「おむつぐみ」(48)
Added 2020-04-04 11:43:19 +0000 UTC「ふふっ――じゃあ先生が、和実ちゃんのお願い、聞いてあげる」 言うが早いか、貴子はおむつを手前にどかす。 外気に触れた下半身が一気に冷たくなると同時、内側に溜まっていた蒸気がムワッと立ちのぼり、少し前から漂っていたアンモニア臭と精液臭が一気に強くなって、和実は思わず鼻面にしわを寄せる。 しかし貴子は慣れた様子で、 「うんうん、やっぱり体の大きい子は、おしっこの量も段違いね。こんなにいっぱい。ザーメン――じゃなくて、白いちっちもたくさん出てるじゃない。あんなに口では嫌がってたくせに、『おむつ組』の制服がまんざらでもないのかな?」 「そ、それは、生理的な反応で――」 「ほんとうかしら。こんなにピクピクして、まるで事後みたいじゃない」 「うっ……」 「いくら制服やおむつに昂奮しても、幼稚園の子たちの前でおちんちんを大きくしないように気をつけなさいね。園では『お姉ちゃん』達にも、おむつを取り替えてもらうことになるんだから」 「そ――そんなこと言われても……!」 「昂奮するのは止められない? あらあら、困った赤ちゃんねぇ。ま、いいわ。その点に関しては、先生にも考えがあるから。代わりにちゃんと、先生の言うことを聞くのよ?」 「う……はい……」 (絶対ろくでもないこと考えてるに決まってる……!) 大人しくうなずきながらも、不安でいっぱいになる和実であった。 貴子はくすくす笑い、先ほど壁にかけた和実の通園バッグを開けて、中から必要なものを取りだす。 お尻ふきと、ベビーパウダー。 替えの布おむつと、布おむつカバー。 汚れた布おむつを入れるための、ビニール袋。 「ふふっ、ちゃんと持ってきたみたいね。これからも通園バッグの中には、ちゃんとおもらしできたときのために一式を入れて通園するのよ。いい?」 「は、はい……」 和実は真っ赤になってうなずく。 (「ちゃんとおもらしできた」って、あんまりにもおかしいけど――でもそれが「おむつ組」として生活するってことなんだ……) 「さーて、それじゃあおちんちんの周り、ふきふきしてあげるわね」 そう言って、貴子は特に指示も求めず下半身を拭いてゆく。 おむつ交換されるのも、もはや4度目。とはいえ貴子に拭かれるのは初めてで、恥ずかしさに変わりはない。せめての救いは、彼女が(さきほどまでとぼけていたのとは裏腹に)ずいぶん慣れた様子であることくらいだろうか。下半身を拭き、お尻を持ち上げさせて拭きつつ、その下のおむつとおむつカバーをどかしてビニール袋に入れ、新しいものを敷きなおす。 乾いたおむつにお尻を下ろし、和実が思わず息をつくと、 「ふふっ、ふかふかおむつ、気持ちいい?」 「う……はい……」 「そんなにいやそうな顔をしなくてもいいでしょ? 新しいおむつが気持ちいいのは、当然なんだもの。もっと素直に、ふかふかおむつを楽しんでもいいのよ」 「そんなこと言われても、楽しめるわけが……」 「まったく、素直じゃないわね。それとも、おもらしおむつのほうが好きなの?」 「ち、違います! その、それより早く、おむつを――」 和実は一瞬、自ら懇願することに躊躇して口ごもるが、貴子がにやにや笑っているのを見て観念する。 「その――は、早く、おむつを、当ててください……!」 「ふふっ、いいわよ。ただし、和実ちゃんがこう言ってくれたらね。『和実の大好きなおむつを当てて下さい」――って』 「だ、大好きって……そんなこと……でも……」 さらに上がるハードル。しかしこの期に及んでは、俎板の鯉ならぬ交換台の赤ちゃんだ。恥ずかしさに泣きたくなるのをこらえて、 「う……せ、先生、お願いしまう……和実の、だ、大……好きな、おむつを、当てて、ください……!」 「ふふっ、ふふふっ――お願いされたら、しょうがないわね。大好きなおむつを当てて欲しくて仕方ない和実ちゃんのお願い、聞いてあげるとしましょうか」 「うう……もう、それでいいですから……」 和実は真っ赤になって横を向く。 その様子に、貴子は舌なめずりするように笑って――しかしそれ以上は余計なことは言わず、ベビーパウダーをはたき、脱がせたときの逆再生でボタンを留めてゆく。 ブルマーのスナップボタンまで完了すると、 「これでおしまい。立って、自分で整えてちょうだい」 「は、はい。ありがとうございました……」 和実はお礼を言って、交換台の上から立ち上がり、ブルマーの太腿回りやリボンを整える。恥ずかしくはあったが、いろいろな意味で腰が軽くなり、 (ちょっとすっきりした――って、そんなこと考えてたらいけないけど……) ふるふると首を振り、余計な考えを吹き飛ばそうとする和実。 するとその頭に、貴子の手がポンと載せられた。 「せ、先生……?」 「そうそう、忘れてたわ。ちゃんとおもらしできて、偉いわよ、和実ちゃん」 貴子はそう言って、今までの嗜虐的な態度が嘘のように優しい顔で微笑み、和実の頭を撫でる。 和実は辱められた時よりもいっそう赤くなって、 「え、偉いって……おもらしするのが……?」 「ええ。それが『おむつ組』の園児のカリキュラムだもの。ちゃんとできたら、いっぱい褒めてあげないとね。えらいえらい」 「そんな……そんなこと、言われても……!」 真っ赤な顔で唇を噛む和実。 しかしその心の中で、奇妙な感情が疼き始めるのを止めることはできなかった。 (続く)