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連載小説「女装強要妄想ノート」(44)

4月4週目 「女装で駅前に連れ出される」(下)   (4) 「な……何でそんなところに、フリルが……!? そんなデザイン、見たことない……」  正面から見て選んだパンツのお尻側に、フリルがついていることに驚く真弓。 「ふふっ、実はこれ、本当はトドラー向けの商品だったんです。でも、ちょっと前に本社で『これからは可愛いデザインで、もっと大きい商品を展開していこう』との方針が決まりまして、試しに140サイズもご用意しているんです。ほら、あっちにも同じデザインのがあるでしょう?」  少し離れた場所にある商品を指さす店員。確かにそこには同じデザインの、ただしサイズは90から110センチの商品が並んでいた。 「そんな……じゃあそれ、ほんとは、幼稚園児とかの……!」  絶句する真弓。 「さ、真弓。次は、トップスも選びましょうか。うーん、このパンツに合わせるなら、ブラウスよりもトレーナーの方がいいかしらね」 「あれなんていいんじゃない?」  亜弓が指さしたのは、隣の棚に平置きされていたトレーナーだ。色はオフホワイトで、丸首の襟ぐりと、肩にギャザーが入った長袖の袖口にレースがあしらわれ、胸元にピンクの刺繍でブランドロゴが入っただけのトレーナー。  こちらもシンプルと見せかけて、背中側には大きくスリットが入り、そこからフリルが覗いているという、パンツとよく似たデザインになっていた。 「うん、ぴったりね。それじゃ真弓、さっそく着替えていらっしゃい」  お尻にフリルのついた水色の肩ひも付きパンツ。背中側にフリルがあしらわれた丸首トレーナー。  二着を手渡されて、 「こ、これを、オレが――」  真弓は目を白黒させながら口ごもる。  いくらパンツとはいえ女児服を、それも家の外で家族以外の人に見られながら切ることに、改めて恥ずかしさが湧き上がり、今すぐやめたい気持ちでいっぱいになる。しかし、 「いやならそのままの格好で駅前を歩いて、おうちに帰ることになるけどいい?」 「うっ……」  高校の男子制服にツインテール――あまりにもちぐはぐな格好で人目を集めるよりは、ずっとマシだろう。先ほどそう判断したからこそ、こうして大人しく女児服売り場についてきたのだ。 「き、着替え、ます……」  真弓は絞り出すように言って、店員に試着室へと案内してもらうのだった。  カーテンが閉まってようやく一人きりになった真弓は、ほんの少し安堵する――が、改めて鏡に映るツインテール男子高校生の姿に、 (オレ、こんな格好で外を歩いてたんだ) (確かにこれに比べたら、いっそ女児服の方が、ずっとましかもしれない) (でも……やっぱり、恥ずかしいよ……!)  ブレザーを脱ぎ、ネクタイを外し、ズボンを脱ぎ、シャツを脱ぎ――その下から現れたのは、女児向けアニメのキャミソールとショーツ、レースのついたソックス。こうなるとツインテールのおかげもあって、女児にしか見えない。  ただ一点――ショーツの前方に張り出したテントを除いては。 「う……これ、パンツの上からでも勃起が見えちゃうんじゃ……?」  不安になりながらも、しかしいまここで性処理するわけにもいかない。真弓はまずトレーナーを着て、襟ぐりや袖口にあしらわれたレースに心をくすぐられつつ、いよいよパンツに取り掛かる。  パンツといっても男物と違い、ファスナーがついているのは左側。しかもその肩紐や裾、さらにお尻側にフリルがついているのだから、「パンツなら男物と大差ないだろう」などとはとても言えない恥ずかしさだった。 (いっそスカートの方がましだったんじゃ……? い、いや、それもそれで恥ずかしいし、何よりもう、替えられないんだから……)  肩紐を落として足を通し、腰まで引き上げ――真弓はそこでさらに、男物のズボンとの違いを思い知る。 (これ、ピッチピチになっちゃう……!)  はるかに細身で、ぴったりと脚に密着する着心地。普段はどんなに細身のものを選んでもだぼだぼになってしまう彼には、脚のラインを際立たせるデザインのパンツなど、全く未知の穿き心地だった。 「うっ……」  なるべく余計なことは考えないようにして、まずはファスナーを閉じ、フリルのついた肩紐をかける。前側は垂直、後ろ側は交差するようなデザインだ。  真弓は鏡に向かい、改めて自分の姿を確認する。 「こ、これでよし……でも……」  一見シンプルな、白いトレーナーと、水色のパンツのコーディネート。しかし胸元やウエストに女児服ブランドのロゴが入っていたり、あちこちにフリルやレースがあしらわれていたり、なによりお尻にフリルがついていたりと、よく見れば女の子らしい要素がたっぷり入っている。 (確かにノートには、女児服でお出かけさせられるって書いたことがあるし、その想像で抜いたりもしてたけど――じっさいにこうして女児服を着て、外を歩くなんて恥ずかしすぎるよ……!) (で、でも……恥ずかしすぎるせいで、チンコは、目立たなくなってくれた、かな……?)  パンツの前方に先ほどまで浮かんでいたシルエットは、よく注意しなければわからない程度に収まっている。 「あとはなるべく女の子のふりをしていれば、目立たなくて済むはず……それもそれで恥ずかしいけど……」  ツインテールに女児服と、女児シューズ――すっかり女の子になってしまった自分の姿に決意を固めて、真弓は試着室を出るのだった。   (続く)


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