リリス様に捧げる経験値は稼げた。
はやく戻ってご褒美を貰おう!
俺は心を踊らせながら村へと戻るのだった。
村に戻った俺は宿に戻ると、裏の井戸で汗を流し、武器などを解除して全裸になった。
冷水で身を清めたのだが、これからリリス様に会えると思うと、その後のことを想像して股間のものは大きくなっていた。
宿には客などいない。
いや、この村自体が俺がどんな姿をしていても気にすることがないのは知っていた。
なので、俺は奴隷としての姿である裸のままリリス様のもとへと行く。
宿に入れば、どこにリリス様がいるかわからないので、四つん這いだ。
埃1つない床を這いながら、食堂へと向かう。
キィ。
半開きの扉を身体で押し開けると、ソファで揺れる脚が見えた。
見間違えるはずがない。
ほっそりとしたリリス様のおみ足だ。
俺は四つん這いのまま、できるだけ急いでリリス様の足元へと向かう。
「おかえり、はやかったわね」
リリス様は俺に気づくと、しゃがみこみ、髪を撫でてくれた。
しゃがみんで身体が近くなったせいか、リリス様の甘い香りがより感じられて鼓動がはやくなる。
「リリス様にはやく会いたくて頑張りました!」
「そうなの? 嬉しいわね。でも、ちゃんと経験値は稼げてる?」
「勿論です!」
経験値を搾り取る時に得られる快感がほしくて俺は生きているのだ。
貢ぐための経験値がないなんてありえない。
「なら、いいわ。でも、ただ搾り取るだけも味気ないし、お前は見所があるから、そろそろ本格的な調教を進めてみようかしら?」
「本格的な調教……ですか?」
「そうよ? 勿論、受けるでしょう?」
疑問系だが、拒否は許さないと強い意思の込められた口調だ。
まぁ、俺が断ることはないので、そのまま大きく頷いた。
「はい! よろしくお願いします!」
リリス様は俺の反応に満足したらしく立ち上がって笑顔を浮かべていた。
◆
「では、今日からは本格的な調教を始めるわ」
「本格的な調教と言うのはどのようなものなのでしょうか? これまでとは違うものなのですよね?」
「そうよ。この私を崇拝し、私のためだけに生きている。私のために死ねる。本物の奴隷にね」
「私はリリス様の奴隷です」
「知ってるわ。でも、まだお前が私の奴隷でいたいのは、快楽のためが大きいわよね? そうじゃないの、本当に心の底から私に服従し、私に飼われていることが幸せ、見返りも求めないように躾るのよ」
リリス様は首輪をはめて笑い、
「ついてきなさい、犬」
「わ、わん!」
犬と呼ばれた瞬間、俺は人の言葉を喋ることを禁じられる。
話していいのは、犬語だけだ。
ぐいっ、とリードが引っ張られ、首輪が首に食い込んだ。
そのまま廊下を這うようにして歩く。
廊下を歩いていくと、段々薄暗い場所へと入っていき、緩やかなスロープになっていた。
……地下室。
木造とは違う石の壁に変わり、どこか重苦しく、じめっとした空気を感じる。
不安になる俺をリリス様は無視して、リードを引っ張りながら歩いていく。
しばらくすると、重厚な鉄の扉が見えてきた。
見るからに禍々しい雰囲気を醸し出している。
なんなんだここは?
宿にこんな設備があることがありえない。
戦慄する俺にリリス様は楽しげに笑いかけ、
「あけるわよ」
ギィ、と重い金属音と共に扉が開く。
そこにあったのは……。
石造りの部屋には鞭や焼き印、磔台や鎖など様々な拷問器具が並んでいた。
「ここに来たのは久しぶりよ。だって、殆どの奴隷は私のお気に入りになる前に死んじゃったからね」
リリス様に経験値を搾取された冒険者は森で魔物に負けたと言うことなのだろう。
「さぁ、光栄に思いなさい。この部屋で調教受けれるのは私のお気に入りになった奴隷だけよ」
「わ、わん!」
部屋の異様さに気圧されながらも、リリス様のお気に入りになれたことが誇らしかった。
「うふ、ほら、人間の言葉をしゃべっていいわよ? そして、調教前のご挨拶を私にしなさい」
「はい」
「はい? 違うわよ。お前は私の奴隷なのよ? 最底辺の下等生物としての自覚をなさい。私に返事をする時はかしこまりました、よ」
「かしこまりました、リリス様」
「うふ、よく言えました。指摘されずに様をつけられたのは偉いわよ。お前が返事をする時は語尾に必ず、リリス様をつけるの。私への隷属の意味を込めてね」
「かしこまりました、リリス様。ありがとうございます」
「何がありがとうございます、なの?」
「至らぬ私に奴隷としての言葉遣いを教えていただき、誠にありがとうございます、リリス様」
「あはは! わかってるじゃない! そうよ! お前が私に口をきくときは必要以上にへりくだって奴隷らしい言葉遣い心がけなさい🖤」
「かしこまりました、リリス様」
自分と言う存在とリリス様との格差を思い知らされる。
人間の言葉を許されても、話していい言葉は自分を自ら貶める発言ばかりなのだ。
這いつくばる俺は惨めさに心を切り裂かれる。
「ほら、ご挨拶なさい🖤 へりくだり、惨めな奴隷らしくね」
挨拶の仕方なんてわからない。
でも、今までリリス様にしてきた格好が奴隷らしい挨拶だと思う。
俺は両手をつき、リリス様の足元に土下座した。
正座し、頭を下げると、磨かれたリリス様のヒールと床だけが見えた。
今、リリス様はどんな表情で俺を見下ろしているのだろう。
軽蔑?
愉悦?
優越?
どんな顔なのか見上げたい。
そんな考えのせいか、土下座が気に入らなかったのか、リリス様の不機嫌な声が俺を叱咤した。
「それが土下座? 両手は頭の前でちゃんと揃えなさい」
「あ、ありがとうございます、リリス様」
俺は身体を縮こまらせ、土下座の姿勢を正す。
だが、リリス様はまだ許さなかった。
「まだダメよ。頭が床についてないわ。顔全体を床に擦り付けるのよ。こうやってね」
ドカッ!
「ふぐぅ!」
リリス様に思い切り頭を踏みつけられる。
顔が床にめり込み、息をするのも難しい。
全裸に首輪をはめられ、人間としての尊厳など欠片もない姿を晒し、土下座した挙げ句に頭を踏まれる。
惨めで堪らないのに、リリス様が俺の頭を踏みつけていると思うとチ◯コは硬く大きくなってしまう。
「いい眺めね。首輪をつけて、私の足元に這いつくばって頭を踏まれて、抵抗もできずにそれを受け入れる……。無様で惨めで奴隷にぴったりだわ」
ぐり、ぐり、とリリス様が葦を動かすたびに石床に押し当てられた顔が擦れて痛い。
「あ、ありがとうございます、リリス様」
「ほら、私に土下座して頭を踏まれるのはどんな気分なのかしら?」
「リリス様との立場を自覚でき、惨めでとても興奮しております、リリス様」
「あは! 惨めで興奮するなんて、お前は本当に変態ね! 」
リリス様が笑うだけで食いこんだヒールが頭を抉り、刺すような痛みを与えている。
「変態のお前は今から調教されるのを妄想して発情してるのよね?」
「はい……勃起しております。リリス様」
「あはは! 土下座するだけで勃起するなんて、本当に惨めな奴隷だわ」
リリス様はそう言ってさらに頭を踏みつける。
踏まれる側と踏みつける側、這いつくばる側と見下ろす側、へりくだる側と蔑む側、その全てがいやと言うほど、俺がどれほど下等な存在か感じさせる。
「さ、奴隷の姿勢を教えたところで、調教のお願いをしてみなさい」
挨拶……。
リリス様に支配されてから、俺は自ら調教の挨拶をしたことはなかった。
足を舐めさせられるのも、床にされるのも、命令されてで、お願いしたことはない。
俺は土下座しながら、なんとか言葉を考える。
「調教お願いします、リリス様」
「調教お願いします? それが奴隷の言葉遣いとでも?」
ミシィ!
「がっ!」
リリス様の足に力が入り、俺はさらに床に顔がめり込む。
「ご調教お願いいたしますでしょう!」
「も、申し訳ありません! リリス様 ! ご調教お願いいたします、リリス様!」
「それで終わり? 足りないわよ? 形容が……。お前は奴隷なのよ? もっとへりくだってお願いしなさい」
「か、かしこまりました、リリス様」
俺はもう一度頭を捻り、リリス様の機嫌を損ねないように言葉を選ぶ。
「リリス様、本日は下等で愚かで惨めなマゾ奴隷である私めに調教を施していただき誠にありがとうございます。リリス様の貴重なお時間を割いていただき光栄の極みです。リリス様好みの奴隷として相応しくなれる様、誠心誠意お仕えいたします、リリス様」
「あは! いいわよ! そこまで自分を貶められるなんて、やっぱりお前にはマゾの素質があるわ! いいわよ、私好みの奴隷に調教してあげるわ」
リリス様の体重がさらに頭に乗る。
これはご褒美なのだろう。
これがご褒美だとは思うと、痛みも嬉しく感じられた。
「では、ご挨拶もできたところで調教を始めましょう」
そう言ってリリス様は俺の頭から足をどけると、
「ヒールを舐めなさい」
黒く輝くヒールを突き出して命令する。
「ありがとうございます、リリス様」
俺は土下座したままリリス様のヒールに顔を近づけて舌を伸ばした。
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ。
「あは! よくできました。そのまましばらくヒールを舐めてなさい」
リリス様の綺麗な脚を舐めるという背徳感に身体が熱くなる。
リリス様の命令通り、しばらくの間、俺はリリス様の脚を舐め続けた。
「ふぅ、もういいわ」
俺が舐めたことで濡れたリリス様の靴裏が目の前にある。
それは、今まで見たこともないくらい美しいものだった。
俺は我慢できずに、その汚れ一つない靴底に口づけをする。
チュッ。
その様子を見ていたリリス様は堪えきれないように吹き出し、
「あはは! そんなに私の靴が気に入ったのかしら?」
「はい、リリス様」
「じゃあ、今日は一日履きっぱなしにしてあげる。明日はさぞ強烈な匂いでしょうけど、お前にはご褒美よね? ありがたく思いなさい」
「ありがとうございます、リリス様」
俺は土下座して頭を擦り付ける。
明日嗅がされるリリス様の足の匂いを想像すると、鈴口から透明な汁が溢れてしまう。
リリス様は俺の頭を撫でながら優しく言った。
「そんなに舌奉仕が好きならもっといい所を舐めさせてあげるわ。口を濯いでまた土下座しなさい」
「かしこまりました、リリス様」
俺はリリス様の命令通り、口を綺麗に洗い、再び土下座した。
次のリリス様からの命令を心待にしながら……。