こんにちは、だんれんじです!
少女汚染メイキングの続きです。
今回は、NG表現についてです。
ネームを提出した後、担当さんから指摘をもらいました。
その中でも「あ、これは世の中に出してはダメなんだ」と自身の倫理観を改めたものを中心にご紹介します。
その前に、ネームをみてもらった担当さんのご紹介です。
今回ワニマガさんで描かせてもらうきっかけとなったのは、
拙作「拉致された子どもとその実験記録」公開直後にPixivにきたメッセージでした。
実を言うと、当時、ありがたいことにお仕事の話を何社かからいただいていました(が、お断りしていました)。
多くの場合、お仕事の依頼は以下のフォーマットで送られてきます。
・名乗り(XX社のYYです)
・作品の感想
・金額の話(ページごといくらとか)
しかし、今回送られてきたメッセージは、明らかに異彩を放っていました。
スクロールしても延々と続く……。
1600文字ほど作品の感想文がひたすらにつづられていました。
メッセージの最後には「一緒に仕事がしたい」とあり、ここで初めて仕事の依頼だと認識しましたが、肝心の送り主が名乗っていません(ユーザー名も無かった)。
ただわかるのは、この送り主が、自分の感性を言語化するのに長けた変態の方だということだけでした。
(正体不明なので)返信するかかなり迷い、一週間ほど開けて「どなたでしょうか」とお返ししたところ
1時間もたたず、1500文字ほどの返信がきて再び戦慄。
(結局、のちのやり取りで、送り主がワニマガの編集さんだということが判明)
私は、自分が普段描いているものは商業誌に出せないだろうなという思いから、お仕事のご依頼には消極的でした。
しかし、これほど強烈なメッセージを送ってくるのはどんな人なんだという好奇心から、お仕事をお引き受けする形となりました。
また、これほど私の作品を読み込んでなお依頼してくるのだから
・公に出してよいラインを熟知した方なのだろう
・最悪、多少のアウトもお目こぼししてくれないか?
という打算もわずかながらありました。
打ち合わせ中も「何とかOKにならないか」という話を何度もさせてもらったので、これからご紹介するNG表現は、たぶん本当に世間に出せない表現なのだと思っています。
上記の担当さんと実際にお話しし、どんな内容を書きたいか打ち合わせをした後、ネームを提出。
するとすぐに、「直してほしい箇所がある」とのことで、通話でネームを1か所1か所確認していきました。
以下は、その指摘と感想です。
・指摘1「誘拐」はNG
1ページ2コマ目
商業誌って大変だなあと思ったのは、文字としてのNGワードが多々あることでした。
商業誌として公開する以上、暴力や未成年飲酒の描写がNGだという認識は、さすがの私も持ち合わせています。
ですので、ネームの提出段階で、各表現に「これは大丈夫だろう」「これはヤバいか?」とアタリをつけていました。
しかし、この1ページ目の指摘は完全にマーク外だったので「思った以上に厳しいぞ」と認識を改めたのを覚えています。
というのも、この「誘拐」という単語、実際に誘拐行為を描写しているわけではなく、ただ文章として書いただけ。
これでNGということは、この話の根幹から描けないから全部ボツ……? と一瞬、脳裏をよぎりました。
しかし提示された修正案に拍子抜け(?)しました。
「誘拐」を「行方不明」に変更すればOKとのこと。
どうやら、犯罪行為の明記がNGらしく、「結果としてそうなってるけど、実際のところはわかりません」というふわふわした言葉ならよいそうです。
「性器のモザイク」と同じ理論なんだなと納得し修正。
「行方不明」以外にも、いろいろなふわふわ言葉を検討しました。
●2ページ目4コマ目 「誘拐」⇒「再矯正」
ネーム
原稿
●3ページ目6コマ目 「誘拐犯」⇒「者たち」
ネーム
原稿
・指摘2「パパママ」はNG
15ページ3コマ目
誘拐犯(ここには気兼ねなく書けます)に少女が剥かれるシーン。
叫び声に「パパ」「ママ」と書きましたが、これはNG。
「放して」と発言を自立させるよう指摘されました。
これも完全にマーク外。
幼児性を少しでも匂わすとNGなんですね。
自身の性癖的なところからも何とか通らないかと「ここで親を出すことで、富裕層(親)⇔貧困層(誘拐犯)の対比を明らかにしたい」と適当な理屈をでっち上げてゴネてみました。
しかし、「なんとか我慢してほしい」と、それまでの和気あいあいとしたエロ談義の雰囲気から打って変わってとても神妙なトーンで言われたので、ああ、ここは本当に許容できないラインなんだなと理解しすぐ引き下がりました。
ロリ描写に対する厳しさが物語る、エロ業界vs世間からのクレームの歴史の長さを感じ取り一人で感動した記憶があります。
・指摘3「タバコ」はNG
20ページ2コマ目
女の子がタバコを吹きかけられているシーン。
これはネームだと、タバコをむりやり吸わされていました。
清潔なものがムリヤリ汚されるという点でテーマ的に入れたいシーンでしたがNG。
(いままでの予想外の指摘と違い)案の定のNGでしたが、どこまでがセーフなのか商業誌フィルターのラインを知りたく、あえて強めに描いて提出しました。
検討の結果「煙を吹きかけるくらいの描写にとどめてください」とのこと。
ほかにも、類似の指摘で以下のようなものがNG。
6ページ5コマ目
⇒クスリはNG。
22ページ3コマ目
⇒もうちょっと抽象的に
これらはネーム時点で弾かれてしまい残念でしたが、このことが「fanbox用の別サイド」の話を描く決め手になりました。
商業誌フィルターも、見方を変えれば、よりNG性の強いR-18要素を抽出してくれる装置として機能してくれるとわかったからです。
ちなみに、このタバコを吸わせるシーン、私にとって最大級にエグいシーンのつもりで提出したのですが、担当さんが「(NG出さずに)吸わせたいですね~、マ*コにタバコよりはマシですけどね」ともっと怖いことをサラッと言ってて、やっぱりプロはすごいなあと思いました。
また、上記とは別に、単純に私のつたなさでNGが出たところとして、冗長な文章をかなり削られました。
⇒説明長すぎ
⇒語りすぎ
実際の誌面では、初めと終わりの文章がかなりスッキリしていると思います。
これは本当にありがたかったです。
というのも、いつもは一人で作っているため、ネーム完了後も推敲し続ける必要がありました。
作画しながら「この文章は冗長か? 伝わるか?」と考えている(場合によっては、それに引きずられて作画も修正する)のは非常に負担が大きかった。
ですので、第三者の目で事前にOKが出ていると安心して作画工程に専念でき、とても助かりました。
以上、指摘されたNGのご紹介でした。
暴力や排せつ、獣姦など、一般的にR-18Gとされるものの画的描写がNGなのは予想がつきましたが、それを「文章として明記するだけでもNG」であることが発見でした。
※これはむしろ一般誌や少年誌のほうが緩いのでは? とさえ思っています。「誘拐」等は普通に聞く気がしますし。この辺は、成人向け漫画の自主規制の厳しさを強く感じました。
ただ、逆に「示唆する表現」内であれば、R-18Gも盛り込めるんじゃないか?という仮説が立ったので、次作以降に試していきたいと考えています。
***
以上で、少女汚染のメイキングを終わります。
ふだんR-18Gを描いてるけど、急に商業に出すこととなって困っている……といった方のご参考になれば幸いです。
その他、何かお聞きしたいことがありましたら以下よりどうぞ!
https://peing.net/ja/danrenji
長文でしたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
※あと、Pixivのメッセージを晒すことを快諾してくれた担当さん、ありがとうございます……!
だんれんじ
傘地郎
2022-03-31 14:05:11 +0000 UTC