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悠月はくすぐられたい①

 私は波岡 悠月(なみおか ゆづき)。突然だけど、最近私は他人には言えないような特殊な性癖が芽生えてしまった。それに目覚めたキッカケは、何気なく観た深夜アニメだった。  そのアニメは、一人の女の子が変身して戦う「魔法女子高生リーズ」というヒロインものでノースリーブの丈が短いセーラー服という露出度の高い衣装が特徴の、所謂アニメオタクと呼ばれる男性向けのアニメだった。たまたま寝付けなかった夜、私は何気なくテレビを点けてそのアニメを無感情で観ていた。 リーズ 「今回も大した事ない怪人ね。」  クールな主人公リーズは、淡々とザコ敵を倒していき、ボスの怪人を追い詰めていた。どうやら毎話新しいボス怪人が現れてはリーズにやられる、というのがお決まりのパターンらしい。 リーズ 「これで終わりよ。」  リーズがその怪人に両手を構え、魔法を発動しようとしたその時。 リーズ 「なっ…!しまった……!」  背後から別の怪人が現れ、リーズはその怪人の能力によって手足を金属の枷で拘束されてしまった。 リーズ 「くっ……!卑怯よ!二人がかりで襲って来るなんて…!」  リーズは成す術も無く、怪人のアジトに運ばれてしまい、そこで両腕をバンザイの体勢で宙吊りにされ改めて拘束されている場面へと変わる。 リーズ 「こんな事して、一体私をどうするつもり?あんたらザコ怪人じゃ、どうせ大した事出来ないんだから、さっさと解放しなさい。」  そこでもリーズは普段のクールな立ち振る舞いのまま、敵を見下していた。だがリーズを拘束した怪人も冷静に振る舞い、身動き出来ないリーズに少しずつ恐怖心を与えていった。そして、怪人は自らの得意技で拘束されたリーズに"お仕置き"をすると言い出した。 リーズ 「ふん、何がお仕置きよ。やっぱりあんたらはくだらない事しか出来ないのね。」  確かに"お仕置き"という言葉には何だか緊張感が感じられない。しかし、リーズは何をされても抵抗出来ないのも事実。視聴者はエッチな妄想を期待しているのだろうけど、リーズは相変わらず強気な発言を続けていた。 しかし、それでも痛みが与えられるであろう恐怖を隠しきる事は出来なかった様子。そんな中、敵の怪人から思いもよらぬ発言が飛び出した。 リーズ 「は…?な、何……?笑える事…?」  怪人によるお仕置きは、痛みを伴うものではなく、笑える事だと言うのだ。お仕置きなのに笑える、という矛盾はリーズは勿論、視聴者の私も思わず「何それ…。」と声を漏らしてしまった。  そして、怪人が様々なヒントを与えていきながら両手をワキワキと動かす仕草を見せつけると、リーズは自分がされるお仕置きの内容をようやく理解したらしい。 リーズ 「ふーん、笑えるって、そういう事ね。やっぱりくだらない事じゃない。」  リーズはその内容に気付くも相変わらず、強気な態度を見せていた。一方、視聴者の私はまだそのお仕置きの内容が分からず、思わずソワソワしていた。一体これから何が始まるんだろう?そう思っていた時、いよいよそのお仕置きが始まった。 リーズ 「んっくくくく、むふふふふふふふ…!」  笑いを必死に堪えるリーズ。しかし、顔がドアップで映され、何をされているのかは分からなかった。一体リーズは何をされているのだろうと考えを巡らせていた時、映像が切り替わりリーズが受けていたお仕置きを、ようやく理解する事が出来た。 リーズ 「くっふふふふふふふふ、こんなっ事、何とも…、ないんだからぁ…!っくくくくくくくくくくく…!」  今度はお腹をドアップにした映像で、その両サイド、つまり脇腹をこちょこちょと怪人の手がくすぐっていたのである。リーズは歯を食い縛りながら強気な発言を続け、くすくりなんか効かないと強がっていた。 リーズ 「うひっ!?んっふふふふふふふふ、いっひひひひひひひひひひひ…!!」  更に今度はリーズのブーツが脱がされ、露わになった足の裏をくすぐり始める怪人。それによってリーズはよりくすぐったそうに身を捩る。だけど決して笑い出すまいと抵抗を続けた。 リーズ 「ぷっふふふふ、んっくくくく…!その、程度なの…?っくひひひひひひひ、やっぱり…、大した事、んっふっふっふっふっふっふっ、ないじゃない…!」  強がるリーズに対し、足の裏をくすぐる手は激しさを増す。それによってリーズの足はくすぐったくて仕方ない様な暴れっぷりを、このアニメは見事に表現していた。 リーズ 「きっひひひひひひひひひひ、こんなの、っくくくくくくくくくくく全然…、くすぐったく、なんて…、いっひひひひひ、ないんだからぁ…!」  クールで強気な上にプライドの高いリーズは、くすぐったいのを認めず強がる発言を繰り返す。そこへ怪人は最後の手段と言い、くすぐる場所を足の裏から別の場所へと移すのだった。 リーズ 「んっぐ、んっくくく…、んぁっはははははははははははははは!!そこダメぇ!っあはははははははははははははははは!!」  怪人が新たに責めたのは、ノースリーブの状態でバンザイさせられた事でむき出しになっているワキ。そこをくすぐられたリーズは堪らず大笑いしてしまった。 リーズ 「きゃはははははははははははわきぃぃいいいっひひひひひひひ!腋嫌ぁぁあっはっはっはっはっはっはっはっ!!」  リーズはワキが特に敏感な様で、クールな女性とは思えない暴れっぷりに、私も思わず目が離せなくなっていた。 リーズ 「きゃっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!この、いい加減に…!!」  するとリーズは体から大きな魔法を解き放ち、怪人は一気に壁まで吹き飛ばされる。 リーズ 「はぁっ、はぁっ、よくも…、やってくれてわね…!!」  くすぐられながらも体内で魔法の力を蓄積させていたリーズは、力を一気に開放し拘束から脱出すると、自分を散々くすぐってきた怪人を怒りの眼差しで睨みつける。 リーズ 「消し飛びなさい…!!!」  命乞いする怪人の事など無視し、リーズは特大の魔法を怪人に放ち、怪人は消滅した。リーズは大ピンチを切り抜け見事な勝利を収めたのだ。  たまたま私が観たこの話が最終回だったらしく、物語の最後はハッピーエンドで終わった。眠くなるまでとりあえず何か観るかと軽い気持ちで点けたテレビに思わず目を奪われ、クールな女性が一切の抵抗も許されず、体中をこちょこちょとくすぐられ、無様に笑わされる。そんなシーンにいつの間にか性的興奮まで覚えていた。  何となく正確が自分に似ていたリーズ。そんねリーズが我を忘れたように笑わされるシーン、くすぐりという子供のお遊びみたいな攻撃に悶絶する姿、そんな主人公を無意識に自分と重ね、自分がくすぐられる姿をついつい想像し、いつの間にかリーズと同じ様に、いや、それ以上に激しくくすぐられたいと思うようになっていてのだ。これが私がくすぐりというマニアックな性癖に目覚めてしまったキッカケだ。  実は私はあまりくすぐられた経験がない。小学生の頃、脇腹を友人に突っつかれた事があったが、元々脇腹はあまりくすぐったいと感じない体質だったようで、私は全く反応しなかった。それ以来、私に対する友人達の印象は「くすぐりに強い」というのが定着し、友人達とのじゃれ合いで私がくすぐられる事は無かった。だから私がそもそもくすぐられた結果、あのアニメの主人公リーズのように笑ってしまうのかどうかも分からない。だからこそ、余計にくすぐられたくて仕方がなかった。  それから私は時々、友人をくすぐっては仕返しを期待するのだが、やはり私はくすぐりに強いイメージがあるようで、中々仕返しをされる事も無く作戦失敗に終わってしまっている。だけどそろそろこの欲求を本格的に満たしたくなった私は、今までにない大勝負を決意した。


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