【TRPG】上手なGMとは
Added 2020-05-06 17:42:26 +0000 UTC先日、配信者仲間でもある友人から「上手なGMになるためにアドバイスが欲しい」という相談を受けた。
僕自身そこまでびっくりするほど上手なGMだとは思わないので「僕がそんな事上から目線でアドバイスするのはおこがましい」という前提で、でも自分なりに思っていることを伝えてみたりした。
備忘録的にここに書き記す。
「上手なGM」って何だろうか。
僕はGMなんて別に上手じゃなくてもいいと思ってるのだけれど、いきなりそれを言っても乱暴なので順を追って話していく。
TRPGというゲームの勝利条件は、システムやシナリオ、プレイヤーたちの趣味嗜好などによって様々だが、おおよその場合は「ゲームを通じて楽しい体験をし、共有する」ことだと思う。
つまりシナリオ攻略や、あるいはPvPシナリオにおける「対決での勝利」などのゲーム性が、大事な要素ではあるものの、ゲームそのものの勝利条件に直結しない。シナリオを攻略できても、生還しても、PvPに勝利できても、楽しさを共有できなければTRPGそのものの勝利条件を満たさない。
「上手なGM」という言葉は、人によって実に様々なイメージを持って語られる。
たとえばゲームのルールに習熟し、素早く破綻なく整然とルールを運用できる能力をイメージする人がいる。
あるいはプレイヤーが行ったロールプレイ(演技)に対し、素早く的確に、機転の効いた、あるいは感情に訴えかける素晴らしい演技を返せる能力をイメージする人もいる。
もしかしたらマスタリングとは関係なく、楽しいシナリオを作ってきてくれるシナリオライターなどをイメージする人もいるかもしれない。
実は、ここで抜け落ちがちな要素が一つある。
「上手なGM」という言葉は、「上手くやる」という言葉の意味合いが強いことから、「頭がいい人」というイメージを持ちがちだ。
上にあげた3例も、ベクトルが違えど全て「頭がいい人」に分類されるだろう。
しかし、だ。
実はGMが何もしなくたって、ほとんど頭を使わなくたって、絶対にTRPGというゲームの勝利条件を満たせてしまう(=楽しい体験をし、共有できる)というセッションのセッティングが存在する。
それは「プレイヤーを、一緒に遊んだら絶対楽しい人たちで揃えた」セッションだ。
実はこの「いいプレイヤー」を揃えるという能力こそ、最も強力なGMの武器になり得ると考えている。
どれだけルールをクレバーに運用しても、演技がどれだけ素晴らしかったとしても、シナリオがどれだけ出来が良かったとしても……そこに自己中心的だったり悪意的であったりつまらなそうにしていたりするプレイヤーがいると、セッションは往々にして楽しくなくなってしまう。
逆に、どれだけルール運用がめちゃくちゃであっても、演技がたどたどしかったりしても、クソシナリオでも……「いいプレイヤー」が集まるとセッションは往々にして楽しくなってしまう。
これは、TRPGがコミュニケーションそのものをOSとして動いているゲームだからだ。
楽しいセッションとは、楽しいコミュニケーションに他ならない。
「いいプレイヤー」というのは、全力で楽しもう・楽しませようという姿勢をもったプレイヤーのことだ。そういう姿勢をもったプレイヤーたちで、しかも楽しいと思うセッションの趣向が近い人達どうしを揃えたセッションは、GMが特に何かしら頑張ってアクションをしなくたって、大概めちゃくちゃ楽しいセッションになる。
いいプレイヤー達に好かれ、愛され、信頼され、彼らを集めることができるGMこそ、実は最強のGMなのではないかと思っている。それを決めるのは「頭の良さ」ではない。「人柄」だ。
そしてきっと、それは「いいプレイヤー」と同じく、全力で楽しもう・楽しませようという姿勢をもった人なのではないかと思う。