SS「おむつぐみ」(2)
Added 2020-01-27 10:57:54 +0000 UTC「き、着ないとダメ……?」 「もちろんよ。制服だけじゃなくて、おむつもちゃんと当てられるかどうか確認しないとね」 「で、でもっ……」 「カズミ。もう高校生なんだから、しゃんとしなさい」 母親は厳しい声で、 「もとはといえばあんたが入学式におもらししたのがいけないんだから」 「そうだけど……おもらししたら附属幼稚園の特別クラス行きだなんて校則、聞いてないよ……」 「決まりなんだから仕方ないでしょう? それに、今まで一度も使われたことがない校則らしいじゃない。まぁ、他にもおもらしした子はいたんでしょうけど、入学式でやっちゃったら、学校も見ないふりはできないってことでしょうね」 「うう……」 「さぁ、諦めて脱ぎなさい。それともお母さんに脱がされたい?」 「ぬ、脱ぎます……」 和実は情けない声で、シャツを脱ぎ、ズボンを脱ぎ―― 「下着も脱がないとダメ……?」 「ダメよ。というか、ちょっと待ってなさい。必要なものを取ってくるから、脱いでなさい」 母親はそう言って、リビングを出てゆく。 和実は困惑しながらも、母親がいなくなったことに安堵して下着を脱ぐ。素裸でリビングにいるのは落ち着かなかったが、目の前の「制服」――ズボンどころかスカートですらない、ベビー服も同然のブルマーを見ているといっそう落ち着かない。 (着るだけでも恥ずかしいのに……ほとんど一年間、この制服で外に出て、しかも毎日幼稚園に通うなんて、正気じゃないよ……!) 入学式のあとで職員室に呼び出され、そこで聞いたこともないような「校則」と、自身の今後について説明されたときのことを、和実は昨日のことのように思い出す。 陸奥学園高等部校則。 学校内で失禁した生徒は、当該年度中は附属幼稚園の特別クラスに編入される――。 もはやだれも覚えていないような校則のせいで、彼は高校生から急転直下、二つ飛ばしで幼稚園、それも年少組より下の最下級生まで落とされてしまったのだった。 その名も、「おむつ組」。 クラスなどは附属幼稚園年少組に編入されるものの、扱いとしては年少組のさらに下。それを知らしめるかのように、ベビー服のような特別な制服で通わなければならないのだ。 しかも、服装だけではなく―― (ううっ、考えない、考えない!) (はぁ……それもこれも全部自分のせいなんだけど……ううっ、本当なら高校生活を謳歌してるはずなのに、幼稚園児に逆戻りなんて……) (しかもおむつ着用ってことは、毎日こうやって裸になって、お母さんにおむつを当ててもらわないといけないんだよね……せめて一人でできるようにならないと……) かろうじて両手で股間を隠しつつ、恥ずかしさと情けなさとみじめさに、捨て犬のように打ち震えていると、 「お待たせ、ちゃんと脱いでるわね」 母親が戻ってくる。小脇にレジャーシートをはさみ、手にはお湯を張った洗面器とシェービングクリーム、そしてT字型のカミソリが握られていて、 「お、お母さん、まさかそれって、毛を――!」 「あら、察しがいいわね。そうよ、陰毛を剃っちゃうの。おむつを当てるならちゃんと剃らないとと、かぶれちゃうでしょう?」 「そうだけど……そうだけどっ……!」 「あなたね、お母さん相手にそんなに恥ずかしがってたら、これからやってられないわよ。ほら、シートを敷くから、そこに寝転がりなさい」 「う……は、はい……」 リビングの床に敷かれたシートに、和実はお尻を下ろす。最後の抵抗でまたぐらを隠した両手も、 「ほら、手もどかして、脚を開きなさい」 「はい……」 命令に逆らえず取り除けて、背後の床についてバランスを取る。 母親はシェービングクリームを泡立てながら、息子の息子をちらりと見て、 「高校生にしては薄いわね。でも、やっぱり綺麗にしたほうが衛生的だから、ちゃんと剃っちゃいましょう」 そう言って、泡を陰部に塗り込み始めた。 「んぅっ……!」 「ちょっと、変な声を出さないで。くすぐったいのくらい、我慢しなさい」 「そ、そんなこと言われても……!」 母親相手とはいえ、他人に陰部を触られるくすぐったさに、自分でいじる時とは全く違うむずがゆさに襲われる。深呼吸を繰り返して気を落ちつけていると、 「じゃ、動かないでね」 そう言った瞬間、母親はカミソリを下腹部にあてがい、竿の根元に向けて滑らせた。 「ひっ――」 ジョリジョリという音とともに、芝生のように生えていた陰毛――少年の成長のあかしが刈り取られてゆく。小学校高学年ごろから徐々に生え始め、薄いながらも高校に上がるまでそれなりの長さに生えてきたものをそり落とされると、髪を切り落とされたサムソンさながら、無力感と脱力感に襲われる。 (あの、つるつるのおちんちんに逆戻りしちゃう――!) しかし陰部のすぐそばで剃刀を動かされていては、うかつに抵抗することもできない。目を見開いて硬直している間にも、竿の根元付近や陰嚢、その下に生えている体毛まで、綺麗に剃りあげられてしまった。 「はぁっ、はぁっ……」 「おちんちん周りはこれでいいわね。それじゃ――今度は四つん這いになって、お尻を見せなさい」 (続く)