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枡久野恭(ますくのきょー)
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SSS SSSSグリッドマン 宝多六花 温泉


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『アカネがさ、手紙で知らせてくれたんだけど。この世界を壊そうとしている怪獣や宇宙人はまだまだいっぱいいるんだって』


 今は別の世界で暮らしている親友からの手紙。それは普通の人間であれば絶望してもおかしくない絶望的な内容だった。

 だが、既に何度も命の危機に瀕し、その度に乗り越えてきた宝多六花の受け止め方は違っていた。


「裕太が、グリッドマンが幾ら頑張ってくれても世界は壊されちゃうかもしれない」


 六花は恋人である響裕太が、グリッドマンがギリギリの戦いを続けていたことを誰よりもよく知っていた。

 グリッドマンは自分よりも強大な敵をその度にパワーアップを遂げて退けてきた。だが、次も退けられるとは限らない。仮に退けられたとしても、その時に六花たちの住む町が跡形もない焦土と化している可能性は十分に考えられた。なら、どうするか?


「だったら、世界が壊されちゃう前にしたいことみんなしないとね♪」


 六花は微笑んで見せた。

 世界の危機を知って開き直る。それがグリッドマン同盟の一員としてずっと戦ってきた少女の出した結論だった。


「したいことって?」


 六花の恋人である裕太は聞き返した。


「恋人らしいこと、かな」

「具体的には?」


 六花は目を瞑って考えてみた。具体的なことは事前に考えていなかった。

 その時、一陣の風が吹いた。北風だった。ミニスカートの素足には寒かった。


「温泉」


 六花は寒さから閃いた単語を呟いていた。


「えっ?」


 裕太が聞き返すと嬉しそうに改めて答えてみせた。


「私、裕太と一緒に温泉に入りたい♪」

「えぇええええええぇっ!?」


 六花の申し出が意外過ぎて裕太は素っ頓狂な悲鳴を上げてしまった。

 その反応が六花には不思議だった。


「何をそんなに驚いてるの?」

「だって、俺たち……まだ、一緒にお風呂に入る仲にはなってないんだし……」


 裕太の顔は真っ赤になっていた。

 少年の認識では、一緒に入浴は恋人同士が肉体関係を結んでから行うイベントとなっていた。


「はっ、はっ、裸、見ることになるんだし……」


 裕太は恋人の裸を想像して更に真っ赤になっていた。




「裸?」


 六花はきょとんとした表情で首を捻ってみせた。

 そして裕太が何を言っているのか理解して笑い出した。


「あははは。ああ、なるほど。そうきたか。でも、そう考えるのも無理はないよね。あははは」

「えっ? どういうこと?」


 動揺する裕太に対して六花はニヤッと意地悪く笑ってみせた。


「温泉って言っても水着で入れるところを考えていたんだけど♪」




「裕太は裸の私と一緒に温泉に入りたかったんだね♪ 裕太の……えっち♡」

「なぁあああああああああああぁっ!?


 六花に顔を覗き込まれて裕太は悲鳴を上げながら大きく後ずさった。


「でも、確かに、私たちは恋人同士でもう高校生なんだし。裕太次第で裸で一緒にお風呂に入ってもおかしくないんだよねぇ」

「そっ、それはぁ……」

 

 ニヤニヤしながら至近距離から見上げる六花に裕太はタジタジだった。


「どうなの、彼氏くん?」

「そっ、そっ、そういうのは……俺たちがもっと大人になってからぁあああああぁっ!?」


 裕太は全身真っ赤になりながら叫んだ。

 宇宙の危機さえも救ったヒーローは女性の扱いには慣れていなかった。


「う~ん。私としては裕太とお泊り温泉旅行でもよかったんだけど。今回は、日帰りで水着着用の温泉にしておこっか」

「それでよろしくお願いしま~すっ!」


 裕太は直立不動の姿勢で空に向かって叫んでみせた。

 そのあまりにもシャイな様子を見て六花は笑った。


「うん。決まり」

 

 六花は大きく頷いてみせた。


「ヒーローやってる時の裕太はとっても格好良いんだから。普段からもっと強気に出ても良いんだよ♪」


 少女は笑いながら少年にお願いをしてみせたのだった。



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