くノ一くすぐり拷問①
Added 2023-05-05 10:07:51 +0000 UTC私の名は楓(カエデ)。私の生まれ故郷、木陰の国で“くノ一”と呼ばれるスパイ業をやっている。木陰の国以外の国でもくノ一と呼ばれるスパイは存在しているらしいが、私達の衣装は他のくノ一とは少し違う。布で極力肌を覆うくノ一が殆どのようだが、木陰の国のくノ一は皆動きやすさを追求している為、肩から腕全体、お腹周り、太ももなど肌の露出が多くなっている。万が一拷問にかけられる場面に遭遇した場合、出来るだけ布があった方が良いと思っている国が多いみたいだが、捕まってしまった場合結局衣服を脱がされる事が殆どなので、私達は動きやすさを重視したのだ。それが理由で、木陰の国は最も仕事が早く証拠を残さない国と他国でも一目置かれている。 今回は木陰の国と敵対している数多くの国の中で、機械文明が最も進歩していると言われている“機鋼国”が目的。その国に住んでいる人は皆、筋力の弱い女性で、機械で生活の全てを補っている。そしてその国で怪しげな“拷問”を行っているとの情報が入り、私は後輩と共に敵国へ潜入したところだ。敵国のアジト付近まで来た私達は、改めて作戦の確認をする。 楓「今回は拷問方法を調べるって仕事だけど、自ら拷問を受けるって」 椿「分かってますよ。拷問に使う道具や拷問に関する資料を調査してくる、ですよね?」 彼女の名前は椿(ツバキ)。基本的に物静かな私とは違い、椿は少し男勝り。くノ一として「大胆な性格や行動はどうなのか」という意見も多いけど、慎重すぎる私には無い良い所があると私は思っていて、結構信頼している。そんな彼女も私の事を尊敬しているといつも言ってくれるのは素直に嬉しい。 楓「じゃあ作戦通りに、私はここの中にある研究所を捜索するから。」 椿「はい、私は地下の拷問部屋に向かいます。」 楓「絶対に無茶はしないでね。」 椿「もちろんです。それに、こっちにはここの国で使われている高性能な発信機がありますから。」 この発信機というのは、以前私達の仲間がこの国から拝借したものだ。私達の様な機械をあまり使わない国ではかなり珍しい物で、ボタンを押すだけで私達の国の本拠地に何か電波の様なものが送られるらしい。二種類のボタンが用意されていて、片方は“救助・支援願い”として、敵に捕まってしまった場合に発信する事で、味方の応援部隊を派遣してもらう。もう一つは順調な場合も含めての現状維持。つまり“待機命令”として発信する。大きな動きはそれだけ敵国にも見つかり易く、慎重に行動する木陰の国において大事な命令だ。 椿「本当に危なくなったら支援願い送りますから。」 楓「うん、じゃあ行くわよ。」 私達は事前に調べ上げた裏口から侵入し、二手に分かれた。椿は地下を目指し、私は拷問に関する研究を行っていると思われる部屋を目指した。 しばらく隠れながら進んだけど、敵のアジトにしては随分無警戒だと思える程人がいない。何かの研究を行っている真っ最中なのか、罠か…。どちらにしろ私は研究所を目指すしかない。警戒は怠らず、私は移動を続けた。 そして、無事に研究所に着いた私は、気配を消しながら上手く侵入することに成功した。 楓「何…これ…?」 そして研究所に辿り着いた私は思わず驚愕した。その研究所は正確に言えば工場のようで、数多くの機械が稼働し、多種多様な機械を製造していた。機械の椅子のような物や十字架といった拘束具。ワイヤーやマニュピレーターのようなコードの類の物も作られていた。そしてその中で一番気になったのは、人の手を模した様な形の機械だった。その再現率もかなりの物で、動作テストの様な事をしているのか、5本の指が器用に動いているのが見えた。そしてこの機械も様々な種類があり、この工場の大半がこの“手”を製造していた。拘束具やコードの類はまだ使い道も解るが、この施設で最も多く製造されている“手”を使って、一体ここでどんな拷問が行なわれていると言うのだろうか。 そんな事を考えながらも、一応手掛かりは得られたので、研究所を後にしようとした直後、研究所に二人の女性が入って来た。私は慌てず慎重に、物陰に隠れ二人の様子を伺っていた。 女性1「今日はどんなスパイを捉えたんだって?」 女性2「18歳ぐらいの女の娘らしいわよ?」 その会話はここに忍び込んだスパイを捉えたという話しだった。そして年齢や性別を考えるに、椿が捕まってしまったという事だろう。私にも発信機による連絡が無かった事を考えると、地下の拷問室は完全に罠を張っていたかいたか、不意打ちを食らってしまったのだろう。 私は自分の発信機を使って、本拠地に支援依頼を発信し、もうしばらく二人の女性を監視する事にした。 女性1「まあここは他の国よりずば抜けて機械の技術が進んでいるしね。頻繁にスパイは捕まえるけど、若い女の娘だなんて珍しいわね。」 女性は機械造りの椅子を製造している装置の前に立つと、その機械を何やら操作し始めた。 女性2「そんな娘がここの拷問にかけられたら一瞬で屈服しそうね。そんな事より、早くこれ送って休憩しましょうよ。」 女性1「そうね。スパイが潜り込んで来た時は、私達みたいな研究員は楽で良いわよね。スパイが抵抗すればする程休めるんだから。」 今の会話から察するに、どうやらスパイを捉えた場合、研究員は別の場所で待機させられるらしい。おそらく厳戒態勢という状態だろう。きっと拷問室で数人が拷問を行い、外では厳重な警備、残りの人間を待機させているのだろう。 女性の内の一人が機械を操作し終えると、数多くある中から一つの椅子が光りに包まれ、一瞬にして姿を消してしまった。 女性1「さて、じゃあゆっくり休憩させて貰いましょうか。」 女性2「えぇ、行きましょ。」 どうやらここの機械には転送装置の様な物があり、ここで造られた機械を拷問室に直接転送しているのだろう。さっき「これを送って」と言っていたのはそういう事だ。 私は研究員が外に出たのを確認し、行動に移した。本拠地に連絡は入れてある為、少なくとも24時間以内には救出が来る。今私に出来る事は、拷問室に向かい、椿の救出に備える事。私は来た道を戻り、そのまま拷問室へと向かって行った。
Comments
一番好きな作品です!!ありがとうございます!!
鎧武
2023-05-07 06:02:02 +0000 UTC久しぶりにくノ一くすぐりを読めて嬉しいです。 ご投稿ありがとうございました。
オッカ
2023-05-05 11:57:07 +0000 UTC