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異無
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スパイ拷問 臭気責め



 私の名前は巴。

 

 この世に女性として生を受けた勝ち組だ。

 

 ん? なんで、女性なだけで勝ち組なのかって?

 

 それは、か~んたん♪

 

 だって、男ってのは劣等種、欠陥品であり、全ての女性に奉仕するために生かされているだけの存在なんだよ?

 

 だから、この女尊帝国でも男は漏れなく牡として私達女性にひれ伏すの。

 

 でも、欠陥品だけあって、この牡達はたまに反抗的な連中もでてくるの。

 

 この収容所はそんな反抗的な牡達を躾る施設なんだけど、今回はなんと、私達の秘密を探ろうとしたスパイを捕まえたんだ~♪

 

 今回のは牡ってだけでなく、痛覚を遮断しているからどんな痛みにも耐えちゃうんだって。

 

 だから、今回はこの施設で特別な拷問にかけることになったらしい。

 

 女性がどれほど偉い存在なのかを、徹底的にわからせるために……ね♪

 

 ◆

 

 コツコツコツ……。

 

 ヒールを響かせて歩く私は一枚の扉の前に立っていた。

 

「さ~て、今日もお仕事開始しますか~」

 

 楽しい楽しいお仕事の時間だよ♪

 

 私は頬がにやけるのを注意しながら、扉を開く。

 

 プシュ、と圧縮された空気が漏れる音とともに扉が開き、中へと私を招き入れた。

 

「くそっ! 離せ! それか殺せ! 俺は何も話さないぞ!」

 

 キンキンと喚く少年が壁に固定されているいたに拘束されている。

 

 X字の拘束台に両手両足を拘束され、身動きもとれないのにずいぶん強気ね。

 

 普通は、この状況と壁や棚にある拷問器具に恐怖して脅えるものなのに。

 

 この少年は我々女尊帝国へテロ行為を企てる反逆者――テロリストの一人だった。

 

 調べによれば、牡の強制施設の壁を爆発して彼らを解放するのを企てているらしい。

 

 欠陥品の反逆など許してはならない。

 

 徹底的に叩き潰さなければならない。

 

 私は使命感を胸に少年を見つめた。

 

 しっかりと鍛えられた身体とまだ幼さが残っていて、勝ち気な猫目など飼ったらなかなか楽しそうだ。

 

 あの目を崇拝と服従で潤ませて……。

 

 あ、いけない、いけない。

 

 今は仕事中だったわ。

 

「フフ、その減らず口がいつまでもつか試してあげるわよ?」

 

 私は手始めに壁にかけてある一本鞭を握った。

 

 よく手入れさせてある鞭が明かりを受けて黒く妖しい輝きを放つ。

 

 フフ、いつ握っても素敵よね。

 

 この鞭の手入れも牡の役目だ。

 

 仲間を自分を拷問する道具を自ら手入れさせられるのはさぞ屈辱よね?

 

 可愛げがあればバラ鞭からはじめてもよかったが、ちょっと生意気な態度だから、はじめから強めで痛めつけてあげましょう。

 

 私なりの優しさだよ?

 

 はやく自分の立場がわかるように……ってね♪

 

「ふん、そんなので俺は絶対口を割らないぞ」


「ふ~ん、弱い犬ほどそうやって鳴くのよね~。じゃ、君がこれを受けてどんな声で囀ずるのか聞かせてもらうね♪」

  

 私は手始めに鞭を牡の脇腹めがけて振るった。

 

 ヒョ!

 

 バチィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!

 

 空を裂く音に遅れて、耳に心地よい音と鞭から掌にじんわりと肉を打つ感触が伝わってきた。

 

 フフフ、気持ちいいわ~。

 

 この感触はいつやっても素敵よね。

 

「………………」

 

 でも、足りない。

 

 何が足りないのかは簡単だった。

 

「へぇ~君ってば本当に痛覚が遮断されてるのね~」

 

 ヒョ!

 

 バチィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!

 

 手首を返し、斜め下張上げられた鞭が少年の脇腹を打ち上げ、脇腹なら胸にかけて左右に刻まれた鞭痕がXの痕を真っ赤に刻んだ。

 

 普通なら激痛に悶えるはずなのに少年は不快げな顔になっただけでうめき声一つあげない。

 

「はっ、こんな拷問通じるか」

 

 ここに搬送された時に聞いた情報通りね。

 

「悲鳴がないと鞭はつまらないわ~」

 

 抵抗できず、泣き叫び、命乞いするのを好き放題打ちすえる。

 

 生かすも殺すも私の手の中に握りしめる、あの支配感と征服感が堪らないのだが、この少年は痛みでは折れない。

 

 でもね……。

 

「痛覚を遮断してれば、私達の拷問が通じない……なんて考えるのは浅はかね。所詮は、牡の浅知恵だわ」

 

 私は鞭を床に放り投げた。

 

 使用済みの道具は施設で飼育している牡奴隷が綺麗にするので、こうして床に捨てておけばいいから便利よね~。

 

「はっ、諦めたか? ならとっとと俺を解放しろ」

 

「それはないわよ。君が解放されるか、殺されるのかはパスワードと君のお仲間の情報をしゃべった後だからね♪」

 

 ビィーーー。

 

 今度はガムテープを取り出して少年の口に貼り付けた。

 

「んぐっ!?」

 

「フフフ、話したくなったら壁を三回叩きなさい。そうしたら、口呼吸を許してあげるわ」

 

「んんんんんんんんぐ!」

 

 憎悪の眼差しで呻く少年だが、わざわざ聞くまでもないわね。

 

 どうせ、牡の耳障りな呪詛の類いでしょうし。

 

 痛覚がないせいでこんな目にあうのよ?

 

 浅知恵を働かせたことを後悔させてあげるわ♪ 

 

「フフフ、これで鼻でしか呼吸できないわね~♪ さ~て、痛みがない君はこういう責めは通じるのかしら?」

 

 私は片方の靴を脱いだ。

 

 踵の部分に触れた瞬間、靴の中で熱された湿った空気が触れて不快感が指先に走るが、すぐに残虐な嗜虐心へと塗り変わった。

 

 この履き古した熱気を放つヒールも牡達にとっては凶悪な拷問器具になるのよね。

 

 だから、足の手入れはさせてもブーツやヒールの中は牡奴隷に手入れさせない。

 

 だってお手入れさせたら『臭い』が薄まっちゃうもの♪

 

「くっさ~い。自分のヒールながら堪らないわね。ほんと、納豆なんて目じゃない発酵した臭いだわ~」

 

 離れていても漂う悪臭に、私はわざとらしくヒールを揺らしながら呟き、

 

「フフ、痛覚は遮断できても嗅覚はどうかしらね?」

 

 私は口元を緩めながら、ヒールを拘束した牡の顔――鼻に被せた。

 

「もがっ! ごふっ! げぇふっ!」

 

 吸った瞬間、牡は激しく身体を揺らして噎せた。

 

「フフ、どうやら嗅覚は遮断できてなかったのね。ざ~んねんでした♪」

 

「むー! もがぅ! うっぷ!」

 

 私は牡が顔を背けられない様に乱暴にヒールを押しあて、顔中にヒールで熟成した空気を吸い込ませる。

 

「もがぅ! もがぅ! もぐっ!」

 

 アハ、アハハ!

 

 これよ! これっ!

 

 こうやって私の手で牡が苦しむのはいつみても気分がいい。

 

 悶え苦しみ、涙を浮かべて必死に臭いから逃れようとするちっぽけな牡の運命は私の手にあるのだ。

 

 下等な粗悪品が私達、女性に逆らおうなどと身の程知らずなのよね。

 

「フフフ、そんな苦しいのかしら? いいわよ~、もっと苦しみなさい!」

 

 ぎゅぅぅぅぅ!

 

 汗が染み込み、足型がくっきり残っているほど汚れた中敷きを顔に押し付けて私は笑った。

 

 爪先の中で残った蒸れ蒸れの空気が牡の鼻の中に強制的に流れ込んでいく。

 

「ごっ! おごっ! ごはっ! おぇぇぇぇぇ!」

 

 あら、臭すぎて痙攣し出したわね。

 

 フフフ、涙も流して惨めだわ。

 

 鼻水も出てきたわね~。

 

 このままだと、窒息しちゃうかな?

 

 まだまだ楽しませて貰わないとね~。

 

 それにあまり嗅がせ過ぎると本当に死んじゃうかもしれないし。

 

 私達拷問官は色々な薬品も扱う。

 

 特に私が好むのが無味無臭の毒で気化したそれを長時間吸い続けると衰弱死してしまうものだった。

 

 あれを拷問で処刑する牡には足に吹きつけて嗅がすのが最高なのよね~。

 

 くっさいくっさい足の臭いで悶え苦しんだ牡の顔は最高に笑えるから!

 

 今日はまだ使ってないけど、長年履き込んだヒールに、それが残ってる可能性もあるのよね。

 

 最近拷問した牡がやけに弱るのがはやいから。

 

 まぁ、それがどうしたって話だけど!

 

 でき損ないの牡がどうなっても私には関係ないしね♪

 

 ビリィ。

 

 私は痙攣しだした牡からヒールをはずし、ガムテープを乱暴に剥がした。

 

「がはっ! ごほっ! ごほっ! ごほぅ!!」

 

 思い切り噎せた牡は恨めしげに私を睨んできた。

 

 …………まだ足りないみたいね。

 

 もっと苦しめてあげるわ。

 

「ほら、鼻水で息ができないと困るわよ~」

 

「こぉあぐば!」

 

 綿棒を手に取ると私は牡の鼻に突っ込むと鼻水を脱ぐいとってやった。

 

 ズボッ!

 

「うぎぃぃ!」

 

「あら? 痛かった? あ、痛覚はないから痛くはないわね? ンフフフ」

 

「やべっほっ!」

 

「豚みたいな声で呻いてもわからないわよ! 豚!」

 

 グリグリグリ。

 

 綿棒で鼻をかき回されて牡は目を白黒させている。

 

 へぇ~なんか面白いわね。

 

 でも、やりすぎて鼻血がでから汚いし、やめておきますかね。

 

「ふぎぃ! ぴきぃ!」

 

「ほら、パスワードを話す気になったかしら?」

 

「だ、べがぁ!」

 

「そう……なら、拷問再開ね♪」

 

 私は笑いながらガムテープをとり、再び牡の口を塞いでやる。

 

 バカな牡ね。

 

 痛みを感じなくても拷問する方法なんかいくらでもあるのに!

 

 ビィ!

 

「んんんんん!」

 

「フフフ、パスワードを言いたくなったら、いつでも言ってね。あ、今はしゃべれないんだったわね~♪ 次に口で呼吸できる時には話しくれると嬉しいな♪ そうしたら、続き……考えてあげるわよ?」

 

 小バカにしながら、私は今度は先ほど嗅がせていたのとは逆のヒールを脱いだ。

 

 さっきよりももっと時間がたったからさらに蒸れてるわね……。

 

 フフフ、今度はどんな反応するのかな?

 

 私の毒ガス臭気で今度こそ死んじゃうかな?

 

 牡の絶望的な未来を想像して笑うと、私はヒールを再び牡の顔を被せるのだった。

 

 

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