幼少の頃より孤児院的な施設で共に育ち、お互いにお互いが全てだったあの頃。
「……ひでぇ世界だよな」
タクトはある日、満点の星を眺めながら呟く。
座布団代わりの草むらはゆるゆると服に擦れ、隣に座る少年とタクト自身の体温を、ほんの少し奪っていった。
「急にどうしたの、たぁ君?」
お気に入りの丘の上。
町々の明かりが遠くに光り、地平線が隠されたこの場所からは星空と変わらない。
2人だけの世界。
今だけは、そうでいられる場所。
「俺たち、だって何も悪くないじゃんか。でも、あいつらは悪い事してるのに、あれなんだぜ」
昼間、国を動かしている偉い人たちが「シサツ」とやらで訪ねてきた。見下したような笑顔、傲慢な態度、厭味ったらしい口調の人間が、同じような金魚のフンを連れて動き回り、横にいる院長にアレコレ聞いている。
その腹は初めて見るくらいに膨れ、それを包む服は見たこともないような豪奢な装飾が施され、丸太のような首や脂っこい指には、キラキラした金属や半透明の石のようなものが散りばめられていた。
一目で、恵まれているとわかった。
アレ、とはつまり、彼らの事だろう。隣の少年もそう思える程度には、その光景は衝撃だった。
院長からは毎日、『善い行い、優しく謙虚な振る舞いこそが神に愛されるのです』と聞かされていたから、余計に。
「あぁ…あれね」
「絶対優しくないぞ。院長、何回か怒鳴られて縮こまってたし。だいいち来ていきなり「なんだこのマズイ茶は?」だぜ?」
「この日の為にって、無理して買ったお茶なのにね」
「そのせいで次の日の俺たちのメシ、葉っぱだったじゃん。その辺の」
「…3食、ね」
「…こんな世界、絶対おかしい。みんな平等じゃないのは仕方ないけど、頑張ってるやつが頑張っただけ幸せになるような…そんな世界になればいいのに」
輝く星空を眺めながら。呟いた一言。
何の気なしの、愚痴。
しかし隣の少年からの同意はしばらく聞こえず、不審に思ったタクトが思わず顔を向けるほどの時間が経過した。
そしてタクトが見た少年の顔は、
今まで見たこともないような表情だった。
「——そうだね、たぁ君」
そして呟く。
「ボク、頑張るね。たぁ君が幸せになれる、頑張った人が頑張っただけ幸せになれる世界。造って見せる」
「お、おう…?」
「そのためには、まず頑張ってないのに幸せな人たちに――」
そこから少年は独り言をつぶやき続け、まともに話が出来なくなった。
そして翌日、彼は消えた――。
みたいな感じの幼馴染が、旅を続けていく内にラスボスだとわかり、長い時間をかけて対峙。満面の笑顔でタクトを歓迎し、「これでまた一緒に、こんどこそ幸せな世界で過ごせるね!」と喜んでいたものの、待っていたのは「いらない」というシンプルな一言…。
「お前が作ったのは皆が幸せになる世界じゃない。お前に逆らったらみんなが殺されてしまう世界なんだよ」
と、淡々とお説教され、タクトの為だけにどんなに苦しくても辛くても、タクトを幸せにしたい一心だった少年が、そのモチベーションそのものから全否定されてメッチャショック受ける瞬間…!!!
朝は頭が冴えますね(笑)
まぁここから半狂乱になった少年との最後の戦いが始まるわけなんですが、いろいろこみ上げてくる熱い展開になること間違いなしでしょう。
皆さんはバトルものに限らず、「日ごろから思い描いてはいるけど、こういうのあったらいいなぁ」みたいなシチュはありますか?
良かったら教えて欲しいです!
以上、しょっちでした!!
しょっち@気ままにやってきます
2024-05-11 10:37:52 +0000 UTC藤原妹紅
2024-05-11 10:31:25 +0000 UTC