(20) 「こっちのサンドレスはどう? 涼しげな水色の花柄で、裾はフリルで、肩のところがキャミソールになってて、可愛いわよ」 「う……うん……あの、母さん……」 「なぁに? あ、それともこっちの、ギンガムチェックの方が良いかしら?」 「いや、そうじゃなくて……」 帰宅後のリビング。女子小学生の制服(半袖)に着替えたところでぼくは母さんに呼ばれて、一緒に夏物の通販カタログ――子供服カタログの、女児服のページを見ていた。 「あの、あとでリストを出すから、できれば一人で見たいんだけど……」 「えー、いいじゃない。一緒に可愛いお洋服、選びましょう。裕ちゃんが可愛い格好をしてるの、ママもすっかり気に入っちゃった。なんだか若返ったみたいな気分で」 「う……それもそれでどうかと思うんだけど……」 ぼやきつつも、けっきょく断り切れずに一緒に見ることになる。もともとは、カタログを見て飼ってもらうことを想像しながらオナニーするための行為だったのに、まさか親公認どころか、一緒に見ることになるなんて。さすがにオナニーはできないけど、おちんちんはさっきからスカートの下で勃ちっぱなしだ。 「じゃあこの花柄のキャミワンピで決まりね。次は――夏物のトップスとスカパン、可愛いじゃない。ブルー系とピンク系があるけど、どっちがいい?」 「え、ええと……じゃあ、さっきのは水色だったし、ピンク系で――」 なんて話しながら、ぼくは結局、どんどん女児服を選んでいった。 水色花柄の、キャミワンピ。 ピンク系のトップス三枚組と、スカパン二枚組。 大きなリボンがついた、ギンガムチェックのヒール付きサンダル。 帰省の時に着るような、ちょっとしたおめかし風のブラウスと、フリルスカパン。 ショーツやキャミソール、ソックスも、制服ではなく私服向けに、ピンクや赤系の色柄もの――イチゴやサクランボなどのフルーツ柄や、ハート柄、リボン柄のものをそろえた。 さらにカタログ終盤のとあるページで、母さんは指を止めてぼくを見る。 「せっかくだから、これも買ってみる?」 「う……で、でも、買っても、着る場所なんて……」 「いいじゃない。うちで普段着にしてもいいし、エクササイズゲームをするときに着てもいいし――なんなら、バレエ教室にでも通ってみる? もちろん、女の子のコースで」 「じょ、冗談……!」 ぼくはそのページの服――女の子用のレオタードに目が釘付けになりながら、そう答えるのが精いっぱいだった。 ピンク。水色。黄色。いずれもスカートがついていて、キャミタイプだったり、パフスリーブだったり、レースがついていたり、大きなリボンがプリントされていたり――股間を含めて体にぴったりとするこんな服を着ることを考えると、 「こ、こんなの、スク水以上に恥ずかしいって……!」 「ふぅん。でも、恥ずかしいほうが好きなんでしょ、裕一?」 「えっ……あ、あの、母さん、もしかして……」 不穏な言葉に、思わず股間を押さえながら青くなって訊き返すと、 「ふふっ、大丈夫よ。自分の部屋でこっそりしてる分には、母さん、何も言わないから。さ、それじゃあどれがいい? 一番かわいくて、一番恥ずかしくて――一番ドキドキする服を選びましょうね?」 「う……うん……」 けっきょく淡い黄色のレオタード――肩の部分がフリルになっていて、ところどころに花レースがあしらわれているレオタードを買うことになってしまった。しかも、「毎日一回、これを着てエクササイズゲームをプレイする」という約束付きで。 もしかしたら、最終的にはバレエ教室に通わされたりするんだろうか――そんな想像をするだけで、また勃起が硬くなって、今すぐに部屋に戻ってオナニーしたくてたまらなくなる。 でもまだだ。最後に大物が残っている。 それは―― 「ふふっ、おまたせ。やっぱり夏と言えばこれよね」 母さんがそう言ってめくりあげたページに並んでいるのは、子供向けの水着の数々。 それも男子用はごく一部で、大半は女の子用の、カラフルな水着で―― 「さぁ、好きなのを選んでいいわよ。せっかくだから一度くらいは、お外で泳ぎに行きたいわよね。この夏は久しぶりに、家族で海にでも行きたいわ。パパに相談して――あ、源太くんも誘う?」 女児用水着ページをぼくに着せることを想像してうきうきという母さんに、ぼくは思わず顔を引きつらせるのだった。 「はぁー……」 女児服カタログをすべて見終わって、ぼくはぐったりと机に伏す。可愛い女児服を見ながら、それを着ることを考えるとドキドキしっぱなしだったんだけど、母さんにあれこれ言われて想像をさらに刺激されるのと、オナニーができないもどかしさに、すっかり疲労困憊だ。 でもこれでやっと終わり。早く二階に上がってオナニーしようと思っていると、 「ちょっと待って、裕一。まだ終わってないわよ?」 「え、ま、まだ?」 「ええ」 驚くぼくに、母さんはティーンズ向けのカタログを取り出して、 「制服。ふふっ、せっかくだから、セーラー服以外もそろえて、女子高生っぽくなっちゃいましょう? カラフルにブラウスにリボン、ミニ丈のチェックプリーツスカート――裕ちゃん、こういうのも好きでしょ?」 見透かしたようなその言葉に、ぼくは引きつった顔で肯くことしかできなかったのだった。 (続く)