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Manga dialogue-only text/過去の因縁と相対する話2

青(Blue)=咲(saki) 赤(red)=桜那(ouna) 紫(purple)=テイ(tei)

桜那:…ん?誰か来る予定なんてあったかしら…空いてるから入ってきて大丈夫よ

咲?:こんにちは。桜那さん

桜那:…何の用?

咲?:この前解読をお願いされた書物なんですが、少々不備がありまして…

咲?:なので追加の資料を……え?

桜那:下手な演技はやめなさい。それで騙せるなんて思ってないでしょ?

咲?:はあ…

テイ:勿論。こんなので騙される君じゃないもんねぇ。でもさぁ

テイ:拘束はどうかと思うよ?一応身体は本物(あの子の)なんだからさ。

桜那:何されるかわからないからね。怪我したなら治療すればいいし。…それで一体何の用?

テイ:さあ、何だと思う?当ててみなよ。僕のことよーく知ってる桜那さんならさ。

桜那:(術をするような魔力の動きは感じない…ただ私を煽りたいだけ?)

桜那:それに、咲ちゃんの魔力もちゃんと感じる。無理矢理抑えてるような様子もない。でも何かしら、少し違和感があるような……

桜那:あんた何か持ってるわね。出しなさい。

テイ:この拘束を解いてくれたら…と思ったけど、いいよ。抵抗しないから自由に探しなよ。

桜那:何これ…腕輪?みたところ悪い気はないし、テイの魔力も感じない……何でこんな物を。


桜那:(それにこの感覚は…)

桜那:━━え

桜那:っあ…!(何…?急に力が……抜け…て…)

テイ:ふふっ上手くいって嬉しいよ。

桜那:あんた…何で動いて

テイ:あれ?わからないの?今君、上手く力が出せないでしょ?

テイ:これはね、触れた者の力を奪う腕輪なんだよ。さっきまで僕を縛ってた君の能力も、これに奪われたって訳。

桜那:じゃああんたは何でその腕輪に触れてんのよ…!それにはあんたの力は感じなかった…!寧ろ…

テイ:この子の力を感じた…でしょ?

テイ:ねぇ…桜那さん。僕たちが持ってる能力の特性は当然知ってるよね?能力は所有者を守り、害を与えることができない。それは能力で生み出した物も同様だ。

桜那:…つまり

テイ:そうだよ

テイ:これは咲の能力で生み出した物。所有者を守る能力の特性は、この身体の中で眠っている彼女を守るために今『僕』に適応されている。

テイ:ありがとう桜那さん。君がちゃんと警戒してくれたお陰で、僕の目的が果たせる。

桜那:うっ…あぁ…!(力が…抜けていく…!)ぐっ…

テイ:あははっ立つこともできないんだ?

桜那:ここまでして何が目的なのよ…!

テイ:これ

テイ:ずーっと気になってた。今の君はどうしてそんな姿なのかって。だから記憶を見る為に君を無力化した。これなら魔術に対する抵抗もできないし、都合がいいと思ってね。

テイ:さあ、今の君を僕に全部教えてよ。

テイ:へぇ…その姿の持ち主、君が殺したんだ。まぁ肉体がない君は、そうやって成り代わるしかないもんね。

桜那:違う…

テイ:ふーん、違うの?じゃあ教えてくれる?君の言葉(本心)でさ。

桜那:(ダメ…抗え…な…)う、あ

桜那:……私が殺した。私が殺して、この姿が私の姿になった…

桜那:…っ!!

テイ:あははっそうなんだ。僕はただキミに『聞いた』だけ。やっぱり何にも変わってないねぇ。恩師もその手で殺してさ。自覚しなよ。正義を語っていても、君の根本は変わらない。そうやって力を奮うことしかできないんだよ。

テイ:ほら、こうやって。力を制限されただけで、君は目の前の僕にすら手が出せない。

桜那:ぐっ…(動けない…)

テイ:あれ〜?まだ強がるんだ?今の君にそんなの無意味なのに。じゃあこれはどうかな?

桜那:待って、そこは…!

テイ:へぇ…なるほど。これがこの体の魂の出入り口か。

桜那:(こいつ…私の記憶を見て…)そこに触れても、私を追い出すことはできないわよ…

テイ:そんなことしないよ。ただ確認したかっただけ。それと、ここに僕の魔力を流したらどうなるかなって。

桜那:!?

桜那:っああ!!(こいつの魔力が…流れてくる…!)

テイ:君にとっては苦しいだろうね?だって君は元々僕の魔力で成り立ってたんだから。君は僕の魔力を受け入れてしまう。

テイ:いいんだよ?そのまま全部受け入れちゃっても。抵抗をやめれば苦しまずに済むんだから。ほら、信念なんてくだらないと思わない?正義とか何もかも全部諦めてさ

テイ:大人しく僕の人形に戻りなよ。

桜那:(あれ…私…どうなって…戻る…?人形に……?そうだ…私は元々……)

?:君が正しい人で在りたいと望むなら

?:私と友達で居てくれた貴方だから

?:きみは…

桜那:━━━

桜那:……嫌よ。

テイ:は?

桜那:確かに私には正義を語る資格なんてない。力を奪われたらあんたに抵抗すらできない。正義に縋って強がってるだけかもしれない。だけど

桜那:私に人としての名前をくれた人がいる。私に夢と体を託してくれた人がいる。こんな私に『生きろ』と託してくれた人がいる。

桜那:だからあんたの人形なんて絶対嫌。私は正義として、『桜那』として生きるの。貰ってばかりの存在だからこそ、あんた一人の言葉で私は絶対折れたりなんかしない!

テイ:君の心には…またあの死神が生きてるんだ。じゃあその記憶を消してあげるよ。そうすれば無くなるよね?君を培ってる物も君自身もさ!

テイ:本当にくだらない…感情や信念なんて記憶を書き換えれば変わってしまう、不完全なものでしかないのに。

桜那:……テイ?

テイ:くっ……時間切れだ。咲が目覚めてしまった。

桜那:え?

テイ:目的自体は済んでるし…僕は戻るよ。

桜那:ちょ、まっ待ちなさい!せめてこの腕輪外していきなさいよ!力出ないしまともに動けないし!

テイ:あ…あぁ

テイ:それは咲の意識が戻れば直に消滅する。元々そういう約束だからね……

桜那:約束…?あんた、咲ちゃんに対してはなんか律儀よね。あの子を利用してるんじゃないの?

テイ:利用…ね。人形に対してならそうするかもね。君とか…いや、彼女以外の全てにならね。

テイ:僕はこの子が欲しいだけ、僕のモノにして幸せにしてあげたいだけ。それだけだよ。聞きたいことは終わりかな?じゃあ僕はもう行くよ。

桜那:テイ。

テイ:何…?まだ何か…

桜那:あんたが本当に咲ちゃんを利用してなくても、私の時とは違う意図でも

桜那:あんたのやり方は絶対に間違ってる。だから絶対、あんたから咲ちゃんを救ってみせる。

テイ:本当に君の正義は、どこまでも独りよがりでしかない。



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