を初耳の様な反応で返す。流石は私が慕っている後輩と言った所だろうか。椿は、その拷問方法を調べに来たという事がバレないようにする為に演じていた。 ???「えぇそうよ?私はあんまり血を見るような残虐な拷問や身体に傷を付けるような事はしたくないの。特にあなたのような女の娘はね。」  今のあの尋問官の言葉で分かったことがある。このアジトで最も偉い地位にいる、もしくはこの拷問の指揮を取れる立場なのがあの女性であると言う事。「私は」と言ったのはおそらく、そういう地位にいて自らがこの拷問を考え実行しているからだ。 椿「随分と優しいのね。まあこっちもその方が楽で良いわ。」  悪態をつく椿を、ニヤリと笑いながら細めで見る尋問官に、私は少し恐怖心を覚えた。あらゆる拷問に耐性はあるが、それが未知の物であれば耐えられる保証などなく、あの尋問官が私達が訓練している事を知っていて尚あおの顔が出来るのは、それほど拷問に自信があるからだ。 ???「果たして本当に楽なのかしらねぇ?」 椿「どういう意味?」 ???「そのままの意味よ?どんな物であれ、拷問である以上絶対に苦しいと思うわよぉ?」 椿「………。」  強気な目つきで対抗していた椿も、どんな拷問を受けるのかと不安になったらしく、少し苦悶の表情を浮かべていた。その様子を見ていた私も何だか不安な気持ちになってしまう。 ???「さてと、じゃあそろそろ拷問を始めようかと思っているんだけど、その前に。」 椿「な、何よ…?」  明らかに椿は動揺していた。未知の拷問を焦らす様に意識させられることで焦りが生じているのだろう。 ???「どんな拷問か、予想出来る?当てられたらここから解放してあげても良いわよぉ?」  彼女はゲーム感覚で言っているのだろうけど、随分気前の良い条件を出してくる。それだけ予想出来ない拷問方法なのだろうか。 椿「わ、分かる訳無いでしょ!?」  椿も余裕が無くなって来たのか、声が大きくなり動揺しているのが分かる。お願い、落ち着いて椿…! ???「流石に傷を付けないってヒントだけじゃ難しいかしら。そうねぇ…、さっき言った絶対に苦しいって言うのは、言葉通り苦しい思いをするって意味よ?」 椿「苦しい、思い…?」 ???「そうよ?酸欠になれば…誰だって苦しいでしょ?」  部屋中の酸素を無くして呼吸困難にさせるとでも言うの…?確かに拷問としても効果的かも知れない。でも、それぐらいなら木陰の国で訓練済み。問題はそれが怪しげな拷問と言える気がしない事。そしてそれを踏まえた上でもう一つ、思いつく拷問がある。 椿「…酸素を奪うって、事かしら?それは確かに…辛いかもね。」  拷問の内容を予想できた椿は落ち着きを取り戻したようで、耐えられないような振りをしていた。でも、私はもう一つの考えついた拷問ではないかという不安があり、まだ胸の激しい鼓動を抑えられなかった。 ???「残念ながらそれは違うわ。この部屋、意外と隙間が多いのよ。だから空気の類は無理ね。」  今の言葉をそのまま鵜呑みにして良いかは解らないけど、確かに私がこうして天井裏から隙間を作り出せた時点で本当の話なのだろう。そしてようやく私の胸の鼓動も治まりつつあった。なぜなら私が思いついたもう一つの拷問である、毒ガスの類も無くなったからだ。怪しげという意味も解らなくもないし、窒息させるには十分な手法だったけど、流石に死ぬリスクの高い拷問は行わないらしい。 椿「だったら、一体どんな拷問をしようと言うの…?」  再び不安気になる椿。ホッとした反面、またどんなものかも解らない拷問方法を想像させられ、私も不安になってくる。あそこで実際に拷問にかけられようとしている椿はもっと辛いのだろう。そう思うと私は不安と共に胸が痛くなるのを感じてしまう。 ???「じゃあ拷問に使う機械を教えてあげるわ。」  そう言うと、拷問官の女性が部屋の片隅にある装置に向かうとその機械を操作し始めた。すると、機械の中心に位置する空間が光を放った。この光は研究所から椿を拘束する椅子を転送した時の物と同じだ。という事は別の機械を転送してくるという事だろう。そして私は研究所で造られていたある機械を思い出した。 ???「これ、何だと思う?」  私の予感は的中した。女性が持っていたのは研究所で製造していた機械の大半を締めていた“手”だった。 椿「えっ…?手…!?」  当然初めてあの“手”を見た椿は驚きを隠せない様だ。 ???「この国では“マジックハンド”って呼んでるんだけどね?ここで行う“特殊な拷問”は基本的にこれを使って行うのよ。」  まさかここに来て拷問方法が殴打という簡単な拷問であるはずはない。ならあのマジックハンドと呼ばれる物をどうやって使うと言うのだろうか? 椿「何か無駄に長い名前付けてるみたいだけど、所詮は“ただの手”じゃない!そんな手一つで何をしようって言うの?そもそも、自分の手があってわざわざこの施設で造らなきゃいけないなんて、どれだけ怠惰な生活してるのよ!」  確かにそこは私も気になっていた。“手”をわざわざ機械で作る意味が分からない。何をするか分からないけど、自分の手じゃ行えない何かを拷問として行うのか、それともただ機械に頼りすぎた結果、衰えた筋力をまた機械で補おうとしているだけなのか。 ???「よくしゃべるわね。マジックハンドを見て気が緩んじゃったのかしら?言っておくけど、使うマジックハンドは一つじゃ無いのよ?」 椿「え…?」  椿の驚きを見てニヤリと笑う尋問官は、服のポケットからリモコンを取り出すと、いくつかあるボタンの内一つを押した。すると、椿を拘束している機械造りの椅子が機械音を立て始めた。マジックハンドを使うと言っていたけど、やっぱり椅子にも仕掛けがあったらしい。そして椿はもちろん、私も椅子の変化に驚きを隠せなかった。 椿「なっ…、何よこれ…!?」  椿を拘束する椅子の後や側面から、私が研究所で見た太いワイヤーの様なコードの先端に取り付けられたマジックハンドが合計6本も現れた。そしてそのマジックハンドは、それぞれが独自に稼働し、椿の周りで怪しげに蠢いていた。 ???「マジックハンドを“一つ”しか使わないなんて言ってないわよ?今あなたに見せたのはただのサンプル。実際に使うのはあなたを捉えるその機械に仕込んであったのよ?確かに機械に頼りすぎて普通の人より筋力は衰えてるかも知れないけど、どちらにしろ人が3人集まるより、こっちの方が効率が良いのよね。」  道理であんなに大量に製造している訳だ。たった一つしか使わないというのがそもそもおかしな話だったという事か。 椿「くっ…!な、何よ。こんな数があったって、結局は気色悪い動きをしているだけの“ただの手”じゃない!」 ???「私には、その気色悪い動きに動揺している様に見えるけど?」 椿「んっぐ…!!」  椿は完全に相手のペースに吞まれてしまっていた。特殊な拷問という焦りはもちろん、あの尋問官のしゃべり方や雰囲気に自分のペースを乱されている様だった。 ???「それじゃあさっきの続きと行こうかしら。このマジックハンド達は、一体あなたにどんな拷問をするのでしょう?」 椿「し、知らないわよ…!良いから、さっさと始めなさいよ…!」  これではもう虚勢を張っているようにしか見えなかった。それだけ私が信頼している椿が追い込まれているのが分かり、私にも焦りや不安がのしかかる。 ???「クイズは降参って事で良いのね?残念ねぇ、折角逃げられるチャンスだったのに。」 椿「フン、どうせ逃がす気なんて無いんでしょ!?」 ???「ふふ…、まあそうなんだけどね?じゃあそろそろ始めようかしら。」  ついに“怪しげな拷問”の正体が分かると言うのに、私にはそんな余裕は無かった。椿はどんな事をされてしまうのだろうかと不安で堪らなかったからだ。 ???「あなたはどんな声で“笑って”くれるのかしらねぇ?」 椿「はぁ…?わ、笑う…?」  あの尋問官は突然何を言っているのだろうか…?まるで拷問にかけられた人が笑うとでも言っている様に聞こえるが…。 ???「そうよ?この拷問はとっても苦しそうに“笑わされてしまう”拷問なの。」 椿「えっ…!?つまり、私が…このマジックハンドってのに、笑わされる…って、事…?」 ???「だからそう言ってるじゃない。あなたはどんな声で笑ってくれるの?…って。」  どうやら聞こえたままの意味らしいが、拷問にかけられている人が笑ってしまうなんて事、あり得るのだろうか…?手を使って笑わせる、それが拷問の正体だとでも言うのか。 椿「一体私が何をされればこんな“手”に笑わされるって言うの?笑わされただけで私が情報を吐くとでも思ってる訳?」 ???「これは拷問だもの。いずれあなたは耐えられなくなるわ。笑わされすぎて呼吸困難になるのはもちろんだけど、身体に送られる刺激の方が辛くてね?」  酸欠になるのは笑わされてしまうからだったようだ。しかし、さらに謎も深まってしまった。そういう意味では笑わされるというのは苦しいのかも知れないが、身体に送られる刺激とは一体…? 椿「…刺激?」 ???「そう。そしてそのマジックハンド達が、こうやって指を動かしたら…、あなたは笑ってしまうでしょ?」  尋問官は両手を椿の目の前まで出すと、10本の指をワキワキと動かして見せた。その指使いは実にいやらしく気色の悪い動きだったが、はっきり言ってそれの何が可笑しいのだろうか? 椿「んっ…!………な、成る程…。笑わせるってそういう事ね。それで私を笑わそうって言うのね?」  どうやら今の動きで椿には拷問の正体が分かったらしい。ここでその光景を見ているのと、目の前でやられるのに違いでもあるのか。 ???「ようやく分かったようね。どう?これでさっきみたいな強気な態度は取れなくなったんじゃないの?」 椿「馬鹿じゃないの?どんな拷問かと思えば、発想が幼稚なのね。そんな子供の遊びが拷問だなんてね。」  子供の遊びと聞いてもまだ拷問の正体は分からないが、私はホッとして気持ちが落ち着いた。ただの子供の遊びを拷問にするなんて、そうとう間抜けな組織だったようだ。ただ、未だに拷問の正体が分からない私は、それだけが気になって仕方なかった。 ???「子供の遊びだなんて、失礼しちゃうわね。こんな拷問は他のどの国でも行っていない筈よ?当然そんなトレーニングもしていないでしょ?」 椿「訓練をするまでも無いわ!今更そんな事されて笑う訳ないでしょ?仮に笑ったとしても、ただ笑うだけじゃない!」 ???「へぇ~、この拷問の恐ろしさが分かっていない様ね。」 椿「えぇ、分からないわ。」 ???「なら実際に“こちょこちょ”されてみればよく分かるわよ?」  い、今…、何て言ったの…?こ、こちょこちょ…? 椿「ただの“くすぐり”でしょ?私の身体をただくすぐるだけじゃない。こちょこちょだなんて、あんたそんな幼稚だったのかしら?」  く…、くすぐり?まさか、あのマジックハンドでこちょこちょくすぐって笑わせようって言うの…?私は馬鹿らしいとか、幼稚とか思う前に、ただただ驚愕していた。幼い頃からスパイの訓練を行ってきた私はくすぐられた事などないが、イメージはただじゃれ合って楽しそうに笑っているだけの物だ。それが苦しいものならそもそも子供の遊びにはならない。 ???「まだくすぐりを侮っているようね。なら教えてあげるわ。私の名前はティクリア。この国の女王にして、唯一の尋問官。そして、この拷問で98人ものスパイを屈服させてきたこちょこちょ拷問のプロよ。」  すでにくすぐり拷問という未知の拷問に驚愕していたのに、更なる事実を突き付けられた。この国でかなり上の地位にいるのは分かっていたけど、それがまさか女王だったとは。そして、98人ものスパイが敗北を喫したという事実にもっと驚かされた。その人数が多いとか少ないとか言う話しでは無い。もちろん98人というのは多いが、問題は他にある。それは、この国に潜入して監禁され続けているスパイの人数が98人という事。これは数多くの国の情報を持つ木陰の国で調査した結果であり、その情報は間違いない。つまり、捕まった全てのスパイがくすぐり拷問を受け、その全員が敗北し、今も捉えられている事になる。 椿「98…人…!?(捕まった人全員って事…!?)」 ティクリア「これで分かったかしら?私の拷問の恐ろしさが❤」 椿「くぅっ…!べ、別に…!いくらくすぐられようが、所詮はただのくすぐりじゃない!!私には…、き、効かないわよ!!」 ティクリア「強がっちゃって❤でも、これはこれで逆に責め甲斐があって良いわね。私もこんな若くて可愛い女の娘スパイを拷問できるなんて初めてで嬉しいのよ?きっと私の為に笑ってくれるだろうしね?」 椿「私は…、そんな拷問になんて負けないわよ…!」 ティクリア「あらそう。じゃあ…、精々頑張ってね?」  ティクリアは再びリモコンを取り出した。いよいよくすぐり拷問が開始されるのだろう。ティクリアがリモコンを操作すると、6本のマジックハンドの内の2本がゆっくりと動き出し、椿の両膝に添えられた。そしてその添えられたマジックハンドは優しく撫でるように動き始めた。 椿「んぐっくく…!な、何なのよ…!っくぅ…!!」  膝を優しく刺激されているだけの筈なのに、椿は苦しそうに必死に我慢していた。くすぐりとはそんなに苦しいのだろうか? ティクリア「まずは軽く、最初から一気に責めたら面白くないじゃない❤」 椿「こんなの…!んっくく…、何て事…無いわよ…!」 ティクリア「じゃあどんどんくすぐったくしてあげるわ❤」  ティクリアは再びリモコンの操作をしていき、残りの4本のマジックハンドが動き始めた。2本は椿の首元に、残りの2本は服に守られていない引き締まった椿のお腹に添えられた。そしてその4本のマジックハンドの指がモゾモゾと動きだし、椿をさらにくすぐっていく。 椿「んんっふふふ…!いやぁあっくくくく…!!」  明らかにさっきより苦しそうにしている椿。実際に拷問を受けていない私はくすぐりの辛さが上手く伝わってこないが、苦しそうにしている椿を見ていると胸が苦しくなる。椿は必死に抵抗しようと身体を揺するが、金属の枷で拘束されてしまっている以上、全く動かす事が出来ず、ガタガタと音を立てるだけだった。 ティクリア「さてと、もう一度聞くわ。あなたはどこのスパイ?何をしにこの国へ潜入して来たの?」 椿「ふひぃっひひ、話す訳…あっくくくく、無いでしょ…!」 ティクリア「強情ね。あんまり時間もかけられないし、そろそろもっと敏感な所を責めてあげましょうか❤」  首元と膝をくすぐっていたマジックハンドが一度椿から離れると、今度は二の腕と太ももへ移動し、先程と同じようにモゾモゾとくすぐり始めた。 椿「ひぃぃいっ!?…っくふふ、いっひひひひ!んっふふふふふ…!」  より一層激しく暴れるが、それでも椿は何とか堪えていた。実際くすぐられただけで大笑いには至らず、笑わせて酸欠にするというには程遠い拷問で、未だにこの拷問に恐怖心は抱けずにいる。 ティクリア「これでどう?しゃべる気になったかしら?」 椿「っくく、だから…!あぐっくく…しゃべるつもりなんて…、んふふふ、無いわよ…!」  やはりくすぐられた事の無い私には理解できない拷問だが、椿が耐えられている以上、その程度の拷問なのだろう。実際、木陰の国のスパイが捕まった事は今までにない為、捕まった98人は全員他国のスパイである。つまりそのスパイが皆低レベルだったと言えば納得もいく。 椿「んっくくく…!さっさと…っくふぅ…!あ…諦める、ふっふふ…事ね…!(これぐらいの数なら、まだ耐えられる…!先輩なら必ずこの状況を理解して、本拠地に連絡を入れてくれる筈…!)」 ティクリア「へぇ、若い割には頑張れるじゃない。意外としっかりトレーニングしていたって事なのか、忍耐力ぐらいはありそうね。」 椿「と、当然よ…!んっくくく、低…レベルな、っくく、連中と…うふふふ、一緒にしないで…!」 ティクリア「うっふふ…、まあこの程度で降参されても面白くないものねぇ?」 椿「くふふふ、な…何を言って…!?」  私はもちろん、椿もティクリアの言葉の意味がよく分かっていないようだった。これがティクリアの言うくすぐり拷問の筈なのに、自らこの程度と言ったのはどういう事なのだろうか? ティクリア「まさか98人を屈服させた拷問がこんな生温い責めだと思ったのかしらぁ?」 椿「そんなっくく…!」 ティクリア「じゃあ本当のくすぐり拷問を味わってもらおうかしら❤」  本当のくすぐりとはどういう事なのだろうか?またもリモコンを操作するティクリア。太ももをくすぐっていた2本のマジックハンドが離れ、脚の先端に向かって移動を開始した。そして辿り着いたのは足の裏だった。そこへマジックハンドが添えられた。 椿「んひぃぃいいっ!?」  足の裏に添えられただけで、今まで一番大きく反応した。一体椿に何が起きたのだろうか? 椿「ひぃっひひひひひ、そ…こは…!はぐぅう…っくくくくくくく、んっふふふふふふ…!」 ティクリア「ほら、くすぐったいでしょ?早く情報を吐かないと、どんどん辛くなっていくわよ?」 椿「んふふふふふ、これっぐらい…っくく…!何でも…っふふふふ、ないわよぉ…!」  明らかに最初より辛そうにしている椿。しかし、笑い声も上げておらず、酸欠になるとは思えない。となればやはり、くすぐられている刺激そのものが辛いのか。一体くすぐられるとはどういう感覚なのだろうか?椿はそのくすぐりから逃れようと懸命に身体を動かそうとして、枷がガタガタと音を立てていた。 ティクリア「どんなに強がっていても、身体は正直ね。あなたの弱点、見破ったわよ❤」  暴れている椿を見て、ティクリアは椿をくすぐるマジックハンドの内、足の裏をくすぐっている2本のマジックハンドの動きに変化を与えた。 椿「ひぃぃぃいいっ…んふぅぅううあっ……ははははははは!!きゃっははははははははそれやめて!っははははははははあっははははははははは!!」  虫が這うようなモゾモゾとした動きから、引っ掻くような動きになると、椿はついに我慢の限界を超え、大きな笑い声をあげてしまった。 ティクリア「そこがあなたの弱点なんでしょ?すごいくすぐったそうにしてるわよ?あなたの…あ・し・の・う・ら❤」  足の裏はくすぐりにおいての弱点だったらしく、その足の裏をくすぐる動きが激しくなり、椿はくすぐったさから必死に暴れて抵抗する。が、相変わらず頑丈な枷がそれを阻んでいた。 椿「あっははははははははそんな訳っはははははははは嫌ぁぁぁあっははははははは!!」 ティクリア「あなたがじゃべらなければこのままず~っとこちょこちょされる事になるわよ?」 椿「きゃははははははは絶対…っははははははは!!絶対しゃべらないぃぃぃいいっははははははははは!!」  まさかあの椿がこんな拷問に苦しむ事になるとは思っていなかった。苦しそうにしつつ口を割らない椿を、私は信じて応援が来るのを待つ事しか出来なかった。 ティクリア「だったらもっとくすぐったくしてあげるまでよ?」  椿の二の腕とお腹をくすぐっているマジックハンドが移動し始めると、その内2本は椿の足の指部分を下から抱える様に持ち上げる。それにより椿の足の裏が反らされ、足を動かすことも出来なくなる。そして残りの2本も足の裏をくすぐり始め、合計4本のマジックハンドが椿の足の裏に襲いかかった。 椿「ひやぁぁぁあああああっはははははははははそれダメぇぇえええ!!あぁぁああああっははははははははははは足の裏ダメぇぇええええっへへへへへくすぐったぁぁああああい!!」  足の裏を集中的に責められ、ついに椿は足の裏のくすぐったさを認めてしまった。あれだけ強気に振る舞っていた椿だが、くすぐり拷問に屈し始めてしまっていた。いよいよ椿の身も心配になり、私は椿を救出する道を選んだ。尋問官は一人。多少強引になってしまうが、救い出せなくもない。そう考え天井の隙間を一度塞ぎ、ティクリアの真上から一気に攻めようとした時、私が潜んでいた天井裏から空気が漏れるような音がして、一瞬にして天井裏を包み込んだ。 楓「…!?しまっ――」  天井裏を包み込んだ空気は睡眠ガスだったのだ。私は天井に隙間を作ってガスを逃がそうと試みたが、ガスの効果があまりにも強く、一瞬にして気を失ってしまった。 ティクリア「次は、あなたの番よ?女スパイさん❤」  薄れゆく意識の中で、私は椿の笑い声と、その中に聞こえる微かなティクリアの言葉が聞こえ確信した。これから私もくすぐり拷問にかけられるのだと…。

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お忙しい中ご投稿ありがとうございました。 今回も素晴らしかったです

オッカ


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