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くすぐりカードバトル1

 私の名前は、一条琉唯(いちじょう るい)。20歳の大学2年生だ。成績優秀でスポーツも万能、スタイルにも自身があり、自分で言いたくはないが完璧な女性、と言いたい所だが、私には大きな欠点がある。それは、他人に全く興味が無く、愛想がない事である。それ故に今まで友達と呼べる人などいた事がないし、他人とスキンシップを取った事もない。遊び相手もおらず、家族も私と母親の二人だけ。母親は若くして亡くなった父親の代わりに、私を育てながら身を粉にして働いた。幼い頃からそんな母に気を使い、私はお金が掛からないで済む様な行動が多くなった。友達を作らず、服や傘、鞄など、身につける物は壊れたり汚さないように努めた。友人がいなければ、外で遊んで服を汚すとかもしないし、傘も壊れたりしないだろう。だから私は自分から交友関係を断った。その結果がこれである。最後に笑ったのもいつだろうか、と思うほど私にはもう笑顔も似つかない。  勿論そんな生活しか出来なかった過去も、私の為に苦労してくれた母にも、恨みなどある訳がない。ただ、幼い頃にしなかった事は、やっぱり大人になると余計に出来なくなる物で、友人を作ろうとか思う事は無かった。今ではアルバイトをしながら一人暮らしをして、特待生として大学に入学出来た事で、母に楽させてあげられる事も出来て、充分満足な暮らしが出来ている。だが、社会に出たらこれでは駄目なのだろうと理解もしている。だからこそ、自分でもこれが致命的な欠点であると理解している。  とはいえ、これをどう直したら良いかも分からず、将来に不安を感じていたある日、それは突然起こった。 ??? 「琉唯ちゃ~ん?お~い、起きて~?」 琉唯 「…んん、………ん。……………ん?」 ??? 「あ、やっと起きた!琉唯ちゃん、おはよ~!」 琉唯 「…は?ちょっ…!誰よアンタ…!何で私の部屋に──」  突然の女不審者に思わず恐怖を感じたが、ふと周りを見渡すと、そこは私の住んでいるアパートの一室ではなく、全く知らない木造の寝室だった。 琉唯 「え……?な…、何よここ。何で私こんな所にいるの…?」  いつも通り、大学の帰りにそのままアルバイトに行って、その後アパートに帰って、夕飯を食べてお風呂に入って、ちゃんと部屋のベッドで寝た筈だ。まさか、私はこの女に拉致されてしまったのだろうか…? ??? 「突然ごめんね?信じて貰えないかも知れないけど、ここは琉唯ちゃんが住んでた所とは別の次元、つまり異世界なの。」 琉唯 「………何言ってんの?」 ??? 「やっぱりそういう反応するよね!でもこれ以上説明出来ないんだよね~。」 琉唯 「仮にその、異世界?って話が本当だったとして、あなたは何者なの?私をこんな所に連れてきて、どうする気…?」  他にも、ちゃんと帰して貰えるのかとか、大学の単位を落としてしまったらどうしようとか、世間で行方不明なんて騒がれたらどうしようとか、色々不安な事は多かったが、まずはやっぱり私がここにいる理由と、この女の素性である。穏やかな口調でマイペースな印象だが、異世界などと言う理解不能な話で誤魔化して、何かの犯罪に携わっている人間だったら本当に怖いし、それを悟らせない為の口調と思えばより恐怖心を抱かざるを得ない。 ??? 「そうだよね、急にこんな事になったら怖いよね?私はアリス。この世界の精霊だよ。」  異世界という設定に相応しい精霊と名乗ったアリス。私より背が高くて、スタイルも良くて、何故か大胆な肌の露出をするパッと見お姉さんの様な女が、精霊…?どこまでこのファンタジーな設定を信じなければならないのだろうか。 アリス 「私はね、琉唯ちゃんが暮らす世界の、誰もが当たり前の様に出来る“人との関わり合い”が出来なくなったり、“楽しそうな笑顔”を忘れてしまった、琉唯ちゃんみたいな女性を救う為に、この世界で生み出された精霊なの。」 琉唯 「え…?……それって、つまり……、あなたが私のこの性格を変えてくれる、って事?」 アリス 「勿論、変われるかどうかは琉唯ちゃん次第なんだろうけどね。この異世界で私達精霊を生み出したマスターは、私達精霊を使って人々のそういう悩みを解決する。そしてそれを解決できた私達精霊は、マスターに願いを1つだけ叶えて貰えるの。精霊によっては、自分の願いを叶える為に仕方なく人に協力するって奴もいるけど、私はこうして出会えた琉唯ちゃんに寄り添って、解決できたらって思ってるよ!」 琉唯 「あ、ありがとう…。でも、あなたも、そのマスターって人も、随分お人好しなのね。いや、私は感謝してるけど、マスターって人は何の見返りも無しに私みたいな人を助けてくれる訳でしょ?」 アリス 「いや、実はマスターも見返りは貰ってるんだよ。マスターは良い人なんだけど、ちょっと変態なの。」 琉唯 「……は?」  何…?変態?良い人なのに変態って、訳が分からない。 アリス 「マスターは、自分の性癖、つまり欲求を満たす為に女性を異世界から連れてきてるの。だから代わりに、その女性の悩みを解決出来るように努めるって訳。」 琉唯 「ふーん。それで、私達はここで一体何をやらされるの?今聞いてた感じだと、その……マスターの為に何かやらされる訳、でしょ?それに、その何かをやって、本当に私は…、普通の人と同じ様に笑ったり、上手く人と関われる様になるの?」 アリス 「人付き合いみたいなのは、私と一緒に共闘して、絆が深まれば改善されると思ってるし、私自身も琉唯ちゃんと仲良くなれたら嬉しいかな!だから琉唯ちゃんには私が派遣された訳だしね。」 琉唯 「ん?どういう事?」 アリス 「元々精霊達は、光の球みたいな存在で、マスターとしか意思疎通が出来ないの。私は“そういう悩み”を抱えた琉唯ちゃんみたいな娘が笑顔になれて、姉妹とか親友の様に仲良くなるのが願いだったから、こういう普通のお姉さんみたいな姿になって、琉唯ちゃんと共闘する事になったの。精霊によっては全然人形じゃないのも結構いるんだよ。」  つまりこのアリスって精霊が私を選んだと言うより、私をサポートする為に都合の良い精霊であるアリスをマスターが選んで、それに合わせてアリスを人の姿にしたって訳ね。 琉唯 「それは分かったけど、結局私はここであなたと何をすれば良いの?さっきから“共闘”って言ってるけど、あなたと一緒に誰かと戦うの…?」  見た目や喋り方は普通の人間に見えるこのアリスも、精霊と呼ばれる存在だ。おそらく特殊能力の様な物を持っているだろう。その能力を使って私は誰かと戦わなければならない。そう考えるとどうしても不安を募らせてしまう。どんな戦いを強いられるのかも分からないし、怪我をする恐れもある。それこそ場合によっては死ぬ様な事なのかも知れない…。 アリス 「うん、そうだよ。これから琉唯ちゃんは同じ境遇の女の子とカードバトルをするの!」 琉唯 「カードバトル?トランプみたいな物?」 アリス 「まあトランプみたいな物だね!琉唯ちゃんにはそのカードを使って“ティックルカードバトル”をやって貰うの!」 琉唯 「ん…?ティックル…、カードバトル?」  英語もかなり勉強してきたけど、ティックルなんて単語は初めて聞いた。そもそも英語なのかしら…?まあカードバトルは英語だし、ティックルも英語よね…? アリス 「そ!琉唯ちゃんは実際にそのカードを使ってゲームをする。で、私はその琉唯ちゃんをサポートするの!」  ティックルって言うのはよく分からない。でも、共闘なんて随分大袈裟に言うから不安だったけど、トランプの様なカードゲームなら安心だ。なるほど、人との関わり合いとか、楽しく笑える様にって言うのは、カードゲームで楽しくわいわいする事によって友人と楽しむ心を思い出させるって事なんだ。……あれ?じゃあマスターが変態で、その欲求を満たすって言うのは…? 琉唯 「あ、あの…、さっき言ってた、マスターが変態って言うのは何なの?カードバトルと関係があるの?」 アリス 「そうだよ?ティックルカードバトルをしている所を見て、マスターは欲求を満たすんだよ。」 琉唯 「あの…、そのティックルカードバトルって…何?え、エッチな事とかじゃ…、ないわよね…?」 アリス 「エッチな事じゃないよ?まあマスターはそういう目で見てるみたいだけど…。」 琉唯 「な、何なの…?一体、私は何をさせられるの…?」 アリス 「そんなに心配しなくても大丈夫だよ!笑える事だから!」 琉唯 「笑える事…?」 アリス 「そうだよ?日常生活で笑う事の出来なくなった琉唯ちゃん達が笑顔になれる様にする為だもん!」 琉唯 「笑えるってどういう事?私が笑顔になれる様にするって何?」 アリス 「ティックルって言うのは“くすぐり”って意味。つまり、このカードバトルで琉唯ちゃんは他の女の子とくすぐり合うんだよ!」 琉唯 「は……?く、くすぐり?」 アリス 「そう、くすぐり!」 琉唯 「意味分かんないんだけど…。」 アリス 「えっ、何で?何が分かんないんの?」 琉唯 「そもそもくすぐりって…、子供じゃないんだから…。」 アリス 「もしかして、くすぐられたぐらいじゃ笑わない、とか?」 琉唯 「いや、くすぐられた事なんてないから分からないけど…。私もう大人よ?今更くすぐられて笑うとか…。それに、そんな事で私が今後普通に笑える様になるとは思えないと言うか…。」 アリス 「まあそれは実際にやってみたら分かると思うよ!」 琉唯 「そ、そう…。それで?マスターは、その…、くすぐりをエッチな目で見てるって事?」 アリス 「マスターに限らず、くすぐりをそういう目で見る人は多いみたいだよ?特にマスターはくすぐられて悶える女の子を見るのが好きらしくて、どうせならこれを機に笑顔を忘れてしまった女の子が笑える様にしようって始まったものらしいから。」 琉唯 「ただの変態には思われたくないから慈善活動を理由にしてるって訳ね。」  まあ正直気は乗らないけど、これで本当に私が笑える様になるなら嬉しいし、人とのコミュニケーション能力が培われるなら、ありがたい。 琉唯 「それから、この異世界?から帰るにはどうすれば良いの?」 アリス 「カードバトルに3勝するのが条件だよ。」 琉唯 「数時間とかで帰れたりする?」 アリス 「う~ん、どれだけ素早く勝てるか、とかにもよると思うけど、多分そんなすぐには終わらないんじゃないかな~?」 琉唯 「あの、もし帰りたい用事があったらどうするの?」 アリス 「あ~、それに関しては大丈夫だよ!この異世界での出来事は、全部琉唯ちゃんが寝てる間に見る夢みたいな感じで、ここから帰ったらまだ琉唯ちゃんは寝てる状態だし、起きたら異世界に来た時の日付のままだから!」  って事は、ここで何日過ごそうが、別に現実には影響しないって事ね。そういえば、私が今着てる服も、現実世界で寝間着として使ってたシンプルなTシャツと半ズボンというラフな恰好だし、寝てた時の服がそのまま再現それてるのかしら。 琉唯 「それって、わざとここに居座り続ける事も出来ちゃうわよね…?」  現実では一切時間が経過しないなら、ここで好きな様に暮らしても何の影響も無いし、帰りたがらない人も逆にいそうだけど。 アリス 「……もしかして琉唯ちゃんは帰りたくない?」 琉唯 「いや、私はそんなつもりないけど、私以上に現実で辛い思いしてる人も絶対いるだろうし、そういう人達は帰りたがらないかなって…。」 アリス 「もし故意に負けたり、バトルしようとしない人がいた場合は、マスターの屋敷に連れて行かれるみたい。多分何かしらの処罰があるのかもね…。一応ここは現実世界で普通に生きられる様に女の子を改善させる所だし。」 琉唯 「なるほど…。上手く出来てるのね。」 アリス 「他にこの異世界の事とか、私達精霊の事とかで聞きたい事はある?」 琉唯 「とりあえず大丈夫よ。まあそのカードバトルをどうやってやるのかとか、バトルのルールとか気になる事はあるけど。」 アリス 「オッケー!じゃあ、アイテム倉庫に行こう!デッキも作らなきゃいけないし、服装もそのままじゃダメだから、戦闘服を選ばないとね!」 琉唯 「デッキ…?戦闘服…?」  駄目だ。ちょっと話が進むと分からない事だらけになってしまう。でも、その度にこの精霊に頼っていく事で、人とのコミュニケーション能力を学べるのかな。 アリス 「その辺は、アイテム倉庫で説明するね!」 琉唯 「あ、ちょっと…!」  私はアリスに腕を引っ張られ、強引にアイテム倉庫へと連れられた。正直、こんな家でしか着ない寝間着で出歩きたくはなかったのだが、私が寝ていた部屋のすぐ隣の部屋がアイテム倉庫だったらしい。倉庫と呼ばれた割にはキレイに整頓されていて、正直もっと散らかった物置の様な場所をイメージしていた。中に入るや否や、すぐにアリスは人がすっぽり入れそうな大きな機械の電源を入れた。 アリス 「じゃあまずはこの中に入って!」 琉唯 「な、何よこれ…。ちょっと怖いんだけど…。」 アリス 「大丈夫だって!これは琉唯ちゃんのステータスを調べる為の機械なの!」 琉唯 「…ステータス?」 アリス 「身体の感度は勿論、バトルに必要な情報をこれで調べるの!」  そう言いながら私は無理矢理この謎めいた機械に押し込まれてしまった。ベッドの様に仰向けになって入るその機械の中は、特別狭い訳でも無いが快適な広さでもない。アリスの「大丈夫」という言葉も正直信用出来ず、不安な気持ちを拭えない。 アリス 「じゃあ両手を上に上げてバンザイして!」 琉唯 「えっ…?何で…?」 アリス 「そうしないと調べられないもん。」 琉唯 「いや…、その時点で怖いから。」 アリス 「すぐに終わるから大丈夫だってば~!ずっとそんな事してたら、マスターの屋敷に連れて行かれちゃうよ?」 琉唯 「……わ、わかったわよ…。」  マスターの屋敷で何をされるのかまでは聞いていないが、元の世界に帰りたがらない人が行かされるような場所だ。多分相当辛い目に遭うに違いない…。だから私は渋々アリスに従い、両腕を頭上に伸ばしバンザイする。  すると、機械がピーっと音を立て動き始めた。そして突然、バンザイしていた両腕の手首と、仰向けに寝ていた為に真っ直ぐ伸ばされていた両足の足首に、カシャッと金属製の何かが嵌められた感覚が伝わった。 琉唯 「ちょっ…!何これ!」  改めて確認すると、私の両手首、両足首が金属のベルトの様な物に嵌め込まれ、身動き出来ない様に拘束されてしまったのだ。  そして今度は、機械の内側、つまり私の身体の両サイドからウネウネと怪しげに蠢く蛇の様な形をした機械が2本現れた。この気持ちの悪い機械は一体何をする為の物なのだろうか?と考えを巡らせた瞬間、ふとこの機械に入れられた理由を思い出した。これは私の身体の感度と言ったステータスを調べる機械。つまり、私の身体のパーツがそれぞれどれだけくすぐりに耐性があるか等を調べる、と言う事だ。となれば自ずと答えは出る。そして悟ってしまった。  これは、くすぐられる奴だ…、と。 琉唯 「はぁ…。もう素直にあなたに従うから、せめて毎回何をされるのかはしっかり教えて欲しいわ。」 アリス 「ごめんね。分かったよ。じゃあ今からそのマニュピレーターが琉唯ちゃんの全身をくすぐるから、出来るだけ笑わない様に堪えて!」 琉唯 「やっぱりくすぐられるのね…。」  くすぐられた事なんてないから、自分がどうなってしまうのかも分からないけど、くすぐりってこんな動けない様にしてまでやる様な事なのだろうか?少し大袈裟過ぎないかと思っていた時、遂にそのマニュピレーターとか呼ばれた機械の蛇みたいな物が動き始め、まずは裸足のまま拘束された両足、その足の裏にそれぞれ1本ずつ触れた。 琉唯 「んっ…。」  重厚感のある見た目に対し、思ったよりも柔らかい感触のそのマニュピレーターに触れられ、私は思わず少し声を漏らしてしまう。これが“くすぐったい”という感覚なのだろうか?少なくとも笑うという感情にはならなかったが、一応アリスには我慢しろと言われた為、今後声を出さない様に努めようと口に力を入れる。するとその瞬間、足の裏に触れられたそのマニュピレーターの先端が、モゾモゾと動き始めたのだ。 琉唯 「んっ…くく、んんっ……!!」  口をしっかり閉じようと意識しないと、つい口元が緩んでしまいそうな不思議な感覚を味わった。間違いない、これが“くすぐったい”という感覚だとすぐに気が付いた。 琉唯 「んぐぅ……、っくふふ…!んっく………!」  このマニュピレーターが土踏まずの曲線に沿って上下に動いた時が特に辛く、楽しくもないのに、“笑いそうになる”感覚が強くなる。必死に口を閉じてその感覚を抑え込むが、これが中々に難しく私の神経にダメージを与えてくる。  何とかそれを我慢していると、すぐに足の裏への刺激が終わり、私はくすぐりから開放された。 琉唯 「っはぁ…、はぁ…。………ふぅ…。ふぅ…。」  声を出さない様に力を入れる事がこんなにも難しい事とは思わず、たった数秒ですら疲れを感じてしまった。だが、これは私の足の裏だけを調べる機械ではない。再びマニュピレーターが動き出し、今度は両足の甲に触れると、そのまま撫でる様に私の脚を登っていく。 琉唯 「んっ…。」  足の甲から脛、膝、太ももを順に撫でながら通っていき、今度は上半身、お腹へと辿り着く。 琉唯 「ちょっ…!んっ…、くぅ……!」  お腹に辿り着いた2本のマニュピレーターの内1つは、左側の腰辺りを服越しにつんつんと突っつくようにくすぐってくる。これはまだ問題なく耐えられるのだが、もう1つのマジックハンドは服の裾から内側に侵入し、反対の右側の腰を突っついていて、これがまた足の裏の時の様なくすぐったさを感じてしまう。くすぐりというのは奥が深いようで、素肌をくすぐられた方がよりくすぐったく感じるらしい。 琉唯 「んんっ!……っくくく、んっふ、…んん!」  どうにか声を出さない様に耐えるが、マニュピレーターは決して動きを止めない。足の裏の時は一瞬とはいえ休息を与えられたが、それ以降、足の甲からはずっとこの焦れったい刺激を与えられ続けている。 琉唯 「んっ、…ふふ、くぅぅっ……!んんっ、くくく…!」  腰を一定時間責めた後、更に上へと移動し今度は脇腹を同じ様に突っついてくるマニュピレーター。やっぱり服の中に入り込んみ直接くすぐっている方が断然くすぐったく、その刺激に口元がゆるんでしまう。左側の服越しのくすぐりと、右側の素肌のくすぐり、左右とも平等に調べる為か、たまにこの左右の責めを逆にしたりと、私の身体の反応を細かく調査する様に工夫してくる。ちなみに、左右差は特になく、やっぱり素肌を直接責められる方がくすぐったい。  続いて身体のサイドを責めていた2本のマニュピレーターが、今度は中央に集まってきてお腹を優しく撫でてくすぐってきた。 琉唯 「くぅっ…!んっくく…、んん…!………っくく、んっ……、ちょっ……!!」  お腹も脇腹と同じぐらい、もしくはそれ以上のくすぐったさを必死に堪えていた時、服の中に侵入していたマニュピレーターが、私のへそをほじくる様にくすぐってきたのだ。 琉唯 「んんっ……、くっ、ぅぅんっふふ、んふぅっ……、っくく…!」  想像もしなかったへそへのくすぐり。こんな場所もくすぐりの対象なのかという驚きで、身体がビクッと大きく反応してしまった。だが、その無意識の反応は驚きだけが原因でない事にすぐ気が付いた。現状ここが1番くすぐったかったのだ。 琉唯 「んっふふふ、くぅぅうっふふ、んんっ、ふふふ…!」  これまでで1番のくすぐったさ、口が開かない様に歯を食いしばりどうにか耐えるも、その口を無理矢理開けようと“笑い”の衝動が押し寄せてくる。  幸い、このくすぐりはあくまで私の感度を調べる為だけの物で、くすぐる時間はどの場所も10秒にも満たない僅かな時間だったお陰で、どうにか声を出さずにへその責めを乗り切った。  だがまだくすぐりは終わらず、再び脇腹の方へ移動するマニュピレーター。さっきくすぐった場所をまた責めるのかと思っていると、マニュピレーターは脇腹から更に上へと上り始めた。 琉唯 「んふっ…、っふふ、んんっくっく…!」  脇腹を通り過ぎ、肋を少しずつ上っていくマニュピレーター。そして更にそこを通り過ぎ、寝間着だった為ノーブラ状態の胸の横付近にマニュピレーターが触れた瞬間── 琉唯 「んひぃっ…!?」  身体が今まで以上に大きく、ビクッと反応してしまった。決してマニュピレーターがノーブラの胸を触った訳ではない。今までに味わった事のない強烈なくすぐったさを味わったからである。寧ろこれが本当の“くすぐったい”という刺激なんだろうと理解した。今までのはほんのお遊び程度の感覚でしかなかったのだと思い知らされた。 琉唯 「んんっふふふ、ひぃん!んちょっ、くっくっくっ、待って──」  そしてこの胸の横辺りが異常にくすぐったい原因が、私の弱点が胸の横だからではない事も理解した。勿論そこも尋常じゃないほどくすぐったかったのだが、本当に敏感なのはその先であるのだと気付いたのだ。だから少しずつ上昇してくるマニュピレーターに、これ以上先まで進んで欲しく無かったのだが、マニュピレーターは待ってくれなかった。 琉唯 「んひぃぃいいっひっひっひっひっひ!!んぷぅふふふふふふ、くっふふふふふふ…!」  そしてついに私の弱点と思わしき場所に辿り着いたマニュピレーター。当然私は今までくすぐられた事など無かったから自分の弱点など知らなかったが、胸の横をくすぐられた時から間違いないと理解した。突如くすぐったくなった上に、マニュピレーターが上に移動する度に増す感度。くすぐられた事なんてなくても何となく認知しているくすぐりの代名詞的な場所。何よりそこに辿り着く瞬間に感じた嫌な予感。  そして今くすぐられて理解した。私の弱点は、今くすぐられている“ワキ”であると。 琉唯 「きひひひひひひひ、んんっふっふっふっふっふっ…!んぎぃっ…、ひっひっひっひっひっ…!!」  自分の歯が砕けてしまうのではないかと思う程、歯を食いしばって笑わないように堪えるが、へその時の非じゃない程強い“笑い”の衝動が押し寄せる。こんなにも私の意思に反して笑い声を上げようとしてくるとは思わなかった。それでも我慢を続け耐えるという事以外何も考えられなくなっていた時、ワキをくすぐるマニュピレーターが移動を始め、二の腕の方へと向かったくれた。 琉唯 「ひぃ…、ひぃ…、んっく、…くひひひ、んんっふっふっふっふっふっ…!」  胸の横を責められた時と同様、ワキに近い為かくすぐったいはくすぐったいが、ワキという弱点への刺激に比べればやはり耐えられる。それでも油断出来ないぐらいくすぐったいのだが、どうにか口を開けず堪えきる事ができ、ようやくこのくすぐりから開放された。 琉唯 「はぁ…、はぁ…、はぁ…、はぁ…、…やっと……、終わった……。はぁ…、はぁ…。」  このくすぐりという行為を、たかが子供のじゃれ合いと思っていた数分前の私を殴ってやりたい。まさかこんなに辛いとは思わなかった…。確かにこれは誰でも笑えるだろう。ここでどれだけくすぐられて笑う事になるかは分からないし、これで笑わされたところで、今後日常でも笑える様になるかも分からない。でも、笑い方を忘れた人から笑いを引き出すにはこれが一番だろう。確かにこれは私の様な人間には良い刺激になる気がする。 アリス 「琉唯ちゃん、お疲れ様~!」 琉唯 「はぁ…、はぁ…、これで…、私のステータスって言うのが、分かったの…?」 アリス 「うん。これからステータス表が出てくるよ!」  少しすると、機械の上の方に設置されたモニターに様々な数字が表示された。おそらくそれが私のステータス表と呼ばれるものなのだろう。 アリス 「足の裏2、お腹3、脇腹も3、おへそが4か。琉唯ちゃんは中々くすぐりに強いんだね~!」  身体のパーツ別に数字が表示されており、私の感度を表しているであろうステータス表。多分数字が高い程くすぐったがりという事なのだろうが、私は自分のステータスを見て、驚きを通り越して思わず呆れてしまった。 琉唯 「その中でも数字が高いのが、やっぱりワキね…。にしても、9って…。高すぎない?」 アリス 「ワキだけが極端に弱いんだね!一応初期ステータスでの最高表示は10らしいけど、まず10は付けないって聞いたことあるよ。だから現状琉唯ちゃんのワキより敏感な人はいないって事だね!」  仮に誰かに10を付けたとして、万が一それより敏感な人が出た場合、最大10っていうルールが破綻してしまうからだろう。お笑い芸人の漫才やコントの大会で100点が出ないのと同じ理屈なのだろう。  その理屈は分かるのだが、よりによって私がそんなくすぐったがりな人間だとは思わなかった…。 琉唯 「最悪だわ…。」 アリス 「でも見て?この我慢力の項目。」 琉唯 「我慢力?………“高”って書いてあるわね。これは数字じゃないの?」 アリス 「具体的な数字はあくまで目安で、例えば同じ数字の人でも反応の違いがあったりして、かなり曖昧なんだって。特にこの我慢する能力はコンディションとか環境でも大きく変わるから数値化出来ないってマスターが言ってたよ。」 琉唯 「なるほどね。でも“高”って事は、かなり我慢強いって思って良いのよね?」 アリス 「実際、感度9のワキをくすぐられて笑わなかったのは相当だと思うよ!このバトルは笑いを我慢出来る方が有利で、単純に言えば笑ったら負けのルールだからね!」 琉唯 「そうなの?でもそれって、何気ない日常でも笑える様にするっていうコンセプト?に反してない?」 アリス 「確かにね。だけど、くすぐりによる笑いは所詮は無理矢理笑わせてるだけのもので、笑い方を思い出させるのがメインなんだって。大事なのは、やっぱり沢山の人と触れ合って、競い合って、感情を刺激する事なんだって。」 琉唯 「そ、そう…。まあ確かにそうよね…。」  ただの変態かと思ってたけど、マスターって結構理にかなった事してるのね。何だか悔しいけど納得してしまった。自分の変態願望のついでとか言ってた割には、ちゃんと私達の事を考えてくれているようだ。  このくすぐりを取り入れたカードバトル、意外と奥が深いらしい。まだルールとか戦い方は良く分からないけど、だからこそもうすでにアリスという相棒に相当頼ってる自分がいて、今まで人とあまりコミュニケーションを取らなかった私にとって、かなり良い傾向なのを自覚していた。そう思えたからこそ、私なりにこのカードバトルに真剣に向き合う気が湧いてきていたのだ。

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新作のご投稿ありがとうございました! これからどのように展開していくのかとても楽しみです!

オッカ


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