本記事は、「冒色の性夢-12」の下書き段階の文章をそのまま投下したものになります。そのため、完成品とは内容が異なる場合がございます。
その点を理解した上でそれでも読みたいという方は、どうぞご覧になってください。
前回の下書きの続きとなります。
室内に入ると、適温よりやや暑めの空気が僕を迎えた。
室内を三歩ほど歩いて、僕は周囲を見回す。
堅苦しい内容の書かれたプリント、薬品群に医学書籍類、中型の本棚に飾られたぬいぐるみの癒やしムード。
よくある学校の保健室だ。
ただ残念なことに、一見したところ鍵を運べるようなポケットつきの白衣や袋の類は見つからない。
備え付けのベッドは二つあるようで、それらを囲んで守るように天井のカーテンレールが領域を隔てていた。
片方のベッドはカーテンが開いていて、誰も寝ていない。
もう片方のベッドはカーテンが閉じていて、仕切られている。
……スゥ……スゥ……。
「ッ! 寝息が……?」
小さな音だが、聞こえた。
呼吸音だ。カーテンの向こうから。
誘惑美女が一人、あるいは二人、カーテンの向こうでベッドに寝ている。
「聞こえた息の量からして、一人だと思うけど……」
僕はそっと静かにカーテンを開いて、中に入った。
予想通り、誘惑美女がベッドで眠っていた。
ただし彼女は今まで学校ステージで会った女子高生たちとはおもむきが異なる。
なにせ彼女は、
「……大人だ」
僕が学校ステージで初めて出会う、オトナの女だったからだ。
* * *
優しげな雰囲気が印象的な、眼鏡をかけた美女だ。
落ち着きのある顔立ちに、腰まで届く金の長髪。たわわに熟れた胸が呼吸のたびに上下して艶めかしい。形の良い尻からすらりと伸びた脚の脚線はとても綺麗で、彼女がオトナの女性であることに説得力を持たせていた。
未熟な少年がひと目見ればときめかずにいられない、そんな大人のお姉さん的な色香が彼女にはあって――
「って、ん? あれ?」
ちょっと待て、と僕はいったん判断をとどまらせた。
雰囲気に流されかけていたが、冷静に見ると彼女の格好はおかしい。
寝ているのに眼鏡を外してない、という点は些事として見逃すとしても、彼女の着ている服については奇っ怪すぎて見逃せない。
「なんでこの人、競泳水着を着たまま寝ているんだ!?」
白を基調とし、ピンクの模様があるハイレグタイプの競泳水着。乳房の豊かさと太股の肉つきが隠れようもなく際立っている。湿気のある布材が強調するボディラインに、思わず僕は蠱惑的な衝動が脳裏をよぎって――
「ッ……!」
ブンブン! と僕は首をふって邪心を追い払う。
それにしても、彼女が競泳水着で寝ている理由はなんだろう。
僕は思考を巡らせ、わずかに漂う塩素の香りから仮説を立てた。
おそらく彼女は校内プールで泳いで疲れていたのだろう。加えて保健室の暖かい室温に、ベッドまで存在するとなると。眠気が爆発する条件は揃っていると僕は見た。
あるいは単に着替えるのを忘れたドジっ子か。
名前は思い出せないが、僕は昔のラブコメ漫画に金髪眼鏡ドジっ子巨乳教師という属性てんこ盛りなキャラがいたのを思い出した。
それにちなんで、今後彼女のことはドジっ子教師と勝手に呼ぼう。
……一瞬、彼女の眉がハの字を描く困り眉になった。かわいい。
「ん?」
ドジっ子教師がわずかに寝返りを打った瞬間、ふと違和感を抱く。
金髪の中にまぎれて、なにか光ったような。
「あっ。鍵だ……!」