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くすぐりカードバトル4

時子 「私のターン、ドロー!」 【時子】 【手札、2枚】 【精霊、タイムルーラー】 【場、スキルカード“拘束選択”、マジックハンド1体、足枷板】  時子のターンになった事で、再び私は時子の場にある拘束カード、“足枷板”によって拘束された。このゲームは相手ターン中は常に相手の拘束カードによって身動きを封じられるのだ。 時子 「弱点がワキだと分かれば話は早いわ!私はこのターンもスキルカードの効果を使って、手札を1枚捨札にする事で新たな拘束カード、“X字拘束”を手札に加えるわ!」 琉唯 「え、X字…!?」  私の使う大の字ベッド拘束は、文字通り相手を大の字にして寝かせる拘束カード。という事は、X字拘束は私の両手両足を斜めに伸ばす様にして拘束するカードで間違いない。やっぱり、私の弱点であるワキを無防備にする拘束カードを使われる事になる様だ。 時子 「このカードは2枚のコストが必要。よって私は、場の“足枷板”と“拘束選択”を捨札にするわ!」  当然、場に2枚の拘束カードはいらないし、私をくすぐるのに最も適した拘束カードを場に出せるなら、新たに拘束カードを手札に加える事ができるスキルカードも必要ない。  その2枚のコストを使って新たに出した拘束カード、“X字拘束”によって、私は金属製の大きな壁に手足を斜めにピンと伸ばす様にし、両手首、両足首を金属の枷によって拘束されてしまった。  このカードは私の拘束カードの様に全身をくすぐる事が可能な様で、足が床に着かない様に浮かされた状態で拘束されている。勿論、今更足の裏をくすぐられる事などないだろうけど、私の“大の字ベッド拘束”よりワキが無防備になっている分、私にとっては辛い。 時子 「そして更に、攻撃カード“触手”も場に置くわ。」  私もさっきコスト用に場に出した“触手”のカード。自分がコレに責められたら…、なんて事を思いながら早々にコストにしたが、本当にコレに責られる事となってしまった。 時子 「これで戦闘フェイズよ!」 【時子】 【手札、0】 【精霊、タイムルーラー】 【場、X字拘束、マジックハンド、触手】  時子のターンの戦闘フェイズに入った事で、私の頭上にタイマーが表示される。ただし、そのタイマーの表示する数字は普通ではない。「03,00」と表示されたタイマー。即ち3分くすぐられなければならない。時子の固有スキルによって、私がくすぐられる時間が前のターンから30秒ずつ増えているからだ。 時子 「開始よ!」  その合図と共に、マジックハンドがまずは勢いよく私に向かってくる。その後を追う様に、床から生えた1本の触手がウネウネと伸びてくる。そしてそれと並走する様に、時子もこちらに向かって来る。  そして、ついに私の無防備なワキへのすぐりが開始される。 琉唯 「んひぃぃいいい!?」  まず最初に、私の左ワキに触れてこちょこちょとくすぐり始めたマジックハンド。伸び切ったワキに襲いかかるそのくすぐりは、さっきの足の裏へのくすぐりとは次元が違う。 琉唯 「いっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ…!!んぐぅぅううっふふふふふふふふふふふふふふふふふふ!!」  必死に葉を食い縛り、口を開けない様に努めるが、そこへ更に追い打ちを掛ける攻撃が始まる。 時子 「さあ、笑いなさい!!」  気味の悪い動きをしながら私に辿り着いた触手が、マジックハンドとは逆の、右ワキをカリカリと優しく引っ掻くようにくすぐる。そしてそれと同時に、時子は両手を使って私の正面から両ワキを激しくくすぐり始めたのだ。 琉唯 「んぎぃぃいいいっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!んんっふふふふふ、ふひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ…!!!!」  どんなに口を閉じようと力を入れても、奥から“笑え”という衝動がその閉ざされた口をこじ開け様としてくる。その衝動に対し、私はもう抵抗など出来なかった…。 琉唯 「ひぃいいぃいっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ…!!あっははははははははははははははははははははははは!!」  口をこじ開け無理矢理笑わせてくるくすぐり。楽しくもなければ、愛想笑いを強いられてる訳でもない。寧ろ苦痛で堪らないのに、ワキに襲いかかるこのくすぐったいという感覚は私を強引に笑わせ、その笑いを止めさせてもくれない。 琉唯 「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!やめ、ひはははははははははははははははは…!!くすぐったい、いぃいいっひっひっひっひっひっひっひっ、きゃぁははははははははははははははくすぐったいぃぃいいいいい!!!」  わしゃわしゃ、もぞもぞ、こちょこちょ動くこのマジックハンドと時子の手。これがまず暴力的にくすぐったく、私の脳内をくすぐったいという感覚で一杯にする。そこへ触手の優しく焦れったい刺激がまた緩急を生み、私のワキに様々なくすぐったさを与え、刺激に慣れない様にしてくる。 琉唯 「きゃあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!いやぁあ、もう、っひひひひひひひひもう嫌ぁぁあああぁぁあっはははははははははははははは!!」  こんなにくすぐったくて、こんなに笑わされているのに、何故このくすぐりは止まらないのか。くすぐったさで一杯になった脳内で必死にそれを考え、ようやく理解した。この攻撃フェイズでの時間は時子のスキルで3分となっており、私が笑ってしまった事で代償フェイズに突入し、合計5分くすぐられる事になっていたのだ。 琉唯 「ひゃははははははははははははははははははははははははやめっ、ははははははははははははははははははもうやめてぇええ!」  そしていつこの地獄から解放されるのかと、私の頭上のタイマーを見ると、そこに刻まれていたのは、3分50秒という長い時間だった。私はたった数秒で笑わされ、まだそれから1分程しか経っていないのかと思ったら、絶望せずにはいられなかった。 琉唯 「ひゃはははははははははははははははははははははははわきぃっ!ワキ嫌ぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!もうやめてぇぇええええっへへへへ、ひゃはははははははははははははははははははははははは!!!」  私の弱点であるワキを執拗に責め続ける時子とマジックハンドと触手。この多様な責めに対し一切抵抗できない頑丈な拘束、無防備に晒され続けるワキ。脳内を苦痛で埋め尽くす強烈なくすぐったさ。 琉唯 「嫌ぁぁあっははははははははははははははははははははははは!!ワキ無理ぃぃいいいいっひっひっひっひっひっひっひっ!!腕降ろさせてぇえ!!」  敏感すぎるワキを無防備に晒したまま拘束され一切抵抗出来ないのに、お構いなしにそのワキをくすぐってくる時子。私がどれだけ叫んで懇願しようとも、このくすぐりはタイマーが終了の合図をするまでは絶対に終わらない。 琉唯 「ひははははははははははははははははははははもう…、っははははははははははははははははダメぇええええ!きゃはははははははははははははははワキくすぐったいぃいいいいひひひひひひひひひ!!」  後どれだけくすぐられれば良いのだろうか。いや、時間は分かっているが、その時間がこれ程長く感じるのは初めてだった。まだタイマーは半分を過ぎた所。そう、これでまだ半分なのだ。こんなに苦しくて、くすぐったくて、でも抵抗出来ないのに、まだ半分なのだ。 琉唯 「ひはははははははははははははははははは、あぁぁあああっはははははははははははははははははははははは長いぃぃいい、長いわよぉぉおおおっははははははははははははははははははははははは!!」  本当に何も考えられなくなってきた。 琉唯 「わきぃぃいいいっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、わきっわきぃいいいぁはははははははははははははははははははははははは!!ワキやめてぇえええへへへへへへへへ、ひははははははははははははははははははははははは!!!」  ワキがくすぐったい…!ワキがくすぐった過ぎる!!いつの間にか、私の脳内はそれ以外の感情が無くなっていた。そんな中で、この刺激から解放される唯一の方法を思い出した。 琉唯 「あひゃははははははははははははははははははははははは、わかった、ひっはははははははははははははははははははははははははわかったからぁぁあ!!きゃぁぁあっはははははははははははははははははははははははは降参、降参するからぁぁあああ!!」  それは降参する事。降参するとこのゲームで敗北する代わりに、もうこのゲームでくすぐられる事はなくなるのだ。つまり、やっとこのくすぐったさから解放されるのである。  その言葉を笑い声の中で絞り出した瞬間、そのフィールド内で大きなブザーが鳴り、防御側にくすぐったさを一切与えないバリアーが発動し、私はようやくこの地獄から解放された。 時子 「やったわ…!ついに初勝利よ!!」  それなりにこのカードバトルを経験していそうな雰囲気の時子は、初勝利だと大喜びしていた。それを見て、私は改めて敗北感を味わった。 時子 「お姉さんはこれが初バトルだったのよね?最初は負ける事が続くでしょうけど、頑張ってね。」 琉唯 「っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、っはぁ、あ、ありがと……。」  おそらく時子も相当苦労したのだろう。別にそれに同情して降参した訳ではないし、負けて悔しいのは事実だが、特別悪い気もしなかった。  くすぐられるのは辛いし、もう2度と味わいたくないと思ってはいるが、あんなに笑ったのも初めてで、晴れやかな…、吹っ切れたような、何かそういう、今まで味わった事のない清々しさの様なものを感じているからなのかも知れない。 時子 「そうだ、カードを1枚コピー出来るんだったわね。デッキ見せて貰うわよ。」  ぐったりして動けない私からデッキを取り、時子はコピーするカードを吟味していた。その間も、私は仰向けに倒れたまま深呼吸を繰り返すしか出来なかった。 時子 「コスト4の“無数のマジックハンド”?かなり重いカードだけど、中々強そうなカードね!これをコピーさせて貰うわ。じゃあ、これで失礼するわ。」  時子がその場を去り、しばらく静寂が続いた。それでも私は未だ大の字で床に寝転がっていた。笑いすぎてお腹が痛くなり、大きな疲労感を感じたのも初めてで、しばらく動きたくなかったのだ。 アリス 「残念だったね…。やっぱり慣れないくすぐりと、敏感すぎるワキが辛かった?」 琉唯 「そうね…。………今思い出したけど、私って…我慢力が高い筈よね?なのにあんなにあっさり降参しちゃうものなの?」 アリス 「スキルカードの時にも話したけど、くすぐりに対する我慢力って、精神の強さみたいなものがかなり関わってくるから、あまりのくすぐったさに何も考えられなくなっちゃうと、精神力が弱くなって我慢も出来なくなっちゃうんだよね。だから我慢力は数字で表現しないで、“高”とか、“低”みたいな曖昧な表現なの。」 琉唯 「そういえば、スキルカードの“挑発”でもっと我慢出来たかも知れないのね…。私が悪いんだけど、アリスも教えてくれれば良かったのに…。」 アリス 「私はちゃんと琉唯ちゃんにずっとそうやって声掛けてたよ。やっぱり琉唯ちゃんには聞こえてなかったんだね。」 琉唯 「え、本当に…?」  どうやらくすぐったさで頭が一杯になってて、周りの声も聞こえていなかった様だ。アリスが何度も私にそう教えてくれてたみたいだが、まったく気付いていなかった。 アリス 「まあでも、あのスキルは心の底から強気でいないと効力がないから、あの状況じゃどっちにしろスキルの効果は得られなかったかも。」 琉唯 「精神の強さ、か……。中々難しい課題ね…。」 アリス 「でも、対戦相手の子も言ってたでしょ?最初はそれが上手くいかなくて皆負け続けるんだよ。だから敗者には救済措置として5ポイント貰えるんだから!これで1回ガチャを回せるよ!」 琉唯 「そうだったわね。でも、今の私に必要なカードって何かしら。正直精神の強さが私の課題なら、今は特に必要なカードとか無さそうだけど。」 アリス 「私が攻撃のメインだし、マジックハンドが1体でも場にいれば攻撃は十分かもね。そうなると、相手の弱点を探すカード、“弱点サーチ”とか、どんな弱点にも対応できる拘束カードとか?後は時子みたいに任意の拘束カードを手札に持ってこれるカードかな。」 琉唯 「でも“弱点サーチ”のカードは私も持ってたわよ?確か……、ほら、2枚デッキに入ってるわ。」 アリス 「でも今回それは引けなかったからね。最初に引いておきたいカードほど、デッキ多く入れないと中々引けないんだよね。」 琉唯 「確かに。でも入れすぎても後で要らなくなるのよね…。特に“弱点サーチ”ってアイテムカードだから、場に置いて他のカードのコストにも使えない。」 アリス 「そこが難しい所だよね~。一応スキルカードには時子の“拘束選択”みたいにデッキからアイテムカードを手札に加えるのもあるけど…。」 琉唯 「それを仮に手に入れたとしても、それを最初に場に置いていたら、“挑発”のスキルカードをデッキから直接引くしか無いのよね…。私にとって“挑発”は降参せずにバトルを進めるのに欠かせないカードよね。」 アリス 「そうだね~。まあなら少しポイントを貯めてても良いかもしれないね!連続で一気に引いた方がレアカードの当たる確率も上がるんだよ!」 琉唯 「そうなの?なら今は貯めておくわ。明確に欲しいってカードも今は無いし。」 アリス 「それが良いよ…!」 琉唯 「あ、そうだ。もう一つ聞きたい事があったんだったわ。」 アリス 「何?」 琉唯 「マジックハンドって、プレイヤーか攻撃タイプの精霊のくすぐり力になるのよね?」 アリス 「うん。」 琉唯 「じゃあ攻撃カードの“触手”ってどんな能力があるの?」 ??? 「それは私がお教えしましょう。」 琉唯 「………!?……あなたもプレイヤー、ですか?」  正直またくすぐられるのかと思うと、全くやる気にはなれないが、すでにバトルするためのフィールドが展開されてしまった為、逃げることも出来ない。  私は平静を装い私とのバトルが望みなのかを問い詰めた。 ??? 「はい。私は西塚。教師をしています。」  何となく年上だろうと思い敬語を使ったが、教師という事は、大学を卒業している筈だし、やっぱり年上だろう。でも、喋り方や立ち振る舞いがかなり大人に見えるが、顔だけ見ると教師と言うにはまだかなり若い。25前後だろうか…? 琉唯 「一条琉唯です。大学生です。」 西塚 「よろしくお願いします。」 琉唯 「それで、“触手”の能力を教えてくれると言うのは…?」 西塚 「勿論、このバトルで、という意味です。身を持って体験し、その能力を知って下さい。」 アリス 「やっぱりあんな所でずっと横になってたのはよくなかったね…。連戦だけど、大丈夫?」 琉唯 「あんまり大丈夫じゃないし、くすぐられたくはないけど、仕方ないじゃない。やるわよ。」 アリス 「うん。強気な振る舞いと精神を忘れないでね…!」 琉唯 「えぇ、努力するわ。でないとまたすぐ負けそうだし。」 西塚 「では先攻後攻を決めましょう。体力ポイントは、一条さんが5で私が4ですので、私が先攻を頂きます。」  丈が短いノースリーブの白シャツに、タイトなミニスカート。そして裸足にヒールという姿だった。トップスの白シャツは私と同じぐらい腹部が大胆に晒される程短く、私より胸元が空いていない分、点数が1点低いのだろうか…? 琉唯 「ねぇアリス、ちなみにこの服装変える事とかって出来るの?」 アリス 「出来るけど?」 琉唯 「それなら私も胸元隠して体力ポイント4にしようかしら…。」 アリス 「う~ん、恥ずかしくて露出したくないって理由ならオススメはしないけど…。どうせある程度の露出はしなきゃいけないし。それに琉唯ちゃんは固有スキルの都合上、あんまり減らすのはよくないと思うよ?」 琉唯 「固有スキル?」  確か私の固有スキル、“ダメージ共有”は相手に同じくすぐったさを与えるスキルで、私が3ダメージを受けていないと発動出来ない。  そうか…、そう考えると5という体力ポイントはかなり都合が良いかも知れない。もしそのスキルが発動した時点で体力ポイントが1しか無かったら、そんなスキルを活かせず笑わされて敗北する可能性が高いし…。そこからが勝負ならやっぱりこのままがベストね…。 琉唯 「そうだったわね。なら諦めるわ…。」 西塚 「そろそろ良いですか?」 琉唯 「……ごめんなさい。大丈夫です。じゃあまずは、お互い場にスキルカードを1枚置いて、4枚のカードをドロー、でしたっけ。」 西塚 「はい。では、準備も出来ましたし、始めましょうか。私の“触手デッキ”の恐ろしさ、存分にご堪能下さい。」

Comments

更新ありがとうございます。 続き楽しみにしております!

Guderian0

ありがとうございます!

こーじ

更新ありがとうございました。 最初は負けますよね。 負けてリベンジしていく展開大好きですよ!

オッカ


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