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枡久野恭(ますくのきょー)
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SSS デレマス 的場理沙、佐々木千枝 お誘い


SSS デレマス 的場理沙、佐々木千枝 お誘い


 765プロU149所属の的場理沙は11月19日に12歳の誕生日を迎えた。とはいえ、理沙のやることは普段と何も変わらない。レッスンをこなし、自主製作動画を撮影し、編集してアップする。色々あって外部からU149にほとんど仕事の依頼がないので動画本数だけが増えていくのが理沙のアイドルとしての日常だった。


「本日も動画編集で疲れたわね。でも、良いものができた♪」




 理沙は衣服を脱いで籠の中へと入れた。

 本社ビル付属の浴場施設。大きな風呂を利用してから帰るのが理沙の日課となっていた。


「動画編集スキルばっかり上がっている気がしないでもないけれど。いつか、本物の大人気アイドルになった際に、自分でプロモーション映像を編集できれば人気爆発まで持っていけるわよね♪」


 理沙は大浴場に浸かりながら未来に想いを馳せていた。

 現状ではU149で仕事を外部から取って来ているアイドルは限られている。

 橘ありす、櫻井桃華に限られていると言っても過言ではない。その2人にしてもまっとうな仕事が来ているわけではない。

 JSアイドルに叱られたい、罵倒されたい。大人たちのそんな歪んだ欲望を叶えるものばかりだった。




 理沙は仕事はないものの、アイドルとして成功することを諦めてはいない。だが、成功を焦り過ぎて裸の動画を何本も挙げてアカウント停止。イベントに全裸で参加して炎上。U149にまともな仕事が舞い込まない原因を作ったのはほかならぬ彼女自身だった。




 空回りを続けている理沙だったが、志の高さで言えばU149の中で最も高かった。

 だが、そんな彼女に試練が襲い掛かろうとしていた。


「大きなお風呂はやっぱり気持ち良いわね♪ ……うん?」


 理沙がのんびりと湯に浸かっていると、背後から足音が近付いて来るのに気付いた。


「理沙ちゃん、耳寄りな情報がありますよ♪」

「なんだ、千枝だったのね」


 声を掛けてきたのはU149のメンバーである佐々木千枝だった。

 千枝は一見恥ずかしがり屋の奥手純情少女。だが、理沙と共に人前で肌を晒すなど性的なことに対してベクトルが他のメンバーとは違っていた。


「それで、耳寄りな情報って?」

「とても素晴らしいお仕事を理沙ちゃんにも紹介しようと思いまして♡」

「仕事っ!?」


 理沙は話に食い付いた。アイドルとしての仕事に飢えていた。


「はいっ♪ みんなに喜んでもらえて、自分も楽しくて、お金もいっぱい稼げちゃうお仕事ですよ♪」

「マジでっ!? 最高じゃないっ!」


 理沙は瞳を輝かせながら立ち上がっていた。


「それで、どんな仕事なの? 歌? ダンス? 演劇? なんでもやるわよっ!」


 理沙の期待は最高潮に高まっていた。だが──


「“恋人さん”へのご奉仕です♪」

「へっ?」


 仕事の内容を聞いて理沙の目が点になった。


「カバスの館というお店なんですけど♪ そこでは、お客さんのことを“恋人さん”って言うんですよ♪ その“恋人さん”の要望に従いながら楽しいひと時を過ごすお仕事なんです♪」

「カバスの館って、最近全国展開しているえっちなサービスするお店じゃないっ! お客の要望に従いながらひと時を過ごすって……あっ、あっ、あああっ」


 理沙の顔が真っ赤に染まった。

 耳年増な理沙はカバスの館がどんな店なのか知っていた。


「“恋人さん”はみんな、千枝がご奉仕するといっぱい褒めてくれるんですよ♪ 褒めてもらえると、千紗はとっても幸せな気持ちになれるんです♪」

「それ、絶対にやばいご奉仕でしょっ!? アンタ、自己承認欲求が低すぎるんじゃないのっ!?」

「千枝はとっても幸せなんですよ♪ 千枝がみんなを幸せにできるんですから♡」




 千枝の瞳はどこまでも澄んでいた。澄み切っているからこそ理沙は狂気を感じずにはいられなかった。


「理沙ちゃんも千枝と一緒にカバスの館で働いてみませんか? 早く、“大人”になることもできますよ♪」

「けっ、結構だからぁああああああああぁっ!?」




 理沙は大声を出して全力でお断りした。

 目立つためなら全裸を晒すことには抵抗がない。だが、体を売る真似はしない。できない。彼女の中の乙女回路がそれを許さなかった。


「わっ、私は私のやり方でトップアイドルを目指すからっ!」

「そうですかぁ~とても幸せになれるのに残念ですぅ」


 千枝は肩を落とした。


「気が変わったらいつでも言ってくださいね♪」

「そっ、そん時は、自分で言うから……」


 理沙はお湯に下半身が浸かっているにも関わらず寒気を覚えていた。


「みりあちゃんを勧誘してみようかな。喜んで引き受けてくれる気がします」

「U149を巻き込んじゃダメぇええええええええぇっ!?」


 理沙は再び全力で叫んでいた。

 何とか千枝の誘いに乗らずに済んだのだった。



***

 

 帰宅した理沙は、夕食を終えてふととある仕事の話を思い出した。


「そう言えばみりあからメイド服でサービスする仕事を割り振ってもらったんだっけ」


 U149動画の総括をしている赤城みりあから先日請け負った仕事があった。

 仕事着となるメイド服も既に受け取っていた。

 理沙はとりあえずメイド服を着てみることにした。


「さすがは私。何を着ても可愛くて素敵よね♪」




 理沙はアニメでよくあるメイド服姿の自分にご満悦だった。


「仕事先についてはちゃんと聞かなかったけど。当日になればみりあが連絡くれるって言うし問題ないでしょ。メイドになった私がご主人さまよりも輝いてしまう瞬間が今から楽しみだわ♪」


 理沙は瞳を輝かせて週末の仕事当日を待ちわびるのだった。

 そんな彼女は気付いていなかった。メイド服の裏地に『Kabas's House』と刺繡が入っていることに。









 



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