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奥様は美女(?)後編

「ねえ、冷蔵庫もうちょっとこっちにならないの」 寝室で彼女がそう言う。ベッドに座ったまま、自分は動こうともしない。 「うん、ちょっと待ってね……この辺でいいかな?」 「んっ……んふぅ、まあいいけど」 腕を伸ばせば、冷蔵庫の中身が取り出せる。冷凍庫の方も問題は無さそうだ。 わざわざ金属の支柱を入れた高価なダブルベッドの脇に、一人用の冷蔵庫が置いてあるのは何とも不可解な取り合わせだが、彼女の望みなので叶えられるのが当然だった。 「ふぅ……ん、買い出し」 「うん、準備するね。よいっしょっ……」 「んふぅっ……」 ベッドの脇で両手を伸ばした彼女。その手を引っ張って、立ち上がらせる。どすっ…と重たい音と共に彼女の脚がフローリングにつき、ふぅぅぅ……と荒い息を吐いた。 どす、どす、重たい足音をさせながらウォークインクローゼットに向かう。結婚した当初の服は着れるはずも無く全て処分した。新しく購入した洋服類は、値段こそ落ちる物の大きいサイズの中ではやはり高級志向の物ばかりだ。どれもタグにつくXの前に数字が書いてある。 それでも、サイズによっては入らないものがある。狭くなったウォークインクローゼットの中で、何着か選び、寝室で着替える。 「ふぅ…んっしょ……ふぅ、ふぅぅ……いっそ、着替えも手伝わい雇おうかしら……」 冗談めかして言う。流石に着替えくらいは一人で出来るし、旦那がいるのにわざわざ他の人間を使う気もない。 「んっしょ……ふぅ、まあ、アイツなら私の着替えも喜ぶでしょ…ふぅ、暑」 冷房をかけるには些か早い時期だが、既に寝室のエアコンは稼働していた。 汗が目立たないような白ブラウスの上に、春らしさのある薄いピンクのカーディガンを羽織った。昔は、もっと派手な色や濃い色が似合った気がするが、今はこういうパステルカラーの方がよく似合う。丸く肥えたせいで、苛烈な印象が薄れたからかもしれない。 下は、浅葱色のロングスカート。デニムやタイトなスカートは動きにくい。 軽くメイクをする。どうせ旦那くらいしか見ないのだからそこまで気合を入れる必要はない。あの男ならすっぴんでも万の言葉で褒め称えるだろうし。 イヤリングとネックレスは付け外しが面倒だからパス。結婚指輪だけが左手の指に輝いている。旦那が結婚生活で唯一、彼女にお願いをしてリサイズしたものだ。 あの時は確か……そうだ、交換条件として、ミシュランの星付きの店に連れて行かせたのだ。 美味しかったに違いはないが、少々量が物足りなかったので、よく覚えている。 髪の毛を整え、寝室を出ると、冴えない格好の彼が既に準備万端と言った様子だった。 「今日も綺麗だね」 「ん、当たり前でしょ」 そう言えば、最近彼との会話が増えたような気もする。それとも、他に話す相手がいないからそう錯覚しているだけか。 「今日はどれがいいかな、これとか?」 「ん、それ」 シューズボックスから彼が踵の低いミュールサンダルを出した。エメラルドグリーンのそれは、指輪に散りばめられた宝石とよく似た色をしている。 彼が玄関で、そのミュールサンダルを彼女に履かせる。シンデレラのようなワンシーンだが、旦那が太り過ぎた妻に靴を履かせているとあれば、どんな少女でも幻滅する光景だろう。 もっとも、履かせてもらってる当の本人は、シンデレラだと確信しているのだが。 「どうかな…?」 「ん」 彼の確認に、軽く頷いて答える。頷かずとも二重になった顎が、更にむにゅんっと潰れた。 玄関から地下駐車場に向かう間、彼の腕に彼女が腕を絡ませる。愛情ではなく、杖がわりだが。 「暑…ねえ」 「うん、わかった」 彼女がそう言うと、彼がハンディファンで彼女の首筋に風を送る。少しはこれで涼しくなる。 エレベーターに乗り込む。広々としており、それなりに豪奢な作りだが、彼女が乗ると狭く感じた。 最上階なので、当然他に乗る者は居ない。それを良い事に、手すりと壁に体重を預ける。 面倒になりしばらく体組成計に乗っていないから何キロかは分からないが、まあ何キロだろうとあまり関係はない。移動は彼の車が基本なのだし、歩くときは彼が杖代わりになる。特に不便はなかった。 エレベーターのドアが開き、中年女性と若い女性が乗り込んでくる。母娘だろうか。 二人とも、彼女の方を見て一瞬驚いた表情を浮かべる。当然だ、日常生活ではほとんど見かけないサイズなのだから。 「何階ですか?」 「あ、すみません。一階で」 「わかりました。お買い物か何かですか?」 彼が当然のように世間話を始める。冴えない容姿と穏やかな喋り方は、警戒心を一瞬で失くさせる。 「ええ、この子の娘……孫が小学校に上がるものですから、色々と」 「小学校に、それはおめでとうございます。良いですね、賑やかそうで」 「ええ、本当に。手がかかって困っちゃいます。そちらは?」 「うちも買い物です。妻と二人で。天気も良いし、家具も新調したので色々と」 妻と言う言葉に、また二人が少し驚いたような表情浮かべた。一瞬の変化だが、彼女が見逃すはずがない。 「そ、そうなんですか。……あ、私たちはこれで」 「ええ、どうも」 一階についたエレベーターに助けられたといった表情で、最後に彼女の方をチラリと見て、母娘が出ていく。この体型の妻の買い物に、なんとコメントするべきか悩んだのだろう。 「やっぱり、買い物日和なんだね」 「暑いだけじゃん」 気温は24℃、快適な筈の気温も、彼女の脂肪の前では「暑い」と切り捨てられてしまう。 地下駐車場でエレベーターを降り、車に向かう。外車がいつの間にか、国産の高級車に変わっていた。 彼女の「助手席、狭い」の一言で、座り心地と輸送量が優先された結果だ。 ドアを開けて二人が乗り込む。彼女が乗り込んだ時、車がゆさっと重たく揺れる。 「はい、ベルト」 彼が当然のように、彼女の尻に埋まりそうなシートベルトのバックルを先に確保していた。 「ん……っふぅ…」 シートベルトが少しきつい。だが、以前の車よりずっと足元もシートもゆったりしていた。 「ん」 「はい」 彼が後部座席に取り付けたカゴからスナック菓子の袋を彼女に渡した。 「んふぅ…っふぅ」 身体を前に倒し、腹肉でつっかえながらダッシュボードを開けて、ウェットティッシュを取る。 「じゃあ、行こうか」 「んむ…ん。ここ」 「うん、了解」 彼女が目的地を指定する。とりあえず、寝室に置いた冷蔵庫が満帆になるくらいは買おうと決めていた。 彼との結婚生活も、なんだかんだ上手くやれているし、多少(多少どころではないが)太りはしたが、概ね満足だった。 最初は完全に一線を引いていたが、何年も経てば、ある程度の事なら許容するようにもなった。 「そうだ、この間言ってたフルーツサンドの詰め合わせ、届いてたよ」 「ん。んむ…んふぅ…」 そんなもの頼んだろうか?とも一瞬思ったが、きっと彼がそう言うなら頼んだのだろう。 最早、何を頼んだかも覚えておらず、届いたものを片っ端から食べ、飲み、その身に蓄えている様相だった。 別にそれでよかった。届くものは美味しいし、一々考えるのも面倒だから。 「美味しい?」 「ん、……んぐ、まあね。……いる?」 「じゃあ、一つだけ」 ソファにどっかりと座り、プリンの瓶を舐めるように食べていた彼女が、一つを彼に差し出した。 これもいつ頼んだか忘れたが、12個入りのプリンが残り2つという事実だけで十分だった。 飲み食いしたものは、ハウスキーパーに片付けさせればいいし、取るのが面倒ならそれも頼めばいい。 そうして、ソファの上に座ったまま、ダラダラと一日中、届いた取り寄せ品や、彼と買った地方の銘菓、シェフを呼んで作らせた料理に、ハウスキーパーに調理させた取り寄せの食材などを、余すことなく食べていた。 ひどいときには、一日の移動距離が100mに満たない日すらあるが、それも特に気にしていない。 むしろ、それでも問題ないと言う事こそが彼女にとっての最高の贅沢であり優越でもあった。 「美味しいね、また頼もうか」 「ん。…あ。次」 「うん、そろそろご飯にしようか」 「…ん、じゃあそれで」 時刻は夜の21時。夕飯と言うにもあまりに遅い。それもそのはず、夕飯では無いからだ。 夕飯は、19時過ぎに彼と二人で、出張家政婦の作った料理を平らげた。プロの料理も良いが、家庭の味も嫌いではない。 家政婦に「6人前、3日分」とオーダーし、その注文通り5人前を一人で平らげた。次回からは、調理助っ人を呼ぶと言ってた。 「何がいいかな。甘いの食べた後だし、味の濃いのが良いよね。……あ、このカレー美味しそうだな」 「じゃあ、それ。っふぅ……」 プリンの瓶をテーブルに並べる。彼の分1つ、彼女の分11個。こんなに美味しいなら、次からは24個入りを買おう。 シェフも調理師もいない夜食は、彼が簡単に湯煎やレンジ調理などをしていた。流石に本格的な料理には味が少し負けるが、腹は膨れるし、十分美味しい。 「ん……ねえ」 「うん、今行く」 レトルトを温めていた彼に、少し大きめの声で呼びかけると、彼がすぐ戻ってきて、彼女の両腕を掴んだ。 「んふぅっ……っふぅ、はぁ…」 数時間ぶりにソファから立ち上がる。もはや一人ではソファから起きるのも重労働だし、彼がいる時は彼に命じるのが当然だった。 脚が、過剰に肥えた身体を支えてプルプル震える。 「平気?」 「ん、んふぅ…ふぅ」 少し息を荒くしながら、彼にトイレまで案内させる。ソファから立つのは、せいぜいトイレと入浴と寝る時くらいか。 もちろん、旅行などをする時もあるが、旅行先でも基本はベッドでダラダラする事が多い。家とあまり変わりはなかった。 トイレのドアを開けさせ、のっしのっしと身体を左右に振るように歩きながら、便器の前で履いているハーフパンツを脱いだ。大きさだけを重視したそれは、とてもデザイン性など無い。 十分広いトイレにあって、彼女の太り過ぎた体は少々窮屈に感じた。 「ふぅっ……んふぅ…っしょ…」 便座にどすっと腰かける。わざわざ相撲取り用の便器を発注してリフォームした、彼女の為の便座だ。その重たい体重を受けてもビクともしない。 「ん、んふぅぅ……っふぅ……」 じょろろろろっ……大きな水音を立てて小水が便器の中に注ぎ込まれていく。大量に飲み食いした分、出る量も多い。配管も太くしてもらって正解だった。 じょろろ…じょぼぼぼぼぼっ…じょぼぼぼ…じょろろっ、ぴちゃ、ぴちゃっ…。 大量の尿は、トイレの空気も一瞬でアンモニア臭くする。彼女自身も顔をしかめたが、生理現象なので仕方ない。 「ふぅ…んふ、ふぅぅ……」 太い指で、壁についたリモコンを操作する。ウォシュレットが、ウィーンと機械的な音を出し、彼女の秘部を洗い流す。 「んふぅ、っふぅ…」 ぶるぶるっと身体を震わせる。Tシャツの中で下着すらつけてない胸と腹がぶるるんっと揺れた。楽な格好を求めた結果がこの姿だ。 リモコンを再び操作し、ウォシュレットを止める。 「っふぅ……んっふぅぅっ……っふぃ…んふぅ…はぁ…いい、わ」 腹肉をかき分けながら、濡れた秘部をトイレットペーパーで拭こうとするが、思い切り腕を伸ばしても、贅肉が邪魔でうまく拭けず、汗ばかりがダラダラと溢れる。 早々に彼女は諦めた。どうせ後で入浴するし、あの旦那なら問題はない。 身体を屈め、贅肉を突っ返させながら、足元に引っ掛かっているショーツとハーフパンツを引き上げる。それだけで、また汗をかく。 「ふぅぅ、んひゅ、ふぅ……」 リモコンの横に特注でつけた、呼び出しボタンを押す。リビングダイニングにいる主人に、用を足し終えたので迎えに来いと命ずるように。 少しして、コンコンとノックがされる。 「入って平気?」 「ん…」 彼がトイレのドアを開ける。きっと強烈なアンモニア臭と汗の臭いが漂っていると言うのに顔色一つ変えない。 「ん」 両腕を伸ばす彼女。自分で重い体重を苦労して持ち上げるより、彼を呼んだ方がずっと早いし楽だ。 「よいっ…しょ。ご飯、もうすぐできるよ」 「わかった。あと、着替え…………やっぱいいや、お風呂」 「うん、準備しておくね」 また、彼に腕を引かれてどっすどっすと歩く。太ももに腹肉がべちべちとぶつかるのも気になりすらしなかった。汗をダラダラと流し額に髪が貼り付く。少し伸びてきたし、毛先も痛んできた気がする。 「んふ、ふぅ、髪」 「ん、また美容師さん呼ぼうか」 「ん」 リビングまで戻ってくるなり、食事する時のテーブルにかける。家具はいつからか、デザイン性より耐久性を優先していた。彼女が尻を乗せている椅子も、アメリカから取り寄せた物だった。 彼が、ニ人前のカレーを彼女の前に置く。 「それじゃあ、お風呂の準備してくるね」 「ん。んふぅ、ぁむ、んむ…あむ、んぐ、んふぅ…」 特に苦労も不自由もない。好きなだけ美味しいものを食べて、好きなだけダラダラして、最高の人生だ。 ホロホロと軽く歯先で噛むだけで崩れていく牛肉を嚥下し、米とルゥを一気にかきこむ。程よく辛く、汗がまた吹き出す。 結婚する前なら絶対買わなかったような値段だった気がするが、もはや幾らかも記憶にない。ただ、美味しくて、高級である。それだけで彼女の優越感と満足感は満たされていくのだ。 あっという間に二人分の食事を腹に収める。満腹になった気がするが、果たしてどのくらいもつだろう。 両手を自分の腹に伸ばす。そろそろ、脂肪の塊が自身の手では掴めなくなりつつある。重たく、だぶだぶと揺れ、それでいて肌はきめ細かく透き通るように白い。 「んふぅ…っげぇっふ……んふぅ……ふふ……♡」 そう、ただ安い食事でぶくぶく太った庶民や、ジャンクフードばかりを食べている連中とは違うのだ。 毎日、考えられないくらいの金額をつぎ込んでいる脂肪は、手触りすら高級感を覚える。ぶよぶよと柔らかい、特注のクッションのような肉質に、シミも吹き出物も、肉割れすらない肌。 加齢による若干の弛みや、ハリが衰え柔らかさが増した部分はある。 だが、ここまで太ってもなお、美しさは少しも損なわれていない。そうに決まっている。 なにせ、彼がずっと私に耽溺しているのがその証拠だ。 贅の限りを尽くし、好きなだけ高価なものを食べ、あくせく働く必要もない。自分にだけ許された特権に彼女は酔いしれる。 「あ、食べ終わったね。美味しかった?」 「んふ、まあね。お風呂は?」 「ん、準備できてるよ。もう入る?」 「ん」 彼女が両手を彼に突き出す。連れて行けと言わんばかりに。 最後に1人の力で、立って歩いたのはいつだったか。彼や、ハウスキーパーやらヘルパーやらがいるのだから、思い出す必要もないか。 「よっ…行こうか」 「んふ、ん」 彼に腕を引かれて、どすっどすっと脚をすり足のように動かしながら、広々とした脱衣所に向かう。 肥えに肥えた彼女と、細身とは言え成人男性の彼。そして洗濯機などが置いてある脱衣所だが、それでも十分に広い。彼女が今の倍は太っても問題ないだろう。……もっともそこまで太ると、今度はドアにつっかえるか、そもそも歩けるかが怪しくなるが。 「服、汗きもちわるい」 「ん、じゃあ触るよ…?嫌だったら言ってね」 「別に、今更気にしないから」 そう、ご主人様の洋服を脱がせるのなど当然の行為だ。むしろ、自分の体を触れるのだからご褒美だろう。そんな事を想いながら、彼女は両腕を上にあげた。 彼の手が、服の中に入る。ぶよんっと前にせり出して垂れた腹肉に沿ってTシャツを捲り、そのまま頭から抜き取る。むわっとする濃い汗の臭いがする。流石に臭く、彼女は顔をしかめたが、彼はいたって平気そうだ。 ブラはしていないので、だるんっと垂れた胸の脂肪が腹の上に乗っかっていた。結局、やはり胸は他の部位に比べると膨らみ方は大人しかったが、それでも爆乳と呼べるサイズに、彼女はそこそこ満足していた。 彼の指で刺激され続けたせいで、感度も良いし、乳首の色も薄ピンクで可愛らしい。下品なほどぶくぶく肥えたせいで膨らんだサイズを除けば、十分美しいと自負している。 「こっちも、脱がすよ」 「ん」 彼が屈んで、彼女のハーフパンツを脱がせる。湿ったような、蒸れた汗と尿の臭いが強烈に広がる。脂肪で隠れたショーツの中は特にひどい。綺麗に陰毛が処理されているのが不思議なくらいだ。もちろん、自分では腹の肉が邪魔でやりにくいので、彼に全部任せている。 座ってる時間が長いせいか、不格好に膨らんだ尻。楕円とも四角とも言えない贅肉のつき方だが、それでも肉質は柔らかく、肌の艶も良い。セルライトすらほとんどないのが自慢だった。 脱衣所にある姿見には、もはや腕を真っすぐ下ろせないほど肥えた女が映っている。 目は脂肪で細くなり、シャープだった顎は完全に贅肉で埋め尽くされ首とほとんど一体化した。二の腕の脂肪が脇にまで広がったようで、肩を開いた姿勢になってしまう。 大きいはずの胸は、その下で更に二回り近く前にせり出したぶよぶよの腹肉のせいで目立たない。 その腹は、完全に秘部を隠すほどの脂肪の貯蔵庫になっていた。 更に、正面から見ても尻の脂肪が身体の左右に溢れて、太ももと一体化しとてつもない太さになっている。足一本で、結婚当時の彼女より太いのは間違いないだろう。 「ちょっと、足上げてくれるかな…?」 「ん、んふぅっ…っふひぃ…!」 重たい脚を、大理石の洗面台に体重をかけてあげる。ぐっしょり濡れた特大のショーツと、ハーフパンツを彼が引き抜き、洗濯機に入れた。どちらも、痩せていたころの彼女の体をすっぽり通過してしまいそうなサイズだ。 「んふ、ふぅぅ、はぁ……ねえ」 「ん、アイスだね」 暑いからアイスを食べる。彼女の思考では当然だった。風呂場で火照った身体に入れるのが快感だったのが、気づけば所かまわず暑ければ食べるといった具合になりつつある。 脱衣所に異物のように置いてある冷凍庫から彼がアイスクリームを取り出した。とりあえず、手早く食べられる棒の物。 「んちゅ…んふぅ……」 彼女がそれにしゃぶりつく。あっという間に、一本が消え、彼女が少し満足する。その間に、彼が自分の着替えを済ませた。 一人では、身体を洗うのが面倒なので、彼に任せることが随分増えた。主従だし、夫婦なのだ。触られても何の問題もない。 彼が着替え終わったタイミングで、棒アイスのゴミを脱衣所のゴミ箱に彼女が入れる。 「んふ、じゃ、よろしく」 「ん。任せて……今日も綺麗だよ」 「んふふ、知ってる」 姿見に映る自分をちらりと見る。彼よりも随分前にせり出した胸や腹、後ろにとびだした尻。だるだるの脂肪の塊。だが、それでも美しいに違いない。 浴室も広い。彼女がタイルの上に座り、彼が四方からシャワーをかける余裕が十分にある。それどころか、この場で二人揃って寝転んでも余裕だろう。 高価なボディソープを、大量に使う。常人の数倍は表面積が広いので当然だが、これすらも彼女には優越感を覚えた。 「んふっ、んふぅっ……」 「気持ちいい?」 「まあまあ」 彼が素手で、彼女の身体を泡まみれにしていく。まず腕を取り、全体に泡をつけ、そのまま脇の方へ。腕を持ち上げ、脇に溜まった脂肪と贅肉をかき分けるように指でソープを塗り込んでいく。 「んふふっ、ふぅっ」 「くすぐったい?」 「べつにっ…っふふ…」 ややこそばゆいが、それを表明するのも癪だし、好きにやらせてあげよう。彼女はそう思いながら、言われるがままに腕を上げた。 脇腹にぶよぶよと溢れた脂肪の段差に、丁寧に泡を広げていく。どこまでも沈んでいきそうな脂肪は、こうした日々のケアで美しさが保たれている。 尻と太もも、腰の贅肉に乗っかるような脇腹の脂肪まで泡まみれになり、今度は背中だ。ぶくぶくと肥え、ついに背中まで段差が出来ている。そこにも彼がボディソープを広げていく。 「んふ……ふぅぅ……」 彼女は心地よさそうに目を細める。汗まみれだった身体が綺麗に洗われていくのはやはり心地が良い。それも、人の手でとあれば尚更だ。 彼の手が、そのまま尻の方に伸びる。尻肉を割り開き、むわぁっと悪臭の籠もったソコを洗っていく。 「んふぅっ…♡んんっ♡」 やや甘い声が出る。このくらいはサービスしてやろうと思いながら、尻穴をにゅぶにゅぶと洗う彼の手で緩く甘い快感を味わう。 小便の時はまだしも、大は完全にウォシュレット任せだった。なので、このタイミングでしっかり洗わせる必要もあるし。 「綺麗な肌だね。それに良い匂いがする。柔らかいし、凄く綺麗だ」 彼のテノールが背後から聞こえる。そう、何をいまさら。分かりきっている事実だ。 「っふぅぅっ♡しっ、てる…んぅ♡」 尻から離れた彼の手が、一度洗われて今度は胸に向かう。前戯の時のように、彼の腕が後ろから伸びて、彼女の爆乳を掴む。手のひらから零れ落ち、たぷたぷと揺れる乳肉が、徐々に泡で白く染まっていく。 尻に、彼の性器がぐにぐにと押し付けられているのを感じる。まあ、こいつにも性欲を感じる権利はあるので咎めないでおいてあげよう。 それに、こんなに美しい自分が目の前に居て、全身くまなく触っているのだ。むしろ興奮しない方がおかしい。 「…んぅっ♡っふぅぅっ♡♡っはぁっ♡」 胸の先っぽを洗われるだけで甘い声が漏れる。快感に身を委ねて、何が悪いのか。 肥え、脂肪で膨らんだだらしのない胸が彼の手によってぶよぶよと揺らされ、先端の膨らんだ乳首がむにゅんっと押し込まれる。 「んふぅっ♡♡…っふぅ、ふぅぅ♡……今晩、いいわよ…♡」 「本当?……嬉しいな」 「んふ…ふぅ♡」 たまには褒美を与えてあげなければ。これも主人として当然だ。 もっとも、結局彼女はそう言って毎日のように許可を出しているのだが。 だらっと垂れたぶよぶよの乳が泡まみれになり、彼女が甘くじんわりした快感に身を委ねている間に、彼がその手を腹肉に伸ばした。 脚の間に広がり、床についてしまう程巨大な脂肪の塊は、筋肉など一切感じさせずぶよんっぶよんっとぶ厚い段差が出来ていた。へその当りに出来た段差にはしっかりと汗が溜まる。 彼が、彼女の正面に回ってその腹肉に手を伸ばす。一方彼女はと言えば、ごろんっとタイルの上に仰向けになった。 「んふぅ…ふぅぅ…♡」 腹を持ち上げるのも面倒なので、勝手にやってくれと言う合図だ。 それに従うように、彼が彼女の腹肉を、床に接してしまう裏の方までしっかり泡まみれにしていく。ぶ厚く重たい脂肪を、ぶよっぶよっと揺らしながら。むわぁっと強烈な悪臭が広がる。秘部や尻や腹肉の下。そこに籠った臭気が一気に放出されたようだった。 「ん……」 流石の彼女も、少々顔をしかめた。けれど、腹肉越しに見える彼の表情はいたって嬉しそうだ。 「…っふぅ…嬉しい?」 「え?うん、凄く。だって君の全部を見せてもらってるんだし…」 「…ん、当然ね」 今度からは、トイレの時もこれに全部世話させてやろう。そんな事を考えていた。 腹の脂肪を隅々まで洗い、その腹で隠れていた太ももの付け根や、腰も泡まみれにする。 そして、秘部の方もだ。優しく、丁寧に、ゆっくりとなぞるように泡を広げていく。 「んふぅぅっ♡♡っふぅぅ…っはぁ…♡♡」 下腹部からじわじわと上ってくる快感に、彼女の声が甘くなる。もう長い事、彼以外の男性に触れられた記憶が無いが、彼で現状満足しているし、気にはならなかった。 「うん…シャワー、流すよ?」 「っふぅふぅ…♡……ん♡」 絶頂まではいかない、じんわりと残り続けるような甘い快感。仮に彼がその気でなくとも、今晩は挿入させようと密かに決心しながら、彼女は目を閉じ、シャワーを浴びる。 「よいっ…しょ……また、綺麗になったね」 シャワーが目に入らないように目を閉じているからか、彼のテノールが普段よりもここちよい。風呂場で反響するせいかもしれない。 「んふぅぅっ……っふ、ふぅ、はぁ…当然でしょ…」 彼の手を借りて体を起こし、ぜえはあと息を荒げながらも自信のこもった返事をする。 全身くまなくシャワーを浴びて、髪の毛まで洗わせる。それが終わる頃には、すっかり身体が火照って堪らない。 「ん、手」 「ん。よいっしょ…」 風呂場の手すり(引っ越した当初はついてなかったが、彼女が風呂場の椅子を嫌いタイルに腰を下ろすようになってからつけた)を掴み、彼に引っ張られながら重たい身体を持ち上げて、広い浴槽に向かう。 ただし、彼は彼女とは反対に、一度浴室を出た。 ざばぁんっ…! 普通に風呂に入っただけなのに、重たい音と大きな波が広がり、浴槽から大量にお湯が溢れた。 「ふぅぅぅ……」 身体の獣の脂肪が、ぷかぷかと風呂の中で浮く。まるでクラゲだ。彼女が膨らんだみたいにも見える。 結婚当初から随分増えた体重が一気に軽くなったように感じる。もちろん、感じるだけだが。長身かつ重度肥満な彼女が、手足を伸ばしてゆったりできる浴槽はやはり貴重だ。 結婚前に住んでいたアパートの浴槽など、今なら絶対に入れないだろう。などと思っていると、再び浴室のガラス戸が開く。 「はい、ベルギーのチョコにしたけどいいかな?」 「んー……いいわぁ…」 Lサイズ、凡そ500mLのアイスクリームを手に彼が戻ってくる。脱衣所の冷凍庫から取ってきたのだ。 気の抜けた返事をしながら、彼女がアイスのカップとスプーンを受け取る。風呂場の熱で既に少しずつ溶け始めているアイスを、大きな口で食べる。ひんやりと冷たく、火照った身体に染み入る。 彼が、その間に自分の体を洗う。あまり気にしていなかったが、以前より一回り大きくなったような気もする。それも彼女と違い、筋肉で。 もっとも、筋肉が多少ついたところで冴えないことに変わりはないし、何より自分の旦那なのだから他の女に手を出させるはずも無い。 「美味しー……」 風呂場で食べるアイスだけは、安っぽくべたべたに甘い方が染みた。業務用のただ大きいだけの物が、一番気に入った。 カレースプーンで、アイスをバクバクと食べていく。サウナなんかよりよっぽど温冷で心地よくなる。 しかし、浴槽に寄りかかったまま、浮力に身を任せた状態では少々食べづらい。 胸でアイスの容器を抑えているが、それでも太く贅肉のついた腕の、狭まった可動域では少々窮屈だ。 「えっと、一緒に入っていいかな」 「んふぅ…。こっち」 毎回、律儀に確認を取る旦那を手招きする。広々とした浴槽は、二人で並んで入る事も可能だ。 ちゃぷちゃぷと、彼女に比べて随分静かな波を立てながら彼が寄ってくる。 「ん」 「ん、わかった」 彼女がスプーンごとアイスの容器を彼に渡す。彼はそれだけで意図を理解し、彼女に密着するように湯船に浸かると、スプーンをでアイスを掬い彼女の口に運ぶ。 ほとんど大の字で湯船に身を任せる彼女に、腹の方に座り横向きになってアイスを食べさせる夫。この光景を、主従ととるか、給餌と取るかは難しいところだろう。 もはや自分の腕を動かす事すらなく、カロリーを溜めこんでいく。当然ながらアイスは段々と溶けはじめ、食べると言いうよりも啜るという表現が正しくなってくる。 「んぐ…っふぅ、暑……かして」 「ん、はい」 最早液体と言えるアイスを、容器ごと彼から受け取ると、そのまま容器に口を付けた。 「んっぐ…んぐ、んぐっ……」 甘く濃いチョコレートアイスを一気に嚥下していく。糖とカロリーが一気に身体に摂取され、脳が幸福物質を過剰供給しているようだった。 「んぐっ、んぐ、っふぅぅ、げぇぇっふぅ……はぁ、暑……出る。残り食べていいから」 「ん、ありがとう」 残り、と言ってもスプーンでひと救い分も無いだろう。彼が、それを掬って口に運んだ。同じスプーンを使う事にも、彼女は何の抵抗も示さなかった。 じゃばじゃばと水音を立てながら、浴槽から出て、そのままふぅふぅと荒い息で、浴室も出る。彼が慌てて後を追う。 珪藻土のバスマットを四枚敷いた所に彼女が立つ。一枚では太り過ぎた彼女の体がはみ出してしまった。突き出た腹肉や、溢れた脇腹から滴る水滴を吸収するのに、この量が必要だったのだ。 同様に出た彼が、バスタオルを取って戻ってくる。ふわふわで吸水性の高い高級品も、まさかこんな超肥満体型を拭くことになるとは思っていなかっただろう。 「んふ、っふぅぅ、っふぅ……着替えはいいわ」 「ん、わかった。……僕もそのままでいいかな」 「好きにしたら」 どうせこの後脱ぐわけだし。とは言わなかった。許可を与える立場の自分が、望んでいるように見えては困る。 「んっ…っふぅ、んふ……」 彼に全身をくまなく拭かせる。汗なのか水滴なのか分からない雫が珪藻土のバスマットに落ち、バスタオルがどんどん重くなる。既に、身体を一周巻くことは不可能で、だるんっと垂れた胸や腹をぺちぺちと揺らしながら、彼が肉の谷間まで拭くのが当たり前になりつつあった。 「うん、大丈夫。ドライヤーするね」 「ん」 髪の毛も乾かさせ、無事入浴の行程が全て終わる。もっとも彼女は基本座ってるか立ってるか食べてるかだが。 彼の視線がちらりと、脱衣所の隅で放置されている体組成計に向いた。自分以外に注がれる視線に目聡い彼女は、それを見逃さなかった? 「何?」 「え、ああ、いや……ううん、なんでもない」 「……乗って欲しかったら、北海道旅行。2週間」 「……うん、ありがとう。じゃあ、予定立てるね」 太り過ぎて暑がりな彼女は、涼しい所を所望することが増えた。イタリアやイギリス、ベルギーやドイツ、アメリカでも北の方など。 昔の彼女が思い描いていた南の島のバカンスなど、今の彼女には然程魅力はない。南に行くときはホテルの冷房の元、屋台や出店で大量に買い込んだ食べ物を貪るばかりだ。 そんな彼女の願いを、二つ返事で快諾した彼が、脱衣所の隅から体組成計を運んでくる。無論、彼女が動くことは無い。 持ってこさせた体組成計に窮屈そうに乗り、彼に持ち手を引っ張らせてそれを握る。腕を水平に前に伸ばせば、脇どころか胸まで侵食しそうな二の腕と、真っすぐ立っているのに目の前の持ち手にぶつかりそうな腹肉が目立つ。 「……ふぅん…」 ピピ、と軽快な音がして数字が並ぶ。 体重:172.6kg BMI:59.3 筋肉量や、体脂肪率、内臓脂肪レベルや筋肉レベルなんかも表示されるが、軒並み最低評価だった。 「…すごいね」 「……何が?」 既に興味を失ったように持ち手を彼につき返す彼女。どれだけ氷菓が悪かろうと、適正体重から+108kgと表示されていようと、わざわざ苦しい思いをしてダイエットしようなど考える事すらなかった。 「う、ううんっ……だって、こんなに太ってたら、普通なら見られたものじゃないでしょ?」 少々興奮気味な彼の口調に、彼女が口元を軽く緩める。何が言いたいのか、分かったからだ。 「それなのに、君はこんなに綺麗で……素敵で…他の誰よりも美しいなんて……」 「ん、当然でしょ……ほら、早く」 「うん、いこっか」 熱っぽい彼の言葉は、自尊心を満たすのに丁度いい。 体組成計から降り、彼に両腕を引かれながらどすどすと、重たくなった身体を揺らして寝室に向かう。 お互い全裸で、彼の固くなった性器や、彼女の弛んで垂れた脂肪が揺れる。 「あ、今度、手すりつけて」 「ん、わかった」 痩せる気など無いのだ。彼がいない時の移動にあれば便利だろう。そのくらいの気分で彼女は言った。それがどれほど退廃的な要望なのかなど考える気もない。 「あっ」 「……何?」 寝室で、冷凍庫から半分ほど凍らせた生クリームを取り出し、まるで栄養ゼリーのようにちゅうちゅう吸う彼女の横で、ベッドの上に吸水性の高いマットレスを敷く彼が、ふいに声を上げ、ベッドサイドの引き出しを開けた。 「あ、えっと……ゴム、切らしちゃってるみたいで」 そんなにシただろうかと考えて、そういえば毎日のように許可を与えていた気もする。 「んちゅ、んふ、いつも出し過ぎ。………………じゃ、無くていいから」 「えっ」 キスの禁止も、胸以外の禁止も、電気の禁止も、気づけば無くなった。そして、最後の一線も今消える。 「別に、生でいいし。んちゅ、んむ…んぐっ……」 「い、良いの?」 「何回も言わせないで。……んむ、ぁむ…んちゅ、んふ…」 まあ、子どもが出来たらその時考えよう。この体に顔をしかめた義母へのいい当てつけになるかもしれない。 それに、自分の美貌と、コレの容量の良さを受け継いだ子どもなら、まあ、産んでやってもいい。 「っふぅぅ、……じゃ、早く…んふぅ……」 生クリームのゴミを捨て、ベッドにごろんっと仰向けに寝転がる。 下半身の甘い疼きは未だ治まらない。正直、ゴムの有無などもはやどうでも良いと言うのが本音だ。 「え、えっと……じゃあ…」 彼が、いつものようにゆっくりと胸を触る。 敏感になった乳首は、だらりと重力に負けた胸の先端でピンと立ち、でろっと広がった乳房から主張する。 「んふぅぅ…♡♡っふぅぅ…♡♡」 彼が、彼女の開いた脚の間に身体を入れ、片方の胸をしゃぶり始める。母性などは感じないが、心地よいのは事実だ。 「んぅぅぅっ……♡♡っふぅっ♡っはぁぁ♡♡んっぅ♡♡」 顎肉と首の脂肪のせいでくぐもった甘い喘ぎ声。彼がしゃぶっていない方の乳首を太い自身の指で弄る。 ぶにゅぶにゅと高級なウォーターベッドのような手触りの胸肉が、ぐにゅんっと歪んで弾む。 「ううぅっ♡♡っふぅっぶふっぅっ♡♡♡」 可愛らしさの欠片もない喘ぎ声は、彼女の性感が高まってきた証だ。 「はぁ、いくよ……」 彼が胸から顔を離し、ベッドにうつ伏せになり、彼女の腹肉と太ももで隠れた秘部へ顔を埋める。 腹肉の上で左右に垂れた胸が、ヒクヒクと脈動する。 太り過ぎて、もはや自分では快感を得られなくなった秘部は、彼なしではもう満足できない。 くちゅ…くちゅ、くちゅ…。彼が丁寧に処理した陰毛の奥、膣の入り口を舌で刺激され、ドロッとした粘液が溢れる。 「ぶぅふぅっ♡♡っふぅっ♡♡んっぅっぐ♡♡♡っぉぉふっ♡♡」 ガクガクと腰を浮かせているつもりだが、重たすぎる体重のせいでベッドからは浮くこともなく、ただ腹を突き出して痙攣する無様な彼女。 声を上げまいと口を閉じる傍から漏れる喘ぎ声と、脂肪で埋もれ瞑っているのか、それとも快感で閉じているのかわかりずらい瞳。時折鳴るくぐもった息と声。 170kgを超えた巨体が、旦那の舌でヨガっている様はなんとも見るに堪えない。風呂上がりだと言うのに汗をダラダラと流し、マットを汚す。支柱の入ったベッドがそれでもギシギシ軋む。 「んっふっぅ♡♡もうっ♡♡いいからっ♡はやくっぅ♡♡っぅっふっ♡♡」 とても主導権を握っているようには見えない懇願に、彼がべっとりと秘部から溢れた愛液を拭う。 「うんっ、いれるよ……!」 薄いゴム0.1ミリの隙間もなく、肥えた腹肉を抱えながら彼が彼女の膣に性器を挿入していく。 「んっぅぅ♡♡♡おぉっ♡♡っくぅ♡♡♡」 太って贅肉に押されたのか、それとも長い期間をかけて彼の形に慣れたのか。どちらにせよ、一突きするたびに甘い快感が全身をかける。 彼が身体を揺する度、彼女の全身にだらしなく蓄えられた贅肉が、重たそうにゆっさゆっさと揺れる。 「んふぅっ♡♡♡っふぅっ♡♡っはぁっ♡んぉっ♡♡♡っぶふっ♡♡」 もはや隠そうともしない喘ぎ声をあげ、腹肉を波打たせ、垂れた胸をべちべちと揺らしながら彼女が快楽に耽る。 彼を性処理に使ってるという建前とは裏腹に、最早一人では満足に自慰も出来ないぶくぶく太った身体が、起き上がりすらできない重たい脂肪を揺らしながら彼の性器に突かれてよがる。 「はぁっ…凄いっ……気持ちいい…!」 「ぶふぅっ♡♡とうぜんっ♡♡っふぅ♡♡っほぉっん♡♡♡」 もはやどこからどう見ても、太り過ぎた体を犯され快感によがってるだらしない雌でしかない。 彼の背中に丸太よりも太く、しかしほとんど筋肉の衰えた脚を巻きつけ、ぶるっぶるっと揺れる二の腕を持ち上げ、彼の身体を抱き寄せる。 「んふぅっ♡♡んちゅっ♡♡っむぅ♡♡ぶふ♡っふぅう♡♡♡」 キスを禁止していたのはどの口か。そう思う程熱く唇を重ね、くちゅくちゅと舌を絡ませあう。 彼の両手が、彼女の山脈のように窪んだり盛り上がったりと段差の激しい腹の贅肉をむんずと掴む。太り過ぎて、全身が脂っぽい汗をかく脂肪まみれの彼女の体は、そこを掴むのが一番だった。 左右10本の彼の指を飲み込んだ腹肉が、彼女の体ががくんっと跳ねる度に大きく波打つ。 「んふぅっ♡♡♡んぁぁっ♡♡んちゅ♡♡ふぅっ♡」 すっぴんで、唇を尖らせ、ヨダレを口の端から垂らし、汗で髪を額に貼り付けた顔で彼の唇を貪る。全身の贅肉を、みっともなくぶよぶよと揺らす。 全身からはムッとする強い汗の香りと、顔をしかめたくなるような濃い雌の臭いが立ち込めている。 もはや、美しさの欠片もないはずなのに、彼はそんな彼女に何度も性器を突き立てる。 「んっ…っふっ……っく、っはぁ……で、でるっ……!」 「ぶはぁっ♡♡いいからっ♡♡♡だしてっ♡♡ナカにだしっ♡♡なさいっ♡♡♡♡」 命令にはとても聞こえない。懇願のような声。彼が、息を飲み、くぐもったうめき声を漏らした。 「っっ…っくぅっ…!」 どびゅるるるっ!どぶびゅぅぅっ!彼女の膣内に、初めて精子が放たれる。 「んっふぅぅうっ♡♡♡っはぁあんっ♡♡♡♡おぉっくっ♡♡ぶふぅんっ♡♡♡んぅぅっ♡♡♡♡♡」 ぎゅうっと彼を抱きしめ、贅肉に押し付けるように身体全体で精を受け、ガクガクと脂肪を震わせる。 真っ新だった膣内に、彼の精子がどくんっどくんっどくんっと注がれる。熱く粘ついた子種が、太り過ぎた彼女を孕ませ、更に身体を変えようと跳ね回る。 「んんっぅう♡♡♡♡っふぅぅっぅ♡♡♡♡っくぅぅぅぅ♡♡♡♡♡♡」 ぶしゅっぅ!彼の性器を飲み込んでいる秘部から透明な液体が溢れる。鼻につく様な臭いが一層濃くなり、吸水マットレスがどんどんと濡れていく。 どびゅぅぅぅっ!どくんっどくんっ!! ぶしゅぅぅっ!ぷしぃぃっ!ぷしゅっ!ぷしゅぅっ! 彼の精子が放たれるのに連動するように、彼女が潮を吹く。彼の身体を受け止め、ぶよぶよと波打つ腹肉や、ぶるっぶるっと揺れていた太ももにまで飛び散り、風呂に入った意味が無くなっていく。 「っふぅぅぅ♡♡んふぅぅぅ♡♡ふぅぅぅ♡♡ぶふぅぅぅ♡♡」 荒く、くぐもった息を吐きながら彼女が絶頂に達し、何度も全身の贅肉をぶよんっと思い切り波打たせる。170kgを超えた肥満体が、ダラダラと汗を流しながら快楽に暴れていた。 どくんっ…どくっ……どくっ…… やがて、彼の性器が最後の一滴まで精子を放ち終わる頃には、どちらも、息も絶え絶えだった。 「はぁ……はぁ……大、丈夫……?」 「んひゅぅぅ……♡♡ぶぅふぅぅ…♡♡ふぅぅぅ……♡♡」 彼女は、返事をするのも億劫といった様子だ。 どすんっと両足を彼の身体から離す。潰れたカエルのように脚を開いて仰向けに寝そべり、弛んだ腹と胸を上下させながら、時折くぐもった甘い声を漏らす姿は、1000年の恋も冷めてしまいそうだ。 「…はぁ、ふー……凄く、気持ちよかった……ありがとう…」 「っふぅ、ふぅぅ…♡……ん…♡」 多少余裕のある彼が、ベッドサイドの引き出しからタオルを取り、彼女の胸の谷間や、胸と腹肉の間、ぶよぶよと重なった脇腹や、二の腕で密閉された脇の汗を拭う。どこも、酸っぱいような甘いような濃い臭気がして、ひどく臭い。 特に秘部のあたりはひどい。精子と、潮と、汗と。色んなものが混じった強烈な臭いは、部屋中に染みついてしまいそうだ。明日、ハウスキーパーが顔をしかめたくなるのは間違いないだろう。 汗と、溢れた精子と、潮を含んでぐっしょり濡れたタオルを洗濯機に入れる為、彼がベッドから立ち上がる。 「ふぅぅ……♡♡はぁ……ナマで…しかも、ナカ出し……♡♡んふっ、ふぅ……♡♡」 もちろん、直ぐ子供が出来るとは限らない。しかし、こんな行為を続けていれば彼女の脂肪で膨らんだ腹に胎児が宿るのは、そう遠くないだろう。 「……んふ…♡♡……ふぅぅ…♡♡♡」 「ふぅ……飲み物、持ってきたよ」 彼が戻ってくる。彼女のお気に入りの甘い甘い100%果汁のジュースを、瓶ごと。 ベッド脇のテーブルに置き、彼女の身体、背中に手を入れて体を起こす。 「んふぅぅっ…♡♡ふぅ、はぁぁ…んぐっんぐっ……っげふぅぅっ…♡♡」 まるで哺乳瓶でも咥えるみたいに、両手でジュースの瓶を持ち、ラッパ飲みする。彼が横で、炭酸水を口に含んでいた。 「……ふぅ…寝る…ん」 「ん、洗面所、行こうか」 脚に力が入らない。彼に両手を引かれて、さっきよりもずっと緩慢な動きで洗面所に向かう。 腹の奥では、まだ熱い彼の精子がぽちゃぽちゃと動いているような感覚がした。 「……ま、いっか…ふぅ、ふぅぅぅ…♡♡」 彼女はそう言うと、洗面所につき、歯を磨き始めた。一日のうち、ほとんど唯一、一人で出来る行為だが、セックスの後は疲労感が強くて、腕を上げるのが少々面倒くさくなってきた。 「どうも、皆さんでご旅行ですか?」 「え、ええ。……そちらは?」 「うちも旅行なんです。北海道に」 彼が朗らかに会話をする。このマンションも住み始めてしばらく経っているし、住人も顔なじみが増えた。 今、まさに彼女に目をやりギョッとし、不快感を隠そうともしない中年女性のグループもそうだった。 「暑くなってきましたから、避暑も兼ねて。妻も好きなんですよ、旅行」 「そ、そうなの。仲が良くて羨ましいわ…」 顔こそ夫の方を向いているが、視線はチラチラと、その隣でムスッとした顔を隠そうともしない巨体……彼女の方を向いていた。 色々と思うことはあるのだろう。その身体で旅行?だとか、暑くなって来たのはその体型のせいでは?とか。 もちろん、口には出さないが、視線は不躾だった。 「あ、どうぞ」 一階についたエレベーターが、ドアを開ける。彼がボタンを長押しし、奥様方がエレベーターを出ていく。鼻のあたりを抑えるようなジェスチャーがチラリと見えた。 「なんであんなの……」 「旦那さん、別れないのかしら」 「いやね、ぶくぶく太って。みっともない」 「前は綺麗だったのにねえ…」 エレベーターを降りたところでそのまま下世話な会話が始まる。もちろん、エレベーターを閉じた中の二人には聞こえない。 一方、こっちも彼女が口を開いた。 「変?」 「全然。……良い匂い」 彼女が彼に視線だけで問いかけ、彼が首を振って彼女の首筋や胸元に顔を寄せる。エレベーターに二人だけだから出来る行為だ。 もちろん、この肥満体系で、なおかつエレベーターまで数mだが歩いたのだ。汗をかき、ムッとする臭いはする。いくらなんでも先ほどの女性たちまで漂っていたかは怪しいが、心地よい臭いとは言えない。 「ん。じゃあいい」 「うん、そうだね」 地下駐車場に着いたエレベーターが、二人を吐き出す。これから車で空港に向かい、フライトだ。もちろん、飛行機はファーストクラスである。エコノミーの狭い席には彼女は到底収まらないし、どうせ三人分座席を購入するのだから、それなら快適な方がいいとのことだった。 ちなみにタクシーを呼ばないのは、彼女の重たく太い体を満足に収められるタクシーを待つより、自家用車で移動したほうが圧倒的に楽で快適だからだ。 積載量と広さを重視したバンの後部座席に彼女が乗り、彼が運転席に座る。助手席は極限まで前に出しており、彼女は彼に渡したスマホをカーステレオに繋がせた。 「フライト午後でしょ。ここ寄って」 「ん、わかった」 彼女が、もう一台のスマホを取り出して彼に渡す。モンスターサイズのシュークリームが話題の喫茶店だ。SNSで見たのだろう。 「凄いね。美味しそう」 「一口、それ以上はあげない」 「ん、わかってる」 なんだかんだ言いつつ、彼女は一口なら必ず分けてくれる。普通の量で十分満足できる彼にはそれで十分だった。 「楽しみだね。北海道」 「ん」 汗を軽く拭いながら、彼女は当然のように頷いた。 「んふ、っふぅ…んちゅ、んふ、ぐぇっふぅ…♡」 品のない咀嚼音が響く。ソファベッドにどっかりと座ったまま、もう2時間はただ食べているだけの巨大な贅肉の塊から発せられた音だ。 もはや慣れた様子のハウスキーパーが、マスクの位置を少しずらし、テーブルの上のゴミを回収する。 今日は甘い物の気分なのか、チーズケーキのホール。プリンが36瓶。イチゴやブドウ、モモのフルーツサンドに、チョコレートをたっぷり纏ったロールケーキ。 それらを全て胃に収め、恍惚の表情で膝まで広がった腹肉をぶよぶよと撫でた。 「ふぅぅ…ふぅぅ…♡♡」 浅く息を吐き汗を軽く拭う。彼がいないとまともに動く気にもならず、ヘルパーに頼まなければトイレすら怪しい。 甘ったるい匂いと彼女の放つ強い汗の匂いが広いリビングに漂う。 ハウスキーパーもヘルパーも女性で、どちらも少々ふくよかだった。 彼が面接した女性たちは、彼女のぶくぶくに肥えた身体と、野放図に飲み食いし、ほとんど人間らしい活動をしない姿を見てダイエットに励んでいるらしい。 テレビからは、各局のグルメコーナーや話題の取り寄せ品を特集したコーナーを録画したものが流れている。 ちょうど、生クリームとカスタードクリームを大量に使った背徳エクレアが紹介されていた。 「ん……ねえ」 彼女がヘルパーに声をかける。ぽちゃっとした女性が冷蔵庫を開け、まさに今特集されているエクレアを取ってきた。 「んふぅぅ♡♡ぁあむっ…♡」 数人で分ける事を想定とされた大きさの、一本2000円以上するエクレアを、まるで飲み物のように口に運ぶ。現在半年待ちとテレビでは言っているそれが、購入限界の3本。 一本、二本と丸飲みのように食べ、唇周りのクリームを舌で舐めとる。 「げふぅ…♡♡んふふぅ♡♡」 贅沢の極みのような生活に満足し、もはや一人では何もできないほど太ってもなお彼女は満足げだ。 3本目のエクレアに手を伸ばしかけ、その手を止めた。 「ふぅ…これ、戻しといて」 ヘルパーにエクレアの箱を指差して指示をする。どうせなら、アレにも食べさせてやろう。 「んふ…寝るから…げふぅ……♡♡」 ソファにもたれかかったまま、食べたいだけ食べて眠りに落ちる。ぐぅぐぅと大きないびきをかきながら。 「んむぅ…♡♡っふぅ、んむ…♡」 「美味しい?」 「ん」 エクレアのクリームが彼女の顎の脂肪を伝って胸の方に落ちた。服は既に彼に脱がさせた。ハウスキーパーやヘルパーがいる時は一応Tシャツを着、ハーフパンツを履いているが、腹肉は隠れておらずブラもしていない。今は、その最後の砦すらなかった。 最後の一欠けらを彼の手から食べ、満足げに頷く。 「美味しかったね。また今度買おうか」 「ん。……そっちも」 「うん、あーん」 「ぁむっ…♡♡んふぅ♡♡」 彼の手が、彼女の口に唐揚げを運ぶ。夜食……なのだろうけれど、もはや彼女が何かを口にしていないのは、排泄している時と寝ているとき、それからセックスをしている時くらいだ。夜食とわざわざ分ける必要があるのか怪しい。 甘いエクレアとしょっぱい唐揚げを交互に食べ、満足げな彼女。でんっと突き出し、脚の上に乗った腹肉は常に胃袋に食糧が詰まっている。 そんな胃袋に彼が顔を寄せた。 「綺麗だよ、世界一綺麗だ……」 「んふ、当然…げえっふ♡♡」 五人は余裕で座れるだろうL字のソファベッド。その角のもっとも座面が広い所に陣取った彼女。そして、彼がわざわざ椅子を持って来て彼女の正面に座った。食事を食べさせるのも、彼女を愛するのも、一番都合がいい。 腹に大量についた脂肪を下から触る。重たすぎて、持ち上げるのすら一苦労だ。むわぁっと濃い汗の臭いが異臭のように広がる。 「はい、あーん」 「んぐ…んむ…♡……んー」 「よっと…ん、綺麗になったよ」 「ん」 口周りについた油を彼が拭う。もはや、彼女は自分の腕すら使わずにカロリーを供給している。 2kgあったはずの唐揚げの山は、あっという間に胃袋に消える。こだわりの材料と製法で作られたそれは、一般家庭ならご馳走だろうが、彼女には少しの空腹を埋めるつまみにしかならなかった。 彼の愛情とカロリーを蓄え、ぶくぶくと肥え続けてもなお、彼女は満足だった。世界のどこにも、自分ほど愛された女も、自分ほど何でも手に入る女もいない。そう思う程に。 「綺麗だよ、本当に。愛してる…」 彼がうっとりとした表情で、彼女の身体に抱きつきながら囁く。 「んふぅ…知ってる…♡」

奥様は美女(?)後編

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