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健ちゃんに向かって突進してくる殿様に向かい、それでも健ちゃんの顔は冷静でした。
そして刃がその肌を切り刻むか、という刹那、健ちゃんの口が開きます。
「ーーわざとなんでしょ?」
ぴたり、と殿様の刃が止まり、そして片方になった目でギロリと睨みつけました。人ひとり死にそうな勢いでしたが、健ちゃんは全くひるみません。
「殿様。あなたはずっと、孤独だった。そして、待っていたんじゃないですか? 殿守護神三人衆を打ち破り、自分の所へ来ることが出来る、強い者を」
黙って聴く殿様。他の者も何が起きているのかわからず、ただ健ちゃんの話に聞き入っています。
「村に突然、無理な選択を突きつけてきたのは、わざと反発させるため。兵士がいないのは、がら空きだと油断させるため。そして殿守護神三人衆は、守る為じゃなく、「自分と会うことが出来る条件」として設置した。違いますか?」
健ちゃんは、恐ろしい仮説を言い始めました。
そう、これは殿様が『遊んで』いたということなのです。
わざと村にヒドイ選択をさせ、従えばよし、逆らえばなお良し。なぜなら自分と戦うという事であり、それをこそ、殿様は求めていた。
しかし戦いのプロである兵士の軍団を前にしては尻込みするだろうし、有能な人間ならそんな選択はしない。
だからわざと兵士をほとんど眠らせ、攻め込みやすくした。
しかし雑魚が何人来ても困るので、『条件』として殿守護神三人衆を待機させておいた――。
つまりは、そういうことです。
それに対し、殿はニヤリと笑って、こともなげに告げます。
「正解だ。貴様、我が軍の軍師に迎えてやろう」
黙って見つめる健ちゃん。乳女んやハヤタもこの事は聞かされていなかったようで、目を見開いて殿様を見つめます。
「――この世に必要なものは、ただ一つ。何でもいい、力なり!」
叫び、殿様は続けます。
「他の全ての村に同じ言葉を送った。しかし軟弱なことに、全て『人権は要りません、年貢を減らしてください』だった! そんな村は要らぬ、人権がないので人ではない。『駆除』してきたわ! 年貢はなくした! 約束は守るのだ!」
一気に走る、戦慄。太郎たちの村も、あと少しでこうなるところだったのです。
「しかし貴様らは向かってきた! 己の尊厳の為に、歯向かってきた! そうよ、これぞ人間!!!!! 感心したぞ!!!」
たっぷりと間を作り、今度は溜息でも吐くかのように殿様は続けました。
「この世は腐っておる。名家に生まれたというだけで、なんの力も知恵もない愚者が金をもらい、有能な者を顎で無為に使っている。大事なのは血ではない。金ではない。個の力よ。能力、知力、腕力、…何でも良い。力のある人間が、ない人間を使うのが理想だ!!!」
一息つき、今度は嬉しそうに口角を上げ、虚空を仰ぎます。
「貴様らの村は、謀反を起こすという行動力、村を一つにする説得力、結束力、そしてここまで来た様々な力があった。賞賛に値しよう。貴様らは生かしておいても良いぞ? まぁ、そもそも有能な村ではあった。儂の無理な要望に、黙って応じつづけるだけの生産力は大したものだったなぁ…ははは!」
大笑いした殿様に向け、今まで黙っていた健ちゃんが口を開きます。
「…それで、」
しかし、
その話を遮るように、もっと大きな声が響き渡りました。
それは太郎が発した、怒りの言葉でした。
空気の響きが感じてと取れるほど、それは大きく、悲痛な声でした。
殿様が黙って聴いています。
「お前は! 力を試すために――それだけの為に! 村の皆に無理させてきたのか!!! それで…それで、俺の父ちゃんは…!!!」
「…狂った、とでも言うのか? それは残念だ、力無き者はこれだから――」
瞬間、太郎はとびかかります。
「父ちゃんのことを悪く言うな!!! 父ちゃんは、父ちゃんは…世界で、一番、一番一番、強いんだあああああああああああ!!!!!!!!!!!」
刀を両手に握り、勢いよくとびかかる太郎。そして、余裕の表情で迎え撃つ殿様。
「太郎君!」
援護しようと、他の全員も殿様に掛かります。
それでは、皆様に最後の質問です。
このあといろいろあるわけですが、どんな感じに終わって欲しいですか?
(いやそこ聞くんかい!!!)
いろいろあるわけですよ。勧善懲悪でちゃんと殿様の息の根を止め、新たな国が生まれるとか、いっそバッドエンドで後味悪くとか、殿様をわざと生かしておいて新たな道を歩ませるとか、そんなもんテメェで決めろとか(笑)
お好みのエンドをお聞かせください!
しょっち@気ままにやってきます
2022-06-03 11:30:37 +0000 UTC藤原妹紅
2022-06-03 10:33:03 +0000 UTC