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私の親友はくすぐりフェチ①

 私の名前は星野 愛(ほしの あい)。どこにでもあるそこそこ進学校の女子校に通う高校三年生。物静かで冷静な性格の私は、その性格とちょっとだけキリッとした目付きが原因でクラスでもあまり人としゃべる事が無い。つまり、殆ど友人がいないのだ。数少ない友人達からは「話してみれば普通なのにね。」とか良く言われるのだが、基本的には近寄りがたい空気感が私にはあるらしい。もちろんそれで虐めを受けた事がある訳では無いし、そんな学生生活も充実していると思っている。  そんな私にも特に仲の良い友人がいる。その友人の名前は保住 莉奈(ほずみ りな)。莉奈は私とは真逆の性格で、とにかく活発な、明るく元気な性格だ。そんな娘が何故私と仲良くなったのか疑問を抱く人が殆どだろう。きっかけは至って単純で、高校一年生の時の最初の席がただ前後だっただけだ。周りがどんどん友人を作っていく中で、誰とも会話していない私に初めて声を掛けて来てくれたのが莉奈だった。莉奈が元々誰とでも仲良くなれる性格だからこそ話しかけて来てくれたのだと思っていたのだが、話してみると趣味や物事の好き嫌いが意外と一緒だった事が多くて、二人きりで話していても心地よかったのだ。私はそんな莉奈の事を、……恥ずかしいけど、親友だと思っている。もちろん口にはしないし、友人の多い莉奈はそうは思っていないかも知れないが、三年間唯一ずっと同じクラスで、毎日一緒に登下校している程の仲だ。 莉奈「やっと終わった―!愛、帰ろー!!」 愛「えぇ、ちょっと待って。すぐ支度するから。」  教室を後にし、学校から駅に向かう途中の帰り道。季節はちょっと涼しめな初夏。普段男子の目線が一切気にならない女子校であるが故に、制服の下にインナーを着ていない為半袖のセーラー服に入り込む風が涼しくて心地良い気温だ。 愛「んっ…、んん~!」  そして今日は金曜日。真面目な私でもやっぱり金曜日にもなると疲れも溜り気怠い。そんな一週間がようやく終わり、私は両腕を真上に上げぐっと伸びをする。 愛「んん~…、っひゃ…!?」  両腕を上げた事によってセーラー服の裾から僅かに覗かせた私の素肌のお腹を、突然莉奈がつんっと突っついて来たのだ。その突然の刺激を受けた私の口からは変な声が出てしまい、それと同時に真上に上げていた腕をギュッと固く閉じた。その後ようやく変な声を出してしまった事に気付き、一気に恥ずかしくなり莉奈を怒鳴りつけた。 愛「ちょ、ちょっと…!いきなり何するのよ…!」 莉奈「そんな無防備な格好でお腹見せたら誰だって触りたくなるでしょ~!」 愛「ならないわよ…!そもそも、見せてたつもりなんて無いし、ちょっと見えちゃっただけじゃない!」 莉奈「あっははははは、冗談だってば、そんなに怒んないでよ~!」 愛「もぉ…。」  莉奈がちょっかいを出しては私が怒鳴り、それを莉奈が笑って誤魔化し、私が呆れたように許す。これが私達のいつもの会話のパターンだ。 莉奈「ねぇねぇ、もしかして愛ってさ……。」 愛「何よ…?」 莉奈「くすぐったがり?」 愛「えっ!?」  突然の莉奈の質問に驚きを隠せず、私はまた素っ頓狂な声を出してしまった。そしてそれと同時に私の中に大きな不安と焦りが過った。何故なら、私は超が付く程のくすぐったがりで、くすぐられるのが大の苦手だったからだ。そんな恥ずかしい事実を、よりによって莉奈に感ずかれてしまうとは…。というのも、活発な性格の莉奈はいたずらっ子でもあり、私を含めクラスメイトの殆どが小さないたずらを毎日のように仕掛けられているのだ。そんな莉奈に私がくすぐったがりだなんて知られでもしたら、今後絶対にくすぐられるに決まっている。私はダメ元でそれを隠そうと強がりを見せた。 愛「べ、別に…そんな事無いわよ。」 莉奈「ホント~?その割には随分可愛い反応だったけどぉ~?」  流石はいたずらっ子。成績はそんなに良くないのにこういう時の感は鋭い。それでもくすぐったがりだと言う事を隠し通したい私は、あくまで冷静に強がり続けた。 愛「ちょっと驚いただけよ。誰だって急にお腹触られたら、びっくりするでしょ?」 莉奈「ふ~ん、そっか~。まあ確かに私だってびっくりするかもな~。な~んだ、愛の弱点を見つけたと思ったのに、面白くな~い!」 愛「面白くなくて結構よ。全くもう…。」 莉奈「あっ、そんな事より明日私ん家で勉強会しよ!明日親二人とも出掛けちゃうから家誰もいないしさ~!」  急に話を変える莉奈。まあ切り替えの早い莉奈はこんな事が日常茶飯事だし、くすぐったがりだという事は一応知られずに済んだようで私は内心ほっとしつつも、冷静にいつもの様に振る舞った。ちなみに、勉強会と称して莉奈の家には何度も行っているが、いつもすぐに飽きる莉奈が漫画を読みはじめたり、一緒にゲームをしたり、音楽を聞いたりで終わっている。 愛「どうせまた遊びたいだけでしょ?もう受験生なんだから、ちゃんと勉強しないなら行かないわよ?」 莉奈「今回は本気だってば!私、頭悪いけど愛の教え方上手いから、愛にちゃんと教えて欲しいんだよ~!」  こうやってさり気無く褒めてくる莉奈に、毎度私はついつい乗せられてしまう。 愛「もう…、飽きたらすぐ帰るからね…!」 莉奈「わ~い!!ありがと~愛ぃ!!」 愛「はいはい、わかったから早く離れてよ暑苦しい。」  ちょっとわざとらしく大げさに喜びを表現しながら私に抱き着いてくる莉奈を軽くあしらう私。これもいつもの日常だが、友人と親密に関わる事が無かった私にとって、毎日のこういう会話やコミュニケーションがとても楽しい時間だった。そんな楽しい時間はすぐに過ぎ去ってしまい、帰り道にある莉奈の家の前で別れ、私は駅に向かい電車で帰宅した。  次の日。莉奈の家に午前10時といういつもより少し早めの約束に間に合うように準備をしていた私は、今日来ていく服を選んでいた。今日の天気予報では、午前中は涼しく過ごしやすいが、午後になると一気に気温が上がるとの事で、私はタートルネックの黒いノースリーブの服に短めの白いタイトスカートを選んだ。莉奈の家に行くぐらいならもう少しラフな格好でも良いのだが、どうせいつものパターンになると考えた私は、午後にでも近くの図書館で勉強するつもりでいたのだ。着る服も決め、私は少し早めに莉奈の家に向かった。 莉奈「いらっしゃ~い!入って入って~!!」 愛「お邪魔します。」  莉奈の家に入り、玄関のすぐ横の階段を上がると一番手前にある部屋が莉奈の部屋。エアコンが丁度良く効いたその部屋は、莉奈の性格にしては意外と女の子っぽく、ベッドの枕元にはいくつかぬいぐるみが置いてあったり、部屋のクッションやマットがピンクに統一されている。私は部屋の中央に広げられた折りたたみテーブルのすぐ近くに置かれたクッションに座り、鞄から勉強道具を取り出した。 愛「それで?どこが分からないの?」 莉奈「う~ん…。全部?」 愛「はぁ…。」  そんな感じで、私は莉奈に勉強を教えていた。莉奈の「今回は本気」というのは本当だったらしく、二時間近く真面目に勉強していた。お昼は私が駅前のコンビニで買ったパンを二人で食べ、また勉強を再開した。ようやく莉奈も受験生である事を自覚したようだ。 愛「莉奈ってその気になればこんなに出来るのに、真面目に勉強しないのが勿体無いわ。」 莉奈「だから~、愛の教え方が上手いんだって!愛が教えてくれなきゃこんなに出来ないもん!ふぅ~っ、でも流石にちょっと疲れた~!」 愛「そうね。珍しく莉奈も頑張ってたし、少し休憩しましょうか。」  気付けば午後の2時を過ぎていた。いつもなら一時間も集中出来ない莉奈がここまで勉強していたのはかなり褒められる事だろう。その莉奈の頑張りに答えようと私も熱心に教えていたが、流石に疲れも出てきたため少し休憩を取る事にした。 愛「んっ…んん~!」  私は疲れた時の自分の癖、両腕を真上に真っ直ぐ上げて伸びをしていた。これをやると疲れが少しリセットされてまたやる気が出るのだ。しかし、私は忘れていた。いや、もう気にもしていなかった。昨日あんな事があったにも関わらず、私は莉奈の前で無防備に身体を伸ばしていた。おまけに、今日私が着ていた服は丈が短めで、腕を思いっきり上に上げた事でセーラー服の時と同様にお腹が露出してしまっていた。おまけに、その服はノースリーブだった為に、普段見られる事のない腋まで無防備に晒していたのだ。そんな事も気にせず、私は疲れを癒す為、ぎゅっと目を瞑り伸びを続けていた。そんな私にゆっくりと近づいて来た莉奈は、綺麗に手入れをした私の右の腋に、人差し指をそっと触れさせた。 愛「ひゃぁぁぁぁああ!?」 莉奈「うおぉっ…!!」  目を瞑っていた私は莉奈の行動に気付かず、完全に不意を突かれいつもより甲高い、変な声を上げてしまった。そして、その唐突に訪れたくすぐったさに私は両腕を一気に降ろし、腋をガードする様にぎゅっと閉じた。 愛「いっ、いきなり何するのよ…!」 莉奈「いやぁ、びっくりしたぁ!すっごい反応…!」  普段の私からは絶対に出ない声に、莉奈もかなり驚いたようだ。そもそも自分からいたずらを仕掛けておいて、私の反応に驚かれても困るのだが、この際そんな事はどうでも良い。私は昨日の出来事を思い出し大きな焦りと不安を感じていた。その理由は他でもない、昨日のいたずらを莉奈が今日も仕掛けてきたからだ。もっと昨日の一件に対して警戒しておくべきだった。もっと警戒しておけば、今日こんな服を着てくる事も無かったのに…。不運な事に、今日の服は莉奈のいたずらには都合が良かった。ミニのタイトスカートは太ももから脚全体を晒し、サンダルで来た為に靴下も穿いていない。上半身はセーラー服と同様にお腹が少し見えてしまう短めの丈。そして最も焦りを感じさせた原因は、その服がノースリーブだった為に、腕を伸ばした事で大きく晒された腋を触られた事だ。というのも、私にとってどこよりもくすぐりに弱い、いわゆる一番の弱点が腋なのだ。そこを触られあんな反応を見せてしまった事で、莉奈は確実に私の腋がくすぐりに弱い事に気付いてしまっただろう。私はそれを知られてしまったかもしれないという焦りと不安でいっぱいになっていた。 莉奈「やっぱ愛ってくすぐったがりなんじゃなぁい??」 愛「だから驚いただけって昨日も言ったでしょ!?」 莉奈「え~?ホントかなぁ?」 愛「ホントよ!こんな事で嘘なんかつかないわよ…!」  感ずかれている可能性の方が圧倒的に高いが、私は苦し紛れに強がり続けた。くすぐったがりと言う事実を知られたくないのもそうだが、それを隠す為に昨日も強がってしまっていた手前、もう引っ込みがつかなくなってしまっていたのだ。 莉奈「じゃあ……、愛の事、くすぐってみても良い?」 愛「えっ……!?いっ、嫌よ…!何で私がそんな事されなきゃいけないのよ…!」  この展開は予想していなかった。また強がっていればこの会話に飽きてすぐ話題を変えると思っていたのだ。しかし、そうなる予兆は確かにあった。昨日それで話題を逸らしておいて今日改めて仕掛けてきた事を考えれば、明らかに莉奈が“私=くすぐったがり”を繋げたい事は明白だった。それに気付けず、大ピンチと言っても過言ではない状況に置かれた私の不安や焦りは、さらに大きくなってくる。まあどちらにしても、今日という日を警戒していなかった時点で、こうなる事は確定していたのかも知れないが…。 莉奈「くすぐったがりじゃ無いんでしょ?だったら良いじゃ~ん!」 愛「平気でも嫌なものは嫌よ!」 莉奈「じゃあマッサージしてあげる!愛疲れてるみたいだし、私に勉強教えてくれてるからそのお礼してあげるー!」  マッサージと言えば素直に応じるとでも思ったのだろうか?そもそも、何で今日に限ってこんなにしつこいのだろうか。過去に何度も私の強がりで誤魔化してきた恥ずかしい思い出はいっぱいある。それでも私が強がり続けていればすぐに違う話題になっていたのに。何でよりによって私の一番苦手なくすぐりにだけこんな…。 愛「別に良いわよ…!はい、もう休憩終わり。勉強再開しましょ。」  何としても話題を逸らしたい私は、強引に勉強モードを作りテーブルに置かれた問題集を解きに掛かる。 莉奈「そんな事言わずにさ~!あっ…、それともやっぱりくすぐったがりだからそんなに頑なに拒んでるのかなぁ?」  こうやってわざとらしく挑発している時の莉奈を私は知っている。私を強がらせて自分の思い通りに運ばせようとしている時のしゃべり方だ。 愛「だから違うって言ってるでしょ!良いわよ、そこまで言うんならマッサージでも何でもすれば良いじゃない!」  そうと分かっているのに素直になれない私は、こうしていつものように乗せられてしまう。そして、冷静になってからいつも自分の発言に後悔するのだ。自分のちっぽけで愚かなプライドが原因で、私はこれから莉奈にくすぐられる事になってしまった。

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ご投稿ありがとうございました。 この後どのように展開していくのか楽しみです!

オッカ


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