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フルフル娘の生態

「……お腹空いた……」  薄暗いじめじめとした洞窟内で白い装束を纏った少女は呟いた。丸い尻尾、白い肌、フルフルと呼ばれる飛竜娘の一種だ。名前はフルル、彼女は空腹だった。朝ごはんにケルビを捕食したのだがその程度では彼女の旺盛な食欲を満たせなかった。 「………?」  視力が非常に悪い彼女の代わりに発達した嗅覚が獲物の臭いを捉えた。ふと、下を覗き込むとそこには人間がいた。  嗅いだことのある、あらゆるモンスターの入り交じった臭い。この臭いは彼女はよく知っている。彼女の好物の臭い。 「………ハンターさんだ………」 経験の浅い新米のハンターなのか覚束ない足取り、恐る恐ると言った様子で歩いている。 「………採取……しにきたのかな」 じゅるり…… フルルの唇の端から唾液が垂れる。 しゅうう……地面に落ちた時そんな音を立てた。じっくりと忍び寄っていく。 「………私のうんち探ってる………」  昨日、確か排泄した所だ。ぼやりとした視界に若い男の子のハンターが映る。 採取を終えたのか、水溜まりで手を拭いていた。  彼の真上に移動する。 「………………」  口をがばぁと大きく開け体内で電気を溜める。そして、次の瞬間、 「……僕一人で探索なんて……」  数日前にハンターになったばかりの少年は一人呟いた。腰には片手剣と盾に手をおっかなびっくりと言った様子で握る。 一緒にきた他のハンターは、ベースキャンプで待機している。クエストに慣れさせる為、リーダーの出した指示だ。クエスト内容は、採集の為特に危険な飛竜も出ないらしい。 「……ここに飛竜娘は出ないらしいし……」  ランポスやギアノスくらいなら彼でも倒せる自信があった。それを自信と呼べるかは分からないが。 「ん……?」  ふと、彼の目に入ったのは茶色い物体。異臭を放つそれは飛竜の糞だった。 「あ、飛竜の糞だ」  彼の好きな畑には最適の肥料だ。 「採取しとこ」  少し臭うが仕方ない。さほど時間は経っていないのか、まだ温かい。素材用の袋に詰めて、ポーチに入れる。 『飛竜の糞を手に入れた』 『謎の骨を手に入れた』 「……この骨ってもしかして……」 未消化の大きな骨。劣化は激しく、なんの骨かは分からない。  嫌な想像がかすめる。首を振って、嫌な想像を払う。きっと動物の骨だ。 ぽた……ぽた…… 「……あつっ!?」  何か唐突に粘り気の強い熱い液体が滴り落ちてきた。見るとじわじわと触れた部分が溶けてきている。 「な、なに?」  次に見たのは、大きな口を開けて迫る巨大な女の子の顔だった。  バチバチと空気の焦げる臭い。それを感じた時は既に手遅れだった。 「………ぎっ!!?」 全身を駆け抜ける衝撃と共に彼の身体は指先一つ動かせなくなる。 「………っ!!」 声すら、舌が痺れて話せない。そんな新米ハンターの目に映ったのは巨大な白い少女。丸い尻尾に、白い羽根、そして電撃。本でしか見たことのない。飛竜娘……フルフルがそこにいた。 (やだ………僕、どうなるの!?) 指先一つ動かせない少年にフルフルはゆっくりと近づく。ペタペタという不気味な音が迫る。フルフルの顔が迫る。あどけない可愛いらしい顔をしていたが、その口からは唾液が大量に溢れて、少年に降りかかる。その酸性の唾液で脆い鎧兜はあっさり溶けていく。 「…………た………け……て」 必死に声を出そうとするが、それは無駄な足掻きだった。少年は自分がどうなるか、分かった。 フルフルは、電撃で痺れさせた獲物を、 「…………あーん ……」 丸呑みにするのだ。涎に溢れた口内。喉の奥まで見えるほど開かれた口を少年は見ることしか出来なかった。 「………や、だ………」 ばくんっ! 「……あぐ……」  上半身を銜え込む。そしてそのまま天井に攫った。無抵抗の獲物の味に普段無表情のフルルの顔が緩む。 ……ず、ずちゅ、ずちゅ……ずるずる  ゆっくり、ゆっくりと口内に引きずり込んでいくフルル。もう膝の辺りまで引きずりこまれた新米ハンターはそれでも抵抗出来ない。 ず、ず……ずるんっ  口内に一気に吸い込んだ。ブーツの片足がフルルの唇にひっかかり脱げて、虚しく口内から落ちた。 「……た、たすけ! あ、……ついあ……ついぃ!」 麻痺が溶けたのかようやく悲鳴を上げたが、殆どフルルが口を閉じているためくぐもった声でしかない。 「………んむ……おいし」  口内でしばらく味わう。全身を舐めて、新米ハンターの味を楽しむ。まだ若い男の子の為、舌触りは柔らかくとてもおいしい。やがて舌が下半身に触れると、びくんと跳ねる。 「………………ん~♪」 そこは味はまた、違う感触でフルルの好みだった。 「…………んっ」 舌に感じる苦味。射精してしまったようだ。 ぐううぅ~ フルルのお腹が再び鳴り、獲物を要求する。そして、充分味わったフルルは舌を持ち上げて、 「……あ、ぅ!」 全身を唾液で滑り、ざらりとした感触が襲う。ようやく身体が動き始めるが、もう既にフルフルの口内。舌が彼の身体を蹂躙され、皮膚がヒリヒリ傷み始める。 「…………ぅ」 恐怖と同時に、柔らかい舌は心地よく、温かい口内が快感に誘う。 「………ひぅ!」 舌が胯間に触れ、びくんと跳ねる。その反応が面白いのか、執拗に責められる。 「………ぅぅあ!」 びゅくびゅく………! 肉棒から、精液が溢れる。ぐちゅぐちゅと再び混ぜ合わされる。 (モンスターの口の中でイっちゃうなんて……) もはや、彼はハンターではなく、フルフルの獲物に過ぎなかった。 舌が持ち上がり、ずるずると喉に引きずり込まれていく。 (あ…………ヤダァ!) ごくんっ! 「ん……ぐ……ごくんっ」  必死に叫ぶハンターを嘲笑うかのように、フルルは喉を動かした。  ぐぐぅ……  喉の中をハンターが落ちていく。今まで何度も味わった感触だが、やはりたまらない。 「……………ん」  ハンターが胃に収まったのか、お腹がぐるるぅと鳴る。 「………ごちそうさま……」 「あ……あああ」  肉壁に包まれながら落ちていく少年。やがて少し広い場所に到達した。 絶えず蠢き不気味な光沢を放つピンク色の肉壁。ねばねばした液体が徐々に染みだして来ている。 「………お腹の、中……!」 胃液のつんとした、臭いが鼻を刺す。 「ひぃ!?」 その一滴が少年の肩にかかる。唾液よりも酸性の強い胃液は、皮膚がどろりと溶ける。 「いやだ……いやだいやだいやだいやだー!!」 半狂乱になりながら片手剣で肉壁を斬ろうとする。 ぼよん…… だが、彼の持つ片手剣では傷一つつけられず、ただただ柔らかな弾力で弾かれるだけだ。 ぐるるるる~ 「うわ!?」 大きな振動に耐えられず、少年は尻餅をついた。 じゅううー 「!!??」 胃液が溜まっていたのか激痛が走る。悲鳴が狭い胃の中で響くが、肉の壁に阻まれ外には届かない。 ぐぅぅう~ぎゅるるる……  振動は酷くなり、四方から肉壁が迫る。そこからは大量の胃液が噴出していた。 「ぎゃああああぁぁ!!? 助けて!!助けてぇえ!!!」  生身の身体に大量の胃液がかかる。全身を襲う激痛に悶える。しかし、フルルの胃は容赦なく、獲物を消化しようと蠢く。 「……う、うああ………」 傷みが薄れ始める。全身の感覚がほとんど無くなる。ふと、先程の飛竜の糞を思いだした。あの骨はやっぱり、食べられたハンターの……… (僕も………あの娘のうんちに………やだ、そんな………の) そんな少年の願い空しく、消化はさらに活発になる。 悲鳴はやがて小さくなり、そして聞こえなくなり、後にはぐちゅぐちゅと、少年だったもの更に溶かす音がするだけだった。 ぐぅ……きゅるるる~ 「………動かなくなった……」  少年ハンターの抵抗を楽しんでいたフルルは少し残念そうな顔をして白いお腹をさすった。 「……ごちそうさま………けぷっ」 ぐぅうううう~~ 「……でも足りない……」  少年を消化中の胃袋がさらなる獲物を求め催促する。 「…………?」 フルルの鼻が再び、ハンターの臭いを捉える。じゅるりと涎が垂れた。


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