くすぐりカードバトル5
Added 2023-04-10 02:57:31 +0000 UTC琉唯 「しょ、触手デッキ…?」 西塚 「その名の通り、“触手系”のカードを駆使して戦うデッキですよ。」 私に“触手”の効力を教えるという言葉は、戦う為の口実と言うよりは、文字通り“触手”がどんな能力なのかを教えるという意味だった様だ。 触手デッキなるものがどんな物なのかは分からないけど、スキルや攻撃カードに“触手”にまつわるカードを多く採用している、という事なのだろうか…。 西塚 「ではいきます。私のターン、ドロー。」 【西塚】 【手札、5枚】 西塚 「まずは私のスキルカード、“触手の種”の効果を発動します。 琉唯 「触手の種…?」 西塚 「自分の場にこのスキルカードしか無い時にのみ、この効果を適用出来ます。自分の体力ポイントを1減らし、手札を1枚捨札にする事で、デッキから“触手系”カードを1枚、コストを無視して場に置く事が出来ます。」 琉唯 「厳しい条件がある代わりに、コスト無しで強力なカードを場に置けるって訳ね…。」 さっきも言ってた“触手系”と言うのは、カードそれぞれに記載された“カテゴリ”と呼ばれるものである。私が最初に行ったガチャで手に入れたカードにカテゴリに関する記載をしたカードが無かった為、気にもしなかったが、こういう時に役立つ記載なのだと今思い知った。 西塚 「私はこの効果で、“索敵触手”を場に置きます。」 索敵触手、一見私も使うただの“触手”と同じに見えるけど、わざわざ名称に違いがあると言う事は、それ相応の効果がある筈だ。索敵……、その言葉を普通に捉えれば、敵の居場所を探る事だけど……。 西塚 「そして今度は、私の精霊を呼び出します。召喚条件は、場のスキルカード1枚を捨札にする事。」 琉唯 「場に他のカードがある時点で、そのスキルカードは効果を使えないから、それをコストにするのね。」 本当に彼女のカードや精霊、プレイングに一切無駄がない。抜群のコンボで自在にデッキを操ってくる。彼女も相当戦い慣れしているのかも知れない。 西塚 「私は精霊、“テンタクルローパー”を召喚します。」 西塚さんが呼び出したのは、円柱状の大きく太い触手の化け物で、その縦に伸びた体からは、4本の細い触手とそれらとは少し違う1本の触手が生えていた。 西塚 「私の場にテンタクルローパーが存在している限り、私は“触手系”カードしか使う事が出来なくなり、私自身が攻撃に参加する事も不可能となります。」 この精霊に任せる戦い方は、私に少し似ている。でもデッキの構築が私より遥かにしっかりしている…。 西塚 「そして更に、手札から“触手”を2枚場に置きます。」 通常の“触手”を場に置くと宣言した西塚さん。やっぱり触手系で最もクセがないカードなのだろう。2枚のカードが場に置かれ、西塚さんの前に2本の触手が現れると思われたが── 琉唯 「なっ…!どういう事…!?」 2本の触手は場に現れず、代わりに西塚さんの精霊テンタクルローパーの胴体に生えたのだ。 西塚 「テンタクルローパーは場の触手を自身の体の一部として自在に操れます。ですから、私が最初に場に置いた“索敵触手”もテンタクルローパーの一部となっています。」 そういえば、場にあった筈の“索敵触手”が場にいない。テンタクルローパーが場に出た瞬間に吸収された様だ。 西塚 「そしてテンタクルローパーのスキルを適用させます。」 琉唯 「触手を体の一部にする事がスキルじゃ無いんですか…?」 西塚 「勿論それもスキルです。言った筈ですよ、“体の一部にして自在に操れる”と。つまり、こういう事です。」 西塚さんが合図を出すと、最初からテンタクルローパーに生えていたであろう4本の触手が、私に向かって勢いよく伸びてきたのだ。 琉唯 「ちょっ…!まだ戦闘フェイズじゃない筈…!」 戦闘フェイズでもないのに触手が私をくすぐろうとしていると思い身構えたが、その触手は身構えた私の両手首、そして両足首をブーツ越しに掴んだのだ。 琉唯 「こ、これは一体…?」 西塚 「自在に操る、という事はくすぐる事以外も出来ると言う事です。つまり、拘束カードを使わずに、相手を私の思うがままに拘束出来るという訳です。」 その言葉通り、私は手足を斜めにピンと伸ばしたX字の状態で、宙に浮かされる様に拘束されてしまったのだ。 西塚 「では、戦闘フェイズへと入りましょうか。」 【西塚】 【手札、2枚】 【場、テンタクルローパー、索敵触手、触手2枚】 【体力、3】 アリス 『琉唯ちゃん!挑発のスキルを忘れないでね…!』 琉唯 「えぇ、分かってるわ。」 戦闘フェイズに入り、私の頭上にタイマーが表示される。つまり、ここからが私にとって大きな課題となる。初戦で全く発揮出来なかった私のスキルカード。確かに私は経験値も無いし、デッキだって完成度は低い。でもスキルカードと自分のステータス、アリスという精霊との相性は悪くない。つまり、私次第で十分勝てる要素は揃っているのだ。 琉唯 「私は、スキルカード“挑発”の効果を使います。…………さあ、どこからでも来なさい…!わ、私はくすぐりなんか、効かないんだから…!」 西塚 「?……なるほど、強気な言葉をトリガーに、自身の我慢力を上げるスキルカードですか。まあ良いでしょう。テンタクルローパー、行きなさい。」 テンタクルローパーは、新たに追加された2本の触手は使わず、“索敵触手”と呼ばれた触手だけを伸ばした。 琉唯 「な、何よ…。」 まるで私の身体を見定めるかの様に、先端をゆっくりと上下左右に動かし、何かを探している様子を見せる。その間もタイマーは進み、私としてはくすぐられる時間が減りありがたいのだが、この触手の目的は一体何なのだろうか? そう思った瞬間、その触手は私の無防備な身体で特に敏感なワキに狙いを定め、いきなりくすぐり始めたのだ。 琉唯 「んぐぅっ!?ちょっ…、っくくくくくくくく…!」 何をキッカケに、よりによって私の弱点であるワキをくすぐってきたのか。でも幸いな事に、私のスキルカードの効果が思った以上に効いている様で、弱点をくすぐられているにも関わらず、何とか堪える事が出来た。 西塚 「なるほど、ワキが弱点でしたか。」 琉唯 「んえっ…!?っくっくっくっくっくっくっくっくっく、何…でっ、ひひひひひひひひひひ…!」 突然私の弱点がワキだと突き止めた西塚さんに、私は動揺を隠しきれなかった。“弱点サーチ”のアイテムカードを使った訳でも、私が先にアリスを召喚する為に教えた訳でもない。なのに何故私の弱点がバレてしまったのか。 琉唯 「ちょっ……、嫌っ…!っくふふふふふふふふふふふ、んひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!」 たった1本の触手が、私の左ワキの特にくすぐりという刺激に弱い窪みの部分をカリカリと上下にくすぐってくる。その淡々とした動きですら滅茶苦茶くすぐったく、私の我慢力を超えてこようとしてくる。 琉唯 「くふぅ…!!こんなの、っひひひひひひひひひひ…、大した事…ないわよ…!」 このくすぐったさを耐えなければならない為、私はまた強気な発言をしてみた。するとくすぐったさが変わった訳ではないのに、口を強引に開けて笑い声を出させようという強烈な刺激が、何だか和らいだ様な気がする…。何となく、気分的な問題だろうけど、とにかく「耐えられそう」という感覚が強い。 琉唯 「んっくくく…!んんっふっふっふっ…!」 このまま我慢していれば、このターンの攻撃は耐えられそう。と思っていたが、ずっと待機していたテンタクルローパーの残りの2本の触手がいつの間にか、すでに1本の触手によって責められてる私の左ワキに振れる直前という所まで迫ってきていたのだ。戦闘フェイズは残り30秒。何とか堪えないと── 琉唯 「うぎぃぃいいいっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ…!んはははははははははははははははははははははは!!」 とは思っていたのだが、我慢力が上がってもくすぐったいものはくすぐったく、合計3本の触手にワキをくすぐられた私はあっさりと笑わされてしまった。 琉唯 「あっはははははははははははははははははははははははや、やめ…!っひははははははははははは!!」 戦闘フェイズの時間はもう殆ど無いが、笑わされてしまった事で代償フェイズに移行し、更に2分くすぐられる。せめて初戦の様にあっさり降参しない様にしない事を心掛けるが、私をくすぐっている3本の触手。何故か全て左ワキだけを狙っていて、左ワキだけに襲いかかるくすぐったさが辛くて堪らない。 琉唯 「きゃっはははははははははははははははははははははははははははワキやだぁぁあっはははははははははくすぐったいぃぃいいいいいい!!」 先程よりくすぐったさが格段に上がったのはワキを責める触手が3本になったからだけではない。私のスキル“挑発”による我慢力上昇が適用されていないからだ。 琉唯 「うぎぃいいっひひひひ、ひははははははははははははははははははははははは!!こ、こんなの…、あっはははははははははははははははははは全然、効かないんだからぁぁああ!」 今回はくすぐられながらも冷静にそれが理解できたお陰で、私は何とか強気な発言をする事に成功し、“挑発”のスキルが適用され始めた。 その甲斐もあり、代償フェイズを含めた4分のくすぐりに降参する事なく何とか乗り切れた。 琉唯 「っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、はぁ…、はぁ…、はぁ…、はぁ…。」 西塚 「如何でしたか?触手くすぐりの威力は。まあ触手の強みを全て発揮出来た訳ではありませんが。」 琉唯 「ど、どういう…、事ですか…?」 西塚 「まず触手の利点はその細さにあります。どんなに僅かな隙間でも簡単に侵入出来るのですよ。つまり、衣服による防御を掻い潜って肌を直接くすぐる事が出来るんです。例えば、あなたのその唯一厳重に守られた脚だって、触手の前には無意味という事です。残念ながら、そのブーツは弱点であるワキをカモフラージュする為の物だった様ですがね。」 琉唯 「触手の強みを発揮出来なかったって言うのはそれの事ですね?」 西塚 「そうです。私の見立てでは、そのブーツに隠された足の裏が弱点だと思っていたんですがね。」 琉唯 「そういえば、あの最初の触手は…?何で私の弱点が分かったんですか…?」 西塚 「単純な話です。“索敵触手”は相手の弱点を調べあげ、その一点を徹底的に責めるという能力があります。」 琉唯 「スキルやアイテムカードで相手の弱点を探る必要がなくなるんですね?」 西塚 「当然このカードの能力はかなり強いですから、相応のコストも要求されます。ですが私のスキルによってそのコストも無視し、かつ最初のターンから使う事が出来ます。」 確かにこのコンボ攻撃は触手系というカテゴリで括る大きな利点だ。 西塚 「そして触手系にはその細さを利用した“一点責め”という利点があります。」 琉唯 「一点責め…?それって、私の左ワキだけを集中的にくすぐってきたアレですか?」 西塚 「はい。マジックハンドでは困難な一箇所への集中的な攻撃。これも触手の大きな利点です。マジックハンドを複数体場に出した所で、くすぐりに効くのがたった一箇所の、しかも狭い範囲にしか効果が無い場合、他のマジックハンドは責める場所が無くなってしまいます。」 琉唯 「でも細い触手なら、そこを複数体で同時に責められる…。」 西塚 「そういう事です。これらが触手系の攻撃カードの利点であり、そのカテゴリのみで構成した私の触手デッキの強みです。」 これだけの完璧な攻撃とバトル進行を目の当たりにすると、西塚さんがどれだけここで経験を積んできたかが良く分かる。ハッキリ言って私の寄せ集めのデッキではこんな見事なコンボは出来ないだろう。 西塚 「少し話が長くなってしまいましたね。私はターン終了です。さ、あなたのターンですよ。」 私に勝てる可能性は殆ど無いかも知れない。それでも私はいつかの勝利の為に経験を積み、戦いの中で勝ち方を見出さなくてはならない。そう思い私は自らを鼓舞し、デッキに手を添えカードを引く。 琉唯 「私のターン、ドロー!」 【琉唯】 【手札、5枚】 手札は、“マジックハンド”2枚、“触手”が1枚、“十字架”が1枚、“金属足枷”が1枚。弱点を見つけるカードは無いけど、全身の拘束が出来る“十字架”があるのはかなり良い。相手を十字架に磔にし、全身をくすぐる事が出来る拘束カードだ。しかも、“大の字ベッド拘束”は2枚のコストを必要とするのに対し、このカードはコスト1枚で発動出来る。 攻撃カードも豊富にあり、“十字架”のコストも同じ拘束カードである“金属足枷”で補える。ここは手札を全部使って総攻撃して、西塚さんの弱点を見つけ出したい。裸足にヒールという足元を考えると、彼女は足の裏が弱点の可能性はある。私のデッキには装備を消す類のカードは無いけど、さっき西塚さんが言ってた“触手”を使えば、ヒールを履いていようが足の裏を直接くすぐる事が出来る筈だ。 琉唯 「よし、まずは精霊を召喚します。召喚条件は──」 アリス 『あっ…!マズイよ琉唯ちゃん!』 琉唯 「え、何…?」 アリス 『私の召喚条件、もう満たせない…。』 琉唯 「…はい?どういう事?」 アリス 『私の召喚条件は、琉唯ちゃんの弱点を公開する事でしょ?でも琉唯ちゃんの弱点はもうあの人にバレてるから、弱点を公開するって言う条件はもう満たしようが無いんだよ。』 琉唯 「そ、そんな…!」 西塚 「どうしました?………なるほど、精霊の召喚条件が満たせなくなった様ですね。」 琉唯 「くっ…!」 まずい…。手札がかなり良かったお陰で勝てる可能性を見い出したのに、アリスという私にとって唯一とも言える攻撃手段を失い、私のプランは完全に壊れてしまった。
Comments
ありがとうございます! そうですね、少しずつデッキ内のカードを変えていきながら、本人も成長していきます(笑)
こーじ
2023-04-11 03:44:42 +0000 UTC投稿ありがとうございます。いつも楽しみにしています。 琉唯ちゃんが責められるのを見るのは好きですが、早く成長して勝つのも楽しみです!
Guderian0
2023-04-10 16:08:26 +0000 UTCありがとうございます! そうでしたか。 ファンボックスのコメント欄は基本的に通知が右上に付くのでどこでも大丈夫なんですが、たまに埋もれてしまったり、単純にしばらく気付かない事が多々あるかと思うので、やはり可能ならTwitterが嬉しいかもです💦 とはいえその為に強制はさせれませんので、もしもファンボックスでのリクエストでしたら、最新の投稿にコメントして頂くのがベストかと思います…!
こーじ
2023-04-10 07:53:34 +0000 UTCありがとうございます! 今後、触手以外にも様々な攻撃手段を得意とするキャラが登場予定です!
こーじ
2023-04-10 07:49:28 +0000 UTCピンチの演出も魅力的ですね。 いつも投稿ありがとうございます。 話は変わりますが、質問箱で回答いただきました先日のライカのネオマジックハンド責めリクエストは私がさせていただきました。 今後のリクエストの仕方として、Twitterも検討してはいるのですが、ファンボックスのコメント欄でリクエストする場合、どちらの記事のコメント欄に書かせていただければよろしいでしょうか?
炙り蜻蛉
2023-04-10 03:56:41 +0000 UTC弱点見破られちゃって細い触手一本でワキの窪みカリカリくすぐられて必死に我慢してるの良いですね! 3本になった瞬間耐えられず笑っちゃうのも好きです!
GreenWeedA
2023-04-10 03:44:53 +0000 UTC