(1) ぼくの家では、服を買うときは通販会社を利用している。 それも母さんが筋金入りの機械音痴なので、インターネットを利用した方法ではない。昔ながらに、通販カタログに同封されたハガキに商品番号を記入して、通販会社に送るのだ。ぼくの服もとうぜんそのやりかたで、ぼくは通販カタログ――もう中学生なのに、渡されるのは、いまだにキッズ向けとティーンズ向けなんだけど――を渡されて、欲しいものの商品番号のリストを作り、母さんがそれをハガキに書き込むのである。 正直そろそろキッズ向けの服では恥ずかしいし(外着はほとんどずっと中学の制服だ)、ティーンズ向けカタログはそもそも女子用の服しか載っていないので、最近ではこっそり父さんのメンズカタログを借りて記入しているんだけど、いい加減このやり方からは卒業したい。自分で買うから、服代も含めたお小遣い制にして欲しいと交渉しているところだった。 まぁ――ちょっとしたメリットも、ないではないんだけど。 中学三年の、春。 その日の夜、ぼくは通販カタログを見ながら、メモ用紙に商品番号を記入していた。 見ているのは、キッズ用の春カタログ。 それも、小学生向けの学校制服のページだった。 上は長袖と半袖の、男子用シャツに、女子用ブラウス。下は男子用パンツと、女子用の吊りスカート。 そしてぼくが記入しているのは――女子用の長袖ブラウスと、吊りスカートの商品番号だった。サイズ記号は「150」、数量もブラウスだけ「3」としっかり書いてある。 「はぁっ、はぁっ……」 荒い息をついたぼくの左手が、自然と股間に伸びる。 パジャマの中で猛る雄の証を握りしめてこすると、快感のさきがけが脳天に突き抜けて、体が電流を浴びたようにビクンと跳ねた。 「はぁーっ、はぁーっ……つ、次は、他のも……」 ページをめくり、続いて見えたのは体操着系。上は、襟ぐりと袖口にエンジのラインが入った丸首体操着シャツ。下はハーフパンツやショートパンツと並び、いまだに掲載されているのが不思議な骨董品――ブルマーの商品番号を記入する。右手だけだと、ちょっと書きづらい。 「ぼくが、ブルマーを、穿いて――」 想像した瞬間、おちんちんの中を何かが通り抜ける感覚があった。もちろんおしっこではない。いわゆる我慢汁だろう。パンツを汚さないよう、急いでパジャマズボンの中から取り出すと、早くも包皮が剥けそうなほどに勃起したものがそそり立った。 「はぁっ、はぁっ……」 それを左手でつかみながら、右手でさらにページをめくる。 今度はソックスだ。白と紺のシンプルなソックスの中で、女の子らしいデザインの刺繍入りハイソックスが目を引く。中から紺色のものを選んで番号を記入すると、早くもぼくは、女子小学生の制服一式を着せられたかのような気分に陥って、左手に握ったおちんちんは痛いほどに激しく脈打ちはじめた。 このままでも、射精できてしまいそうなほどだったけど―― 「ま、まだ、まだ……!」 ぼくは数枚分をめくり、目的のページにたどり着く。 そこに並んでいるのは、紺と白ばかりの先ほどとはうって変わって、パステルカラーに満ちた商品。女の子用の、下着コーナーだ。 インゴムショーツ。キャミソール。タンクトップ。 花柄、ドット柄、お姫様プリントに動物プリントと、可愛らしい柄物に思わず目が行くけど、いまのぼくは制服女子小学生の気分だ。ブラウスの上からでも目立ちにくい、肩紐とリボンだけに色がついたシンプルなキャミソールと、セットのインゴムショーツ3枚組を記入する。 「……とりあえず、これで、じゅうぶんかな」 ぼくはペンを置いてつぶやくと、改めてリストを見返す。 丸襟の長袖ブラウスが3枚。 紺の吊りスカート。 エンジの体操服シャツ2枚組。 同色の、ブルマー2枚組。 刺繡入りの、紺のハイソックス。 そしてシンプルな、白のキャミソールと、インゴムショーツ3枚組。 これだけあれば、女子小学生になりきるには困らないだろう。もちろん外に出るにはシューズも必要だし、完全になりきるには、ランドセルや通学帽子、名札などの小物も必要だろうけど、いまは必要ない。 なにしろこれは、買ってもらう服のためのリストではない。 女子用のスクール制服に、女児用下着――これらを買ってもらって着せられることを妄想し、オナニーするためのメモだ。 「はぁっ、はぁーっ……」 準備は整った。 ぼくはリストを見つめ、今まで見てきた女子小学生制服の一式とブルマーを思い起こしながら――改めてゆっくりと、今度は両手を使って、股間の怒張をしごき始めたのだった。 まさか一週間後、あんなことになるとは思いもよらず、ぼくは女装の妄想で絶頂を迎えた。 (続く)
Vardei
2021-12-18 19:18:57 +0000 UTC