「あたしの彼氏はベビーガール」(13)
Added 2020-09-12 10:56:50 +0000 UTC(13) 「んっ、あ、はぁっ……」 じわじわ、じわじわと、流し込んだインクが水の色を変えていくように、歩実の顔に官能と恥辱と苦悶の表情が広がってゆく。 エプロンドレスの下から覗いているブルマーに、外見的には何の変化もない。しかしあたしには、おそらく美弥子さんにも、その中で何が起こっているかは手に取るようにわかっていた。 たっぷりとあてたおむつの中に、体の中から少しずつ、おしっこが漏れているのだ。下半身にまといつく濡れた熱は、本来であれば恥辱でしかない「失敗」の温度。しかし子供用のスプリング遊具に跨りながらオムツの中にお漏らしする恥ずかしさに、歩実は口元を抑えて必死に声を噛み殺しながら、その恥辱にこそ感じ続けている。 「ん、う……!」 口元を押さえるが、いったん漏れ出した甘い声は、おしっこと同じくらい止めることができない。 実時間にして30秒ほど――短くもあり、永劫にも感じられるほどの時間ののち、歩実はようやくすべて出し切ったかのように脱力し、息をついた。 「はぁーっ、はぁーっ……」 「くすっ、ちゃんとおもらしできたのね。えらいわよ、歩実ちゃん」 あたしは荒い息をつく彼を正面から抱きしめると、その頭をよしよしと撫でた。 歩実の体が一瞬、羞恥にビクッとこわばりかけるが、すぐに力を抜いて撫でられるに任せる。うんうん、可愛いわよ、歩実ちゃん。まだ恥じらいが残っているところも含めて、ね。 けれど――恥じらいながらも、彼自身が変態的なプレイを求めていることを、あたしはちゃんと知っていた。たった今濡らしたばかりのそのおむつの中で、おのが欲望をこわばらせていることも。 「さ、せっかくお馬さんに乗ってるんだから、このままユラユラしてあそぼっか」 「う……うん……」 歩実は赤い顔でうなずき、遊具の前方についている持ち手を握ると、体を前後に譲り始めた。とうぜん遊具の背におむつを押し付けるような形になり、その中で勃起しているものが圧迫されつつこすられる。 「んっ、う、あ……!」 歩実の表情がまたしても、甘美な苦痛の色を帯び始めた。口からよだれとともに、再び甘い喘ぎ声が漏れて、 「はぁっ、あ、あ、らめっ、おちんちん、気持ちいっ、あっ……!」 たちまち叫び声が上がった、次の瞬間。 彼の腰はガクガクと震え、お馬さんの動きも小刻みになり――そしてがくんと、脱力する。 女装撮影、着替え、そしてひそかな観客の存在とで高まった昂奮。おもらしという最後の一押しで限界を突破し、それ単体で見れば取るに足りない、スプリング遊具の刺激ですら射精に至ってしまったのだ。 「はっ、はぁーっ、はぁーっ……」 「くすっ、お馬さん、とっても気持ちよかったみたいね。黄色いちっちに、白いちっちまで出しちゃうなんて」 「はぁっ……う、うん、気持ち、よかった……」 歩実は恍惚とした表情でうなずく。立て続けのおもらしと射精で、すっかり理性が鈍磨してしまっているらしい。 ああ、そんな顔をすると――また、いじめたくなっちゃう。 「さて、それじゃ――おむつ交換、しましょっか」 「えっ――ま、まさか、ここで……!?」 あたしの言葉を聞いて、またしても顔を引きつらせる。その顔が見たかったとはいえ、ちょっぴり胸を痛めていると、 「ふふ、さすがに今のはブラフだから安心していいわよ、歩実くん」 ネタバラシしたのは美弥子さんだった。 歩実は露骨にほっとしたあと、顔を真っ赤にしてほっぺたを膨らませる。 「も、もう、ママのいじわる……!」 「ごめんごめん。歩実ちゃんが可愛いから、ついつい意地悪したくなるのよ」 また頭を撫でてあげて、 「じゃ、いっぱいお写真も撮ったから、お店のほうに戻ろっか。おむつかぶれになるといけないから、また『かぐや姫』の二階で、おむつ交換させてもらいましょ。美弥子さん、大丈夫ですよね?」 「ええ、問題ないわよ」 美弥子さんがうなずき――かくしてあたしたちは、「かぐや姫」に戻るのだった。 * 「じゃ、ごゆっくりどうぞ」 店番に戻った美弥子さんに見送られて、あたしと歩実は階段をのぼり、「かぐや姫」の2階へと上がっていった。 細長い廊下に、数字のプレートがかかった個室のドアが並んでいる。その光景は、さっき入ったカラオケルームのようだった。 「ええと、1号室は……あ、一番奥のほうね」 あたしは歩実の手を引いて、「1号室」のプレートがかかった部屋のドアを開けた。 個室の広さも、まさに狭いカラオケルームと大差ない。違いとしては、奥に小さな窓がついていること。そして――内装がパステルなピンク色で、まるで託児所か幼稚園、あるいはベビールームのようになっていることだった。 「さぁ、歩実ちゃん」 部屋の中に歩実を連れ込んで、あたしはにっこりと笑う。 「歩実ちゃんがいっぱい濡らしたおむつ、ママが取り替えてあげるわね」 (続く)